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下記 7 ⑶④の株式若しくは出資、上記 5

7   通算子法人株式の取扱い

⑴ 改正前の制度の概要

① 完全支配関係がある法人の間の取引の損益  この制度は、内国法人が譲渡損益調整資産 を完全支配関係がある他の内国法人に譲渡し た場合には、その譲渡損益調整資産に係る譲 渡利益額又は譲渡損失額に相当する金額は、

各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額 又は益金の額に算入する(すなわち、譲渡時 点においては譲渡損益を計上しない)ととも に、その譲渡損益調整資産につき他の内国法 人において譲渡、償却、評価換え、貸倒れ、

除却その他これらに類する事由が生じた場合 等には、その譲渡損益調整資産に係る譲渡利 益額又は譲渡損失額に相当する金額は、その 内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、

益金の額又は損金の額に算入する(すなわち、

繰り延べられていた譲渡損益を計上する)と いうものです(法法61の13)。

② 投資簿価修正

 この制度は、連結法人が連結子法人株式に ついて譲渡を行うなどの事由(譲渡等修正事 由)が生ずることとなる場合に、その連結子 法人の株式を有する全ての連結法人が、その 譲渡等の処理の前に、その連結子法人の株式 につきその連結子法人の連結期間中の連結個 別利益積立金額の増加額又は減少額に相当す る金額の帳簿価額の修正を行うとともに、自 己の連結個別利益積立金額につきその修正金 額に相当する金額の増加又は減少の調整を行 うというものです(法令 9 ①六②~④、 9 の

2 ①四、119の 3 ⑤)。

⑵ 改正の趣旨及び概要

 報告書では、上記5の含み損の問題のほかに、

含み益を利用した租税回避についても、次のよ うに述べられています。

 「含み益についても、含み益のある資産を譲 渡して含み益を実現させ、その譲渡した法人の 株式について投資簿価修正を行った後、その株 式を売却することで、含み益が生じていた資産 の帳簿価額が引き上がるにもかかわらず、含み 益の実現益は株式譲渡損が生じた場合には相殺 されて課税が逃れられるなどの問題が生ずるの で、恣意的な税負担の調整を防止する観点から、

上記のような含み益の実現益は、投資簿価修正 の対象から除くなどの方向で検討することが考 えられる。」

 また、損失の 2 回控除について、離脱前後の 2 回控除を利用する上記6のほか、離脱せずに 2 回控除することについて、次のように述べら れています。

 「同様の問題は、含み損のある資産を有する 子法人の株式を有するグループ内法人が、その 子法人の株式について、評価損を計上し、又は グループ内譲渡(非適格組織再編成を含む。)

を 2 回行って譲渡損を計上し、その後その子法 人がその資産の含み損を実現させる場合にも生 ずる。したがって、企業グループから子法人が 離脱せずに子法人株式と資産の損失をそれぞれ 計上する方法による損失の 2 回控除についても、

これを防ぐ方策を検討する必要がある。

 なお、子法人の株式について、資産として認 識すべきかといった観点からも検討が必要であ るとの意見もあった。」

 平成29年度の税制改正において、帳簿価額 1,000万円未満の資産が時価評価資産から除外 されたことにより、のれんなど多額の含み益を 有する資産が時価評価されずに持ち込まれるこ ととなり、上記の含み益の問題が顕在化する可 能性が高まったところですが、今回、開始・加 入時の時価評価の対象を縮減することにより、

この問題はより大きくなると考えられます。こ

の問題は、根本的には、含み損益のある資産を 有する法人が含み損益を清算せずに連結納税制 度(改正後はグループ通算制度)の開始・加入 をする際に、その法人の簿価純資産価額とその 法人の株主におけるその法人の株式の帳簿価額 が一致せず、開始・加入後の含み損益の実現額 が投資簿価修正の対象となることにより、投資 簿価修正がうまく機能しないことが原因といえ ます。

 今回の連結納税制度の見直しの議論において は、組織再編税制との整合性を図ることが一つ の柱ですが、通算制度の開始・加入及び離脱は、

100%子法人化してその子法人を親法人が吸収 合併すること及び分割により法人を切り出すこ とと同様と考えることが組織再編成との関係で 整合することから、株式の帳簿価額に関する処 理においても、これと同様にすべきであると考 えられます。

 また、投資簿価修正は、相当程度の事務負担 が必要であるとの意見もあるところです。

 そこで、①通算子法人の株式の他の通算法人 に対する譲渡損益及び評価損益を計上しないこ ととされるとともに、②投資簿価修正が改組さ れて通算制度からの離脱法人の株式の離脱直前 の帳簿価額を離脱法人の簿価純資産価額に相当 する金額とする制度とされました。これにより、

通算制度下において子法人に生じた利益又は損 失に対する株式の譲渡損益を通じた 2 回目の課 税又は控除は、改正前と同様に防ぐことができ ます。一方、通算制度の開始又は通算制度への 加入前の子法人株式の含み損益も計上されない ことになります。また、100%子法人化した後 にその子法人を親法人が吸収合併する場合と同 様となり、組織再編税制との間で整合すると考 えられます。しかしながら、100%子法人化は 合併と異なって子法人の法人格が異なったまま であることから、その子法人を再度外部に切り 出すことが容易です。したがって、通算制度の 開始又は通算制度への加入前の含み益への課税 を回避するために短期間通算グループに加入さ

せて帳簿価額を非課税で引き上げるという租税 回避行為を防止するため、③通算制度の開始又 は通算制度への加入をする子法人で親法人との 間に完全支配関係の継続が見込まれないものの 株式について、株主において時価評価により評

