• 検索結果がありません。

先にわれはヌーフをその民に遣わした。かれは言った。「わたしの人 びとよ、アッラーに仕えなさい。かれの外に神はないのである。本当にわた

ドキュメント内 indb (ページ 167-177)

たとえである。また(第二のたとえは)教えを直接には役立てない者のたとえ である。それから(最後のたとえは)私が授けられた教えを受け付けない者の たとえである。」(ブハーリー、ムスリム、アッニサーイーによる伝承)…

生活規範:

1.アッラーは生活の糧の源である。アッラーは雨を降らせ、種や草木、植物、

果実を生育させる。人間や動物はそれらから益を得る。この降雨や生育がアッ ラーの存在、叡智、力、知恵を示している。

2.乾いた不毛の地に植物を生き返らすように、墓の中の死人を生き返らすこ とは、人間に再生と審判の日の復活を想い起こさせる。

3.アッラーは信仰者と不信仰者のたとえを示されている。信仰者の土地は肥 えた地で、降った雨により幾種類もの花や果実が得られる。不信仰者の土地は 塩分を含んだ地で、植物はわずかな量しか育たない。信仰者の土地への降雨は クルアーンの啓示のようである。清らかな心の持ち主にクルアーンの光が届く と、敬虔さや賞賛される知識や人格が現れる。邪まな心の持ち主にクルアーン の光が届いても、敬虔さや賞賛される知識や人格が現れるのは、まれである。

4.アッラーは人間にたとえを示されている。人々はアッラーの徴を見て、多 神崇拝の教えが無意味であることを知る。印は人々にとり有益なので、人間は アッラーに感謝するようになる。これは、「主を畏れる者たちへの導き」(2 章…

雌牛章 2 節)である。

2.[ 預言者ヌーフの物語 59 節~ 64 節 ]

本文 59.先にわれはヌーフをその民に遣わした。かれは言った。「わたしの人

の神託を宣べ伝え、また助言を呈する。わたしはあなたがたが知らないことを、

アッラーから知るものである。63.あなたがたの中の1人を通じ、主の訓戒 があなたがたにやって来たことを驚くのか。そしてあなたがたに警告し、主を 畏れるようにし、あなたがたを慈悲に浴させるであろう。」64.だがかれらは ヌーフを拒否した。それでわれは、かれと方舟の中で一緒であったものたちを 救い、わが印を偽りであるとした者たちを溺れさせた。本当にかれらは盲目の 民であった。

語の説明:

59 節 - [ 偉大な日の懲罰 ]:審判の日の懲罰。

60 節 - [ かれの民の長老たち ]:身分の高い者や指導者たち。

62 節 - [ 主の神託 ]:アッラーが啓示した命令、禁止、訓戒、吉報、警告など。

63 節 - [ 警告し ]:信じないならば、懲罰がある。

64 節 - [ 盲目の民であった ]:真理に対して盲目。

解説:

 預言者(ナビー)たちの物語は、本章(高壁章)の最初に述べたアーダム(7 章…高壁章 19 節)に始まり、ヌーフは第二の人類の祖である。また、ヌーフは アッラーが地上の住人に送った最初の使徒(ラスール)である。

 預言者たちの物語が引用される目的は、クライシュ族の預言者ムハンマドに 限らず、すべての国々に遣わされた預言者たちの呼びかけに反対した者達への 警告である。また、使徒ムハンマドが迫害を受けたとき、使徒としての気持ち を慰め、心の重荷を軽くさせるため、次の啓示が下された。「凡そわれが、使 徒たちの消息に就いてあなたに語ったことは凡て、あなたの心をそれで堅固に するためのものである。」(11 章…フード章 120 節)

 この預言者物語の結末を説明すると、呼びかけを拒否した者たちは、現世で は呪われ、来世では損失者となる。他方、信仰を受け入れた者たちは、現世で は栄誉を賜り、来世では幸福者となる。

 また、預言者物語引用の目的は、信仰を軽んずる人々への警告である。物語

には民族への忠告と訓戒が含まれている。「本当にかれらの物語の中には、思 慮ある人びとへの教訓がある。」(12 章…ユースフ章 111 節)

 引用された物語には曲解や間違いはない。かって、預言者ムハンマドは、文 盲であり、読むことも書くこともできなかった。そのため、これらの物語はアッ ラーからの啓示で知ったことになる。従い、預言者の物語は正しいといえる。

ヌーフ物語の歴史的意義:

 ヌーフの名前:ヌーフ ・ イブン・ラーミク・イブン ・ ムトシルフ・イブン ・ アフノク(イドリース)・ イブン ・ ヤーリド ・ イブン ・ マフライール・イブン

・ キーナーン ・ イブン・アノシュ・イブン・シース・イブン・アーダム(人類 の祖)

 ヌーフは多神教徒へ遣わされた最初の使徒である。真正ムスリム集(預言者 言行録の一つ)の中で、次のように述べられている。アブー・フライラは次の ように語った。「ヌーフよ、あなたは最初に地上に遣わされた使徒です。」彼は 妻、娘、姉妹、叔母、親友たちを伴った最初の使徒である。ムハンマド・ビン・

イスハークはこう語っている。「殺害された預言者を除き、ヌーフのように民 族が災いを受ける体験をした預言者はいない。アッラーはヌーフが 50 歳のと きに民族に遣わされた。彼は大工であった。」

