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重水炉・ガス炉用成型加工施設

第 1 章 海外の核燃料サイクル施設の現状及び役務動向

5. 重水炉・ガス炉用成型加工施設

表1-5-1 世界の重水炉用・ガス炉用ウラン成型加工施設一覧

国名 企業名 設置場所 対象炉 製造能力

(tHM/年) 操業開始

アルゼンチン CNEA Ezeiza PHWR 270 1982

カナダ GE Hitachi Nuclear Energy Canada Peterborough PHWR 1,200 1964 中国 Baotou Nuclear Fuel

Element Plant 包頭 PHWR 200 2003

Hyderabad PHWR 270 1974 Hyderabad PHWR 300 1997 韓国 Korea Nuclear Fuel

Company Ltd 大田 PHWR 400 1998

パキスタン PAEC

(Pakistan Atomic Energy Commission) Kundian PHWR 20 1978

ルーマニア NUCLEARELECTRICA Arges PHWR 200 1983

Springfields LWR 330 1960 Springfields AGR 290 1996

CNCA : Comision Nacional de Energia A tomica PAEC : Pakistan Atomic Energy Commission

PHWR : Pressurized Heavy Water Moderated and cooled reactor (加圧重水炉) GCR : Gas-Cooled Reactor (ガス冷却炉)

AGR : Advanced Gas-cooled Reactor (改良型ガス冷却炉)

イギリス Westinghouse/UK インド Nuclear Fuel Complex

(NFC)

(出所) 原子力ポケットブック2010

5-1 カナダ-GE Hitachi Nuclear Energy Canada-Peterborough

オンタリオ州TorontoにあるGE Hitachi Nuclear Energy Canada社の運営する施設は、同社がUO2ペレット を製造する施設である。年間生産容量は 1,300tHM/年であり、原料であるUO2粉末はCameco社より供給されてい る115。同社はその製品の大部分を同じオンタリオ州内のPeterboroughに於いて重水炉(CANDU)用の燃料集合 体に加工しており、この成型加工施設の年間生産容量は 1,200tHM/年である。

いて

115 5-1の本文の情報は全て、GE Hitachi Nuclear Energy Canada‘社の“2009 Annual Compliance Report(2010 年 3 月)”からの情報に基づ いる。

図1-5-1 カナダ・Toronto/Peterborough燃料成型加工施設工場位置図

(出所) Google Map

5-2 アルゼンチン-CNEA-CONUAR

アルゼンチンではBuenos Aires州EzeizaにあるCNEAの関連会社Combustibles Nucleares Argentinos S.A.116

(CONUAR)が1982年からウラン燃料の成型加工を行ない、同国の原子力発電所に必要な全燃料を供給してい る。また、研究用原子炉向けの燃料(20%まで濃縮)の成型加工も行なっている117。Atuchaタイプ燃料とCANDU 燃料の成型加工を行なっており、生産設備容量は 150t/年である118。なお、ジルカロイ被覆管はNeuquen州 ArroyitoにあるEmpresa Neuquina de Servicios de Ingeniería S.E.119(ENSI)が製造している。

116 CONUARの株主:CNEAが33%、Grupo Perez Compancが67%。

117原子力ポケットブック2010およびCONUARホームページ2010年10月21日アクセス)http://www.conuar.com.ar/home.htm、

enens somos> Nuestra actividad Qui

118 Nuclear Power in Argentina20101021日アクセス)http://www.world-nuclear.org/info/inf96.html

119 ENSIの株主:CNEAが49%、Neuquen州が51%。

図1-5-2 アルゼンチン・Ezeiza位置図

(出所) Google Map

5-3 英国(一部、2-3及び4-4と重複記載あり)-Westinghouse UK

-Springfields

が65tHM/年、UF6からの転換が550tHM/年、2008/2009年の回収 ウ

Springfieldsサイトでの主な事業は、ウラン転換(UF6の製造)のほか、

AGR(ガス炉)と軽水炉用の酸化物燃料製造(粉末やペレットなど燃料集 合体製造に係る中間物)、残渣物の処理、不要となった工場やビルの廃止措 置などを行っている

同サイトでのAGR燃料成型加工は以下のようにして行なわれる:

① 濃縮ウランであるUF6溶液をIntegrated Dry Route (IDR)と呼ばれ る釜で液化

② IDRの中で酸化反応によりUO2に変換、固体(粉末)に

③ 粉末状UO2をふるいにかけ、混合した後、ペレット状に固化(軽水 炉向けとAGR向けとで形状が異なる)

