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地層処分計画のこれまでの経緯・状況

ドキュメント内 (ページ 75-78)

参考資料2 わが国の地層処分計画と研究開発の経緯・状況について

TRU廃棄物の地層処分については,原子力委員会での方針等(平成6年の原子力長期計画等)

を受けて,また,先行的に進められた高レベル放射性廃棄物の地層処分研究開発の成果等も踏まえ つつ,長年にわたり様々な研究開発が進められてきた。これらの研究開発の成果は,旧サイクル機構 と電気事業連合会によって段階的に取りまとめがなされ,平成12年3月には「TRU廃棄物処分概念 検討書」(第1次TRUレポート)として,平成17年9月には「TRU廃棄物処分技術検討書-第2次TR U廃棄物処分研究開発取りまとめ-」(第2次TRUレポート)として公表されている。以降,図参2.1-2 に示すように,原子力委員会による検討の結果として,平成18年4月に併置処分が技術的に成立す るとの報告

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がなされ,総合資源エネルギー調査会原子力部会放射性廃棄物小委員会において,併 置処分の可能性を含めた制度化のあり方が検討された

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。こうした検討や示された方針等に基づき,

平成19年6月には最終処分法の一部が改正され,地層処分の対象廃棄物にTRU廃棄物等が追加 された。これに伴い,平成20年3月に「特定放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針」及び「特定 放射性廃棄物の最終処分に関する計画」(最終処分計画)が改定され,概要調査の結果に基づく精 密調査地区の選定を平成20年代中頃を目途に,精密調査に基づく最終処分施設建設地の選定を 平成40年前後を目途に,最終処分の開始を平成40年代後半を目途に進めるという新たなスケジュ ールが示されている。また,同改正法は平成20年4月より施行され,NUMOが高レベル放射性廃棄 物の地層処分に加え,TRU廃棄物の地層処分の実施主体としての認可を受けている。

原子力委員会

「超ウラン核種を含む放射性廃棄物処理処分の基本的考え方について」

○処分の実現性,安全性確保が可能であることを確認

○今後の課題は,「詳細化」と「合理化」

核燃料サイクル開発機構/電気事業者

「TRU廃棄物処分概念検討書(第1次TRUレポート)」

平成12年3月

詳細化 合理化

;核燃料サイクル開発機構(JNC)は,平成17年10月1日に日本原子力研究所と統合して 日本原子力研究開発機構(JAEA)として発足。

平成12年3月

○廃棄体データ:整備充実

○施設設計:詳細化等

○性能評価:試験データの取得,

特有事象の把握とモデル構築など

○高レベル放射性廃棄物(HLW) との併置処分

○海外からの返還方法

原子力委員会「原子力政策大綱」

○経済性向上等の観点からHLWとの併置処分 の技術的成立性と制度化の検討が必要 研究開発/検討評価

核燃料サイクル開発機構/電気事業者

「TRU廃棄物処分技術検討書-第2次TRU廃棄物処分研究開発 取りまとめ-(第2次TRUレポート)」

○詳細化,合理化を反映した処分施設概念は,技術的成立性が あり,安全性が確保可能

平成17年9月 最終処分法成立

(平成12年5月) 最終処分法成立

(平成12年5月)

原子力委員会「長半減期低発熱放射性廃棄物 の地層処分の基本的考え方」

○HLWとの併置処分等の技術的成立性を判断

総合資源エネルギー調査会原子力部会

「原子力立国計画(放射性廃棄物小委員会報告書)

○HLWとの併置処分の可能性を含めた制度化 のあり方

平成18年4月 平成17年10月

平成18年8月 核燃料サイクル開発機構

「わが国における高レベル放射性 廃棄物地層処分の技術的信頼性

-地層処分研究開発第2次取り まとめ-」

平成11年11月

原子力委員会

「我が国における放射性廃棄物 地層処分研究開発の 技術的信頼性の評価」

平成12年10月

実施主体設立

(平成12年10月) 実施主体設立

(平成12年10月)

公募の開始

(平成14年12月) 公募の開始

(平成14年12月)

高レベル放射性廃棄物(HLW) TRU廃棄物

HLWの 知見反映

図 参2.1-2 最終処分法の一部改正に至るまでのTRU廃棄物の地層処分計画の経緯と展開

34 原子力委員会長半減期低発熱放射性廃棄物処分技術検討会(2006):「長半減期低発熱放射性廃棄物の地層処分の基本的考え方 -高レベル放射性廃棄物との併置処分等の技術的成立性-」

http://www.aec.go.jp/jicst/NC/senmon/tyohan/bosyu/060228/05.pdf

35 総合資源エネルギー調査会電気事業分科会原子力部会放射性廃棄物小委員会(2006):「放射性廃棄物小委員会 報告書」

このような制度整備のもとで,NUMOは組織設立後の平成14年12月より,全国市町村を対象に

「最終処分施設の設置可能性を調査する区域」の公募を開始し,処分場の立地に向けた具体的な活 動の第一歩が踏み出された。その後,幾つかの地域で応募に向けた検討が行われ,具体的な応募も あったものの,その後取り下げられている。現在まで,文献調査を開始する状況には至っていないもの の,上記のスケジュールに沿って,文献調査や概要調査の実施に向けた準備が進められている。

一方で,安全規制の面では,平成12年11月に当時の原子力安全委員会によって,「高レベル放 射性廃棄物の処分に係る安全規制の基本的考え方について(第1次報告)」が示されたのを皮切りに,

