• 検索結果がありません。

地質環境調査評価技術分野の研究開発計画

ドキュメント内 (ページ 30-35)

本分野における研究開発では,処分地の選定や処分場の設計・性能評価の検討に必要となる地 質環境情報を取得するための調査機器や調査手法,あるいは得られたデータを用いて,地質環境特 性の空間的な分布や長期的な変化を推定し,モデル化するための解析・評価手法などを対象とする。

実際の処分場やその候補サイトにおける地質環境の調査や評価を如何に行うか,また,その結果を規 制としてどのように確認・評価するかについては,それぞれNUMOや安全規制関係機関が,サイトの状 況などを勘案しつつ,具体化していくことになる。国の基盤研究開発の役割は,それらが十分な技術的 信頼性をもって,円滑に行われるように,先行的に技術基盤を整備していくことである。

本全体計画の計画期間について,表5.1-1に示すように,フェーズ2以降の分類に基づきフェーズ2 及びフェーズ3の分類目標を設定して個別課題の展開を図った。双方のフェーズに分類レベルでの差 異はないものの,本分野の研究開発に関する次の様な各フェーズの段階目標を踏まえ,各分類単位 での目標を設定している。

○フェーズ2の段階目標:地上からの調査に関わる技術基盤の確立

○フェーズ3の段階目標:地下施設を活用した調査に関わる技術基盤の確立

更に,各フェーズの分類目標を達成するため,表5.1-2に示す細目設定を行い個別課題への具体 化を図っている。

なお,2つの深地層の研究施設計画を中心とした本分野における研究開発は,HLW の地層処分を 対象に実施しているものであるが,その成果は TRU の地層処分や使用済燃料の直接処分に関する研 究開発にも活用できる。

表5.1-1 地質環境調査評価技術分野における分類とフェーズ毎の分類目標

分類

(フェーズ 1)

分類

(フェーズ 2 以降) 分類目標(フェーズ 2) 分類目標(フェーズ 3)

(1)地質環境特性

(1)総合的な調査評価技術

地上からの調査技術の体系 化・信頼性確認

坑道掘削時の調査技術の体 系的整備

坑道掘削時の調査技術/地 下施設における調査技術の 体系化・信頼性確認

(2)地質環境特性調査評価 技術

地上からの調査/坑道掘削 時の調査に関わる個別技術 の改良・高度化

地下施設での調査に関わる 個別技術の改良・高度化

(2)地質環境の長期 安定性

(3)地質環境の長期安定性 調査評価技術

天然現象に関する調査技術 の体系化と長期予測・影響評 価手法の整備

天然現象に関する長期予測・

影響評価手法の高度化

(3)深地層の工学技術

の基礎の開発 (4)深地層における工学技術 地下施設の設計・施工・維持 管理技術の整備

地下施設の設計・施工・維持 管理技術の高度化

表5.1-2 地質環境調査評価技術分野における分類毎の細目構成

分類 細目(フェーズ2)

(1) 総 合 的 な 調 査評価技術

①多様な地質環境を対象とした調査評価技術

②特定の地質環境を対象とした調査評価技術

○結晶質岩 ○堆積岩 ○沿岸域

③地質環境の長期変動評価技術 (2) 地 質 環 境 特

性調査評価技 術

①地質・地質構造

②地下水流動特性

③地球化学特性

④物質移動特性

⑤岩盤の熱・力学特性 (3) 地 質 環 境 の

長期安定性調 査評価技術

①地震・断層活動

②火山・熱水活動

③隆起・侵食/気候・海水準変動 (4)深地層におけ

る工学技術

①結晶質岩

②堆積岩

分類 細目(フェーズ3)

(1) 総 合 的 な 調 査評価技術

①多様な地質環境を対象とした調査評価技術

②特定の地質環境を対象とした調査評価技術

○結晶質岩 ○堆積岩

③地質環境の長期変動評価技術 (2) 地 質 環 境 特

性調査評価技 術

①地質・地質構造

②地下水流動特性

③地球化学特性

④物質移動特性

⑤岩盤の熱・力学特性 (3) 地 質 環 境 の

長期安定性調 査評価技術

①地下施設における調査評価技術の開発 (4)深地層におけ

る工学技術

①結晶質岩

②堆積岩

(2) 研究開発内容

本全体計画の計画期間において,フェーズ2及びフェーズ3の課題として計画される研究開発内容 を分類毎に概括整理する。

①総合的な調査評価技術

フェーズ2以降の研究開発では,調査の実現性や技術の実用性が重要な視点となるため,次 の②や③において整備される技術や手法を組み合わせて,段階的にサイトの調査評価を進める ための体系的な方法論を確立し,その成立性を実証的に示していく。