④ ペレットを燃料管に装填、加圧・密封

図1-5-3 Springfields位置図

⑤ 燃料管を「黒鉛スリーブ」と呼ばれる集合体に成型加工。黒鉛スリ

ーブは黒鉛の円柱状の塊に燃料管を通す穴を開けたもの。(図1-5-4 (出所) NDAホームページ

http://www.nda.gov.uk/sites/spr ingfields/

参照)

IAEAのINFCISによると、2008/2009年の生産量実績は5,000tHM/年、

全てCameco向けとなっている。施設の燃料製造成型加工容量は、AGR向

けが290tHM/年、軽水炉向けが330tHM/年であり、2008/2009年のAGR向

け燃料集合体の生産量実績は4,900体である。施設の再転換容量は、残渣か らの転換

ラン生産量実績は113tHM/年、UO2の生産量は340tUO2/年である120

Springfieldsサイトでは1946年に英国原子力計画の下で設立されて以来、

英国原子力公社(UKAEA)が運営主体となって、AGR燃料・Magnox燃料 の製造、UF6への転換役務サービスを行ってきた。1971年にBNFLに移管さ

れ、1996年にはBNFLはWestinghouseに操業させるようになった。2005

年4月1日、Springfieldsサイトの資産と負債は新しい政府の組織である NDA(Nuclear Decommissioning Authority)に移管され、現在はNDA の管理下にある。Springfieldsの転換施設を運転するライセンスを持つ会

図1-5-4 成型加工作業

ホー hp?p ag

(出所) Westinghouse-Springfields ムページ

http://www.nuclearsites.co.uk/page.p eID=891

120 NDA, Annual Report & Accounts 2008/2009

社は、Springnelds FuelsLimited(2005年4月1日に政府機関の組織再編の一つとして設立)であり、実際に Springfields施設を運転・管理する会社はWestinghouse Electric UK Limitedである。なお、2006年10月にBNFL は

ited からWestinghouseに移転する契約を締結した121。2023年まで燃料成型加工の操業を続ける予定である。

5-4

、2000 年に着 工

核燃料生産施設では、PWR用の核燃料の生産(製造能力200tHM)も目指されている(2013 年完成予定)123

Westinghouseの株式を東芝に売却し、同年、Magnox用の燃料製造は停止している。

2010年4月1日、WestinghouseはNDAとの間で、同サイトの燃料成型加工事業をSpringnelds FuelsLim

中国-China National Nuclear Corporation-包頭

中国・包頭にある核燃料成型加工施設は、CNNCの傘下にある中核北方核燃料元件有限公司が

・2003年に操業開始した重水炉燃料生産施設であり、年間製造能力は200tHMである122。 現在、包頭重水炉

図1-5-5 中国・包頭位置図

(出所) Google Map

121 Westinghouseホームページ、SpringfieldsLicense and Ownershiphttp://www.nuclearsites.co.uk/page.php?pageID=521

122中核北方核燃料元件有限公司HP、http://www.btgh.com.cn/Items.aspx)

123 The Global Nuclear Fuel Market: Supply and Demand 2009-2030, World Nuclear Association; 中核北方核燃料元件有限公司HP

http://www.btgh.com.cn/Items.aspx)

5-5 韓国-KNFC(1-4-12と一部重複あり)-大田

韓国原子力燃料(Korea Nuclear Fuel Co., KNFC)は、韓国電力公社の子会社であり、国内唯一の原子力燃料設 計・製造会社として韓国国内の原子燃料の製造を担当してきた。1989年最初に国産軽水炉用の原子力燃料を提供 して以来、韓国国内で稼働中の全ての軽水炉と重水炉原子力発電所に必要となる原子力燃料を2008年末の時点 で、軽水炉用は合計5,043tU、重水炉用は合計4,132tUを供給した。韓国は軽水炉と重水炉、両方運営している ため、KNFCは世界で唯一、軽水炉用と重水炉用の燃料が同時に生産できる施設である。現在は軽水炉及び重水

炉燃料が各550MTU/年,400MTU/年生産できる施設を保有している。韓国ではまだ建設中の原子力発電所が8 基あるため、同社は軽水炉燃料の生産能力を更に増やす計画を持っている。表1-5-4にKNFCの燃料仕様を表す。

