以 上 か 、 統 計 的 差 別 の 検 証 に 最 も 適 し て い る 項 目
bと
cだ と い う こ と が る 。 項 目
a別 の 解 釈 の 余 地 が あ る し 、 項 目
d差 別 の 存 在 を 間 接 的 に 捉 え て い る に す い 。
－84－
説 明 変 数
女 性 の 離 職 確 率 を 捉 え る 変 数 と し て 、 女 性 正 社 員 の 就 業 続 状 況 を 用 い る 。 こ 、 女 性 の 就 業 続 ・ 離 職 パ タ ン に つ い て 、 以 下 の 七 つ か 一 つ を 選 択 す る も の あ る 。
1 .結 婚 前 に 自 己 都 合 退 職 す る
.結 婚 を 契 機 に 退 職 す る
3 .結 婚 後 、 妊 娠 や 出 産 よ 前 に 退 職 す る
.妊 娠 や 出 産 を 契 機 に 退 職 す る
5 .出 産 後 、 育 児 休 業 を 利 用 す る が 、 そ の 後
1～ 年 退 職 す る
.出 産 後 、 育 児 休 業 を 利 用 し て 、 そ の 後 も 続 就 業 す る
7 .出 産 後 、 育 児 休 業 を 利 用 し い 、 続 就 業 す る 。 項 目 と
7、 い ず も 就 業 を 続 す る の 点 、 そ 以 外 項 目 の 番 号 を 得 点 と し て 、 女 性 就 業 続 指 数 と す る 。 こ 以 外 に 、 説 明 変 数 と し て 、 企 業 規 模 ダ ミ 、 産 業 ダ ミ 、 労 働 組 合 ダ ミ を 用 い る 。
操 作 変 数
女 性 の 就 業 続 、 企 業 の 差 別 に 影 響 を 及 ぼ す か も し い が 、 逆 に 企 業 の 差 別 が 女 性 の 就 業 続 に 影 響 を 及 ぼ す こ と も 考 え る 。 差 別 的 待 遇 を さ る こ と に よ っ て 、 離 職 の 時 期 が 早 ま る こ と が あ る か も し い 。 ま た 逆 に 、 均 等 化 に よ っ て 男 性 と 同 等 の 仕 事 量 や 責 任 を 要 求 さ 、 そ が 結 婚 ･ 出 産 後 の 女 性 の 就 業 を 困 難 に す る 可 能 性 も あ る 。 実 際 、 第 章 の 表
1（7 7 頁 、 管 理 職 の 均 等 度 評 価 が 高 い 企 業 ほ 女 性 が 早 く 離 職 し て い る 。
そ こ 、 女 性 労 働 者 の 離 職 行 動 に 影 響 を 及 ぼ す が 、 男 女 の 均 等 処 遇 に 直 接 影 響 を 及 ぼ さ い 変 数 を 操 作 変 数 と し て 用 い 、 二 段 階 推 定 を 行 う 必 要 が あ る 。 操 作 変 数 に 、 企 業 が の よ う 事 業 所 展 開 を し て い る か を 示 す 変 数 と 、 労 働 組 合 に 女 性 役 員 が い る か う か を 示 す 変 数 を 用 い る 。
企 業 の 事 業 所 展 開 に つ い て 、 一 事 業 所 の み 地 域 的 に 展 開 全 国 的 に 展 開 海 外 に も 展 開 の 四 つ か 一 つ が 選 択 さ て い る 。 こ か ダ ミ 変 数 を 作 成 す る 。 事 業 所 展 開
、 そ の 地 域 が 広 く る ほ 、 転 勤 の 可 能 性 が 増 え 、 女 性 の 離 職 確 率 が 高 く る と 予 想 さ る 。 し か し 、 事 業 所 展 開 が 均 等 化 の 推 進 に 直 接 影 響 を 及 ぼ す と 思 え い 。
労 働 組 合 の 女 性 役 員 を 操 作 変 数 と し て 用 い る の 、 女 性 役 員 ワ ク ･ ラ イ フ ･ バ ラ ン ス の 推 進 に 熱 心 あ る 可 能 性 が 高 い か だ 。 し か し 、 労 働 組 合 が 均 等 化 に つ い て 会 社 に 要 求 を す る こ と あ ま い 。 女 性 役 員 が い る か と い っ て 、 組 合 が 熱 心 に 均 等 化 を 企 業 に 要 求 す る と 思 え い 。
3 - 2 ． 非 合 理 的 差 別
非 合 理 的 差 別 が 行 わ て い る 、 差 別 的 企 業 ほ 企 業 業 績 が 悪 い ず だ 。 そ こ 、
企 業 の 均 等 度 と 企 業 業 績 の 関 係 を 推 定 す る 。 企 業 業 績 に 、 経 常 利 益 、 売 上 、 生 産 性 の つ
