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3.3 Mg/B 配合比の影響

3.3.2 評価結果

1)

J

c測定結果

図3.3-1にMg/B配合比が異なる6種類のMgB2線材の4.2 KにおけるJc-H特性を示す。Mg/B 配合比が 1.0/2.5の混合粉末を用いたMgB2線材で最も高いJcが得られ、4.2 K、10 T で14.4 A/mm2となった。また、Mg/B配合比が1.0/1.0で1.4 A/mm2、1.0/1.5で6.0 A/mm2、1.0/2.0 で12.0 A/mm2、1.0/3.0で10.8 A/mm2、1.0/4.0で4.2 A/mm2となり、Mg/B配合比が1.0/2.5 までは、B量が増加するに伴いJcが向上し、3.1章で示したタグチメソッドによる検討結果と同 じ傾向を示したが、Mg/B配合比が1.0/3.0以降では、B量の増加に伴いJcが低下し、その傾向 を示さなかった。

図3.3-1 Mg/B配合比が異なるMgB2線材のJc -H特性

2) SEM観察結果

図3.3-2にMg/B配合比が異なる6種類の混合粉末のSEM観察結果を示す。どの混合粉末も、

外観色は銀白色であり、また、化学量論組成よりB量が少ない、配合比が1.0/1.0、1.0/1.5の混 合粉末ではMg の表面が観察され、B 不足が確認されたのに対し、化学量論組成よりB 量が多 い、配合比が1.0/3.0、1.0/4.0の混合粉末では、B粉末が単独で観察され、Bが飽和状態にある ことが確認された。

図3.3-3にMg/B配合比が異なる4種類のMgB2線材のMgB2コア(Mg/B配合比1.0/1.5、1.0/2.0、 1.0/2.5、1.0/3.0) の SEM観察結果示す。Mg/B 配合比が1.0/2.0、1.0/2.5 の MgB2コアでは大 差なく、MgB2の結晶粒径は、B粉末より小さい 0.1~0.5 μmであった。また、1.0/1.5 では、

一部に残存したMgを確認することができた。しかし、1.0/3.0では、推定される残存したBを 確認することはできなかった。

0.1 1 10 100 1000

6 7 8 9 10 11 12 13

Magnetic field (T)

J

c (A/mm2 ) Mg/B=1.0/1.0

Mg/B=1.0/1.5 Mg/B=1.0/2.0 Mg/B=1.0/2.5 Mg/B=1.0/3.0 Mg/B=1.0/4.0

4.2 K

a) Mg/B = 1.0/1.0 b) Mg/B = 1.0/1.5

c) Mg/B = 1.0/2.0 d) Mg/B = 1.0/2.5

e) Mg/B = 1.0/3.0 f) Mg/B = 1.0/4.0 図3.3-2 Mg/B配合比が異なる混合粉末のSEM観察結果

a) Mg/B = 1.0/1.5 b) Mg/B = 1.0/2.0

c) Mg/B = 1.0/2.5 d) Mg/B = 1.0/3.0 図3.3-3 Mg/B配合比が異なるMgB2線材のMgB2コアのSEM観察結果

3) 結晶構造回折結果

図3.3-4にMg/B配合比が異なる6種類のMgB2線材のMgB2コアのXRDパターンを示す。

Mg/B配合比1.0/1.0、1.0/1.5、1.0/2.0を使用したMgB2コアからは、MgB2ピークだけでなく、

Mg ピークも確認されたものの、それ以外の配合比を使用した MgB2コアからは、MgB2ピーク だけが確認された。

図3.3-4 Mg/B配合比が異なるMgB2線材のMgB2コアのXRDパターン

4) TG-DTA測定結果

図3.3-5にMg/B配合比が異なる4種類(Mg/B配合比1.0/1.5、1.0/2.0、1.0/2.5、1.0/3.0)の混

合粉末のTG-DTA測定結果を示す。

まず、TG 測定結果では、すべての混合粉末で、温度上昇に伴い重量減少を示した。そして、

その重量減少は、B量が増加するほど、大きい傾向を示した。これは、MgよりBの方がO2や H2Oを粉末に多く含むためと考えられる。また、630℃付近からその重量変化が顕著となった。

次に、DTA測定結果では、3.2章の結果と同様に520 ℃付近と660 ℃付近のMgB2生成の発 熱ピークが確認された。また、Mg/B配合比1.0/1.5を使用した混合粉末では、650 ℃でMg融 解の吸熱反応が確認された。このことから、化学量論組成より B量が少ないMg/B配合比の混 合粉末を用いた場合、Mg が残存することがわかった。一方、その 660 ℃付近の MgB2生成ピ ークは、Mg/B配合比のB量の増加に伴い低温側にシフトされることわかったものの、Mg/B配 合比が1.0/3.0で、高温側にシフトし、そのピーク温度は1.0/2.0とほぼ同様の温度であった。

30 40 50 60 70

2θ (degree)

Intencity (a.u.)

Mg/B = 1.0/1.0 Mg/B = 1.0/1.5 Mg/B = 1.0/2.0 Mg/B = 1.0/2.5 Mg/B = 1.0/3.0 Mg/B = 1.0/4.0

◆Mg ●MgO

100 101

002 110 102

a) TG測定結果 b) DTA測定結果 図3.3-5 Mg/B配合比が異なる混合粉末のTG-DTA測定結果

ドキュメント内 MgB2超電導体の臨界電流向上プロセスの研究 (ページ 75-80)