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3.2 初期 Mg 粒径の影響

3.2.2 評価結果

1)

J

c測定結果

図3.2-2に初期Mg粒径が異なる4種類のMgB2線材の4.2 KにおけるJc-H特性を示す。20 μ m以下、20~45 μmのMg粉末を用いたMgB2線材で最も高いJcとなり、4.2 K、10 Tで32.0 A/mm2が得られた。また、45~75 μmのMg粉末を用いたMgB2線材で14.0 A/mm2、75~150 μmのMg粉末を用いたMgB2線材で7.2 A/mm2が得られたことから、初期Mg粒径の微細化 に伴いJcが向上し、3.1章で示したタグチメソッドによる評価結果と同じ傾向を示したが、20 μ m 以下の粒径では、20~45 μmの粒径を使用した際と同じ Jcとなり、その傾向を示さなかっ た。

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

粒度分布 (%)

75-150 45-75 20-45 20以下

150 μm

106 μm

75 μm

45 μm

32 μm

20 μm 粒径(μm)

63 μm 0

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

粒度分布 (%)

75-150 45-75 20-45 20以下

150 μm

106 μm

75 μm

45 μm

32 μm

20 μm 粒径(μm)

63 μm

図3.2-2 初期Mg粒径が異なるMgB2線材のJc -H特性

2) SEM観察結果

図3.2-3に初期Mg粒径が異なる4種類の混合粉末を示す。どの混合粉末も、外観色は銀白色

であり、これまでの結果から、Bの周囲がMgで覆われた状態であることがわかった。また、混 合粉末の大きさは、使用したMg粒径が大きいほど、大きい傾向を示した。

図3.2-4に初期Mg粒径が異なる混合粉末で作製したMgB2線材のMgB2コアのSEM観察結 果を示す。初期のMg粒径に関係なく、MgB2コアは同様であった。また、MgB2の結晶粒径は、

B粉末より小さい0.1~0.5 μmであった。

a) 75-150 μm使用 b) 45-75 μm使用 10

100 1000 10000 100000

6 7 8 9 10 11 12 13

Magnetic Field (T) Jc (A/cm2 )

101 102 103 104 105

  Mg(150-75)   Mg(75-45)   Mg(45-20)   Mg(-20)   Mg(150-75)   Mg(75-45)   Mg(45-20)   Mg(-20)

10 100 1000 10000 100000

6 7 8 9 10 11 12 13

Magnetic Field (T) Jc (A/cm2 )

101 102 103 104 105

  Mg(150-75)   Mg(75-45)   Mg(45-20)   Mg(-20)   Mg(150-75)   Mg(75-45)   Mg(45-20)   Mg(-20)

4.2 K

c) 20-45 μm使用 d) 20 μm以下使用 図3.2-3 初期Mg粒径が異なる混合粉末のSEM観察結果

a) 75-150 μm使用 b) 45-75 μm使用

c) 20-45 μm使用 d) 20 μm以下使用 図3.2-4 初期Mg粒径が異なるMgB2線材のMgB2コアのSEM観察結果

3) 結晶構造回折結果

図3.2-5に初期Mg粒径が異なる4種類のMgB2線材のMgB2コアのXRDパターンを示す。

45~75 μmと75~150 μmを使用したMgB2コアからは、MgB2ピークだけでなく、Mgピー クが確認されたものの、20 μm以下と20~45 μmを使用したMgB2コアからは、MgB2ピー クだけが確認された。

図3.2-5 初期Mg粒径が異なるMgB2線材のMgB2コアのXRDパターン

4) TG-DTA測定結果

図3.2-6に初期Mg粒径が異なる4種類の混合粉末のTG-DTA測定結果を示す。

TG測定結果では、すべての混合粉末で、温度上昇に伴い重量減少を示した。そして、その重 量減少は、初期 Mg 粒径が微細ほど、大きい傾向を示した。これは、粉末外周に付着していた H2Oの蒸発が影響したと考えられる。また、630 ℃付近からその重量変化が顕著となった。

DTA測定結果では、520 ℃付近、660 ℃付近に発熱ピークが確認された。そこで、この発熱 ピークを評価するために、まず、480 ℃、600 ℃、680 ℃で測定を止め、その粉末を磁化測定 した。図 3.2-7 にその結果を示す。この結果から、480 ℃、600 ℃で測定を止めた粉末は超電 導状態を示さず、680 ℃で超電導状態を示すことがわかった。このことから、確認された520 ℃ 付近の発熱ピークは超電導体でない物質を生成する反応、660 ℃付近の発熱ピークは超電導体 を生成する反応であることがわかる。次に、磁化測定した粉末のXRDパターンを評価した。図 3.2-8に、その結果を示す。これより、680 ℃で測定を止めたサンプルでMgB2が生成されるこ とがわかった。従って、660 ℃付近の発熱ピークは、MgB2の生成反応であることがわかった。

また、45~75 μm、75~150 μmを使用した混合粉末では、650 ℃で吸熱反応が確認された。

これは、反応温度からMgの融解反応であることがわかる。これより初期Mg粒径の粗大化に伴

20 30 40 50 60 70

2θ (degree)

Intensity (a.u.)

Mg(150-75) Mg(75-45) Mg(45-20)

Mg(-20) 100100100100 101101101101 002002002002 110110110110 102102102102

Milling time 8h Mg MgO

20 30 40 50 60 70

2θ (degree)

Intensity (a.u.)

Mg(150-75) Mg(75-45) Mg(45-20)

Mg(-20) 100100100100 101101101101 002002002002 110110110110 102102102102

Milling time 8h MgMg MgOMgO

い、Mgが残存しやすいことがわかった。また、630 ℃付近からの重量変化は、MgB2の生成反 応、Mg の融解が影響したことが考えられる。一方、660 ℃付近の MgB2生成ピークは、初期 Mg粒径の微細化に伴い、低温側にシフトされることがわかった。

なお、520 ℃付近の反応については4章で記載する。また、他論文や図3.1-17では600 ℃の MgB2生成熱処理でも MgB2線材が超電導状態を示すが、上記の結果から 600 ℃で測定を止め たサンプルでは超電導状態を示さなかった。この要因としては、温度保持時間が 0 min である こと、サンプルが粉末状態であり、伸線加工による圧密化が施されていないことが考えられる。

a) TG測定結果 b) DTA測定結果 図3.2-6 初期Mg粒径が異なる混合粉末のTG-DTA測定結果

図3.2-7 TG-DTA測定中に各温度で停止させた粉末の磁化測定結果

-1 -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0

0 100 200 300 400 500 600 700

Temperature (T/℃)

TG (%)

Mg(150-75)

Mg(75-45) Mg(45-20) Mg(-20)

Milling time : 8 h

0 100 200 300 400 500 600 700

Temperature (T/℃)

Heat Flow (Relative)

Mg(150-75) Mg(75-45) Mg(45-20) Mg(-20) Milling time : 8 h

-0.01 -0.008 -0.006 -0.004 -0.002 0 0.002

0 10 20 30 40

Temperature (K)

Magnetization (emu)

680 ℃ 混合粉、480 ℃、600 ℃

図3.2-8 TG-DTA測定中に各温度で停止させた粉末のXRDパタ-ン

ドキュメント内 MgB2超電導体の臨界電流向上プロセスの研究 (ページ 67-72)