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資料⑩ 越前和紙の種類

■越前和紙にはどんな種類があるでしょう。

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資料⑪ 手漉きと機械漉きの生産額の変化

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15,000

10,000

5,000

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500

総生産量

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       (今立町和紙の里会館編

資料⑫ 手漉きと機械漉きの従業者数の変化

『伝統工芸品 越前和紙を知ろう』 1986p.28)

(人)

1,000 働く人の数

手すき一

機械すき一一一一 844

緩加工……・一・

767

578

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      (今立町和紙の里会館編 『伝統工芸品 越前和紙を知ろう』 1986p.27)

資料⑬ おじさんの話(越前和紙の問題解決に向けての努力)

資料⑬ おじさんの話(越前和紙の問題解決に向けての努力)

水不足の問題:紙漉きには欠かせない水が,機械漉きの増えた昭和4G年頃から不足して きました。そのため地下何mものボーリングをして井戸を掘ったり,岡本川のダム建設や遠 くの川から水を引いたり,他の地域へ工場を進出させるなどしています。

第2に人手(後継者)不足の問題。若者の多くは都会に出たり,他の職業についたりする ので,働き手を得るのが難しくなっています。福井県和紙工業協同組合では,若手グループ による青年部会をつくって,新製品の開発や後継者の育成に努めています。

第3に流通の問題。機械化が進むにつれて価格の安いものが数多く出回ってきたので,手 漉き和紙の消費は減ってきています。そこで,消費者の好みにあわせた,機械漉きではでき ない製品を研究,開発しています。さらに,国外へ輸出することも考えて,外国人に喜ばれ る和紙をつくる努力もしています。

最後に公害の問題。機械漉きの増加によって,原料のかすや練りかすなどが,公害防止法 の既成を受けるようになりました。そこで昭和54年に,1億円をかけて「越前和紙共同処 理施設場」を建て,共同でかすを燃やすなどして,川や町を汚さない工夫をしています。ま た町では,川の水の検査を定期的にするなど,環境をよくして住民の健康を守るために真剣 に取り組んでいます。

(今立町和紙の里会館編 『伝統工芸品 越前和紙を知ろう』 1986p.29)

資料⑭ フィリピンでの和紙原料栽培の歩み

1990.6 ブィリピン農業省ティオテコ長官が視察のため今立町を訪問する。

1992.6 ジェトロの要請により,フィリピンの研修生2名を受け入れる。

1992.8 ジェトロの要請により,フィリピンで技術指導を行う。

     以後,十数回にわたって紙づくりや原料栽培などの技術指導を行う。

1993 フィリピンにおいて,日本楮の本格的な栽培を始める。

1995.6 今立町和紙工業組合が「原料確保事業」のためフィリピンを訪問する。

1995.7 今立町の和紙の里会館,パピルス館とフィリピン手漉き紙センターが友      好姉妹館の提携をする。

資料⑮ 工業団地造成の計画

第3節 授業モデルの成果

前節では,イメージ的認識過程を組み込んだ社会科授業モデルを提案した。

それは,子どもの社会認識をより発展的に形成させるためには,イメージ 的認識を組み込んだ授業設計が有効であるとの仮説に基づいた試みであっ

た。

本節では,授業モデルにおいてそれがどの程度具現化できたかを考察する。

1。認識の二重構造による「伝統的工業」の概念把握

本研究では,先にイメージ形成を「対象を先行認識と対応させて,自己の 思考の枠組みの中で再構成してとらえること」と定義した。これは,イメ ージを認識方法の一つとしてとらえ,その具体的手段として「認識の二重 構造]を想定したものであった。

この「認識の二重構造」において,事象は直接把握される「見え」と,「見 え」を通して間接的に把握される「実在」という二つの像をもっことにな る。われわれが事象を認識するとき,そこで直接把握されるものが「見え」

であり, f見え」を通して表れてくるさまざまな側面の総体が「実在」で ある。本授業モデルの場合は「技術」がこの「見え」に当たる。そして,

この「技術」を通して把握されるものが,「伝統的工業」という「実在」

となるわけである。

 「技術」という視点から伝統的工業という事象を眺めると,そこには「技 術」の独自性という表の面とともに,裏の面とでもいうべき閉鎖性が見え てくる。また一方では,独自性と対置するかたちで「技術」の大衆化,規 格化という側面が表れてくる。これらの一つ一つの面は,伝統的工業のも つ一側面にすぎない。しかし,学習が進むにつれてそれらの間に関連性が 見出され,有機的なつながりができてくると,やがてそれらは総体として

