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重要な会計上の判断、見積り及び仮定

ドキュメント内 2017IFRS連結財務諸表記載例 (ページ 48-53)

経営者は当グループの連結財務諸表の作成に当たり、収益、費用、資産及び負債の報告金額及びそれに関連する開示 並びに偶発負債の開示に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を行うことが求められます。これらの仮定及び見積りに関す る不確実性により、将来の期間において資産又は負債の帳簿価額に対して、重要な修正が必要となる可能性があります。

グループのリスク及び不確実性に対するエクスポージャーに関連するその他の開示は以下のとおりです。

資本管理 注記 5

金融商品リスク管理及び方針 注記 20.5

感応度分析に関する開示 注記 16, 17, 19, 20.4, 20.5及び29 判断

当グループの会計方針を適用する過程において、連結財務諸表で認識される金額に最も重要な影響を与える経営者の判 断は以下のとおりです。

IAS 1.122

オペレーティング・リース契約当グループが貸手である場合

当グループは、投資不動産ポートフォリオについて商業用不動産リース契約を締結しています。当グループは、リース期間 が商業不動産の耐用年数のほとんどの部分を占めていないことや、最低リース料の現在価値が商業不動産の公正価値 のほとんどすべてではないことなど、契約の取引条件の評価に基づき、所有に伴うすべての重要なリスク及び経済価値は 当グループに留保されていると判断し、当該契約をオペレーティング・リースとして会計処理しています。

分配目的保有の資産及び非現金資産の分配

取締役会は2016年10月1日に、完全子会社である吸管株式会社のゴム事業を廃止する決定を行った旨を公表しました。

吸管株式会社の株式は当社の株主へ分配されるため、吸管株式会社の事業を親会社株主に対する分配目的で保有する 処分グループに分類しました。取締役会は、以下の理由から同日時点で当該子会社が「分配目的保有」に分類される要件 を満たしていると判断しました。

IFRS 5.7 IFRS 5.5A IFRS 5.8 IFRS 5.12A IFRIC 17.10

吸管株式会社は現状のままで直ちに株主に分配可能である

分配を完了させるための活動は開始されており、分類した日から1年以内に完了する予定である

株主は2016年11月14日に当該分配を承認している

分配のための事務及び形式的な手続は2017年2月28日までに完了させる予定である

非継続事業及び非現金資産の分配に関する詳細については、注記13及び注記25に記載しています。

連結財務諸表の注記

3. 重要な会計上の判断、見積り及び仮定 (続き) ストラクチャード・エンティティの連結

当グループは2016年2月に第三者であるパートナーとともに、消防機器研究所株式会社を設立しました。同社は、土地を 取得後、消防機器安全施設の建設及び運営を目的としています。当グループは同社の議決権の20%を保有しています。

第三者パートナーは、消防機器安全施設を取得及び建設するために、2016年に約2,700千CUを拠出し、議決権の80%

を保有しています。当該パートナーは、このプロジェクトを完了させるため、今後2年間にわたり毎年、約1,000千CUを拠 出することを確約しています。工事の完了予定は2020年であり、総工費は約4,700千CUになると見積られています。当 該パートナーは、操業を開始すると出資残高に対し22%のリターンを得る権利を有しています。当該パートナーとの契約 上の取決めにより、当グループは同社の取締役会メンバーの過半数を任命することができ、かつ、すべての主要な事業上 の決定に関して、当グループの承認が必要となります。第4期会計年度末時点で、当該パートナーは出資について100%

の返還を得る権利を有しています。実効金利は11%であり、2016年12月31日時点で拠出金額に対する利息累計額は 303千CUです。したがって、当グループは、当該パートナーに対して出資に対するリターンを事実上保証しています。工事 の完了時点で、消防機器研究所株式会社の運営は当グループのみで行うことになります。

IFRS 12.7(a) IFRS 12.9 IFRS 12.17 IFRS 12.8 IFRS 12.9 IFRS 12.14

当グループは、契約条件に基づき、同社を支配している者の決定に際して、消防機器研究所株式会社の議決権が決定的 な要因とならないと判断しました。さらに、同社の資本(200千CU)は十分でなく、当グループによる資本以外の財務的支 援なしでは、同社は活動資金を確保できないと判断しました。したがって、当グループは、消防機器研究所株式会社が IFRS第10号に基づくストラクチャード・エンティティであり、非支配持分の存在しない状態で当グループが同社を支配して いると結論付けました。第三者パートナーの議決権持分は、金融負債として会計処理されます。当グループの連結財務諸 表において消防機器研究所株式会社を連結しており、当該パートナーの持分は長期借入金として計上し、投資に対するリ ターンは利息費用として計上しています。

注釈

IAS第1号では、経営者が会計方針を適用する過程で行った判断のうち、財務諸表に計上される金額に最も重要な影響を与えているもの について開示しなければならないと定めている。IFRS第12号は、この一般規定に加え、他の事業体又は取決めへの関与の内容と、企業 が関与する共同契約の種類を決定する際に行ったすべての重要な判断及び見積りを開示することを求めている。

IFRS第12号7項は、企業が以下を決定するにあたって行った重要な判断と仮定(ならびにそれらの判断及び仮定の変更)に関する情報 を開示することを求めている。

他の事業体に対する支配を有しているか

取決めに対する共同支配又は他の事業体に対する重要な影響力を有しているか

取決めが別個の事業体を用いて組成されている場合、共同契約の種類(すなわち、共同営業かジョイント・ベンチャーか)

