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社会基盤分野の概要 1 .関連政策

ドキュメント内 表紙OL.ai (ページ 195-200)

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)各政策の分野別取り組みについて

 社会基盤分野は、交通・輸送システムや防災、治安、

都市計画、国土の管理・保全等、文字通り国民生活を支 える基盤的分野である。また、社会基盤分野の科学技術 は、情報通信や環境、エネルギー、ライフサイエンス等 の最先端の科学技術をすり合わせ、統合したものである。

中国の社会基盤は、急速な経済成長の中で各種の矛盾点 が露呈しており、先進諸国と比べても脆弱であることか ら、早急な整備・改善が求められている。

①国家中長期科学技術発展計画

 中国政府は、「国家中長期科学技術発展計画綱要(2006

〜 2020 年)」(「国家中長期科学和技術発展規劃綱要(2006

− 2020 年)」)の中で、「科学的発展観」を通じて経済・社 会のさまざまな矛盾への対処を検討しながら持続可能な 発展をめざすという方針を示した。

 中長期計画では 11 の重点分野が設定されており、この 中で 68 件の優先テーマがリストアップされている。この うち、社会基盤に関係するものとして「交通運輸業」、「都 市化・都市発展」、「公共安全」が含まれている。

 「交通運輸業」では、交通運輸が国民経済の最も重要な 社会基盤であると位置付けたうえで、航空機や自動車、

船舶、軌道交通設備等の自主イノベーション能力に加え て、交通運輸の総合能力を高めるとの方向性が示された。

 また、交通運輸分野における省エネや環境保護、安全 確保を推進するとともに、国レベルでの重要な交通イン フラプロジェクトに関して、建設と保守に関する核心技 術を開発し、品質を向上させるだけでなくライフタイ ム・コストを下げるとの目標を掲げた。具体的には、以 下の 6 つの優先テーマを明らかにしている。

 −交通運輸のインフラ建設・保守技術及び設備  −高速軌道交通システム

 −低燃費・新エネルギー自動車  −高効率運輸技術・設備

 −インテリジェント交通管理システム(ITS)

 −交通運輸安全・救急対策  

 「都市化・都市発展」については、都市と農村の合理的 な配置と科学的な発展を促進するとしたほか、地域にお ける資源・環境に関する受容力との調和をはかる考えを 示した。そのうえで、省エネや節水を主要な手段として、

資源節約型の都市建設を目指す考えを明らかにした。具 体的な優先テーマを以下に示す。

 −都市計画と動態モニタリング

 −都市機能の向上と空間の有効利用  −建築省エネとグリーン建築  −都市の生態的居住環境の品質保証  −都市の情報プラットフォーム  

 中長期計画は「公共安全」について、中国が厳しい試 練に直面し科学技術面において戦略的な対応が求められ ているとの認識を示したうえで、非常事態に速やかに対 応できるよう、技術的な支援を強化するとともに、科学 的な予測や有効な予防措置、効果的な緊急時対応ができ る公共安全技術体系の構築をめざすとの方針を打ち出し た。

 また、炭鉱事故や自然災害、原子力安全、バイオセイ フティ等の監視・事前検知・予防技術のほか、有害化学 物質の漏洩や食品中毒等も含めた事故への対応・救助技 術の研究に努力を傾注するとしている。優先的なテーマ として、以下の 6 項目をあげている。

 −公共安全のための緊急情報プラットフォーム  −重大な労働生産事故の早期警報と救援  −食品安全と検疫

 −突発的な事故の防止と迅速な対応  −バイオセイフティ

 −重大な自然災害のモニタリング・予防

②「第 12 次 5 ヵ年」科学技術発展計画

 科学技術部が 2011 年 7 月 4 日に公表した「国家『第 12 次 5 ヵ年』」科学技術発展計画」(「国家 十二五 科学和 技術発展規劃」)では、全体目標として、自主的なイノ ベーション能力を大幅に向上させ、科学技術競争力と国 際影響力を強化し、重点領域におけるコア技術の突破を 図り、経済発展方式の転換に強い支援を提供することを 掲げた。また、国家イノベーション能力の世界ランキン グを 18 位以内に引き上げ、イノベーション型国家建設を 進めるとした。

 交通・運輸分野では、重要な交通・運輸インフラを建 設・補修する技術ならびに設備製造技術を重点的に研 究・開発するとともに、軌道交通や船舶などの自主ブ ランドを持つ輸送設備及び高効率の輸送技術・設備を発 展させ、高速リニアモーターカー・高速軌道交通に関す る中核技術を開発するとの目標を掲げた。また、交通・

運輸の安全と救急対策技術の研究を強化するほか、大都 市及び鉄道や水運、高速道路、軍事等の分野における交 通・運輸分野でのインテリジェントサービス・管理シス テムを開発するとしている。