「伝統的工業」という概念となる。ここで,はじめて「技術」という視点 から見た「伝統的工業」の概念を把握することができるようになる。

本単元では,このような意味から「技術」に視点を置いて,認識の二重構 造をとっているのである。

2.授業モデルにおけるイメージ形成

本単元では,イメージ形成の場をいくつか設けている。基本的に一つの概 念探究過程は,イメージ的認識一〉論理的認識という二つの過程から成り立っ ている。これを基本型として,本単元では二つの概念探究過程と一つの価 値分析過程を設定し,授業設計を行った。

まず,概念探究過程1では,!万円札を観察したり,触ったりすることに よって,その手触りや臭い,あるいはそこに描かれている図柄などから今 立町や越前和紙と関連するものを探す。和紙を知っている子は,そのとき の経験をもとに問いに対する答えを探すことだろう。一方,何の知識もも っていない子は,普段使っている洋紙と比較することによって,何らかの 答えを見つけだそうとするかもしれない。いずれにせよ,この段階は学習 の導入部だけに,今立町や越前和紙についての知識は限られている。した がって,触覚や嗅覚,あるいは視覚などから得られた一つの情報によって 判断するしかない。このときに,アブダクションがはたらく。つまり,対 象であるお札のある一つの属性を手がかりに,先行認識との間にある対応 関係を作るのである。このときに,子どもたちが出し合った多種多様な考 えは,論理的認識において単元の中核的問いを探究する多様な視点へと発 展していくことになる。

このように,概念探究過程1においては,アブダクションによるイメージ 形成が行われる。一方,概念探究過程2では,先行認識活用型のイメージ 形成の場が設定されている。

子どもたちは,まず提示された資料(グラフ)から,手漉きに比べて機械 漉きの方が生産額・従業者数とも上回ってきていることをつかむ。そこで,

なぜそうなっているのか,越前和紙にはどのような問題があるのかと考え る。ここで,資料の示す数字や変化の割合が記号的に解釈されたならば,

イメージも形成されず,また社会認識の形成もなされることはない。豊か なイメージを形成し,社会認識も十分に形成されるようになるためには,

資料から読みとった情報が,それまでに学習してきた内容,あるいは見学 や体験して得た情報と結びつけられる必要がある。つまり,統計的な資料 が先行認識との往復運動によって,具体的な情報へと変換されるのである。

このような過程を,先行認識活用型のイメージ形成ととらえる。

加えて,本単元では工場見学,和紙漉き体験,おじさんへのインタビュー といった体験活動を積極的に取り入れている。これによって,学習で得た

知識が経験と結びついてより深く認識されることになる。また,そこでの 経験が,概念探究過程2や価値分析過程においても,具体的で多様な考え や視点となって生かされる。

以上のように,本単元では二つの概念探究過程を中心として,イメージ形 成が効果的に行われるように場が設定されている。

3.授業モデルにおける社会認識形成

本単元において,社会認識がどのように形成されるか,このことについて は,先に示した図をもとに説明する。

 「一認識の二重構造一一一

「見え」       「実在」

概念探究過程1 優秀性・独自性

〈問い①〉

基本的要素

・蓄積された優れた技術経験

・高い品質

・立地条件

・歴史的背景

・人々の工夫,努力

〈単元の中核的問い〉

概念探究過程2

m亜]一一

         〈問い②〉

図4−9 伝統的工業における認識の二重構造と問い

問題点

・少量生産

・低い生産性

・後継者不足

・原材料確保難

<問いD−1>

伝統的工業を学習する際には,立地条件や生産工程,人々の工夫・努力と いったことが学習の中心となる。これを基本的要素とする。その一方で,

伝統的工業が抱える今日的な問題点も学ぶ必要がある。本単元では,この 二つの要素をそれぞれ別の概念探究過程で学ぶようにした。

第2章で述べたように,社会認識の形成のためには,知識の量的拡大と体 系化という二つの方向へ知識が拡大される必要がある。前章でみたように,