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環境及び資源・エネルギー分野の概要 1 .関連政策

ドキュメント内 表紙OL.ai (ページ 122-144)

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)各政策の分野別取り組みについて

中国政府は、エネルギー資源の大規模な開発と利用が 環境汚染と気候変動の主要な要因の 1 つであるとの認 識を示したうえで、石炭を中心として、エネルギーのク リーンな利用に最大限の注意を払いながら環境保護に焦 点をあてて生態の破壊と環境汚染の防止に取り組んでい く意向を表明している。

2011 年 3 月に全国人民代表大会(全人代)で承認され た、中国の全体計画である「国民経済・社会発展『第 12 次 5 ヵ年』計画綱要」(「国民経済和社会発展第十二个五 年規劃綱要」)では、単位 GDP(国内総生産)あたりのエ ネルギー消費量を 2010 年比で 2015 年までに 16 %削減す るとともに、汚染物質の排出量を 8 〜 10 %削減する方針 を打ち出した。中国では、「節能減排」(省エネ・排出削 減)がエネルギー・環境問題を語るうえでのキーワード

となっている。

①中長期科学技術発展計画(2006 〜 2020 年)

科学技術政策に関する長期的な方向性を示した「国家 中長期科学技術発展計画綱要(2006 〜 2020 年)」(「国家 中長期科学和技術発展規劃綱要(2006 − 2020 年)」)は、

重点課題として「持続可能な発展を可能にするエネル ギー、水・鉱産資源、環境技術の開発」をあげている。

同計画では、11 の重点領域と 16 の重大特定プロジェ クトが定められている。11 の重点領域についてはさらに 細かく 68 件のテーマがリストアップされている。エネ ルギー、資源、環境に関しては、重大特定プロジェクト として①大規模な油田と炭層ガスの開発、②大型先進加 圧水型炉と高温ガス冷却炉による原子力発電所の建設、

③水質汚染の抑制と管理体制の確立――があげられてい る。一方、重点領域については、以下の構想と優先テー マが掲げられている。

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分 野 発 展 構 想 優先テーマ

エネルギー

省エネ、エネルギー消費量の削減を優先とする。主要な省エネ分野にお ける重要な技術を把握するために、積極的に省エネ技術を発展させ、一 次エネルギーの利用効率と最終利用効率を上げる。

エネルギー構造を多様化し、供給を拡大する。石油・天然ガスの開発・

利用、及び水道、電気の技術水準を高めるとともに、原子力技術の発展 をはかることによって原子力発電の自主的イノベーション能力を構築す る。風力や太陽、バイオマス・エネルギー等の再生可能エネルギー技術 のブレークスルーを達成し大規模利用をはかる。

石炭のクリーン・効率利用を進め、環境汚染を低減する。石炭のクリー ン・高効率化技術を発展させ、国際的な先進水準に到達させる。

エネルギー設備の技術導入、消化、吸収と再イノベーション能力を高め る。先進的な石炭火力発電、原子力発電等の重要な設備製造技術の把握 に努める。

エネルギーの地域最適化配置技術能力を高める。信頼性のある先進的な 送電技術開発に重点を置き、大容量、遠距離、高効率の送電を実現する。

工業分野での省エネ

石炭のクリーン・高効率な開発利用、液 化及び複合利用

複雑な地質における石油・天然ガス資源 の探査及び開発利用

再生可能エネルギーの低コストかつ大規 模な開発利用

超大規模な送・配電と電力網の安全確保

水資源・鉱物資源

資源の節約を優先する。農業の高効率節水と都市における水の循環利用 を重点的に研究し、多流域にまたがる水の調達、雨水利用、海水淡水化等 の水資源開発技術を発展させる。

既存資源の埋蔵量を拡大する。地質を重点的に研究し、鉱山の深部評価 と高効率探査技術を発展させ、チベット高原等の複雑な条件下における 鉱物を早急に調査し、大規模な予備資源基地として資源の供給量を拡大 する。鉱物資源の高効率採掘と総合利用技術を開発し、水と鉱物資源の 総合利用率を高める。

積極的に非在来型資源を開発する。炭層ガスと海洋鉱物資源等の新規資 源の開発、利用をはかり、非在来型資源の利用技術の研究能力を向上さ せる。

資源探査・開発設備のイノベーションを強化する。高精度の資源探査・

掘削設備、大型鉱山機械、海洋開発プラットフォーム等の技術を積極的 に開発し、資源探査設備を国際的な先進水準に到達させる。

水資源の最適化配置及び総合開発利用

総合的な節水

海水の淡水化

資源の探査、確認埋蔵量の拡大

鉱物資源の高効率開発・利用

海洋資源の高効率開発・利用

総合的な資源利用のための区域計画

環境

循環経済の発展を指導、支援する。深刻な汚染を発生させている業界向 けにクリーン生産技術を開発し、廃棄物の減量化、資源化利用・安全対 策、循環経済に共通した技術の研究を強化する。

地域環境の総合管理を行う。流域内の水環境及び地域の大気環境汚染の 総合的管理、典型的な生態機能悪化地域に対する総合修復技術の展開及 びモデル構築、飲用水の安全確保技術及び生態・環境の監視・警報技術 を開発する。