原子力安全委員会による特定放射性廃棄物処分安全調査会での環境要件等の検討,当時の規制 行政庁である原子力安全・保安院による総合資源エネルギー調査会放射性廃棄物安全小委員会に おける規制制度や安全規制関連研究等の検討が鋭意進められ,それぞれの成果が段階的に報告書 として取りまとめられている

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。特に安全規制の制度面では,平成19年6月に「核原料物質,核燃料物 質及び原子炉の規制に関する法律」が改正され,同法施行に必要となる埋設規則や技術基準等の 整備が行われた。その後,原子力安全委員会においては,精密調査地区選定段階の環境要件や安 全審査基本指針の策定に向けた検討への着手が計画され,また,原子力安全・保安院では,地層処 分事業の立地選定段階における調査結果のうち,安全性に係る結果の妥当性レビューに向けた検討 等が行われた(これらの活動については,平成24年9月に発足した原子力規制委員会及び原子力規 制庁において,引き続き検討等が進められる)。

(2) 国際的な動向

地層処分の研究開発分野においては,その立ち上げの当初から国際協力が精力的に進められ,技 術的側面のみならず社会的・倫理的側面に至るまで,様々な観点で国際的合意形成が図られてきた。

地層処分の選択という点では,1957年の全米科学アカデミー(NAS)の報告書以降,国際原子力機 関(IAEA)や経済協力開発機構/原子力機関(OECD/NEA)等での検討を経て,国際的なコンセンサ スが得られてきた

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。わが国における第2次取りまとめまでの研究開発や最終処分法といった制度化 等のプロセスにおいても,これら国際的活動の成果に依るところが少なくない。

各国における地層処分の事業化に向けた近年の動向については,処分場立地に係る具体的な進 展として,2001年にはフィンランドでオルキルオトが選定され,2012年には設置許可申請が提出さ れた。スウェーデンでは2009年に2ヶ所の候補サイトの中からフォルスマルク(エストハンマル自治体)

が選定され,2011年には処分場の立地・建設の許可申請が行われ,現在その審査が行われている。

更に,フランスでも2010年に候補サイトが特定されており,2015年には設置許可申請が行われる予

36 原子力安全委員会特定放射性廃棄物安全調査会(2002):「高レベル放射性廃棄物処分の概要調査地区選定段階において考慮す べき環境要件について」,

総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会(2003):「廃棄物安全小委員会報告書-高レベル放射性廃棄物処分の安全規制 に係る基盤確保に向けて-」,

同部会廃棄物安全小委員会(2006):「放射性廃棄物の地層処分に係る安全規制制度のあり方について」,

同部会廃棄物安全小委員会(2008):「高レベル放射性廃棄物等の地層処分に係る安全規制について」,等

37 具体的な検討の取りまとめとして,例えば次のものが挙げられる。

・NAS(1957): The Disposal of Radioactive Waste on Land.

・OECD/NEA(1977):Objectives, Concepts and Strategies for the Management of Radioactive Waste arising from Nuclear Power Programmes.

・IAEA(1981): Underground Disposal of Radioactive Waste: Basic Guidance, Safety Series No. 54.

・OECD/NEA(1982):Disposal of Radioactive Waste: An Overview of the Principles involved.

定である。また,2002年にユッカマウンテンが処分地として決定した米国は,政権交代の影響により2 010年3月に建設許認可申請の取り下げの申請が行われたものの,2008年にはユッカマウンテンに 係るエネルギー省(DOE)による建設許認可申請の提出及び原子力規制委員会(NRC)による同申請 書の受理が行われた実績を有する。これらの進捗に加えて,サイト選定活動に着手したスイス,英国,

ならびにカナダにおいて,処分場立地に向けた様々な活動の展開が見られている。

1990年代までに技術面や倫理面を含めた地層処分の考え方について専門家の間では一定の国 際的合意形成がなされ,それをベースとして上記のような進展がある一方で,各国の地層処分計画の 遅れや見直しが生じてきたことも事実としてあり,地層処分事業や安全確保の長期性等に関する公衆 との合意形成など社会的側面での検討を行いつつ紆余曲折しながらも着実に事業が進められてきた という背景がある。このような状況に具体的に対応するため,IAEAやOECD/NEAの国際機関を中心と した検討を通じ,地層処分計画を段階的な意思決定を経ながら進めていく 段階的アプローチ

(Stepwise Approach)や意思決定の材料としてのセーフティケース(Safety Case)の重要性が国際的 に共通の認識となりつつあり,また,そのような考え方を選定プロセスに具体的に取り入れるケースも見 受けられる。具体的には,IAEAにおいては,放射性廃棄物の処分に関する安全要件(SSR-5)

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の中 でセーフティケースについて言及がある他,現在,ドラフト安全指針であるDS355「放射性廃棄物処分 のセーフティケースと安全評価」やDS284「放射性廃棄物の処分前管理のセーフティケースと安全評 価」の策定過程において,セーフティケースの具体的な議論が行われている。

なお,セーフティケースとは,OECD/NEAの定義によれば,「処分場の長期の安全を裏付ける論拠を 収集したものであり,安全評価の結果に加え,施設のロバスト性(頑健性)と信頼性,その設計と設計論 理,安全評価及びその仮定の妥当性を実証するための証明及び推論も含まれるもの」とされ

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,事業 者が作成し,規制側がそのレビュー行うことになっている。このような段階的アプローチやセーフティケ ースの考え方は,わが国における処分事業や安全規制の今後の具体化においてはもちろんのこと,国 の基盤研究開発を進めていく上で念頭に置くべき重要なものである。

2.2 研究開発を取り巻く状況と対応の経緯

ドキュメント内 (ページ 75-78)