 同計画では、突発事故の緊急処理能力の向上と公共安 全の確保に関して、以下の具体的目標を掲げている。

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7章 社会基盤分野

 − 炭鉱をはじめとした鉱山、火災爆発、危険な化学薬 品、原子力安全、ライフライン、特殊設備等に対する 早期警報・管理・緊急対応技術を重点的に開発する  − 基準・リスク評価の研究を実施し、食品有害物の迅 速モニタリング及び食品安全技術の応用モデル事業 を展開する

 − 情報化、インテリジェント化された捜査技術を開発 し、テロ対策及び突発的事故の予測・管理・処理技 術を研究する

 −出入国の検査・検疫に関する中核技術を研究する  − 突発的な自然災害に対する早期警報技術・外来生物

侵入の抑制技術を開発する  

 さらに、公共安全を保障する重大プロジェクトとして、

国レベル、地方レベル、業界レベルで、緊急時対応プラッ トフォームを構築する技術計画を作成するとしている。

 国際的に問題になった食品安全については、食品を介 した病気と食品汚染の分析を重点的に行うほか、農産物 の生産過程における食品安全の制御技術に関する研究を 強化するなどの方針が示された。

 都市化と都市発展の分野では、節約と環境技術の発展 をキーワードに、近代的な節約型都市とコミュニティを 建設するとの方向性を打ち出した。重点的に開発する技 術としては以下をリストアップした。

 −都市区画計画と土地利用技術  −コミュニティと住宅建設技術  −都市の動態モニタリング技術  −都市部での節水技術

 −空間の有効利用技術

 −省エネ・省材料・廃棄物の再利用技術  −近代的な建築・施工技術

 このほか、都市住民の居住環境を改善・保障する中核 技術、村や町の空間・土地利用に関する中核技術、村と町 の「いくらかゆとりのある住宅」(小康住宅)に関する中 核技術のプロジェクトを実施する考えも明らかにされた。

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)重点分野推進政策

①交通・運輸

 中国政府は改革開放後、交通・運輸が国民経済を発展 させるという考えから交通基盤整備に重点的に投資を 行った。しかし、中国の交通・運輸分野では、急速な経 済成長のなかで多くの課題が浮き彫りになっている。こ うした状況を踏まえ、「国家『第 11 次 5 ヵ年』」科学技術 発展計画」では、ITS を応用したモデル事業や次世代の 航空管制システム、高速リニアモーターカーなどの 3 つ の重大プロジェクトを組織・実施するという目標が示さ れた。各プロジェクトの具体的な内容を以下に示す。

〔ITS モデル事業〕

 大都市の電車・水運・高速道路・軍事交通・運輸の

インテリジェント応用システムを研究開発し、立体的な 交通情報サービス・管理システムを構築する。また、交 通情報サービスの個別化、交通管理の可視化、運輸組織 のインテリジェント化・一体化を実現する。

〔次世代の航空管制システム〕

 航空ナビゲーションの性能向上、データ連携と正確な 位置測定に基づいた総合的な航空監視、航空管制の共同 制御、民間航空管理の新しいサービス・プラットフォー ムなどに関する中核技術の研究を重点的に行う。先進的 な衛星誘導航空管制、通信、監視、航空管理・運用の共 同制御システムを構築する。次世代の航空管制システム の運用技術を検証するプロジェクトを実施する。

〔高速リニアモーターカー〕

 時速 500km のリニアモーターカーシステムの浮遊状 態における方向制御と車内制御、牽引電力の供給、運行 制御技術とシステム統合等の中核技術を自主的に研究開 発するとともに、長さ 30km の試験線を建設し高速運行 環境においてリニアモーターカーの試験を行う。

 一方、交通運輸部が 2005 年 2 月に公布した「道路・水 路交通科学技術発展戦略」(「公路水路交通科技発展戦 略」)では、以下の技術を戦略の重点として据え、2020 年 までに交通科学技術の革新体系を構築する方針を打ち出 した。

 −知能化デジタル交通管理技術

 −特殊な自然環境下での建設及び保守技術  −一体化輸送技術

 −交通科学における意思決定支援技術  −交通安全保障技術

 −グリーン交通技術

 また交通運輸部が 2006 年 9 月に公布した「道路・水路 交通中長期科学技術発展計画綱要(2006〜2020年)」(「公 路水路交通中長期科技発展規劃綱要(2006 − 2020 年)」)

は、2 月の戦略に盛り込まれた 6 つの技術を重点分野とし て再確認したうえで、地方の交通主管部門が交通利用料 金の 1 〜 1.5 %を交通分野の科学研究と技術革新に投入 するという方針を示した。

 さらに、2006 年 2 月に公布した「道路・水路交通『第 11次5ヵ年』科学技術発展計画」(「公路水路交通 十一五 科学技術発展規劃」)では、以下の 5 項目を重大プロジェ クトとしてあげている。

 − 大型道路、橋梁、トンネルの建設における中核技術 の研究

 −道路の保守技術及び設備の研究開発

 −大型深水港の建設に際しての中核技術の研究  −インテリジェント交通技術の研究開発

 −水上非常事態への対応に関する中核技術の研究  こうしたなかで国務院は 2007 年 10 月、国民経済と社 会の発展に交通・運輸が重要な意味を持つとの考えか

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