環境保護産業の発展を促進する。中国の国情に適した環境保護設備・計 器を重点的に研究し、国産の環境保護製品の市場占有率を引き上げ、環 境保護の設備・技術水準を向上させる。

国際環境協力活動に積極的に参加する。

総合的な汚染対策及び廃棄物の循環利用

脆弱な生態地域における生態システムの 機能修復

海洋生態及び環境保護

地球規模の環境変化の監視・測定及び対

このほか中長期科学技術発展計画は、先端技術の項目 で、エネルギーの将来の課題は経済的、効率的、クリーン な利用と新エネルギーの開発にあるとしたうえで、先進 エネルギー技術として①水素エネルギー及び燃料電池技 術②分散型エネルギー技術③高速炉技術④磁場閉じ込め 方式核融合――をあげている。

③ 「第 12 次 5 ヵ年」科学技術発展計画

「国 家『第 12 次 5 ヵ 年』科 学 技 術 発 展 計 画」(「国 家 十二五 科学技術発展規劃」)は、エネルギー・資源・

環境分野において、以下の戦略目標を掲げている。

− エネルギー探査開発とクリーンエネルギーの高効率 利用技術を発展させ、エネルギーの安全保障能力を

向上させる。

− 水資源と鉱物資源の開発技術を発展させ、資源の総 合利用効率を向上させる。

− 生態系環境保護技術を発展させ、人と自然の調和の とれた発展を促進させる。

− 気候変動の科学研究と技術の集約を強化し、全面的 に対応能力を向上させる。

同 計 画 で は、こ う し た 戦 略 目 標 に 基 づ い た エ ネ ル ギー・資源・環境分野の重点特定プロジェクトに加えて、

緊急のニーズに応じて克服する必要がある各種技術を以 下のように具体的に定めている。

目  標 主要項目、技術

戦略目標に基づいた重点特定プロジェクト

在来エネルギーの探査開発能力向上:

 −複雑な石油・ガス田探査と石炭、海底油田の安全開発  −高効率石油・ガス安全集中輸送技術

エネルギーグリーン高効率利用:

 −石炭のガス化、液化、化学工業のグリーン転化技術

 −超超臨界発電、石炭ガス化複合発電、省エネ型循環流動床技術

 −スマートグリッド、原子力発電、風力発電、太陽エネルギー発電、バイオマス発電、海洋エ ネルギー、地熱利用技術

戦略目標に基づいた省エネ環境保護、新エ ネルギー技術

省エネ環境保護産業の発展向上:

 −半導体照明

 −石炭グリーン高効率利用  −大気汚染処理技術  −廃棄物資源化技術

新エネルギー産業の生産、運輸と消費を促進:

 −風力発電技術  −高効率太陽熱発電技術  −バイオマス・エネルギー技術  −スマートグリッド技術  −新エネルギー自動車

持続可能な発展を支える科学技術

モデル事業:

 −海水淡水化と総合利用技術  −生態保護と修復モデル技術  −環境汚染処理モデル技術  −持続可能な集積技術の応用と実証

中国政府、島嶼部などでの海水淡水化に本腰

 科学技術部社会発展科技司(局)は 2014 年 8 月 25 日、

海水淡水化に関する国の計画等を着実に実施に移すとと もに、海水淡水化と総合利用技術のイノベーション・移 転応用をはかることを目的として、「海水淡水化・総合 利用基幹技術・設備成果集(意見公募ドラフト)」(「海 水淡化与総合利用関鍵技術与装備成果匯編(征求意見 稿)」)を公表した。各種技術の正確性や権威性を確認す るためのもので、意見は 9 月 20 日に締め切られた。25  成果集では、逆浸透膜技術や多段フラッシュ法のほ か、MW 級の風力発電を使った海水淡水化システム、

海水総合利用技術が紹介されている。このうち、「島嶼 に適用可能な海水淡水化技術・設備」については、逆 浸透膜を使った技術が最も一般的だとしたうえで、電 力と海水が供給できればすぐに運用できるとしている。

 中国では 1997 年、逆浸透膜技術を使った海水淡水 化施設(500㎥ / 日)が嵊山島で初めて完成して以来、

大連長海県の大長山島(1999 年、1500㎥ / 日)、和獐 子島(同、1000㎥ / 日)などで続々と操業を開始した。

2012 年末時点では、中国国内に海水淡水化プラントが 95 ヵ所あるが、このうち 45 ヵ所は島嶼に建設されて いる。

 一方で、陸地からかなり離れた小規模島嶼では電力 供給の難しさのため淡水化プラントの規模が制約され てしまうという問題を抱えている。成果集は、国家主 権の維持や海洋科学研究、海洋探査と密接な関係があ る小規模の島嶼では十分な電力が供給できないため、

風力発電や太陽エネルギー、波浪エネルギー等の再生 可能エネルギーと逆浸透膜を組み合わせた淡水化が新 たな方法として期待できるとしている。しかし、再生 可能エネルギーは連続して安定的に電力が供給できな いため、各種の再生可能エネルギーを組み合わせて海 水淡水化のための安定的な電源を供給することが現実 的であるとしている。

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