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電子情報通信分野の概要 1 .関連政策

ドキュメント内 表紙OL.ai (ページ 86-103)

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)各政策の分野別取り組みについて

中国政府は 2009 年 1 月 14 日から 2 月 25 日にかけて、重 要産業の調整・振興計画を打ち出した。具体的には、自 動車、鉄鋼、繊維、設備製造、船舶、電子情報、石油化学、

軽工業、非鉄金属、物流の 10 産業で、世界的な経済危機 が中国経済にも影響を及ぼすなかで、8 %の GDP(国内 総生産)成長率の達成に貢献するものと期待された。

このうち電子情報産業については、温家宝首相(当時)

が 2009 年 2 月 18 日に召集した国務院常務会議で「電子情 報産業調整振興計画」(「電子信息産業調整振興規劃」)が 審議され原則的に採択された。会議では、電子情報産業 を国民経済における戦略的、基盤的、先導的な支柱産業 に位置付けることが確認された。同計画は 2009 年 4 月 15 日に正式に公表された。

①国家中長期科学技術発展計画(2006 〜 2020 年)

 科学技術政策に関する長期的な方向性を示した「国家 中長期科学技術発展計画綱要(2006 〜 2020 年)」(「国家 中長期科学和技術発展規劃綱要(2006−2020年)」)では、

情報産業の重要技術を掌握し技術水準を世界のトップレ ベルに引き上げるとの目標を掲げている。

 また、国民経済社会の情報化の迅速な発展にともない 情報技術の発展に対する期待がますます高まってきてい るとしたうえで、以下の発展構想を示した。

a) 情報産業の発展を制約してきた重要技術を飛躍的に 進歩させ、IC と重要部品、大規模ソフトウェア、高 性能コンピュータ、ブロードバンド無線通信による 移動通信、次世代ネットワーク等の重要技術を掌握 することにより、自主的なイノベーション能力と全 体の技術水準を向上させる。

b) 情報技術製品に関するイノベーションを強化し、設 計・製造水準を向上させ、情報産業技術製品の拡張 性、使いやすさ、コスト低減等の問題を解決する。

また、新技術と新ビジネスを育成し、情報産業の競 争力を高める。

c) 高い信頼性を持ったネットワークに重点を置き、

ネットワーク情報のセキュリティ技術及び関連製品 を開発して、各種情報に関する突発的な事件への対 応力を整備する。

 さらに同中長期計画では、以下の 7 つの優先テーマを 掲げた。

a) 近代的なサービス業の情報支援技術及び大規模アプ リケーションソフト

    金融や物流、オンライン教育、マスコミ、医療、旅 行、電子政府と電子商取引等の近代的なサービス業 の発展に不可欠な高い信頼性を持ったネットワー クソフトウェア・プラットフォームと大規模応用 支援ソフトウェア、ミドルウェア、組み込み式ソフ トウェア、ネットワーク計算プラットフォームと インフラ、ソフトウェア・システムインテグレー ション等の重要な技術を重点的に開発し、トータル ソリューションを提供する。

b) 次世代ネットワークの重要技術・サービス

 重要な高性能ネットワーク設備及び伝送設備、接 続設備、拡張性を持ったセキュリティ技術、モバイ ル技術、運営管理等に関する重要な技術を重点的に 研究開発し、信頼性の高いネットワーク管理体系を 構築し、知能化端末と家庭ネットワーク等の設備と システムの開発を行い、マルチメディア等の新ビジ ネスや応用をサポートする。

c) 高効率で信頼性の高いコンピュータ

 先進的なコンセプトを持った計算方法と理論を 重点的に開発し、新しいコンセプトのもとに 1 秒で 1000 兆回の浮動小数計算能力を持った高効率・高 信頼性のスーパーコンピュータシステム、新世代の サーバーシステムを開発し、新しいシステム構造、

大容量メモリ技術等の重要技術を開発する。

d) センサーネットワーク及びインテリジェント情報処理  新しいタイプの多種センサーと先進的なバーコー ド識別、無線 IC タグ(RFID)、多種センサーをベー スにしたインテリジェント情報処理技術を開発し、

低コストのセンサーネットワークとリアルタイム情 報処理システムを発展させ、さらに便利で高機能の 情報サービス・プラットフォームならびに環境を提 供する。

e) デジタルメディア・プラットフォーム

 文化・娯楽市場ならびにラジオ・テレビ等の事業 向けとして、オーディオやビデオ情報サービスを主 体とするデジタルメディア・コンテンツの処理技術 に加えて、著作権保護機能が搭載された近代的なマ スコミ情報プラットフォームを開発する。

f) 高解像度の大スクリーン薄型テレビ

 高い解像度を持った大ディスプレイ製品を重点的 に開発し、有機 EL ディスプレイ、プラズマディス プレイ等の各種薄型ディスプレイ技術を開発する とともに、ディスプレイ用の材料とデバイスの産業 チェーンを構築する。

