第 2 章 地すべり試験地および⾃動観測システム
2.3 Roesgrenda 地すべり試験地
2.3.3 観測体制
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た滑落崖上部に複数のワイヤーセンサーが設置された。基準値以上の移動量が計測された 場合には,警戒ランプが点灯し⾞道を通⾏⽌めにする機能を有している。
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き取られている。地すべりが移動するとプーリー中⼼部に組み込まれたポテンショメ−タ が回転して電気抵抗が変化するため,これを計測することで変位量が求められる。ワイヤ ー⻑はEX-1が10.0 m,EX-2が15.0 m,EX-3が22.0 mである。計測範囲はEX-1,EX-2で
は 3140 mm であるが,EX-3 では⼟塊の⻑距離移動を追従観測できるように計測⽤ボック
ス内にギア⽐1 : 5の変換器を取り付け,最⼤15700 mmの計測を可能としている。ただし,
圧縮⽅向への計測に備えワイヤーをあらかじめ逆⽅向へ多少引き延ばしているため,実際 の計測⻑はやや⼩さい。計測精度はEX-1,EX-2で0.3 mm,EX-3で1.9 mmである
(2)⽔⽂観測
表⼟層付近の⽔⽂環境を観測するため,テンシオメータ(Wh1,Wh2;サンケイ理化
図2.15 Roesgrenda地すべり試験地における観測機器の位置
Fig. 2.15 Arrangement of the instrumentations and locations of the landslides at the Roesgrenda landslide research site
39 表2.4Roesgrenda地すべり試験地における観測項⽬⼀覧 Table 2.4Instruments installed at the Roesgrenda landslide research site
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SK-5500ET-C)およびTDR ⼟壌⽔分
計(Wc1,Wc2;Campbell CS615)
を地表移動量計EX-3のワイヤー両端 部付近に埋設した。テンシオメータ の埋設深はGL −1.0‒−1.4 m,TDR⼟ 壌⽔分計の深度は GL −0.4 m であ る。試験地は冬期の凍結深が最⼤GL
−1.0 m 近くまで達することがある
が,TDR ⼟壌⽔分計は⾦属製プロー ブを材料とするため,感部が損傷す る可能性は低い。
河川堆積物層およびクイッククレイ層の間隙⽔圧を観測するため,5 基の間隙⽔圧計
(P1‒P5;OYO Model-4585)を滑落崖と冠頭部を結ぶ測線に沿った上部平坦⾯に設置した。
滑落崖からの距離はP1,P2,P5が46 m,P4が30 m,P3が13 mである。設置対象層は
P1,P2 はクイッククレイ層の中央付近(GL −18.8‒−22.0 m),P3,P4,P5 は上位の河川
堆積物層底⾯付近(GL −9.0–−9.5 m)である。間隙⽔圧計の測定範囲は350 kPa で0.25 % F.S.の精度をもつ。センサーとデータロガーを結ぶ信号ケーブルの線間抵抗は電気的ノイズ となってデータの精度を低下させるが,本観測では信号を電流出⼒(4–20 mA)にするこ とでノイズをキャンセルしている。地表から約 1 m 削孔したあと,先端にコーンを取り付 けた間隙⽔圧計を重機の油圧を⽤いて直接押し込んだ。押し込み時に⽣じた孔隙は設置直 後に周囲の押し出しによって⾃然に充填された。
(3)気象観測
滑落崖から55 m離れた上部平坦⾯に⾼さ2.0 mの⽊柱を2本建て,それぞれの頂部に転 倒マス式降⽔量計(Yokogawa B-011-20)と⾃然通⾵式の気温計を設置した。降⽔量計に は凍結防⽌と降雪量観測のため受⽔⼝上部と転倒マス周辺にサーモスタット付きヒータを 装備し,⾬量計側部には⾵防を取り付けて⾬雪の捕捉率を⾼めた。滑落崖から35 m離れた 上部平坦⾯に融雪⽔量計を設置した。これは地表⾯に据えた⾯積1 m2のステンレス製ライ シメータに硅砂を充填し,底⾯から流出する融雪⽔を近傍のハンドホールへ導き,転倒マ ス式流量計(Yokogawa;B-011-21)で融雪⽔量を計測する仕組みになっている。受⽔⼝上 部と転倒マスには凍結防⽌⽤サーモスタット付きヒータを取り付けた。さらに滑落崖の 4
写真2.8 地表移動量計(EX-1, EX-2) Photo 2.8 Extensometers of EX-1 and EX-2
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深度(GL −0.05,−0.50,−1.00,−1.50 m)と上部平坦⾯の2深度(GL −0.05,−1.00 m)に
⽩⾦抵抗測温抵抗体式(pt100Ω)の地温計を設置した。障害物による計測誤差を最⼩限 にするため周辺⽴⽊を伐採して必要な開空度を確保した。積雪深は⾃動観測していないが,
試験地から8 kmの位置にあるSkjӕkerfossen気象観測所(標⾼125 m)において⽇積雪深 を観測している。なお上部平坦⾯において 1998 年から 2000 年にかけて積雪深(14 回)
と積雪荷重(5回)の⼿ばかり観測をおこなっている。
(4)⾃動観測システム
本研究の観測試験地は海外に位置するため,現地に赴いて維持管理することは困難であ る。また観測システムに何らかの異常が発⽣した場合に即座に現地で対応することも難し い。そこで,次の(1)観測の安定性と(2)観測データのモニタリング,に重点を置いて 構造を可能な限り単純化した⾃動観測システムを構築した(図2.16)。
滑落崖から 55 m 離れた場所に観測⼩屋を建設し,⽤意されたデータロガー(Campbell
CR10X)によって15分間隔の計測をおこなった。蓄積された計測データはRS232Cインタ
ーフェースで結ばれた制御⽤ PC(MS-Windows)によって定期的に回収される。観測⼩屋 には220Vの商⽤電源が⽤意されており,データロガーおよびPCへ電源を常時供給するほ か,センサーへの電圧の印加,ヒータ電⼒の供給もおこなっている。またデータロガーは 定格容量7 Ahの予備バッテリーを備えており,停電等で商⽤電源が停⽌した際にも⼀部の センサーを除いて数⼗分の計測が可能である。また避雷対策のため,屋内,屋外のターミ ナルボックスに避雷素⼦を取り付け,電源線にはノイズフィルタートランスを装備してい る。
制御⽤PCには公衆回線が接続されており,テレメータシステムにより遠隔地のコンピュ ータから観測値のモニタリングやデータ回収,観測環境の変更が可能になっている。これ らは観測の労⼒を軽減するだけでなく緊急的な対応,例えば地すべり移動量が増加した場 合に即座に観測時間間隔を密に変更できる,といった利点を有する。
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