第 4 章 Multi-Path Model による核種移行挙動評価の高精度化
4.3 各パラメータが計算結果に及ぼす影響
4.3.4 飽和率変化による物質移行計算結果への影響
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図4.11 表4.1のパラメータに対する計算における無次元流量
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図4.12 KS=0.5に固定した浸透率分布における,
飽和率を変化させた際の物質移行計算結果((a):f=0.1,(b):f=0.5,(c):f=0.8)
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図4.13に,表4.1のGroup A(KS=0.5 に固定)において飽和率を0.8~0.9に設定した際の
計算結果を示す(図中のNo.はGroup A内の通し番号であり,No.の0.1倍がKSの頻度(f)に対 応する).最も見かけの分散が大きく表れた結果は,KSの頻度(f)を0.8に設定した場合であっ た.しかし,このときの飽和率は 0.79 と小さい値が見積もられた.このように,KLの頻度 が低い浸透率分布の場合には,飽和条件に最も近い不飽和条件の飽和率が低く表れることが あった.これは,流路パターンを決定する際に,毛管圧力による液相の浸入を仮定したこと に起因する.すなわち,流路パターンの決定の際には,幅(体積)が小さなセグメント(す なわち浸透率が小さいセグメント,浸透率: KS)を優先して選択し飽和率計算を行うため,
幅が大きなセグメント(浸透率: KL)は飽和率が流路として採用されるのは後になる.この 際に,KLの頻度が低い浸透率分布の場合には,大きな浸透率を持つセグメントが一つしかな く,このセグメントによる飽和率への寄与が大きいために,飽和条件(飽和率が 1)からこ のセグメントによる寄与を減じると飽和率が大きく減少することとなる.つまり,流路パタ ーンの決定の際に,小さな浸透率を持つセグメントを優先して流路とするために,飽和条件 か不飽和条件かを決定する最後のセグメントの体積(幅)が飽和率計算において重要となる.
例えば,3×3のセグメント数比においては,合計9本のセグメントがあるが,第3章で確認 された比較的高い飽和率(0.9近傍)を再現する際には,9本のうち7または8本のセグメン トが流路として用いられる.この時,流路に用いられないセグメントは大きな浸透率(すな わち大きなセグメント体積)を持つ場合がほとんどであり,飽和率が 1 に最も近い不飽和条 件の飽和率はこの流路に用いられていないセグメントの体積が大きいほどに大きく減少する.
実際に図4.13のNo. 8 (f=0.8)を見ると,KSの頻度(f)が大きい場合(つまりKLの頻度は
相対的に小さい場合)においては,セグメントのほぼ全ての浸透率が KSであり,ごく少数 のKLが存在するために,飽和率の目標値として設定した0.9に最も近い飽和率が0.79となっ た.
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図4.13 標準偏差が中程度の浸透率分布における不飽和条件に対する物質移行計算結果