●この項目のねらい
各教科等において,単元などの目標に関 連付けて情報モラルの指導ができる。
■規準表との対応
1−3−A・B−③/4−1− A・B −⑤
/4−2− A・B −②
各教科や生徒 指導において 情報モラルを 指導する必要 性がわかりま したか?
各教科において,どのように情報モラルと関連づけて指導するのがよいかということを「「情 報モラル」指導実践キックオフガイド」の p.14 〜 25 までの「第2部 これならできる情報 モラル指導実践例」を参考にしたり,各学校で行われている授業実践を収集したりしておく。
また,「「情報モラル」指導実践キックオフガイド」の p.35 や p.41 に載っているサイトには 無料で使用できる情報モラル教材もある。研修時にはそれらを利用して,受講者を児童生徒 に見立てて模擬授業を行うのも効果的である。
新小学校学習指導要領 解 説 道 徳 編(p.87 〜 95)「 第 4 節 道 徳 の 時 間の指導における配慮 とその充実」参照。
特に p.94 〜 95「5 情 報モラルの問題に留意 した指導」
新中学校学習指導要領 解 説 道 徳 編「 第 4 節 道徳の時間の指導にお ける配慮とその充実」
p.95 〜 103 参照。
特 に「 5 情 報 モ ラ ル の問題に留意した指導」
p.102 〜 103
141
4.道徳や各教科等における情報モラル
①道徳における指導
小学校高学年の道徳のねらいに,「謙虚な心をもち,広い心で自分と異なる意見 や立場を大切にする。」という内容があります。一方,ネット社会の問題として「ネッ トいじめ」があります。そこで,インターネット上でのいじめの事例に触れ,相手 を思いやり親切にすることや,友達と信頼し合い助け合うことなどに関する指導を 行います。ここでは,ネット上に流した情報はコピーや加工が容易であり,自分が その情報の伝達をコントロールできなくなったり,流したデータを完全に回収する ことができなくなったりすることを,疑似的に体験できる教材などを利用して考え させ,軽い気持ちで書き込んだということでは済まない行為であることを考えさせ ます。
これらの活動を通して,自分を謙虚に見て,他人の過ちを許す態度や相手から学 ぶような広い心をもつことが大切であることを理解し,今日の重要な教育課題の一 つであるいじめの問題に適切に対応し,いじめを生まない風土や環境を自ら作ろう とする態度を身につけます。このように,道徳の中で情報モラルを指導する場合に は,道徳のねらいと,今日的な課題や素材を連携させて実践することが考えられま す。
②小学校における各教科における指導
小学校の教科における情報モラルの指導で留意しなければならないのは,その単 元などの目標とどのように関連付けながら指導するかということです。例えば,キッ クオフガイドに記載されている,第 4 学年社会科「ホームページの正しい使い方」
(p.17)の事例を見てみましょう。
ここでは,社会科としての学習指導要領におけるねらい,情報モラルのモデルカ リキュラムの小学校における項目,そして,第 1 時から第 5 時までの指導計画略案,
さらには,指導のポイントが記載されています。小学校 3 年生の社会科における 地域の産業を調べる学習活動の中で,どのようにホームページを活用するのか,そ のルールや困ったときの解決方法などを指導しています。指導のポイントでは,中 学年における留意点などが記述されていますが,高学年では,さらに高度な指導が 必要になります。段階的な指導内容については,モデルカリキュラムを参考にしな がら,校内での共通理解が必要になってきます。
教科における 情報モラルの 指導例を知る ことができま したか?
