する者たちのためのものであり、特に審判の日には完全に信者の専有するもの となる。」われはこのように印を、理解ある人々に解明する。
要点:現世における人間の責任
解釈:アッラーは許されたものを禁ずる者たちを強く非難した。
美しい衣服や良い食べ物などすべてはアッラーが授けたものであり、それは現 世において信徒のために授けられたのであるが、信徒以外の者もアッラーの恩 恵を受ける。しかし、それは来世においては信徒だけのものとなる。
許されたものを禁じる行為も浪費の範疇としている。つまり、限度を超える 行為と見なしている。アッラーの定めた規定を変えるので、それは越権行為と なる。
イスラームでは金曜合同礼拝や祝祭の時、人々と会う時、訪問する時など、
良い服を着て身なりを整えることが勧められている。信仰行為に対する真摯な 姿勢の表現であり、会う相手に対する敬意の表れである。
古びた衣服を身につけることが敬神の念の強化につながるわけではない。敬 神の念の衣服が最良の衣服であると言われているように、いかなる状況にあっ
ても、心の中にひとかけらでも傲慢な意識を起こすことが禁じられているので ある。
イスラームは現実的な宗教である。それは物質と精神の調和である。イスラー ムは信仰と人格による精神的な完成と、信仰行為とアッラーの道のために戦う 助けとなる肉体の強さによる物質的完全を求めている。過度に飲食を絶ち肉体 を弱体化させることはイスラーム的義務遂行に支障をきたすことになる。
美しい衣服を着ることによって敬神の念や信仰が欠けることにはならない。
美しい衣服を着ることで人に対して傲慢な気持ちを持つことが戒められるので ある。同様に、合法的な人生の楽しみを絶つ禁欲主義がイスラーム法的に求め られているものでもない。
重要なことは人格形成による内面の強化である。信仰による心の形成であり、
正しい行為とジハードによって精神の浄化を行うことである。
当然なことであるが、アッラーの教えは誰かを弱体化させるものではない。
また共同体を後退させるものでもない。弱体も後退もそれは人々の怠慢と弛緩 と無知、社会的分裂と相互の憎悪と抗争から来ているものである。
人間はアッラーからこの大地の後継者として創造された。ゆえに人間は大地 の保護者であり、生活の発展、住居の改善、農業、工業、経済、学問、文化、
社会の諸分野で向上するために様々な方法を改善する責任がある。
資料文献:ワハバ・アッズハイリー著「アル=タフスィール・アル=ムニール」
2003 年
和 訳 :日亜対訳注解「聖クルアーン」日本ムスリム協会、平成 16 年 3 月