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要求されるガス流動とタンブル渦

ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 80-85)

第三章 高負荷希薄燃焼を可能とするガス流動

3.4 要求されるガス流動とタンブル渦

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次にタンブル強化ポートについてボア中心断面とバルブ中心断面でのガス流動強さと方向を Velocity Magnitude にて CFD 解析し、代表クランク角にて比較した。 図 3-6-3 ポート形状違いによるガス流 動特性の CFD 解析結果を代表的なクランク角位置にて示す。 吸気行程中に吸気ポートを流動する 空気が吸気弁の燃焼室側に流動を偏らせることで、シリンダ内に大きな縦渦が発生していることがわかる。

一方で、吸気ポートからの流入時に偏流を活用するタンブル流の生成は、結果的に吸入流動抵抗は 増加させ、同一吸気圧力下では流入空気量が低下し、出力低下をもたらす。すなわち、レース用エンジ ンでは、希薄燃焼のためのガス流動強化は、過給が前提となるうえ、かつ燃焼急速化による熱効率改善 で、吸気流動抵抗での損失を上回ることが必要である。

Fig.3-6-3 Flow Velocity Magnitude at Each Typical Crank Position

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図 3-6-4 にクランク角 680[°ATDC]での Turbulence Kinetic Energy [m2/s2]をコンターで 示す。 燃焼室内の乱れの生成は、圧縮行程中にタンブル渦流れがつぶされながら乱れに変化していく もので、その生成の様子が同図にてわかる。タンブル流を強化したポートによって燃焼室中央付近に強い 乱れが点火時期に維持され燃焼を急速化すると考えられた。

Fig.3-6-4 Flow Velocity Magnitude & Turbulence Kinetic Energy CA680[°ATDC]

図 3-7-1 にクランク角ごとのポートによるタンブル比の変化、図 3-7-2 にクランク角ごとのポートによる シリンダ内乱れ強さ(u’) 、図 3-7-3 にクランク角ごとのポートによる流入空気質量の変化を示す。 クラ ンク角ごとの変化を追うことによって、実機での使われる点火時期によって乱れの強さが変わっていく様子 がわかる。 なお、以上のデータ解析から、このタンブル渦流れを強化したポートをもとに、ポートと燃焼室 形状で、この乱れを強く維持しながら、流動抵抗の低減を検討する必要があると考えた。

Fig.3-7-1 Port Comparison Transient Tumble

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Fig.3-7-2 Port Comparison Turbulence Intensity (u’)

Fig.3-7-3 Port Comparison Air Mass

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Fig.3-8 WOT Performance Port Comparison

本項で要求されるガス流動のアウトラインについて述べ、従来の吸入効率優先のポート(Std.)に対 し、最初にタンブル強化での効果を確認用のポート(Tumble Port)の差を CFD 解析と実機確認を 合わせ比較し、両仕様のポートの燃焼への影響を確認した。 図 3-8 にこの 2 種類のポートによる実機 エンジンによる希薄燃焼全負荷性能の比較を示す。 タンブル流の強化により希薄混合気での全負荷 燃焼において、燃焼期間は短縮化され、図示出力は向上し熱効率の改善が見られた。 このことから、

タンブル強化を主軸にしてガス流動特性を CFD 解析も用いて設計することが可能であると考えられる。

なお、この手始めに方向性確認をするためのポート仕様では、目標性能には未達であり、CFD 解析によ る燃焼解析の詳細説明は割愛し、さらなるガス流動改仕様にて詳細の解析結果を述べる。

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