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3.5 ボールミリングツールの影響

3.5.2 評価結果

1)

J

c測定結果

図3.5-1にボールミリングツールが異なる5種類のMgB2線材の4.2 KにおけるJc-H特性を 示す。WCを用いたMgB2線材で最も高いJcとなり、4.2 K、10 Tで14.0 A/mm2となり、また、

メノウで1.9 A/mm2、SiCで2.8 A/mm2、Al2O3で3.8 A/mm2、ZrO2で12.0 A/mm2となったこ とから、ボールミリングツールの比重の増加に伴いJcが向上し、3.1章で示したタグチメソッド による検討結果と同じ傾向を示した。

図3.5-1 ボールミリングツールが異なるMgB2線材のJc -H特性

2) SEM観察結果

図3.5-2にボールミリングツールが異なる5種類の混合粉末を示す。ボールミリングツールが

ZrO2、WCの混合粉末は、外観色が銀白色であり、これまでの結果から、十分に混合された、B の周囲が Mg で覆われた混合粉末であったのに対し、メノウ、SiC、Al2O3の混合粉末は、外観 色が赤褐色であり、これまでの結果から、混合が不十分な、Mgの周囲がBで覆われた混合粉末 であった。

図3.5-3にボールミリングツールが異なる混合粉末で作製したMgB2線材のMgB2コアのSEM 観察結果を示す。ボールミリングツールに関係なく、MgB2コアは同様であった。また、MgB2

の結晶粒径は、B粉末より小さい0.1~0.5 μmであった。

0.1 1 10 100 1000

6 7 8 9 10 11 12 13

Magnetic field (T)

J

c (A/mm2 ) メノウ

SiC AlO3 ZrO2 WC 4.2 K

a) メノウ b) SiC

c) Al2O3 d) ZrO2

e) WC

図3.5-2 ボールミリングツールが異なる混合粉末のSEM観察結果

a) メノウ b) SiC

c) Al2O3 d) ZrO2

e) WC

図3.5-3 ボールミリングツールが異なるMgB2線材のMgB2コアのSEM観察結果

3) 結晶構造回折結果

図3.5-4にボールミリングツールが異なる5種類のMgB2線材のMgB2コアのXRDパターン を示す。ボールミリングツールに関係なく、MgB2 コアからは、MgB2ピークだけでなく、Mg ピークも確認されたものの、ボールミリングツールの高比重化に伴い、残存するMgピークが小 さくなる傾向を示した。

図3.5-4 ボールミリングツールが異なるMgB2線材のMgB2コアのXRDパターン

4) SEM-WDX分析結果

図3.5-5にボールミリングツールが異なる2種類の混合粉末のSEM-WDX分析結果を示す。

また、比較のため、Vミキサ-で混合した粉末も評価した。Vミキサ-、メノウを用いた混合粉 末は、外観が赤褐色だけでなく、MgとBの境界線が明確であったことから、MgとBの混合が 不十分で、MgB2 への反応性が低いことがわかった。一方、ZrO2を用いた混合粉末は、外観が 銀白色だけでなく、Mg と Bの境界線が明確でなかったことから、Mg と B の混合が十分で、

MgB2への反応性が高いことがわかった。

30 40 50 60 70

2θ (deg)

Intensity (a.u.)

メノウ SiC Al2O3

ZrO2 WC

◆Mg ●MgO

100

002

101 102110

図3.5-5 ボールミリングツールが異なる混合粉末のSEM-WDX分析結果

ドキュメント内 MgB2超電導体の臨界電流向上プロセスの研究 (ページ 90-95)