計測・発見活動
②履歴ファイルの分析
(1)P班の傾向
図4.39に示したデータと、履歴用図形ファイルのデータを再生す ることによって、P班の学習活動の様子を.再現することができる。その
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4.3 授業の経過と生徒の反応
結果、P班の活動は次のような順に進んだことがわかった。
①課題として与えられた図4.40を作図して、探究活動を行い、
その後で回転移動を用いた証明を行う。
②図4.40を図4.41に作り変えて、①と同様の活動を行う。
③図4.40を図4.42に作り変えて、①と同様の活動を行う。
④図4.40を図4.43に作り変えて、①と同様の活動を行う。
図4.40 2つの正三角形
図4.41 2つの正方形
図4.42 3つの正三角形 図4.43 3つの正方形
図4.39では、履歴ファイルの途中までのデータしか記載していな いが、P班は、図4.43を描いて探索活動としているうちに、時間切
れとなり、学習を終了している。図4。40、図4.41、図4.42ま
では、比較的短時間のうちに図形の性質を発見できているが、図4.43ではかなり手間取っている。ここで手間取ることは、最初から予想し
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4.3 授業の経過と生徒の反応
ており、P班の活動は、ほぼ予想通りの展開であった。
また、図4.39から分かるように、P班は、1つの性質を発見し、
証明すると、すぐに次の段階へ進んでいる。同じ図を用いて、他の性質 を見つけようとはしていない。
(2)その他の班の特徴
他の班についても、P班の場合と同様にどのような学習経路をたどっ たかを分析した。その結果、全ての班がP班と基本的には同じ経路をた
どったことが判明した。この原因としては、生徒の思考方法が似通って いることと、否応なしに周囲の班の活動が目や耳から入ってくるので、
それに影響されたことの2つが考えられる。
しかし、経路は同じであっても、各段階における細部の活動や所要時 間には、班によってかなりの差がみられた。作図自体は簡単であるので、
作図活動の時間差はほとんどないが、図4.39に示した「計測・発見 活動」の部分と「回転移動による証明」の部分に大きな差があった。
例えば、Q班の場合には、計測を手当り次第に行っている。このよう な方法をとると、図4.40では、頂点の数が少ないので問題はないが、
頂点の数が増えると計測対象が急激に増加するため、かなり苦労するこ
とになる。
それに対して、R班の場合には、作図の後、しばらく考えたあと、1 度の計測で図形の性質を発見している。これは、計測の前に、画面上に 表示された図形を眺めて、等しくなりそうな線分を予想していると考え
られる。
「回転移動による証明」の段階においても、同じような傾向が見られ る。何度も何度も移動を試みる班もあれば、しばらく考えた後、1度の
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4.3 授業の経過と生徒の反応
回転移動で正解に辿りつく班もあった。
移動の機能はよほど面白かったようで、この証明では用いることのな い「点対称移動」や「線対称移動」などの機能を使って遊んでいる班も
あった。
また、S班では、図4.41を作図した後、計測を省略して、いきな り回転移動に挑戦していた。これは、近隣の班の計測結果を利用したか、
あるいは、図4.40の場合との類推から、結果を予想したかのどちら かであると考えられる。
A組とB組の履歴ファイルの総量を比較すると、ほぼ3:2の割合で あり、A組の活動の方が活発であった。このことは、授業時の印象と一 致している。
(ウ)生徒の活動の分析
学習履歴ファイルと提出プリントの分析結果を基にして、生徒がどの ような図形の性質を発見したかについて述べる。
3・4時二目の授業の経験があるので、全ての班が、課題として図4.
40が与えられると、すぐに図4.44に示すような図形の性質を発見
している。回転移動を用いた証明も、比較的短時間のうちに正解に辿り ついている。D
XN A (1)BE−DC
\、 E ②BEとDCのなす角は60.
B−C
図4.44 2つの正三角形を外側に描いた場合の性質
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4.3 授業の経過と生徒の反応
図形の一部を変更する課題に対しては、まず図4.41を描き、図4.
45に示した性質を発見している。しかし、頂点の数が増えたために、
性質を見つけるのに要する時問がかなりかるようになる。