の 項 目 を 用 い る 。 そ の 項 目 に つ い て 、 客 観 的 デ タ 、 同 業 同 規 模 企 業 と 比 較 し た 主 観
的 評 価 、 過 去
5年 間 の 伸 び に つ い て の 主 観 的 評 価 の つ を 用 い る 。 た だ し 、 生 産 性 に つ い
て 客 観 的 デ タ と し て 用 い る こ と の る 変 数 が い 。
－85－
均 等 度 の 指 標 と し て 、 上 説 明 し た 、 経 営 ト ッ プ の 方 針 の 四 つ の 指 標 を 平 均 し た 均 等 度 総 合 指 数 、 管 理 職 に よ る 評 価 の 平 均 値 あ る 均 等 度 総 合 指 数 、 一 般 社 員 に よ る 評 価 の 平 均 値 あ る 均 等 度 総 合 指 数 の つ を 、 ま た 、 客 観 的 均 等 度 と し て 、 正 社 員 に 占 め る 女 性 比 率 と 、 係 長 に 占 め る 女 性 比 率 、 課 長 に 占 め る 女 性 比 率 、 部 長 に 占 め る 女 性 比 率 を そ 正 社 員 に 占 め る 女 性 比 率 割 っ た も の を 用 い る 。 ち み に 、 経 営 ト ッ プ の 方 針 の 均 等 度 総 合 指 数 管 理 職 に よ る 評 価 の 均 等 度 総 合 指 数 一 般 社 員 に よ る 評 価 の 均 等 度 総 合 指 数 、 第 章 そ 経 営 ト ッ プ の 均 等 志 向 管 理 職 に よ る 均 等 度 評 価 一 般 社 員 に よ る 均 等 度 評 価 と 呼 い る も の に 等 し い 。
４ ． 推 定 結 果 4 - 1 ． 統 計 的 差 別
統 計 的 差 別 の 検 証 結 果 表
1に あ る 。1 行 が 独 立 し た モ デ ル の 指 定 結 果 あ る 。O L S と 二 段 階 推 定 が 比 較 る よ う に 並 べ て 掲 載 し て い る 。 女 性 の 離 職 確 率 が 高 い ほ 統 計 的 差 別 が 生 や す い の あ 、 女 性 就 業 続 指 数 の 係 数 が 正 と る ず だ 。 と く に 項 目
bと
c、
表1．均等化と女性の勤続の関係
被説明変数 推定方法
女性就業 続
指数の係数 ７「
外生性検定
。た値週 観測数
a. 女性を積極的に活用・登用
。1週 経営トップの方針 ４１８ 0.011 0.005 ** 0.1「「 【98
。「週 経営トップの方針 「８１８ 0.058 0.0」0 * -0.008 0.09【 【85
。」週 管理職による評価 ４１８ 0.01「 0.004 *** 0.14】 【15
。4週 管理職による評価 「８１８ 0.09【 0.0」4 *** -0.4】】 0.000 【0「
。5週 一般社員による評価 ４１８ 0.01」 0.004 *** 0.「4「 【「」
。【週 一般社員による評価 「８１８ 0.081 0.0「9 *** -0.1【【 0.00「 【10
け. 男女にかかわ く人材育成
。】週 経営トップの方針 ４１８ 0.01」 0.004 *** 0.140 【98
。8週 経営トップの方針 「８１８ 0.044 0.0「【 * 0.0【】 0.「05 【85
。9週 管理職による評価 ４１８ 0.00】 0.004 * 0.140 【14
。10週 管理職による評価 「８１８ 0.04【 0.0「8 * 0.005 0.0】5 【01
。11週 一般社員による評価 ４１８ 0.015 0.004 *** 0.「05 【「4
。1「週 一般社員による評価 「８１８ 0.055 0.0「4 ** 0.0」9 0.048 【11
げ. 女性にも創造性の高い仕事
。1」週 経営トップの方針 ４１８ 0.011 0.004 ** 0.1」1 【9【
。14週 経営トップの方針 「８１８ 0.019 0.0「】 0.1「】 0.】「】 【8」
。15週 管理職による評価 ４１８ 0.009 0.004 ** 0.14」 【15
。1【週 管理職による評価 「８１８ 0.00】 0.0「5 0.14「 0.】「【 【0「
。1】週 一般社員による評価 ４１８ 0.011 0.004 *** 0.18」 【「」
。18週 一般社員による評価 「８１８ 0.011 0.0「「 0.184 0.9「5 【10
こ. セクハラ対応策の周知
。19週 経営トップの方針 ４１８ 0.011 0.004 ** 0.114 【9【
。「0週 経営トップの方針 「８１８ 0.0【0 0.0「8 ** -0.0【8 0.051 【8」