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g) 重要システムの情報セキュリティ

 ウィルス防止や新しいパスワード技術等、国の基 盤情報ネットワークと重要情報システムの安全保障 技術を重点的に開発する。

② 「第 11 次 5 ヵ年」 科学技術発展計画

 中国政府は、今世紀の最初の 20 年は科学技術発展の重 要な戦略的好機であり、このなかでも「第 11 次 5 ヵ年」期

(2006 〜 2010 年)はとくに重要な時期であると位置付けた。

 科学技術部が 2006 年 10 月 27 日に公表した「国家『第 11 次 5 ヵ年』科学技術発展計画」(「国家 十一五 科学技 術発展規劃」)の中で、同期間中における電子情報通信分 野の重大特定プロジェクトの内容と目標を以下のように 掲げた。

a) 中核電子部品、ハイエンド汎用チップ及び基本ソフ トウェア

 重点的にマイクロ波・ミリメートル波部品、ハイ エンド汎用チップ、OS、データベース管理システム とミドルウェアを中核とした基本ソフトウェア製品 を開発し、コンピュータ・ネットワークの応用や国 家安全保障などに関するハードウェアシステム製品 と基本ソフトウェア製品において、自主知的財産権 の保有量と自主ブランドの市場占有率を高める。

b) 超大規模集積回路の製造設備とセット技術

 重点的に 90 ナノメートルクラスの製造設備の製 品化に加えて、中核技術と基幹部品の国産化を実現 する。65 ナノメートルクラスの製造設備のプロトタ イプを研究、開発する。45 ナノメートルクラス以下 の中核技術を飛躍的に進歩させ、超大規模集積回路 の中核技術・共通技術を攻略し、IC 産業のイノベー ションシステムを構築する。

c) 次世代ブロードバンドの無線移動通信ネットワーク  大容量通信能力を持った次世代ブロードバンド CDMA 通信システム、低コストの広域ブロードバン ド BWA(Broadband Wireless Access)システム、

近短距離のブルートゥース(Bluetooth)システムと センサーネットワークを開発するとともに中核技術 を掌握し、国際的に主流となっている技術基準に関 する知的所有権に占める中国の割合を顕著に高め、

商業分野への応用を加速し 1000 億元以上の売上を 達成する。

 このほか、「国家『第 11 次 5 ヵ年』科学技術発展計画」で は、「情報産業と近代的なサービス業領域の重大プロジェ クト」として、「近代的なサービス業の中核技術とモデル事 業」、「電子政府の中核技術とモデル事業」を盛り込んだ。

 このうち「情報産業と近代的なサービス業領域の重大 プロジェクト」に関しては、近代的なサービス業のシス テム集積に関する中核技術を開発するとともに近代的な サービス業に共通した応用技術体系を構築し、自主知的 財産権と国際競争力を持ったサービス基準・規格を作成 するとしている。

 また、近代的なサービス管理方法と運営メカニズムを 確立し、電子商取引・物流・デジタルメディア・デジタ ル教育・デジタル地域協力サービス・デジタル医療協力 サービス・デジタル都市・デジタル旅行・専門サービス 企業などに関して複数の応用モデル事業を実施するとと もに、近代的なサービスのモデル企業を育成する方針を 打ち出した。

 「電子政府の中核技術とモデル事業」については、各領 域に分散したシステムの属性の相互認証・資源統合など の技術的障害を克服するとともに、部門横断的な統一応 用システムとサービス向けの審査認証システムの集積プ ラットフォームに関する中核技術を解決し、国によるマ クロ管理、計画決定、指揮能力、部門間の連携を強化し て行政の効率と執政能力を向上するとしている。

③第 12 次 5 ヵ年計画綱要

 中国の国会にあたる全国人民代表大会(全人代)で 2011 年 3 月に承認された「国民経済・社会発展『第 12 次 5 ヵ年』計画綱要」(「国民経済和社会発展第十二个五年規 劃綱要」)では、重点産業の構造調整推進の一環として、

電子情報産業について、研究開発の水準を高めるととも に基礎電子の自主発展能力を強化し、産業チェーンのハ イエンド側への延伸を促進する必要があるとした。

 また、次世代情報技術産業について、次世代移動通信、

次世代インターネット、「三網融合」(通信、放送、イン ターネットの融合)、モノのインターネット、クラウド コンピューティング、集積回路(IC)、新型ディスプレ イ、ハイエンドソフトウェア、ハイエンドサーバー、情 報サービスの発展に重点を置く方針を打ち出した。

 なお、工業・情報化部ソフトウェアサービス業司の陳 偉司長は 2014 年 8 月、クラウドコンピューティングの

「第 13 次 5 ヵ年」期の検討がスタートしたことを明らか にした。それによると、クラウドコンピューティング産 業の発展方針は、リーディングカンパニーの育成や産業 チェーンの整備になるという。

 このほか同計画綱要は、情報化水準の全面的向上の方 向性を示したうえで、情報化と工業化の一層の融合を推 進し、経済社会各分野の情報化を推進する考えを明らか にした。具体的には、i.次世代情報インフラの建設、ⅱ.経 済社会情報化の加速、ⅲ.ネットワークと情報の安全保 障の強化――が盛り込まれた。

デルは 2014 年 8 月 1 日、中国産 OS の開発業者であ る中標軟件有限公司と戦略的提携の合意書に調印し たと発表した。デルは今後、法人向けパソコンに中 標軟件の OS「麒麟(Kylin)」を搭載する。デルによる と、「麒麟」を搭載する製品には、ノートパソコンの

「Latitude」やデスクトップパソコンの「OptiPlex」、

ワークステーション「Precision」などが含まれる。

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