の対応を中心に検討を進めた。一方で,考慮事項①,②ならびに③の一部は,ここで扱う技術的取組 の上位方針あるいは前提条件ともなる重要な事項ではあるが,それぞれの検討等は調整会議の枠外 で進められているものもあり,本全体計画の検討や取りまとめの段階において,具体的な計画あるいは 方針等としての提示がなされていないものもある。そのため,本全体計画には,これらへの対応を基本 方針等として加味はしていないが,後述の 1.4 節に示した本全体計画のマネジメント方策により,今後,
適時に対応を行う予定である。
考慮事項③,④ならびに⑤は,本全体計画の策定において対応を検討し,本全体計画の基本方針 として加味している。③及び④の考慮事項は,主に考慮事項⑤において,次の3つの取組の観点から 要約した国の審議会等からの指摘や提言等に包含される。
1) 体制強化を含めた継続的かつ着実な研究開発の実施に関する事項 2) 具体的な技術的取組(新たな取組等)への着手に関する事項 3) 実施体制に係るその他の事項と社会に向けた取組に関する事項
以下に,これらの指摘や提言等について,本全体計画の第3章以降の基本方針等として反映した 内容について整理する。
(1) 体制強化を含めた継続的かつ着実な研究開発の実施に関する対応 本事項に関しては,具体的には次のような指摘や提言等として示されている。
・ 国の基盤研究開発とNUMOの技術開発との位置付け・役割の違いの明確化。
・ 実施主体のリーダーシップのもとでの研究開発機関等との連携による研究開発や技術開発の
実施。
・
研究開発ロードマップの共有による研究開発の効果的・効率的な分担のあり方の探求。
・
研究開発全体の一元的な視点での進捗管理の実現(そのための体制強化を含む)。
上記のような指摘等はいずれも,地層処分に関する技術的信頼性の向上等に向けた研究開発等 の着実な実施を要求するものであるが,国の基盤研究開発とNUMOの技術開発あるいは規制支援研 究等のそれぞれが,研究開発ロードマップ等の共有等によって,より効果的・効率的に進められること を期待するものである。また,一部の指摘は,地層処分の事業実施技術としての整備に資する部分に おいて,国の基盤研究開発とNUMOの技術開発の関係について,相互の役割分担の明確化や相互 補完性の強化(課題の重複あるいは重要課題の抜け落ち等への懸念),更には,そこでのNUMOのリ ーダーシップの必要性を示している。
研究開発ロードマップ等の共有等による,より効果的・効率的な研究開発等の取組は,これまでの 調整会議の枠組みにおける情報共有等の活動によって具体化が図られてきたところであるが(参考資 料3参照),長期事業を見据えた事業実施技術の複雑さもあり,特に,国の基盤研究開発とNUMOの 技術開発の関係について,理解に向けた説明が十分にできていないこと等にも起因して,このような指 摘や懸念が示されたことも推察される。
以上のような指摘や懸念も踏まえ,次のような改善や新たな取組への着手といった方針を定め,本 全体計画において対応する取組を具体化している。
①国の基盤研究開発の位置付けを更に具体化し,国の審議会等のみならず国民への分かり易い 説明にも応える。地層処分の事業実施技術の整備に向けた研究開発等の実施意義や実施体制 等に理解を頂き,課題の重複あるいは重要課題の抜け落ちといった状況が生じないような体制や 相互の役割分担と相互連携のもとに,技術的な信頼性向上等に資する取組が着実に行われて いることを伝えることで,広く国民の信頼感の醸成にも資する。国の基盤研究開発の位置付け等 については,上記の視点も含めて,第3章で具体的に展開している。
②国の基盤研究開発とNUMOの技術開発の計画を相互補完的に策定し,両者の取組の重複排除 あるいは課題設定漏れの排除など,計画レベルでの更なる合理的・効果的な取組を実現する。
具体的には,平成25年度からの新たな取組として,国の基盤研究開発計画及びNUMOの技術 開発計画の双方の計画期間に歩調を合わせ(平成25年度からの5ヵ年計画),双方の計画策定 段階から調整会議での情報共有等により,相互の補完性や整合性を確保しつつ,一元的な視点 で双方の計画を策定する。このような取組において,本全体計画では下記視点から,詳細計画 への展開において分野構成の見直しを実施している。
・ 地層処分の事業実施技術としての整備に資する部分において,国の基盤研究開発とNUMO の技術開発の体系を整合させることで相互補完性を高める。
・ 複数の分野で協働して取り組む課題への対処の必要性について,外部有識者委員会からもそ
の必要性が指摘されており,例えば,東北地方太平洋沖地震以降,活断層の有無あるいは割
れ目帯の存在といった各論に対する議論に着目される傾向もあり,地層処分の安全性が個々
の各論ではなく,地質環境に応じた工学技術といった複合的な視点で安全性を確保することを 示すには,従来以上の分野間連携の取組が必要となる。
分野構成の見直しとともに,分野間の連携強化のため,必要に応じ,分野合同でのワーキング の開催や特定の議題について関連する人が各分野から集まり協議を行うなど柔軟に対応すること とし,研究開発全体を俯瞰しながら,分野間の調整や情報共有などを積極的に行っていく。また,
分野間の連携状況やシステム統合の検討状況などについて,外部有識者委員会による評価を 受けることにより,必要な見直しを行っていく。
以上の取組の結果については,後述の 1.4 節に示す本全体計画のマネジメントを経て,本文の 第5章等に反映される。
