1.担当業務の紹介
(1) オムロン大連有限公司の紹介
当社は、中国大連経済技術開発区に位置する、オムロンヘルスケア株式会社の100%子 会社であり健康医療機器の生産を担当している。
〈会社の概要〉
創業: 1993年4月1日 資本金:23.9億円
土地: 5.5万㎡
建物: 3.0万㎡
従業員:2,400名 女性比率94% 平均年齢23歳
主要生産品目:電子血圧計、電子体温計、低周波治療器、ネブライザ、歩数計、吸入器 日本人駐在員:3名
中国大連地区には、当社のほかオムロンヘルスケア商品開発大連有限公司、オムロン工 貿大連有限公司の二社があり、製・販・開が連携し事業活動を進めている。
また、以下の関係企業の中で、オムロン松阪株式会社は、当社を管理・運営する役割を担 っている。なお、オムロン株式会社及び関係会社とのつながりは以下のとおりである。
(2) オムロンヘルケア事業拠点
オムロン大連で生産される健康商品の約 90%がダイレクトに日本、北米、欧州、
10%が中国本土と東南アジアにて販売されている。
中国での事業拠点は以下のとおりである。
オムロン株式会社
オムロンヘルスケア株式会社 オムロン大連有限公司 オムロン松阪株式会社
オムロンヘルスケア商品開発 大連有限公司
オムロン工貿大連有限公司
生 産 開 発 物 流 営 業 所 生 産 開 発 物 流 営 業 所
1 . 事 業 拠 点
・生 産 (大 連 )
・開 発 (大 連 )
・物 流 (大 連 )
・販 売 (上 海 本 部 )
-ブ ロ ッ ク 3 ブ ロ ッ ク
(上 海 ・北 京 ・ 成 都 )
-営 業 所 2 1 拠 点
-健 康 相 談 室 2 0 拠 点
-サ ー ビス セ ンター 7 7 拠 点
5 . 取 扱 品 目
血 圧 計 、 体 温 計 、 歩 数 計 低 周 波 治 療 器 、 医 療 機 器 等
オムロン中国地域統括会社
(3) 中国大連の概況
面積・人口 12,574㎢ 572万人
地勢特徴 中国遼東半島の南端に位置し、三方を海に囲まれている天然の良港 気候は穏やかで、風光明媚の港湾都市である。
〔年間平均気温11.3℃、降水量525mm、温帯モンス-ン気候〕
84年以降、中国の代表的な外資導入窓口となっている。
大連港は現在160あまりの国及び地域と貿易を行っており、対外貿易では国 内最大の取扱量である。中国北方における重要な国際海上運輸、金融、ビジ ネス、観光、及び情報センタ-であり、省レベルの経済管理権限を有する国 家計画単列市である。
主要産業 主要産業は電子、機械、石油、化学工業、冶金、紡績業であるが、軽工業、
建材、食品、製薬なども備えた、総合的工業都市。交通が発達し金融、商業 も盛ん。その他、海産物、果物の主要な産地。
主要経済指標 06年度
一人当たりのGDP 5,453米ドル、物価上昇率 1.4%、財政収入 19.6.1億 元、財政支出 266.5億元、工業生産額3,415.1億元、農業生産額92.3億元、
輸出額172.6億ドル、輸入額145.4億ドル、外国直接投資853件 22.45億 ドル、貨物輸送量2503.2億トン、空港旅客輸送量 延べ653.1万人 都市住民一人当たり年平均化処分所得 13,350元、農民一人当たりの年間手 取り収入 6,984元、都市従業員平均月給 1,959元
主要工業製品 船舶、ディ―ゼル機関車、冷凍装置、コンテナクレ-ン、石油製品 主要開発区 経済技術開発区、保税区、ハイテク産業園区、星海湾管理センタ
主要外資企業 オムロン、キャノン、東芝、三菱、ローム、松下、YKK、トステム、リョー ビ、小野田セメント、マブチモ-タ、アルプス、コニカミノルタ等多数 商工会登録企業約730社
参考:みずほコーポレート銀行大連支店「大連市概要」
2.人づくりの留意点
人的資源管理において、もっとも大切な要件は、採用、離職防止、能力開発、やる気の 維持の四つの管理である。なぜならば、労働契約を結び、企業活動に必要な能力を身につ け、企業目的達成のために奮闘し、やがては企業の経営幹部として活躍してもらうといっ た過程の中で、これらが極めて重要な管理といえるからである。
この四つの管理の中で、当社が特に注力している二つについて述べる。
(1) 離職防止管理
結論から言えば「中国人は、成果主義が効果的だ」とか「中国人は信賞必罰を素直に 受け入れる」といった日系企業向けのアドバイスをよく耳にするが、確かに日本人と比 較した場合、多少その傾向があるかもしれない。いずれも決定的なものとはいえない。
〔特効薬はない〕
一般的となるが、以下の三点に注力した管理を行っている。
①適材適所の配置をすること
②社員個々人が追求するもの〔自己実現〕→目標を定め、インセンティブを与える
③育成すること。特に知識より実務の遂行能力
この三点をしっかり実行し、現有社員を大切にし、頼りにすることにより離職が減少、
社内が活性化している。
一方では離職防止策というよりも、いつ誰がやめても職場が混乱しないような人事配
置などの対策も考慮している。
(2) やる気維持管理
