第 3 章 伏野地すべり試験地における積雪分布
3.2 航空レーザ測量による積雪深分布の計測
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10 km2程度)において同測量による計測を積雪期と無積雪期にそれぞれおこない,両者の
標⾼値の差分計算から,積雪深の⾯的分布を求める⽅法である。航空レーザ測量の持つ精 度が⼗分発揮されれば,従来の現地計測や衛星データに⽐べて,解像度,精度ともに⾼い 質の積雪分布が求められるものと考えられる。⻫藤ほか(1999),秋⼭ほか(2002)は航 空レーザ測量の積雪⾯計測への適⽤例を⽰し,岩男ほか(2001),⼩菅ほか(2003)はグ ラウンドトゥルース(現地での実測値)との⽐較によって計測精度についての検討も進め られている。このように航空レーザ測量技術を⽤いた積雪深分布計測の適⽤範囲は広がり つつあるが,地すべり地に適⽤した事例はまだない。
3.2.2 計測方法
航空レーザ測量は図 3.1 に
⽰すように,レーザスキャナ
( ⾛ 査 式 光 波 測 距 儀 ) , GPS,IMU(慣性計測装置)等 搭載した航空機を⽤いて,上 空から地表⾯に向けてスキャ ナの⾸を振りながらレーザを パルス状(25000Hz)で発射 し,その反射時間から地表⾯
形状を⾯的に計測する測量⼿
法である。森林地帯において も,樹林密度が著しく密でな ければレーザの⼀部が樹冠の 間隙を通過して林床に達する ため地表⾯形状を計測可能で ある特⻑を持つ。⼀般的な計 測 精 度 は 平 ⾯ 座 標 で 約± 50 cm,鉛直座標(標⾼)で約±
図3.1 航空レーザ測量による積雪深の計測イメージ Fig. 3.1 Schematic diagram of snow depth measurement
by an airborne laser scanner
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15 cm である。平⾯座標の精度は計測密度に依存して変化するが,鉛直座標の精度はレー
ザ⾃⾝の精度に依存するため不変である。計測⽅法と計測精度の関係については仲野ほか
(2001)が詳しい。
伏野地すべり試験地を中⼼とした東⻄ 0.6 km × 南北 0.5 km,⾯積 0.3 km2の範囲(図
3.2)を対象に,積雪期の2003年 2 ⽉26 ⽇に航空レーザ測量を実施して雪⾯標⾼を計測
した。航空レーザ測量の精度検証のため,あわせて計測範囲内の緩勾配疎林地における 6 点の積雪深をリアルタイムキネマティックGPS(RTK-GPS;計測精度± 3 cm)で求めた。当
⽇の気象露場での積雪深は274 cmで同寒候年の最⼤積雪深359 cm(2003年3⽉12⽇)
図3.2 航空レーザ測量の計測範囲
Fig. 3.2 Measuering range of the airborne laser scanning
図3.3 気象観測露場における2002-2003年寒候期の積雪深
Fig. 3.3 Time-series of snow depth in 2002–2003 cold season on the meteorological observation field at the Busuno landslide research site
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に⽐べて 85 cm 少ない(図3.3)が,1 ⽉下旬から3 ⽉中旬までの平均的な積雪深範囲内
(約250–350 cm)にあることから,当⽇は同寒候年の平均的な積雪状態にあったとみなし
た。次に消雪から19 ⽇後の2003年5⽉19⽇に無積雪期の航空レーザ測量を実施し地表
⾯標⾼を計測した。この時期は植⽣繁茂が未発達で地表⾯計測に適した環境が得られた。
計測仕様を表3.1に⽰す。