なお,外部有識者委員会からは上記の指摘に加えて,地層処分事業という多様な技術や取 組(処分サイトの受け入れのみならず社会に事業を受け入れもらうための取組を含む)が複合して 進められるトータルシステムとして捉えるなかで,何が重要で何が必要かという点を全体の絵姿を 示した上で,研究開発を含めた技術的取組を計画し,提示する必要性も指摘されている。これに ついては,地層処分の技術的信頼性を更に向上させるための取組とその成果の定期的な提示に よって,今後,全体像を示す中で重要課題等の明確化も図っていく。(次の(2)を参照)。
③新たに,使用済燃料の直接処分に関する「研究開発の実施」と「技術的取りまとめの実施」を計画 し,後者の技術的取りまとめをとおして,国の基盤研究開発の進捗や成果の一元管理を実現する。
この取組については,次の(2)において概説するとともに,本文の第6章で展開している。
(2) 具体的な技術的取組(新たな取組等)への着手に関する対応 本事項に関しては,具体的には次のような指摘や提言等として示されている。
・ 使用済燃料の直接処分に関する研究開発の着実な実施。
・ 最新知見等を反映(研究開発成果を反映)した地層処分技術レポートの定期的な取りまとめの 実施。
上記指摘の背景については 1.1 節でも述べたように,使用済燃料の直接処分に関する研究開発に 関して,東北地方太平洋沖地震の発生により,東京電力(株)福島第一原子力発電所の廃止措置に 伴う新たな放射性廃棄物への対応(破損燃料や燃料デブリ等の対策),更には,今後進められる新た なエネルギー政策及び原子力政策の検討において燃料サイクルのシナリオ選択に柔軟性を与える必 要性に基づくものである。また,最新知見等を反映した地層処分技術レポートの定期的な取りまとめの 必要性は,研究開発等を含めた地層処分の技術的な取組等に対する国による定期的なチェックと,
それらの取組に関する社会との共有の必要性を示唆するものである。
上記の指摘とその背景を踏まえれば,使用済燃料の直接処分に関する研究開発への速やかな着
手は予断を許すものではなく,具体的な取組及びそのための計画への展開が必要である。また,最新
知見等を反映した地層処分技術レポートの定期的な取りまとめの必要性は,平成24年9月の日本学
術会議の回答(長期にわたって安定した地層を確認することは現在の科学的知識と技術的能力では 限界があるとの認識に基づき,自律性のある科学者集団(認識共同体)による専門的な審議の場の創 設と,そのような場を通して広範な国民からの信頼を獲得すべきとしている)を踏まえて,原子力委員 会が平成24年12月の意見書で,その必要性を示したものである。この様な背景を踏まえれば,これら 指摘が示唆するものは,
1)地層処分の技術的信頼性を更に向上させるための取組とその成果の定期的な提示
2)その様な取組の成果を国民と共有するための取組(第三者評価等の国によるチェック等を含む)
の具体化である。既に1999年の第2次取りまとめによって,わが国でも地層処分が技術的に十分信 頼性をもって行えることが示されているが,それだけでは十分でなかったことを示唆するこのような指摘 も踏まえ,その後に得られた最新の知見等を反映した定期的な技術レポートの取りまとめと国民との共 有に向けた取組が必要であった。このような反復的な取組が,地層処分事業の全体像の提示とその 中での重要課題等の明確化を具体化させ,研究開発を含めた技術的取組へのフィードバックとして効 果的に反映されるのみならず,そのような取組を国民と共有することで,地層処分事業への信頼感の 醸成にも資することとなる。
以上のような指摘やその背景を踏まえ,これらの新たな取組への着手について,次のような方針を 定め,本全体計画において取組を具体化している。
①使用済燃料の直接処分については,実施体制等の法的整備がなされていない現況も踏まえ,国 のリーダーシップのもとで,「直接処分研究開発の実施」と「直接処分研究の技術的取りまとめの 実施」という2つの取組を進める。計画の具体化においては,ガラス固化体やTRU廃棄物の地層 処分の技術開発の取組例(過去に実績を有する技術的取りまとめの例)も参考に,5ヵ年という期 間を1つの節目とした全体マイルストーンを想定し,技術的な観点から,第1次取りまとめ(実現可 能性の提示),第2次取りまとめ(技術的信頼性に関する見通しの提示)と,成果を段階的に取り まとめる。このような方針(5ヵ年の全体マイルストーン)に基づき展開される研究開発と技術的取 りまとめの実施計画については第6章に展開している。なお,これらの取組では,技術的信頼性に 関する見通しをしっかりと提示することを第一義的に優先されるべき事項としており,本目的遂行 のためには計画期間等について,必要に応じて見直しを行う。
②最新知見等を反映した地層処分技術レポートの定期的な取りまとめは,上述した 1)と 2)の双方の 取組が具体化されなければならない。前者については,至近の技術的な対応として,地層処分 事業の実施主体であるNUMOによって,次の視点に基づく技術的検討が進められている。
・東北地方太平洋沖地震をはじめとする地球科学的観点を中心とした研究開発成果や最新知 見を踏まえて,地層処分研究開発第2次取りまとめ(1999年)の技術的信頼性を再度確認 する。
・ 第2次取りまとめでは概括的な検討にとどまっていた事業期間中の安全確保について,より
詳細に検討する。
ドキュメント内
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