昨 年 、 人 事 処 遇 制 度 を 根 本 的 に 見 直 し 改 定 し た 。 基 本 的 に は 、 会 社 の 発 展 に 貢 献 し 、 か つ 自 己 の 成 長 を 目 指 す 社 員 に 対 し て 様 々 な 機 会 を 提 供 し 、 支 援 し て いくこと。また、社員を公正に評価し、仕事のやりがいを高めていくことを骨子として
いる。
評価の基本原則は以下のとおりである。
①能力開発主義
単に査定を目的とした考課を行うのではなく、一人ひとりを見つめどこが優れ、
どこが課題で今後どこを伸ばしたらよいかを考える育成のための制度として運用 する。
②絶対考課
能力開発のためには一人ひとりを見つめ、どう育成していくか見極めなければな らない。人と人との比較による相対考課ではなく、グレード基準に照らして一人 とりを客観的に評価する絶対考課を行う。
③コミュニケーション重視
育成を重視するためには上司と部下との話し合いが基本になる。面接などを通じ て業務改善や能力開発に結び付けていくシステムとしている。
(3) 人づくりの成功事例について
最近の当社での成功事例について簡単に紹介する。
創業以来15年間、総務関係の仕事に携わってきた男性社員(A課長)は総務関連 業務のベテランで業務に精通はしているが、ある意味で便利屋的な存在であったため、
部長職の昇進も同期の者と比較して遅れており、やる気を喪失しつつあった。しかし、
彼がもう一皮剥けさえすれば将来の経営幹部になれるはず、と期待するところもあ ったため、一旦、総務関連の業務を外し、別の角度から会社全体の改善活動を行うプ ロジェクトリーダーに抜擢し総経理の直轄とした。
彼にはプロジェクトの重要性を充分に認識させ、成果指標をできるだけ数値化する ようにした。また、同時に期待するところを充分に話し込んだ。
プロジェクトリーダーとなり6カ月が経過する中で、彼の仕事への取り組みの姿勢 にも変化が表れ、同時に成果も顕著に現れ始めた。
管理職になるような人材ほど、「価値観」はバラバラで、かつ変動が激しい。特に自 分の実力が正当に評価されていないと感じた時ほど離職や、やる気の喪失につながる ケースが多い。もちろん、「賃金」、「職位」、「権限」という領域で、いかに「自分の実 力が正当に評価されている」と感じてもらえるかがポイントになると思うが、この事 例は適材適所への配置や仕事へのやりがいを感じてくれ、活性化した一例である。
3.企業内能力開発の実施事例
当社は中国統括地域会社が上海にあり、中国全土の生産拠点、営業拠点、研究開発拠点 の社員を対象にした、研修の企画・実施を行っている。
中国統括地域会社と中国国内に点在する関連会社との結びつきは強く、特に人事面では 月1回の関連会社の人事幹部を集めた会議を開催し人事制度や法制度への対応等について 整合している。また、当社独自の研修計画も実施している。
(1) 企画
社内教育
特に新入社員に対しては、会社概要からはじまり、近年企業に対して社会の求め る価値の質が大きく変化してきていることから、企業理念についても重点的にしっ かり教育している。
また、組み立て作業が多いという特性から、社員の基礎教育を徹底して行うとと もに、現場の管理監督者の育成に重点をおきながら、人事評価制度と連動させてい る。
社外教育
日本の方式に準拠した形で、当社の地域統括会社が企画する体系的な研修制度に あわせて、人事部門と該当部門が調整しながら年度の訓練コースに参加させている。
また、各部門で必要に応じて教育訓練計画を年初に立案して、外部研修に参加さ せている。
(2) 実施方法
新入社員教育や管理職昇進のための HA(ヒューマンアセスメント)研修等は必須 としている。管理職昇進のためにはHA研修での評価点が大きなウェイトを占め、管 理職としての適正基準を明確にしている。また、当社では毎年、個人別に能力開発シ ートを記入して提出することを義務づけている。課業評価ガイドに基づき、「知識・技 能」「問題解決」「対人折衝」「実行力」それぞれの項目で評価を行い、個人への会社の 期待を加味しながら職位に応じた研修講座を決定していく。
(3) 具体的な評価実施例
製造系の評価方法については以下のように行っている。製造系では、日々変わるラ インの状況をより早く察知し改善する必要がある。また、多数の部下を有している製 造系の管理・監督層は、自らの姿勢のみならず作業者全体の統制を実現しなければな らない。それら業務を直接担っている製造系の班長から係長には、その成果を分かり やすく処遇につなげることで、より一層のやる気と納得性の高い処遇が実現できる。
したがって、ラインの稼働時間に合わせ直接管理・監督する班長から係長に対して は、決められた目標に対する達成度について毎月統計をとり、その成果に応じ「奨励 金」を支給している。
この奨励金は、一律的な運用ではなく、より努力した社員にはより多くの支給がで きるよう「製造系の成績考課表」を利用し評価している。
<目標別成績考課>
★現場の中で決められた目標に対する達成度を評価する。