具体的には,わが国の地質環境を代表する結晶質岩と堆積岩を対象とした2つの深地層の研 究施設等を活用して,これまでに開発・整備してきた地質環境の調査評価技術を現実の地質環 境に適用することを通じ,その信頼性や実用性を確認しつつ,地上からの調査や地下施設での調 査といった段階に応じた体系的な調査評価手法としての整備を行う。また,沿岸域(海岸線付近 の陸地から浅海域までを含む)についても同様に,次の②や③における個別の研究開発を統合し ながら,一連の技術としての体系化を目指していく。

2つの深地層の研究施設では,現在のJAEA第2期中期計画期間中(平成22年度~26年 度)において,深地層環境の深度

18

までの坑道掘削を伴う調査研究段階(第2段階)が進められ ておりこれを通じて,地上からの調査の妥当性確認を行うとともに,坑道掘削時の調査技術を蓄 積していくことが重要である。このような認識のもと,フェーズ2においては次のような細目構成で取 り組む。

○多様な地質環境を対象とした調査評価技術:

わが国の多様な地質環境を対象に網羅的・概括的な視点で調査評価技術の体系化・知識 化を進める(下記細目の成果等に基づく,サイト特性調査を支援するシステム(情報工学や エキスパートシステムなどを活用)の整備など)。

18

○特定の地質環境を対象とした調査評価技術:

特定の地質環境(結晶質岩,堆積岩,沿岸域)を対象とした調査や解析を通じて地質環境 を総合的に理解しつつ,調査評価技術の信頼性確認と体系的整備を進める。そのため,2つ の深地層の研究施設計画を着実に推進するとともに,地質環境調査の基盤となる年代測定 技術やボーリング技術の高度化及び沿岸域における塩淡境界,断層,海底湧水などに着目 した調査技術の整備を行う。

○地質環境の長期変動評価技術:

地質環境特性の時間的な変化や地質環境の超長期的な変化を評価するための体系的な 研究開発を進める(地質環境長期変動モデルや革新的分析技術などの要素技術の開発な ど)。

JAEA の深地層の研究施設では,上記の第2段階に並行して坑道を利用した調査研究段階 (第3段階)も開始されており,深地層環境の深度に水平坑道が展開されつつある。それらを活用 した本格的な調査研究を通じて,坑道掘削時の調査技術や坑道を利用した調査技術の体系化 と信頼性確認を進めていくことが重要である。このような認識のもと,フェーズ3においては次のよう な細目構成で取り組む。

○多様な地質環境を対象とした調査評価技術:

フェーズ2と同様に,わが国の多様な地質環境を対象に網羅的・概括的な視点で調査評価 技術の体系化・知識化を進める。

○特定の地質環境を対象とした調査評価技術:

深地層の研究施設における深地層環境の深度での調査研究を通して,物質移動や掘削影 響領域などにも着目しながら,坑道周辺(ニアフィールド領域)に焦点を当てた研究開発を行 い,処分場の設計・性能評価の観点から地質環境を総合的に評価するための手法の体系 的な整備を進める。

○地質環境の長期変動評価技術:

フェーズ2で開発した評価技術(地質環境長期変動モデルや革新的分析技術などの要素技 術の開発など)について,深地層の研究施設における調査研究によって得られた科学的知 見・データなどによって,建設・操業・閉鎖・閉鎖後長期といった時間スケールを考慮して,技 術の適用性や信頼性を確認し,高度化する。

②地質環境特性調査評価技術

物理探査技術やボーリング調査技術など,地質環境情報を取得するために活用できる既存の

技術や手法は多岐にわたり,それぞれの技術に応じて常に改良・高度化の余地がある。また,現

有の個別技術を組み合わせた複合技術や地質環境のモデル化を支援する技術としての開発要

素も残されている。国の基盤研究開発では,重要な地質環境情報を取得するために必要となる

技術・手法の網羅性と技術レベルを地層処分事業の進展を見据えて適宜確認しつつ,信頼性向

上の重要性や改良・高度化の効果の高い技術に焦点をあてて開発を進める。

ドキュメント内 (ページ 30-35)