 イブン ・ アッバースはこう語っている。「ヌーフは 40 歳であった。洪水の後、

人々が増えていった 60 年間を過ごした。」

 ヤズィード・アッラッカシーはこう語っている。「ヌーフと呼ばれたのは、

自分を多く嘆いたことによる(訳注:嘆くことをアラビア語で「ナーハ」とい い、ヌーフは「嘆く人」の意味)。アーダムとヌーフの間は 10 世紀あり、すべ ての人々はイスラーム(唯一神崇拝者)であった。」

 アッ・ティルミズィーおよび一部の者は、こう述べている。「現在の全ての人々 はヌーフの子孫である。」アッ・ズフリーはこう述べている。「アラブ、ペルシャ、

ローマ、シャーム(シリア・パレスチナ)の住民、イエメンの住民はヌーフの 息子サームの子孫である。シンド人、インド人、ザンジバル人、エチオピア人、

ヌビア人、全ての黒人はヌーフの息子ハームの子孫である。トルコ人、ベルベ

ル人、中国の後方、ゴグとマゴグ(北方の国々)、スラブ人はヌーフの息子ヤ ペテの子孫である。」

その昔、人々が偶像を崇拝し始めたことについての考察:

 敬虔な人物たちが死んで、人びとは彼らのために礼拝所を建てた。人びとは、

敬虔だった人の状況、信仰を追慕するために彼らに似せた肖像を描いた。それ から長い年月がたち、肖像画を偶像にした。また、さらに長い年月が流れ、人 びとは偶像を崇拝した。これら敬虔な人々の名前は、ワッド、スワーウ、ヤグー ス、ヤウーク、ナスルと呼ばれていた。

 これらの行為は重大なことなので、アッラーは使徒ヌーフを遣わした。そ れでヌーフは人びとに、並ぶべきものなきアッラーへの信仰を命じた。「わた しの人びとよ、アッラーに仕えなさい。かれの外に神はないのである。」(7 章…

高壁章 59 節)

 ヌーフはクルアーンの中に 43 回登場する。高壁章、フード章、信者たち章、

詩人たち章、月章、ヌーフ章に分かれて言及されている。物語の内容は、ヌー フが民びとに唯一で並ぶべきもののないアッラーへの信仰を命じ、偶像崇拝を 放棄させることであった。しかし、民びとは頑固に反抗しヌーフに危害を加え ようとした。民の中の愚かな指導者たちは、「自分たちの信仰は捨てない。あ なたが警告する罰を見せてくれ。」と言ったので、アッラーの懲罰が下された。

 ヌーフが民びとに対する信仰の呼びかけをあきらめたのは伝道を始めてか ら 950 年後であった。アッラーはヌーフに、洪水から逃れるために船を作るよ う命じた。人々は船作りをするヌーフのそばをあざけりながら通りすぎるので あった。アッラーはヌーフに彼の妻を除き家族を連れて行くよう命じた。また、

信頼できる人々を連れて出た。それは 6 人の男とその妻だといわれ、一説では、

40 人の男とその妻たちといわれている。また、つがいの家畜、鳥、野生の動 物を連れていった。

 それから、すべての場所に大量の水が流れ洪水となったので、人々や動物な ど全てが滅亡した。方舟に乗らず、離れた場所にいたヌーフの息子は言った。「わ たしは山に避難しよう。それは洪水から私を救うであろう。」(11 章… フード章

43 節)そして、方舟は南トルコのアルメニア山中、バクル地方にあるジュー ディー山(訳注:学者の研究によると、今日のイラクとイランにまたがるアラ ラト台地にあったといわれている。)に到着した。「御言葉があった。『大地よ、

水を飲み込め。天よ、(雨を)降らすことを止めなさい。』水は引いて、事態は 治まり、(方舟は)ジューディー山上に乗り上げた。また仰せられた。『不義を 行う民を追い払え。』」(11 章…フード章 44 節)

 洪水の範囲について、学者たちに二つの見解がある。一つは、地上の全てが 洪水となった。もう一つは、ヌーフと人びとが住んでいた地域とする。それは 中東とその周囲である。

 試練は不正を行う者たちのみに限定されるものではなく、子供や罪のない 者、動物や鳥なども含まれることは知られている。「また試みの災厄に対して、

あなたがたの身を守れ。それはあなたがたの中不義を行う者(だけ)に下るも のではない。」(8 章…戦利品章 25 節)

 ヌーフは二つの祈りをした。一つは信仰者のため、二つ目は不信仰者のため である。

信仰者に対し:「主よ、わたしとわたしの両親を御赦し下さい。また信者とし てわたしの家に入る者、また(凡ての)信仰する男と信仰する女たちを御赦し 下さい。」(71 章…ヌーフ章 28 節)

不信仰者に対し:「主よ、不信心な居住者を誰一人として地上に残さないで下 さい。もしあなたがかれらを残されれば、かれらは必ずあなたに仕える者を迷 わせ、また罪を犯す不信心な者の外、生まないでしょう。」(71 章…ヌーフ章 26

~ 27 節)

 ヌーフの息子は滅亡者の一人であった。息子は不義を行う者、不信仰者であっ た。一説によると、妻のこどもであったが、本当の息子ではなかった。

 ヌーフの妻は、夫は狂人であるといっていた。「アッラーは不信者のために 実例を示される。ヌーフの妻、そしてルートの妻である。かれら両人は、2人 の正しいわがしもべの許にいた。かの女たちは、かれら(夫)にたいして不誠 実で、アッラーの御許で何ら得るところはなかった。そして『あなたがた2人

ドキュメント内 indb (ページ 167-177)