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高レベル放射性廃棄物最終処分場

第 1 章 海外の核燃料サイクル施設の現状及び役務動向

9. 高レベル放射性廃棄物最終処分場

1986年にはDOEより3カ所のサイトが特性調査地区として推薦され、1987年に行われた放射性廃棄物政策 法

い検討が行われて選定されたものであるが、

の修正によって、ネバダ州ユッカマウンテンがサイト特性調査の対象サイトとして選定された。以後調査が進 められ、1998年には「実現可能性評価(Viability Assessment)報告書」が公表されて同サイトは処分場サイト として適していると判断され、1999年には環境影響評価書案が公開、2001年にはユッカマウンテン科学・工学 報告書、予備的サイト適合性評価書が公開され、2002年7月にはエネルギー長官から同サイトを最終処分場と して大統領に推薦した。一方で同年、ネバダ州知事は連邦議会に対してこのサイトを承認しない旨の通知を行い、

それに対して連邦議会がこの不承認通知を覆す立地承認決議を可決することにより、ようやく正式にサイト選定 手続きが終了している。その後もネバダ州はDOEやEPA(環境保護庁)に対して訴訟を起しており、反対運動 はなおも続く状況であったが、2008年になってDOEはNRC(原子力規制委員会)に事業許可申請書を提出し、

NRCはネバダ州の反対を押し切ってこの申請を受理している。

このように、ユッカマウンテンサイトは安全性・適合性について長

方で地元の反対は根強いものであった。また逆に、処分場計画の遅延によりDOEが計画通りに原子炉サイト からの使用済燃料移動を実施できなかったために、追加的に発生した費用に対して電力会社から連邦政府に対す る訴訟も起されている。

図1-9-1 ユッカマウンテン処分場

(出所) 「諸外国の 益財団法人原子力環境整備促進・資金管理

9-1-3 処分場選定の 状(オバマ政権成立後の動向)

ユッカマウンテンへの反対の意向を示しており、大統領 就

高レベル放射性廃棄物処分等の状況」、公

センター http://www2.rwmc.or.jp/overseas/briefing/usa/USA-1.asp

2009年に就任したオバマ大統領はその選挙期間中から

任後にはチューDOE長官とともにユッカマウンテンにおける高レベル放射性廃棄物処分はオプションの中に 存在しないとの見解を示し、推進に必要な予算の計上を止めるとともに、専門委員会を設置して処分方法につい て再検討する方針を明らかにした。これに伴い、DOEは事業許可申請を2010年3月に取り下げたが178、6月に はNRCの原子力安全・許認可委員会(ASLB)がDOEは許認可申請を取り下げる権限を有していない、として許 認可取り下げを認めない方針を決定するなど179、混迷は続いている。DOEは電気事業者及び消費者からすでに 240億ドルの拠出金を徴収しており、電力会社等からの訴訟も加速すると見られている。

178エネルギー省(DOE)ニュースリリース(201032日)

179リード上院議員プレスリリース(2010年6月29日)

2010年1月には、高レベル放射性廃棄物を含む核燃料サイクル・バックエンドに係る諸政策の検討を行うブ ル

9- 英国

概要

で ドについては、必要な要件を満たす限りにおいて、再処理を行うか否かは使用済燃料の 所

未定であり、サイトの選定を進めている段階である。深度は200mから1,000m程度、面積は3km2程 度

9-2-2 処分場選定の経緯及び現況

性 より継続的に行わ

、公衆協議等を踏まえ、2008年6月に 白

図1-9-2 サイト選定プロセス

(出所) 原子

れを受け、2008年7月にはカンブリア州コープランド市が、同12月にはカンブリア州が、2009年2月に は

ーリボン委員会が設置された。同委員会では現実的な方策としてサイト内での中間貯蔵の可能性等を含め、検 討を続けている。2011年7月には中間報告書を、2012年1月には最終報告書の提出を行うこととなっている180

2

9-2-1 処分の

英国 は、バックエン

有者の判断に任せる、とされている。このため、高レベル放射性廃棄物としては、再処理において発生した高 レベル放射性廃液の他に、使用済燃料、ウラン、プルトニウム等も想定される。処分の実施主体は原子力廃止措 置機関(NDA)である。NDAは中レベル廃棄物処分の実施主体として産業界が設立したNIREX社を2007年に統 合し、放射性廃棄物管理局(RWMD)を設立している。地層処分の計画・立案、処分場の建設、操業等を行うこと となる。

処分場は

、候補岩種は未定とされている181

放射 廃棄物に関する議論は従来

ていたが、1995年に発表された「放射性廃棄物管理政 策レビュー(Cmnd.2919)」において陸地での地層処分が 望ましいとの考えが明確に示された。その後、環境・食 糧・農村地域省(Defra)が「放射性廃棄物管理に関する協 議文書」を発表し、廃棄物処分に関する広範な議論が開 始された。それを受け、2003年には放射性廃棄物管理委 員会(CoRWM)が設置され、同委員会がその活動の成 果として、2006年7月に政府に対して放射性廃棄物管 理オプションの勧告を行い、同10月には政府が地層処 分と、処分場決定までの中間貯蔵を組み合せた管理方針 を決定した。

政府はその後

書「放射性廃棄物の安全な管理-地層処分の実施に向 けた枠組」を公表した182。この中では、図1-9-2に示す 6段階に従って処分場選定を行うことが示されている。

力環境整備促進・資金管理センター

同州アラデール市が政府に対し関心表明を提出し、引き続き初期選別(第二段階)が行われた。これは地層処 分場の最終的な設置場所を特定することが目的ではなく、所定の除外基準に基づいて地層処分場に対して明らか

and the

180エネルギー省(DOE)ニュースリリース(2010年129日)

