第 3 章 伏野地すべり試験地における積雪分布
3.3 積雪深の分布特性
3.3.1 航空レーザ測量結果に基づく積雪深分布図の作成と精度の検証
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に⽐べて 85 cm 少ない(図3.3)が,1 ⽉下旬から3 ⽉中旬までの平均的な積雪深範囲内
(約250–350 cm)にあることから,当⽇は同寒候年の平均的な積雪状態にあったとみなし
た。次に消雪から19 ⽇後の2003年5⽉19⽇に無積雪期の航空レーザ測量を実施し地表
⾯標⾼を計測した。この時期は植⽣繁茂が未発達で地表⾯計測に適した環境が得られた。
計測仕様を表3.1に⽰す。
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cm,最頻積雪深帯は 250‒260 cm と
なった。
航空レーザスキャナによる積雪⾯
の計測については,積雪の⾊や雪の 結晶の凹凸がレーザ光線の反射率を
⾼めるため通常の地形計測に⽐べて データの取得が容易になるという報 告(秋⼭ほか,2002)がある⼀⽅
で,積雪のような⽩⾊体ではレーザ 反射速度が過⼤になるため,計測値 が真値に対し10 cm強から20 cm強 ほど⾼くなるという報告(⼩菅ほ か,2003)もあり,精度について⼀
般的な解明は⼗分に進んでいない。
そこで同測量の計測精度を検証する ため,現地で求められた定点 6 点
(A–F)および気象露場 1 点(Me)の積雪深を航空レーザスキャナによる積雪深と⽐較し た。その結果,両者の計測誤差は+26.5–−13.6 cm,誤差平均は+1.8 cm,標準偏差は 15.4 cmとなった(図3.7)。誤差の分布は過⼤値が3点,過⼩値が4点と正負⼀様に広がった。
航空レーザスキャナ⾃⾝の持つ標⾼の計測精度は± 15 cmであるから,任意の1点における 積雪深の計測精度は2点の標⾼の差分から求められるため± 30 cmとなる。本計測結果は全 てその誤差範囲に収まっており,航空レーザ測量の性能とほぼ⼀致した。以上の精度検証 から,航空レーザスキャナによって計測された積雪深は任意の 1 点での積雪深を議論する 場合には誤差が± 30 cm となりその信頼性に問題が⽣じるが,積雪深が数mにも及ぶよう な緩勾配疎林地において積雪深の平⾯分布を議論する場合には,⼗分な信頼性を持つと考 えられた。
⼀⽅で,図 3.5 において積雪深が 0 または負の異常領域(⿊⾊域)が尾根部と急勾配斜
⾯の⼀部で認められた。全格⼦点に対する負の格⼦点数の割合は 1.3 %(3914/300000 点)
であった。尾根部において負の領域が現れた原因は,レーザが樹⽊を透過できず樹冠標⾼
を地表⾯標⾼と⾒なしたためと考えられる。また,急勾配斜⾯で負の領域が現れた原因は,
図3.4 航空レーザ測量による積雪深分布計測と 解析の流れ
Fig. 3.4 Flow of the measurement and analysis of the snow depth distribution by the airborne laser
scanning
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その形状から⾒てまず雪崩の発⽣による積雪深の低下があり,そこへ急斜⾯ほど計測値の 異常領域が増加する航空レーザスキャナの特性(内⼭・井⼝,2003)の影響が重なりあっ たためと考えることができる。このような負の異常領域は積雪分布解析において値の過⼩
評価を招く恐れがあるため,尾根部と急勾配斜⾯での計測値の取扱には留意する必要があ る。対象区域南縁部(Northing 115910 m,Easting −4830 m)における楕円状の積雪増加域
(東⻄50 m,南北30 m,最⼤積雪深1110 cm)は2003年4⽉に発⽣した地すべりによる
地表⾯標⾼の低下が原因であり,実際の積雪深は反映されていない。
図3.5 航空レーザスキャナ計測による積雪深の平面分布
Fig. 3.5 Planar distribution of snow depth by the airborne laser scanning at the Busuno landslide research site
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図3.6 積雪深ヒストグラム
Fig. 3.6 Histogram of the obtained snow depth
図3.7 グラウンドトゥルース(A-F : GPS, Me : 積雪深計)と航空レーザスキャナに よる計測積雪深の比較
Fig. 3.7 Comparison of measured snow depth by between the ground truth and the airborne laser scanning. Points from A to F is measured by GPS. Point of Me is
measured by the snow depth gauge.
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