ここをしっかりと押 さえる。
単元の目標を達成す るために,学習活動 の中で,情報モラル の指導を段階的に入 れていくことが大切 であることを知らせ る。
新中学校学習指導要領
第3学年 道徳 第3 指導計画の作成 と内容の取り扱い の3
解説 道徳編 p.102 〜 103 参照 新小学校学習指導要領解説
道徳編 p.94,95 参照
142 5 情報モラル教育
②中・高等学校における生徒指導
次に中・高等学校ではどうでしょう。発達段階から考えると,学校裏サイトなど,
生徒自身が運営するサイトやブログなど,さまざまな現状に遭遇する機会が増えて きました。ネット上での誹謗・中傷などのような場合の対応方法を理解しておくこ とが必要です。学校側の迅速かつ適切な対応が,生徒の心の傷を最小限にとどめる ことにつながります。
このほかにも,インターネットや携帯電話を利用した犯罪や事件が発生する可能 性が高まってきています。研修などを通して,多くの教員が正しく対応できるよう にすることが望まれています。そこで,必要となってくるのが様々な事例の把握と 対応方法の理解です。そのためには,関連のサイトを点検し,常に新しい情報に触 れておくことが必要です。生徒指導に忙しい毎日ですが,生徒が遭遇しそうな事例 を収集し把握しておくことで,事前の指導が可能になります。
このように,「考えさせる」指導内容を道徳や各教科等に配置して指導すること が望ましいことは言うまでもありませんが,各教科等の授業や学級活動の中で,随 時行う日常的な指導も大切です。特に,コンピュータを使った各教科等の授業では,
情報モラルを指導できる場面はたくさんあり,その場に応じて必要な情報モラルの 指導を行うことは大変効果的です。
【演習 5̲4̲1】 キックオフガイドの 14 ページから 25 ページまで の事例を読み,担当教科や道徳,生徒指導などにおける指導案を作成して みましょう。
ワークシート 5̲4̲1
▼「情報モラル」指導実践キックオフガイド practice practice 情報を正しく
安全に活用す るための知識 や技術を身に つける必要が あ る こ と が わかりました か?
文部科学省の呼び方では「学校非公式サイト」。「全国 Web カウンセリング協議会」のサイ トには閲覧申請をすれば,登録してある学校裏サイトを閲覧することができる。
http://www.web-mind.jp/gus/
また,「学校裏サイトチェッカー」のサイトでも登録されている学校裏サイトを閲覧するこ とができる。 http://schecker.jp/
児童生徒が,学校裏サイ トでどのような書き込み をしているのかや,その 問題点などを知っておく ことも必要である。
時間があれば,指導案の作成だけでなく,作成した指導案を もとに受講者に模擬授業を行ってもらってもよい。
〔参考〕
指導例として
「教育の情報化に関 す る 手 引 」p.85 〜 86「 総 合 的 な 学 習 の時間」(肖像権),
「特別活動」(不正請
求)など。
143
①地域や保護者との連携
これまでに見てきたように,インターネットや携帯電話の利用によるトラブルに 児童生徒が巻き込まれた事例の多くは,家庭において,保護者が契約した携帯電話 やインターネットの利用によって起きていることが多いようです。そのため,学校 内だけでの指導では不十分で,家庭での情報モラル教育の必要性を保護者に理解し てもらうことが必要です。しかし,保護者の意識が低いことも事実です。そのため,
学校側から家庭へ働きかけることが必要となってきています。
保護者に何を伝えるか,児童生徒をめぐる事例の紹介,啓発活動の実践例,保護 者への実態調査と意識付け,なんでも相談できる家庭の雰囲気作りなどについて理 解しておきましょう。
【 演 習 5̲5̲1】 キックオフガイドの 30 〜 33,40 ページを読み,
家庭に対する実態アンケートの内容について考えてみましょう。
ワークシート 5̲5̲1
②教員が知っておくべき安全・安心の基礎知識
情報社会の進展に伴い今後も新たな問題が発生することは間違いありません。情 報モラルを児童生徒に指導するためには,インターネット上のサイトなどを参考に して,教員自身が情報モラルに関する正しい知識を身につけ,生活の中で実行して いることも必要です。日常的にインターネットの世界で起きていることに関する知 識や,情報モラル教材・授業実践例の情報に関する知識,そして,いろいろな教材
practice practice
月 日
研 年 修 日
5 情報モラル教育
5. これからの情報モ ラル教育指導に向けて
●この項目のねらい
情報モラルに関する基礎知識を身につ け,地域や保護者に働きかけることができ る。
■規準表との対応
4−1−A・B−⑤/4−3− A・B −⑤
5.これからの情報モラル教育指導に向けて