企業は、たとえば以下を決定する際に行った重要な判断及び仮定を開示しなければならない。

他の事業体の議決権の過半数を保有しているが、当該事業体を支配していないこと

他の事業体の議決権の過半数を保有していないが、当該事業体を支配していること

IFRS第10号に定義される代理人又は本人であること

他の事業体の議決権の20%以上を保有しているが、当該事業体に対する重要な影響力を有していないこと

他の事業体の議決権の20%未満しか保有していないが、当該事業体に対する重要な影響力を有していること

当グループは、非連結のストラクチャード・エンティティへの関与を有していない。非連結のストラクチャード・エンティティへの関与を有する 場合には、IFRS第12号24項から31項の開示を行う必要がある。IFRS第12号24項から31項に従った開示例については、新日本有限 責任監査法人の刊行物「Applying IFRS : IFRS第12号―非連結のストラクチャード・エンティティへの関与に関する開示例」を参照され たい。

連結財務諸表の注記

3. 重要な会計上の判断、見積り及び仮定 (続き)

当グループが過半数に満たない議決権を保有する事業体の連結(事実上の支配)

当グループは電子部品株式会社の議決権の50%未満しか保有していませんが、同社を支配していると判断しています。こ れは、当グループが同社の議決権の48%を保有する最大株主であり、(2011年10月1日から2016年12月31日までの 株主名簿の記録によると)残りの52%の議決権はその他多くの株主によって広く分散して保有されており、これらの株主の 中には1%を超える議決権保有者が存在しないためです。また、当グループが電子部品株式会社を取得した 2011年10 月1日以降、その他の株主が議決権を共同行使したり、当グループよりも多くの議決権を得るための協力を行ったりした実 績はありません。

IFRS 10.B41-B42 IFRS 12.7(a) IFRS 12.8 IFRS12.9

注釈

当グループはIFRS第10号B42項に定められるガイダンスに基づき、過半数に満たない議決権しか保有していないものの、電子部品 株式会社を支配していると判断した。

見積り及び仮定

将来に関する主要な仮定及び報告日現在における見積りの不確実性に関するその他の主たる要因は、翌年度において 資産及び負債の帳簿価額に重要性のある修正が生じる重要なリスクを有しており、その内容を以下に記載しています。

当グループの仮定及び見積りは、連結財務諸表が作成された際に入手可能なパラメーターに基づいています。ただし、現 在の状況と将来の進展に関する仮定は、当グループのコントロールが及ばない市場の変化又は状況により変更される可 能性があります。このような変更は、実際に発生した時点で仮定に反映しています。

IAS 1.125

有形固定資産及び投資不動産の再評価

当グループは、投資不動産を公正価値で測定し、公正価値の変動額を連結損益計算書に計上しています。当グループ は、投資不動産については2016年12月31日現在、日本国に所在するオフィス用不動産については2016年1月1日及び 12月31日現在の公正価値を算定するために、独立した専門家による評価を利用しました。投資不動産については、当該 不動産の性質上比較可能な市場データが不足しているため、割引キャッシュ・フロー・モデル(DCF法)に基づく評価技法 を使用しました。また、当グループは、日本国に所在するオフィス用不動産を再評価額で測定し、公正価値の変動額をそ の他の包括利益に計上しています。オフィス用不動産については、類似する性質、場所及び状態を有する不動産が関係 する取引を参照して評価を行いました。

不動産の公正価値及び感応度分析の算定に使用された主要な仮定については、注記16及び注記17に記載しています。

非金融資産の減損

資産又はCGUは、その帳簿価額が回収可能価額を上回る場合に減損しているとみなされ、回収可能価額は資産又は CGUの売却コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方の金額となります。売却コスト控除後の公正価値は、

類似資産の独立第三者間で行われる拘束力のある販売取引又は資産の処分に関する増分費用を控除した観察可能な 市場価格から入手されるデータに基づいて算定されます。使用価値はDCF法に基づき算定されます。キャッシュ・フローは 今後5年間の予算に基づいており、これには当グループがまだ確約していないリストラクチャリングや、減損テストの対象と なっているCGUに含まれる資産の性能を高めることになる将来の重要な投資は含まれていません。回収可能価額は、そ の見積りの際に用いられる見積将来キャッシュ・インフロー及び成長率のみならず、DCF法で使用される割引率によりその 金額が大きく左右されます。これらの見積りは、当グループが認識したのれん及び耐用年数を確定できない無形資産に最 も関連性があります。各CGUの回収可能価額の算定に使用された主要な仮定については、感応度分析も含めて、注記19 に記載しています。

IAS 36.6

IAS 36.33(b)

株式報酬

株式報酬の公正価値を見積る際に、当グループは最も適切な評価モデルを決定しなければならず、その決定は株式報酬 が付与された取引条件に左右されます。また公正価値の見積りには、ストック・オプション又は株式増価受益権の存続期 間、株価の予想ボラティリティ及び配当利回りを含む、評価モデルに対する最も適切なインプットを決定し、それらの要因 について仮定を設定することが求められます。当グループは、二項モデルを用いて従業員との現金決済型取引に係る費 用を当初測定し、関連する負債の公正価値を算定しています。現金決済型株式報酬取引に関する負債は、決済が行われ るまで、各報告期間の末時点で再測定する必要があり、公正価値の変動額は損益に計上します。そのため、各報告期間 末時点で使用した見積りを再評価する必要があります。持分決済型株式報酬取引の付与日時点での公正価値の測定に 関し、当グループは上級幹部に対する制度(SEP)については二項モデル、一般従業員に対するストック・オプション制度

(GESP)についてはモンテカルロ・シミュレーションを使用しています。株式報酬取引の公正価値を見積る際に使用された 仮定及び評価モデルは、注記30に記載しています。

ドキュメント内 2017IFRS連結財務諸表記載例 (ページ 48-53)