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複数回噴射による成層混合気形成と燃焼への影響

ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 116-125)

第四章 高負荷希薄燃焼を可能とする混合気の形成とその制御

4.4 混合気形成シミュレーション結果と実機実験による比較

4.4.3 複数回噴射による成層混合気形成と燃焼への影響

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Fig.4-7-2 8000[rpm] WOT IMEP and ISFC vs. Injection Start Timing

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Fig.4-8-1 Equivalence Ratio in Cylinder Ave. Simulation of Injection Times

Fig.4-8-2 Equivalence Ratio around Plug comparison of Injection times

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Fig.4-8-3 Sub Stratified Shift Ratio Comparison of Injection Times

Fig.4-8-4 Injection Times Impact to CFD Mixture form Simulation Intake Stroke Cycle

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Fig.4-8-5 Injection Times Impact to CFD Mixture form Simulation Compression Stroke Cycle

この混合状態がもたらす燃焼について CFD によるシミュレーションを実施した。 図 4-8-6 に火炎面密 度の推移を 1 回噴射仕様で当量比 2 水準、その希薄仕様と同当量比で 2 回噴射した比較で示す。

2 回噴射では、点火栓近傍が燃焼を促進する当量比が維持され初期燃焼が速い、一方相対的に点 火栓近傍以外は希薄化するため、火炎面密度の推移が 1 回噴射よりも遅くなる傾向が観察された。

沖氏や鈴木氏らがすでに研究で述べた混合気の状態がノッキング発生に与える影響を均一の混合気 では筒内の四隅の燃焼が遅く火炎の到達が遅れた位置の残存混合気において OH ラジカル反応が高 温高圧下で起こることによりノッキングが誘起されているため、その論文の中ではノック発生部位を過濃に しておくことが、温度上昇を抑えノッキング発生を抑制すると、述べている。(4.4-4.5)しかしながらレース用 高負荷希薄燃焼過給機付きエンジンでは、酸素が十分にある状況でのノッキング発生であるため、エンド ガス領域の混合比を過濃側にしても、蒸発作用による気化潜熱でのエンドガス温度の低下の効果は見 込めるが、エンドガスの OH ラジカル反応は抑制できないケースが存在すると考えられる。 このエンジンに よる燃焼形態は、点火時期における乱れの中心が約 10 から 11[mm]点火栓中心から Offset してい ることが特徴で吸気弁配置側の燃焼が排気弁配置側の燃焼室よりも早期に火炎伝播をする特性があ ることが、図 4-8-6 の火炎伝播状況から読み取れ、さらに排気側排気弁間の燃焼の進展が真円状に 進まないもう一つの理由は、濃い混合気がアンチスラスト方向の排気から吸気側に流れる流動により火 炎の先端に供給され続けるために、質量燃焼率は進捗するが火炎面の先端が排気側先端に遅れて到 達することが課題であり噴射弁特性による差異も含め次項で比較する。

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Fig.4-8-6 Combustion (Flame Density )CFD Simulation of Injection Times

Fig.4-8-7 Combustion Period Mixture Equivalence Ratio Sensitivity

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上記図 4-8-7 に通常 1 回噴射における初期燃焼期間(IG-MB10%)と主燃焼期間(MB10-90%)の筒内平均当量比による感度を示す。 このデータから類推すると図 4-8-6 に示す火炎面密 度のコンター図の進捗を比べると同じ 1 回噴射仕様で比べると当量比の差から、希薄条件で初期燃焼 は約 2[°CA]遅くなり、主燃焼は約 1.4[°CA]遅くなると予測されたが、2 回噴射により点火栓近傍に 亜成層化された混合気を供給できることにより 1 回噴射仕様よりも初期燃焼が速くなっているのがわかる

(図 4-8-6 A と B 参照)。

加えて図 4-8-8 に質量燃焼と残存混合気の当量比推移を当量比 0.82 の同条件で 1 回噴射に より混合気形成した場合と 2 回噴射により成層化した混合気形成した場合についてシミュレーションした 結果を示す。 初期燃焼期間は 2 回噴射により筒内平均当量比同一条件で短くなり、燃焼安定の効 果があると推定された。 ただし、残存部分の相対的希薄化により後期燃焼が遅くなる、あるいは排気 弁側シリンダ壁に付着した燃焼の混合に懸念が残ったので、実機においても確認試験を実施した。

Fig.4-8-8 Combustion (Mass Burn Rate) CFD Simulation of Injection Times

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燃焼シミュレーションにより噴射回数違いで燃焼状態が変わることがわかったので、希薄燃焼限界の変 化と燃焼状態について実機運転での確認を行った。 図 4-8-9 に 8000[rpm]WOT 条件での 1 回 噴射、2 回噴射による希薄燃焼特性を示す。全負荷における、消費燃料固定状態での希薄燃焼の評 価では、2回噴射により、点火栓近傍の混合気が成層化し、初期燃焼(IG-MB10%)は短縮し安 定した。 また要求点火時期も 2 回噴射では当量比に関わらず、安定した要求点火時期を示してお り、希薄燃焼限界が拡大した。 同時に失火が発生しない範囲での希薄化で図示平均有効圧力

(IMEP)が増大し図示燃費率(ISFC)も改善した。その結果図示熱効率は 44.0[%]まで改善し ている。

Fig.4-8-9 8000[rpm] WOT Single & Multi Injection Combustion Characteristics

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図 4-8-10 に 2 回噴射による全負荷性能向上について示す。 2 回噴射により点火時期における 点火栓近傍の混合気はさらに成層化し、希薄燃焼限界が改善し筒内平均当量比 0.77 の条件で IM EP(図示平均有効圧力)は最大を示した。 ちなみに当量比 0.79 の等当量比条件での比較で 2 回噴射仕様は 1 回噴射仕様に対し、ISFC(図示燃費率)は 1.2[%]改善し、図示熱効率の改善 は 0.55[%]向上し 45.3[%]であった。

Fig.4-8-10 8000[rpm] WOT Single & Multi Injection Performance Characteristics

吸気行程中と圧縮行程中に分割し燃料の噴射を行うことにより点火栓近傍混合気の当量比が変 化した結果、初期燃焼(IG-MB10%)が促進し安定することを述べたが、筒内平均の当量比に対す る変化を分割噴射率 10[%]として 2 回目噴射終了時期を点火時期に対し変化させ、点火時期にお

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いて、点火栓近傍の混合気の状態が亜成層状態を CFD シミュレーションにより予測、実機における初 期燃焼(IG-MB10%)と主燃焼(MB10-90%)に与える影響を 8000[rpm]WOT 条件で確認 した結果を図 4-9 に示す。 60[°CA]の噴射時期シフトすなわち、点火時期 12[°BTDC]に対する 7 2[°BTDC]噴射終了で 2 回目噴射を提供した場合が、亜成層シフト率 X は最大となり初期燃焼期 間は最短を示した。 しかしながら亜成層化のシフトは、点火栓周辺部以外の混合気を相対的に希薄 化させるため、主燃焼期間は最短とはならなかった。

Fig.4-9 2nd Injection timing impacts to Combustion Period

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