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(1)国の動向

○住生活基本法の制定

住宅政策の 根本と なる新 しい法律 として 、平成1 8年6月 、住宅 の「量 」の確保 を主眼 とし てきた「住 宅建設 計画法」 が廃止 され、住 生活の 「質」 の向上を 目指し 、国民の 住生活 の安 定の確保及び向上を促進する「住生活基本法」が制定されました。

同年9月に は、こ の法律 に基づく 「住生 活基本 計画(全 国計画 )」が 閣議決定 され、 「住 生活の安定 の確保 及び向上 の促進 に関する 4つの 目標」 と、これ ら4つ の目標の 達成状 況を 定量的に測定するため、15項目の成果指標が定められました。

平成23年3 月に、 「住生 活基本計 画(全 国計画 )」が見 直され 、平成2 3~32年 度の10 年間 を計画期間とする新たな「住生活基本計画(全国計画)」が定められました。

○高齢者住まい法(高齢者の居住の安定確保に関する法律)の改正

平成23年に 改正さ れ、高 齢者の居 住の安 定を確 保するた めバリ アフリ ー構造を 有し、 ケア の専門家が 日中常 駐すると ともに 、安否確 認サー ビスや 生活相談 サービ スが提供 される 「サ ービス付き高齢者向け住宅」の登録制度が創設されました。

○地域主 権一括 法(地 域の自主 性及び 自立性 を高め るため の改革 の推進 を図る ための関係 法律の整備に関する法律)公布(平成23年5月)

この法律により、公営住宅法が以下のように改正されました。

1)公営住宅及び共同施設の整備基準

・国土交通省令で定める基準を参酌して事業主体が条例で定める。

2)同居親族要件

・施行日( 平成24 年4月 1日)を もって 廃止さ れ、単身 入居に ついて一 定の制 限が必 要な 場合は条例で定める。

3)入居収入基準

・事業主体 で定め る。た だし、本 来階層 及び裁 量階層の 入居収 入基準の 上限と して、 収入 分位50% に相当す る金額 を政令 で規定 、また、 本来階 層の入 居収入 基準を条 例で定 める 際に参酌すべき基準を政令で規定。

■住生活基本計画(全国計画)(H23.3)(概要)

目標1 安全・安心で豊かな住生活を支える生活環境の構築

住宅の品質・性能の向上や居住環境の整備を図るとともに、住生活の安心を支えるサービスが提供 される環境の実現を図る。

① 住生活の安全を確保する住宅及び居住環境の整備

・耐震診断、耐震改修等の促進

・密集市街地の整備 等

(指標)耐震性を有する住宅ストックの比率【79%(H20)→95%(H32)】 等

② 住生活の安心を支えるサービスが提供される環境の整備

・サービス付きの高齢者向け住宅の供給促進

・公的賃貸住宅団地等における生活支援施設の設置促進 等

(指標)高齢者人口に対する高齢者向け住宅の割合【0.9%(H17)→3~5%(H32)】 等

③ 低炭素社会に向けた住まいと住まい方の提案

・住宅の省エネルギー性能の向上

・地域材を活用した住宅の新築・リフォームの促進 等

(指標 )省エ ネ法 に基づ く届出 がな された 新築 住宅に おけ る省エ ネ基準 (平 成11年 基準 )達成 率【42%(H22.4-9)→100%(H32)】 等

④ 移動・利用の円滑化と美しい街並み・景観の形成

・住宅及び住宅市街地のユニバーサルデザイン化

・景観計画、景観協定等の普及啓発 等 目標2 住宅の適正な管理及び再生

住宅ストックの適正な管理の促進、特に急増する老朽マンション等の適正な管理と再生を図る。

・住宅の維持管理情報の蓄積

・マンションの適切な管理・維持修繕の促進 等

(指標 )25年 以上 の長期 修繕計 画に 基づく 修繕 積立金 を設 定して いる分 譲マ ンショ ン管 理組合 の割合【37%(H20)→70%(H32)】 等

目標3 多様な居住ニーズが適切に実現される住宅市場の環境整備

国民一人一人が、それぞれのライフスタイルやライフステージに応じた住宅を無理のない負担で安 心して選択できる住宅市場の実現を図る。

① 既存住宅が円滑に活用される市場の整備

・瑕疵担保保険の普及、住宅履歴情報の蓄積の促進

・リフォーム事業者に関する情報提供の促進、地域の工務店等のリフォーム技術の向上 等

(指標)既存住宅の流通シェア【14%(H20)→25%(H32)】 等

② 将来にわたり活用される良質なストックの形成

・住宅性能表示制度の見直し(評価項目の簡素化)

・長期優良住宅制度の見直し(共同住宅の認定基準の合理化)

