第 7 章 細胞実験への放射型および漏れ波型ばく露装置の適用 61
7.4 超高周波ばく露による細胞の生理的影響
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図 7.5. 60 GHzばく露 (60 GHz exposure)群,偽ばく露 (Sham exposure)群,コントロール群の 細胞増殖数. コントロール群での細胞増殖数の平均値に対して規格化.コントロール群のグラフ のエラーバーは3枚の培養容器での細胞増殖数の最大値と最小値.
表 7.5. ばく露後に測定した細胞生存率.
ばく露特性 細胞生存率(%)
60 GHzばく露群 98.3
偽ばく露群 98.9
コントロール群 98.9
細胞増殖数に,顕著な増減は見られなかった.細胞増殖数の測定結果を元に,一元分散分析 による実験結果の再現性の評価を行った.一元分散分析による有意水準p値は,0.51であっ た.各実験回の母平均と全ての実験回の母平均に対する有意差は認められなかった.以上 の結果から,漏れ波型ばく露装置の設置後に正常な細胞培養環境を保持していることを確認 できた.
7.4 超高周波ばく露による細胞の生理的影響 7.4.1 ばく露システム
図7.6は,開発したばく露システムを示す.共同研究先である京都大学に構築したばく露 装置は,漏れ波型 40 GHz ばく露装置,漏れ波型 60 GHz ばく露装置,漏れ波型 120 GHz ばく露装置,放射型 300 GHz ばく露装置を構築した.漏れ波型ばく露装置は第4章から第
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第7 章 細胞実験への放射型および漏れ波型ばく露装置の適用
6章で開発した.放射型ばく露装置は,第3章の結果から,インピーダンス整合層を用いた 放射型ばく露装置を開発した.放射型 300 GHz ばく露装置の詳細なばく露評価は,付録A に記載した.インキュベータは,CO2 インキュベータ (IT400,Yamato Scientific Co., Ltd,
Tokyo) を使った.
ばく露量は,先述の表7.4に示すガイドラインの基本制限(1 mW/cm2)の超高周波電波入 射時での皮膚内部電磁界強度の最大値と同程度以上とした.培地内底面での電力密度の空
間平均値 1 mW/cm2のとき,培地内での最大の温度上昇値は0.1◦Cと推定した.推定には,
第4章の図4.7の測定結果を用いた.培地内の温度上昇は,インキュベータ内の温度分布精 度 ±2◦C 以下であり,放熱性能の目標を達成した.
7.4.2 試料
材料には,HCE-T細胞 [72] を用いた . 培養容器は,周波数 40, 60 GHzにおいて,90 mm 培養容器 (MS-13900, Sumitomo Bakelite Co., Ltd., Tokyo) を用いた.周波数 120 GHz, 300 GHz での培養容器は,35 mm 培養容器 (3000-035-MYP, AGC TECHNO GLASS Co., Ltd., Shizuoka) を用いた.培養容器1枚に対して,1×105 cells の HCE-T細胞を播種した.培地 は,DMEM/Ham’s F-12に5% FBS,5µg/ml Insulin,10 ng/ml hEGFを添加して,1培養容 器あたり培地量 2 ml 使用した.インキュベータ内の設定条件は,温度 37◦C, CO2 濃度 5%, 湿度 95%以上とした.
7.4超高周波ばく露による細胞の生理的影響
40 GHz exposure Sham
exposure 20 dB
1 2 3 4
5
40 GHz exposure Sham
exposure
6
30 dB
(a)
60 GHz exposure Sham
exposure 20 dB
1 2 3
4
60 GHz exposure Sham
exposure
5
(b)
図 7.6. ばく露システム.(a) 40 GHz 漏れ波型ばく露装置を使用.1) 信号発生器 (MG3694, An-ritsu Corp., Kanagawa), 2) 信号増幅器 (QPN-40023333-KO, Quinstar Technology Inc., CA), 3) サーキュレータ(QJY-40021Q, Quinstar Technology Inc., CA),4)方向性結合器(Quinstar Tech-nology Inc., CA), 5) 検波器 (QEA-FBFBQP, Quinstar Technology Inc., CA) およびマルチメー タ (U3401A, Agilent Technologies, CA), 6) パワーセンサ (Q8486D, Agilent Technologies, CA) およびパワーメータ (E4419B, Agilent Technologies).(b) 60 GHz 漏れ波型ばく露装置を使用.
1) 波源 (VDI-TX-S143, Virginia Diodes, inc., VA), 2) サーキュレータ (QJI-60021V, Quinstar Technology Inc., CA), 3) 方向性結合器 (QJG-V20300, Quinstar Technology Inc., CA), 4) 検波 器(QEA-FBFBVP, Quinstar Technology Inc., CA) およびマルチメータ(U3401A, Agilent Tech-nologies, CA), 5) パワーセンサ (V8486A, Agilent Technologies, CA)とパワーメータ (E4419B, Agilent Technologies).
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第7 章 細胞実験への放射型および漏れ波型ばく露装置の適用
120 GHz exposure Sham
exposure 20 dB
1 2 4 3
120 GHz exposure
Sham exposure
5
× 8
(a)
300 GHz exposure Sham
exposure
1 6
7 5
300 GHz exposure Sham
exposure
×24
(b)
図 7.7. ばく露システム.(a) 120 GHz 漏れ波型ばく露装置を使用.(b) 300 GHz 放射型ばく露 装置を使用.1) 信号発生器 (8673B, Hewlett-Packard Company, CA),2) 逓倍器 (×8) 増幅器ユ ニット(QBM-C00120SOGO, Quinstar Technology Inc., CA),3)サーキュレータ(179D-120/387, Millimeter Wave Product, Inc., FL),4) 3ポート 方向性結合器(DC3-02E/20, Elmika, Vilnius), 5) カロリメトリ式パワーセンサ (PM4, Virginia Diodes, inc., VA), 6) 逓倍器 (×24) 増幅器ユ ニット (AMC 422, Virginia Diodes, inc., VA), 7) 3ポート 方向性結合器 (DC3-012E/20, Elmika, Vilnius).