デジョン

ハイデラバード

図1-5-6 韓国KNFC(デジョン)位置図

図1-5-7 インドNFCハイデラバード位置図

(出所) Google Map

(出所) Google Map

表1-5-2 KNFCの韓国原子力発電所向け燃料仕様

原子力発電所 炉型 原子燃料名 燃料棒配列

古里(コリ) 1 号 14OFA 14 x 14

コリ 2 号 16ACE7 16 x 16

コリ 3,4 号、靈光(ヨングァン) 1,2 号 17ACE7 17 x 17 蔚珍(ウルチン) 1,2 号

加圧軽水炉(WH 型)

17RFA 17 x 17 ヨングァン 3,4,5,6 号/ウルチン 3,4,5,6 号 加圧軽水炉(OPR1000) PLUS7 16 x 16 月城(ウォルソン)1,2,3,4 号 加圧重水炉(CANDU6) CANDU6 燃料 37 本

(出所) KNFCホームページ http://www.knfc.co.kr/

5-6 インド-NFC-Hyderabad

ハイデラバード(Hyderabad)にある燃料成型加工施設は、同国原子力省傘下の製造部門であるNFC(Nuclear

Fuel Complex)がPHWR向け燃料を成型加工する施設であり、1974年から操業している。2施設あり、生産能

力はそれぞれ1974年から操業しているプラントが270tHM/年、1997年操業のプラントが300tHM/年である124

220MWe原子炉用に19本の燃料要素から構成される燃料集合体を製造することができる。燃料集合体1本当

ており、こちらには燃料 リウムを含む燃料集合体もを製造しており、これまでに253

-7 パキスタン-PAEC-Kundian

キ クンディアン(Kundian)に CANDU 型燃料の成型加工施設がある。

19

配から独立後、パキスタンにおける原子力開発とその応用を任とす る

り15.2kgのUO2が入っており、NFCは年間25万本以上の集合体を製造している。

NFCはまた、540MWe用原子炉用に37本の燃料要素から構成される集合体も製造し 集合体1本当り22.0kgのUO2が入っている。

さらに、NFCは原子炉起動時に融解する二酸化ト 本が製造された125

5

パ スタン北部のインダス川に面する

78年に生産を開始し、年間1,500体(20tHM/年)の燃料を成型加工する能力がある。尚カラチ原子力発電所 に装荷している燃料は、1991年8月にカナダ製燃料を完全に炉心から取り出して、すべて国産燃料に取替えら れ、国産燃料による供給体制を確立した。

(参考:パキスタンの原子力開発経緯)

パキスタンは1947年にイギリス植民地支

委員会であるPAEC(Pakistan Atomic Energy Commission、パキスタン原子力委員会)を1956年に設置し、

1965年には科学技術の粋を集めたPINSTECH(原子力科学技術研究所)を設立し、研究開発と人材育成を行っ ている。PAECのアンサル・パルベズ委員長は、国際原子力機関(IAEA)理事会の新議長に2010年9月27日 に選出されている。但し、核拡散防止条約(NPT)には未加盟。

124原子力ポケットブック2010

125 NFCホームページ(201010月21日アクセス):http://www.nfc.gov.in/html-products.htm、Reactor Fuel

図1-5-8 パキスタン・クンディアン位置図

(出所) Google Map

5-8 ルーマニア-NuclearElectrica-Arges

ArgesにあるNuclearElectrica社の運営する200tHM/年の燃料成型加工施設は、ルーマニア国内で稼動して

いる2基のCANDU炉(Cernaboda1号炉と2号炉)向け燃料集合体を製造する成型加工施設で、1983年より

稼動している。施設の所有・運営者は国営の電力会社Nuclearelectrica S.A.であり、年間生産容量は 200tHM/

年である。

(参考情報:ルーマニアの原子力開発経緯)

東欧諸国で原子力発電所を所有している7カ国のうち、スロベニア、ルーマニアの原子炉は欧米型で、特にル ーマニアはカナダ原子力公社(AECL)が開発した最新のCANDU炉(PHWR型―加圧重水炉)を採用し、世 界的にも優れた運転実績を示している。2007年にEU加盟を果たしたルーマニアは、エネルギー産業の再編並 びにエネルギー市場自由化が進められている。原子力部門は、欧州復興開発銀行(EBRD)との融資協定により、

発電事業と発電事業以外が分離独立し、原子力に関しては1998年からであるNuclearElectrica S.A.(原子力発電 事業)が担当している。