・木材の加工・流通体制の整備、木造住宅の設計・施工に係る人材育成、伝統的な技術の継承・発展 等

(指標)新築住宅における長期優良住宅の割合【8.8%(H21)→20%(H32)】 等

③ 多様な居住ニーズに応じた住宅の確保の促進と需給の不適合の解消

・長期・固定型住宅ローンの安定供給、税制上の措置

・住替え支援の推進 等

目標4 住宅の確保に特に配慮を要する者の居住の安定の確保

市場において自力では適切な住宅を確保することが困難な者(高齢者、障害者、ひとり親世帯等)

に対する、公的賃貸住宅や民間賃貸住宅による重層的な住宅セーフティネットの構築を図る。

・公営住宅等の適切な供給

・民間賃貸住宅への円滑な入居を促進する居住支援協議会への支援強化 等

(指標)最低居住面積水準未満率【4.3%(H20)→早期に解消】 等

(2)都の動向

○東京都住宅マスタープランの改定(平成24年3月)

東京都では 、平成 3年度 に第一次 住宅マ スター プランを 策定し て以来 、5年ご とに改 定を 行ってきています。平成23年度に第五次住宅マスタープランが策定されています。

○高齢者の居住安定確保プラン(平成22年9月策定、平成24年8月改定)

生活の基盤 となる 住宅や 老人ホー ムなど の「住 まい」に ついて 、高齢 者が多様 なニー ズに 応じた居住 の場を 選択でき るよう にすると ともに 、住み 慣れた地 域で安 全に安心 して暮 らす ことのでき る環境 の整備を 図るこ とが求め られて いるこ とから、 平成22 年9月に 「高齢 者の 居住の安定 確保に 関する法 律」に 基づく「 高齢者 居住安 定確保計 画」と しての位 置付け を持 つ「高齢者の居住安定確保プラン―基本的方針と実現のための施策―」を策定しています。

○東京都耐震改修促進計画の改定(平成24年3月)

耐震化の目 標を引 き上げ( 住宅の 場合、 平成27年 度まで に90%→ 平成32 年度まで に95% )、

特定緊急輸 送道路 沿道建築 物の耐 震診断の 義務化 、耐震 マーク表 示制度 の導入な どが変 更さ れています。

○木密地域不燃化10年プロジェクトの策定(平成24年1月)

東京都は、 首都圏 直下地 震の切迫 性や東 日本大 震災の発 生を踏 まえ、 東京の最 大の弱 点で ある、木密 地域の 改善を一 段と加 速するた め、「 木密地 域不燃化1 0年プ ロジェク ト」に 取り 組んでいます。

平成32年度 まで重 点的・ 集中的な 取り組 みを実 施し、木 密地域 を燃え 広がらな い・燃 えな いまちにしていきます。

■東京都住宅マスタープラン(H24.3)概要

○今後10年間において重視する視点

視点1 高度な安全性を備えた市街地の構成要素としての住宅や、地域・社会の中で生活を支える 居住の実現

従来からの住宅単体としての質に加え、

・良好な市街地を構成する要素としての住宅の質

・地域・社会の中で生活を支えるという観点からの住まいの質 の向上を図ります。

視点2 既存ストックが抱える課題解決のための適切な対策と既存ストックの有効活用による質の 高い住生活の実現

大量に供給 、蓄積さ れた住 宅ストッ クが更新 時期を迎 えてい る中、既 存の住宅 ・住宅 市街 地を適切に維持・管理・更新・再生することにより、資産として将来世代に継承します。

視点3 都民の多様なニーズへの対応など、公民の連携による市場機能の充実・強化

公的主体による住宅の直接供給や補助金による市場の誘導に限界が見られる中、多様な主 体が市場の中でそれぞれの役割を果たしつつ、消費者である都民が豊かさを享受できる住 宅市場を形成します。

視点4 多様な主体・分野との連携による様々な世帯に適切に対応できる住宅セーフティネット機 能の再構築

住宅セーフティネットに対するニーズが多様化している中、多様な主体・分野との連携に より、様々な世帯に適切に対応できる住宅セーフティネットを確立し、居住の安定を確保

○住宅政策の目標と施策展開

【10の目標】 【取り組む施策】

災害に強い住宅・住宅市街地

エネルギー自立型で低炭素な住宅・住宅市街地

良好な住環境に配慮したまちづくり

高齢者の居住の安心の確保

子育て世帯の居住への支援

マンション管理の適正化、マンション再生の誘導

公共住宅ストックの有効活用

郊外住宅市街地等の活性化

既存住宅活用の推進

住宅取引におけるルールづくり

賃貸住宅の魅力の向上

住宅市場の誘導

空き家の流動化

公共住宅でのセーフティネット機能の強化

多様な主体・分野との連携によるセーフティネット

地震災害からの復興 目標1 安全で安心な住宅・住宅市街地の形成

目標2 地域における生活サービスとの連携

目標3 マンションの管理適正化・再生

目標4 公共住宅ストックの有効活用

目標5 郊外住宅市街地等の活性化

目標6 既存住宅活用の推進

目標7 市場におけるルールづくり

目標8 良質な住宅を供給する市場の整備

目標9 支援を必要とする世帯の居住の安定確保

目標 10 地震災害からの復興

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