。「1週 管理職による評価 ４１８ 0.008 0.00」 ** 0.109 【14
。「「週 管理職による評価 「８１８ 0.0「5 0.0「「 0.0】】 0.548 【01
。「」週 一般社員による評価 ４１８ 0.00】 0.00」 ** 0.1【4 【「「
。「4週 一般社員による評価 「８１８ 0.000 0.018 0.1【1 0.【【「 【09
注」週 *** 1％水準 、** 5％水準 、* 10％水準 有意 あることを意味する。
注1週 企業規模ダミ 、産業ダミ 、労働組合ダミ を説明変数として含 いる。
注「 「８１８に いて用いた操作変数 、事業所展開ダミ （1事業所のみ、地域的に展開、全国的に展開、海外にも展開 と労働組合女性役員ダミ ある。
標準誤差
－8【－
性 別 を 基 準 に し た 処 遇 の 存 在 を 捉 え る 変 数 あ 、 項 目
aも 同 様 に 解 釈 す る こ と が 可 能 あ る こ と す に 議 論 し た 。 項 目
d、 性 別 に 拠 い 処 遇 を 行 う た め の 環 境 整 備 を 行 っ て い る か う か を 捉 え る 変 数 と い え る 。 こ を 被 説 明 変 数 と し た 推 定 結 果 、 参 考 の た め に 掲 載 し て い る 。
ま ず 、 項 目
aを 被 説 明 変 数 と し た モ デ ル 、O L S 推 定 の す べ て の 女 性 就 業 続 指 数 が 正 有 意 だ 。 ま た 、 外 生 性 検 定 外 生 性 が
1％ 水 準棄 却 さ た モ デ ル と も 、 女 性 就 業 続 指 数 正 有 意 結 果 と っ て い る 。
項 目
bを 被 説 明 変 数 と し た モ デ ル 、 モ デ ル
7と
1 1女 性 就 業 続 指 数 の 係 数 が
1％水 準 有 意 に 正 、 モ デ ル
9 1％ 水 準 有 意 に 正 と っ て い る 。 外 生 性 が
5％ 水 準棄 却 さ た モ デ ル
1、 二 段 階 推 定 に よ る 女 性 就 業 続 指 数 の 係 数
5％ 水 準正 有 意 だ 。
項 目
cを 被 説 明 変 数 と し た モ デ ル 、O L S 推 定 に よ る 女 性 就 業 続 指 数 の 係 数 が す べ て 正 有 意 結 果 と っ て い る 。 外 生 性 検 定 の 結 果 、 い ず の モ デ ル も 外 生 性 棄 却 さ か っ た 。 項 目
dを 被 説 明 変 数 と し た モ デ ル も 同 様 の 結 果 と っ て い る 。
以 上 か 、 女 性 の 典 型 的 離 職 時 期 が 早 い 企 業 ほ 、 男 女 を 区 別 し た 処 遇 を 行 う 傾 向 が あ る こ と が わ か る 。 こ 、 統 計 的 差 別 が 存 在 す る こ と と 整 合 的 だ 。
4 - 2 ． 非 合 理 的 差 別
表 、 企 業 の 均 等 度 と 経 常 利 益 の 関 係 を 推 定 し た も の だ 。 ま ず 、 被 説 明 変 数 を 一 人 当 た 経 常 利 益 と し た モ デ ル を 見 る と 、 つ の 主 観 的 指 標 い ず も 正 の 係 数 を も っ て い る が 、 有 意 結 果 と っ た の 管 理 職 に よ る 評 価 の み だ 。 均 等 度 の 客 観 的 指 標 あ る 正 社 員 や 管 理 職 に 占 め る 女 性 比 率 有 意 係 数 を も っ て い い 。
同 業 同 規 模 他 社 と 比 較 し た 経 常 利 益 の 主 観 的 評 価 、 経 営 ト ッ プ の 方 針 の 均 等 度 が 高 い ほ 、 ま た 管 理 職 に よ る 均 等 度 評 価 が 高 い ほ 高 い 。 一 般 社 員 に よ る 評 価 と 女 性 比 率 の 係 数
有 意 い 。 過 去
5年 間 に け る 経 常 利 益 の 伸 び に つ い て の 主 観 的 評 価 も 同 様 だ 。 表
3、 均 等 度 と 売 上 の 関 係 を 推 定 し た 結 果 だ 。 被 説 明 変 数 と し て 売 上 の 対 数 値 を 用 い た 場 合 、 経 営 ト ッ プ の 方 針 の 均 等 度 が 正 有 意 係 数 を も っ て い る 。 正 社 員 女 性 比 率 と 係 長 女 性 比 率 正 社 員 女 性 比 率 負 有 意 係 数 を 示 し て い る 。 女 性 が 多 い 企 業 売 上 が 少 い こ と を 意 味 し て い る 。