181 Managing Radioactive Waste Safely, A framework for implementing geological disposal, A public consultation by Defra, DTI the Welsh and Northern Irish devolved administrations, 25 June 2007

182 Managing Radioactive Waste Safely, A Framework for Implementing Geological Disposal A White Paper by Defra, BERR and devolved administrations for Wales and Northern Ireland, June 2008

に不適格な地域での不要な作業を避けることを目的としたものであり、英国地質調査所(BGS)において机上で 既存情報を使用して行われた。この結果は2010年10月に発表され、アラデール市やコープランド市の内部にお いて、不適格な場所が特定されている。

今後、2025年に処分場サイトの選定183、2040年に処分場の操業開始が予定されている184

アラデール

コープランド

図1-9-3 英国・アラデール・コープランド位置図

(出所) Google

-3 フランス 要

ン 済燃料を再処理し、動力炉でMOX燃料として再利用する政策を採っている。従って、再 処

Map

9

9-3-1 処分の概 フラ スでは、使用

理過程で発生する高レベル放射性廃棄物をガラス固化したもの(ガラス固化体)が、高レベル放射性廃棄物

(HLW)処分の対象である。HLWを含むフランス国内の全ての放射性廃棄物を管理する機関はフランス放射性

183 GEOLOGICAL DISPOSAL OF HIGHER ACTIVITY RADIOACTIVE WASTES, CoRWM, July 2009

184カンブリア州、2008129日付ニュースリリース

廃棄物管理機関(ANDRA)であり、実際の施設設計・建設・運営はANRDAから委託を受けた事業者が行なっ ている。

フランスの全原子力発電所から発生する使用済燃料は約1,150tHM/年のうち約850tHMが再処理され、約200 t

007年末の種類別放射性廃棄物物量実績、及び2020年、2030年の予想累積物量は以下の通り。HLWは、物 量

HMが再処理されずに使用済燃料のままで毎年蓄積されている。プルサーマルで用いられたMOX燃料の使用済

燃料は約100tHM/年のペースで発生しており、これは当面はそのまま貯蔵されている185

2

(容量)ベースでは廃棄物全体のわずか0.2%であるが、放射線量ベースでは94.98%である186

0 500,000 1,000,000 1,500,000 2,000,000 2,500,000

2007年 2020年 2030年

物量(m3)

高レベル放射性廃棄物(High-level waste)

中レベル長寿命放射性廃棄物

(Intermediate-level long-lived waste、

ILW-LL)

低レベル長寿命放射性廃棄物

(Low-level long-lived waste、LLW-LL )

低・中レベル短寿命放射性廃棄物

(Low and intermediate level short-lived waste、LILW-SL)

極低レベル放射性廃棄物

(Very-low-level waste、VLLW)

図1-9-4 フランスの放射性廃棄物物量実績(2007年末)及び予想累積物量

(出所) ANDR

ational/pages/en/menu21/waste-management/waste-quantities-1611.html(URL)

9-3-2 処分場選定の経緯及び現況

放射性物質の持続可能な管理に関する計画法」(放射性廃棄物等管理計画法)

区域での詳細な地質調査と地上施設の設置に関する調査を開始し、2013 年には地上施設 を

Aホームペ ジ、

http://www.andra.fr/intern

2006年6月、「放射性廃棄物及び

より、HLWは可逆性のある地層処分を基本方針とすることが規定された。同法により、2015年迄に処分場の

設置許可申請を行うこと、2025年に処分場の操業を開始することも定められている。ANDRAは、2006 年の放 射性廃棄物等管理計画法に基づき、ビュール地下研究所周辺の約250km2の区域を対象としたサイト選定に向け た技術調査を行い、2009年末、同区域から今後詳細な調査を行う候補サイト(約30km2の区域)を政府に提案 し、了承された187

今後、ANDRAは同

含む地層処分サイトを特定し、公開討論会を経て2014年中には地層処分場の設置許可申請を行う予定である。

http erm http

185「諸外国の高レベル放射性廃棄物処分等の状況」フランス、(財)原子力環境整備促進・資金管理センター(RWMC)

186 ANDRAホームページ>Waste Management>High level Waste、

://www.andra.fr/international/pages/en/menu21/waste-management/waste-classification/high-level-waste-and-long-lived-int ediate-level-1610.html

187 ANDRA報告書“Scientific Report for the period 2006 to 2009”2010年6月25日、ANDRAホームページより ://www.andra.fr/download/andra-international-en/document/press_release/100625_4_years_of_scientific_research.pdf

図1-9-5 フランス・ピュール位置図

(出所) Google Map

図1-9-6 地層処分場の地下施設の展開が予定され、今後の詳細な地下の調査を行う約30km2の区域

(出所)RWMCホームページ「フランスにおける高レベル放射性廃棄物処分」、

http://www2.rwmc.or.jp/overseas/briefing/fra/FRA-1.asp (URL)

9-4 ドイツ 9-4-1 処分の概要

ドイツでは2005年2月以降発生した使用済燃料については、再処理を目的とした処分事業者への引渡しが禁 止されたが、それまでは再処理の方針であったため、HLW についてもガラス固化体と使用済燃料集合体と両方 の形態が想定されている。放射性廃棄物の処分責任は連邦政府にあり、連邦放射線防護庁(BfS)が実施主体で ある。そのBfSとの契約により、ドイツ廃棄物処分施設建設・運転会社(DBE社)が実質的な研究開発、建設、

操業を実施している。