価損益を計上することとされました。

 なお、これらの制度は、通算制度の開始又は 通算制度への加入後損益通算をせずに 2 月以内 に通算グループから離脱する法人については、

対象外とされています。

⑶ 改正の内容

① 完全支配関係がある法人の間の取引の損益 イ 通算法人株式の譲渡損益の非計上

 通算法人が譲渡損益調整資産に係る譲渡 利益額又は譲渡損失額につき法人税法第61 条の11第 1 項の規定の適用を受けた場合

(すなわち、譲渡の時点で譲渡利益額又は 譲渡損失額に相当する金額を損金の額又は 益金の額に算入することにより譲渡損益が 計上されない場合)において、その譲渡損 益調整資産の譲渡が他の通算法人の株式

(出資を含みます。以下同じです。)の当該 他の通算法人以外の通算法人に対する譲渡 であるときは、その譲渡損益調整資産につ いては、その後譲受法人において譲渡、償 却、評価換え、貸倒れ、除却その他これら

に類する事由が生じた場合や完全支配関係 を有しないこととなった場合等の譲渡利益 額又は譲渡損失額を計上すべき事由に該当 しても、譲渡利益額又は譲渡損失額を益金 の額又は損金の額に算入しない(譲渡損益 の計上をしない)こととされました(法法 61の11⑧)。

(注 1 ) 非適格合併の場合の合併法人におけ る取得価額の調整(法法61の11⑦)も 行わないこととされています(法法61 の11⑧)。これに伴い、次の整備が行わ れています。

イ 非適格合併により他の通算法人の 株式の移転を受けた場合のその株式 の取得価額は、その取得の時におけ るその取得のために通常要する価額 P

S S株 99%

P 譲渡

S S株

P

S 100%

含み益株式

0 %

通算開始前のS株式の含み益 への課税が生じなくなる。

【改正後(法法 64 の 11・64 の 12)】

100%の継続が見込まれないものは、

開始・加入時にS株式の評価益を計 上する。

【改正後】S株式の簿価を簿価 純資産価額に合わせる(譲渡 益は計上されない)。

 100%化

→通算・加入開始 離脱

【改正後】S株式の評価益を簿価に加 算する。

通算子法人株式の時価評価

とされました(法令119①二十六・

二十七)。

ロ 内国法人が自己を合併法人、分割 承継法人又は株式交換完全親法人と する合併、分割型分割又は株式交換

(以下「合併等」といいます。)の対 価として親法人株式を交付しようと する場合において、その合併等に係 る契約をする日後に非適格合併によ り親法人株式の移転を受けた場合に おいても、その親法人株式が他の通 算法人の株式であるときは、その親 法人株式をその移転を受けた日の価 額で譲渡し、かつ、その価額で取得 したものとみなさないこととされま した(法令119の11の 2 ②一)。

 すなわち、通算子法人の株式を通算グル ープ内で譲渡する場合には、譲渡損益課税 をしないというものです。

ロ 対象となる他の通算法人の株式

 上記イの「他の通算法人」からは、初年 度離脱通算子法人及び通算親法人を除くこ ととされています(法法61の11⑧、法令 122の12⑯)。

 初年度離脱通算子法人とは、通算子法人 で通算親法人との間に通算完全支配関係を 有することとなった日の属するその通算親 法人の事業年度終了の日までにその通算完 全支配関係を有しなくなるもの(その通算 完全支配関係を有することとなった日以後 2 月以内に次の事実が生ずることによりそ の通算完全支配関係を有しなくなるものに 限るものとし、他の通算法人を合併法人と する合併又は残余財産の確定によりその通 算完全支配関係を有しなくなるものを除き ます。)をいうこととされています(法令 24の 3 )。

イ その通算子法人の合併又は破産手続開 始の決定による解散(法法64の10⑥五)

ロ その通算子法人が通算親法人との間に

通算完全支配関係を有しなくなったこと

(法人税法第64条の10第 6 項第 1 号から 第 5 号までに掲げる事実に基因するもの を除きます。)(法法64の10⑥六)。

 また、他の通算法人の株式で当該他の通 算法人以外の通算法人に譲渡されたものは、

完全支配関係がある法人の間の譲渡損益の 調整の対象外となる「譲渡の直前の帳簿価 額が1,000万円に満たない資産」から除外 されています(法令122の12①三)。これに より、他の通算法人の株式を当該他の通算 法人以外の通算法人に譲渡する場合には、

帳簿価額が1,000万円に満たないときであ っても、譲渡損益が計上されないこととな ります。

ハ その他

 上記イにより譲渡損益を計上しないこと とされる他の通算法人の株式の譲渡につい ては、その譲渡利益額又は譲渡損失額に相 当する調整勘定を譲渡法人の負債又は資産 としないこととされる(法令122の12⑭)

とともに、譲渡法人から譲受法人への通知 及び譲受法人から譲渡法人への通知の対象 外とされています(法令122の12⑰⑲)。

 上記イにより譲渡損益を計上しないこと とされた他の通算法人の株式の譲渡利益額 に相当する金額から譲渡損失額に相当する 金額を減算した金額は、利益積立金額の期 末の増加項目とされています(法令 9 一チ)。

② 資産の評価損益及び時価評価 イ 資産の評価損益

 通算法人が有する他の通算法人の株式に ついては、資産の評価損益を計上しないこ ととされました(法法25④、33⑤)。

(注) 会社更生法等の規定に従ってする評価 換えの場合、物損等の事実又は法的整理 の事実が生じた場合、再生計画認可の決 定等の事実があった場合のいずれについ ても、評価損益を計上しないこととされ ています。