同 業 同 規 模 他 社 と 比 較 し た 売 上 の 主 観 的 評 価 を 被 説 明 変 数 と し た 場 合 、 均 等 度 総 合 指 数 の 係 数 い ず も 正 有 意 と っ て い る 。 ま た 、 過 去
5年 間 の 売 上 の 伸 び の 主 観 的 評 価 も 同 様 だ 。
最 後 に 、 均 等 度 と 生 産 性 の 関 係 を 見 る 。 表 に よ 、 経 営 ト ッ プ の 方 針 の 均 等 度 が 高
い 企 業 有 意 に 生 産 性 の 主 観 的 評 価 が 高 い 。 し か し 、 正 社 員 に 占 め る 女 性 比 率 と 生 産 性 の
主 観 的 評 価 負 の 相 関 が あ る 。 ま た 、 経 営 ト ッ プ の 方 針 の 均 等 度 が 高 い 企 業 ほ 、 ま た 、 管
理 職 に よ る 均 等 度 評 価 が 高 い 企 業 ほ 生 産 性 の 伸 び の 主 観 的 評 価 が 大 い 。 し か し 、 女 性 の
－8】－
多 い 企 業 や 生 産 性 の 伸 び の 主 観 的 評 価 が 低 い 。
以 上 を ま と め る と 、 均 等 度 が 高 い 企 業 、 む 経 常 利 益 も 売 上 も 生 産 性 も 高 い と い え る 。 こ 、 女 性 差 別 が 非 合 理 的 あ る こ と と 整 合 的 あ る 。
た だ し 、 正 社 員 に 占 め る 女 性 比 率 が 大 い 企 業 、 財 務 デ タ 上 の 売 上 と 生 産 性 の 主 観 的 評 価 よ び 生 産 性 の 伸 び の 主 観 的 評 価 が 低 い 。 こ の よ う に 解 釈 す い い の だ う か 。 第 章 見 た よ う に 、 均 等 度 と 正 社 員 女 性 比 率 正 の 相 関 関 係 が あ る が 、 売 上 や 生 産 性 に 及 ぼ す 効 果 異 っ て い る よ う だ 。 つ ま 、 比 較 的 少 数 の 女 性 を 雇 い 、 彼 女 た ち に 均 等 処 遇 を 行 っ て い る 企 業 売 上 や 生 産 性 の パ フ ォ マ ン ス が い い と い う こ と を 示 し て い る 。 経 常 利 益 に つ い て 話 が 別 だ 。 と い う の 、 女 性 賃 金 が 低 い た め 、 女 性 が 多 い 企 業 売 上 や 生 産 性 が 低 く て も 、 利 益 が 低 い と 限 い か だ 。 実 際 、 表 正 社 員 女 性 比 率
が
5％ 水 準有 意 に 負 と っ て い る モ デ ル い 。
係数 係数 係数 係数
均等度総合指数
経営トップの方針 」.084 「.45「 - -
-管理職によ評価 - 1「.】「】 」.04」 *** -
-一般社員による評価 - - 」.】】】 」.「4」
-正社員女性比率 - - - -1.【」4 1.898
係長女性比率 正社員女性比率 - - - -0.81「 0.【49
課長女性比率 正社員女性比率 - - - 0.」55 0.899
部長女性比率 正社員女性比率 - - - 1.4「1 1.509
Aこす ７「
観測数 表「．続
係数 係数 係数 係数
均等度総合指数
経営トップの方針 0.】【「 0.「5「 *** - -
-管理職によ評価 - 0.】50 0.」0」 ** -
-一般社員による評価 - - 0.」【【 0.」05
-正社員女性比率 - - - -0.」59 0.」04
係長女性比率 正社員女性比率 - - - -0.0」「 0.09【
課長女性比率 正社員女性比率 - - - -0.10【 0.「01
部長女性比率 正社員女性比率 - - - 0.「0】 0.「「4
５Ｘごつこ封 ７「
観測数 表「．続
係数 係数 係数 係数
均等度総合指数
経営トップの方針 0.8」8 0.「55 *** - -
-管理職によ評価 - 0.【【1 0.」08 ** -
-一般社員による評価 - - 0.」00 0.」09
-正社員女性比率 - - - -0.511 0.「】5 *
係長女性比率 正社員女性比率 - - - -0.0「0 0.095
課長女性比率 正社員女性比率 - - - 0.005 0.1」8
部長女性比率 正社員女性比率 - - - 0.004 0.「「「
５Ｘごつこ封 ７「
観測数
ドキュメント内
調査シリーズNo37 全文 調査シリーズ No37 仕事と家庭の両立支援にかかわる調査｜労働政策研究・研修機構（JILPT）
(ページ 91-95)