第 5 章 オーバーレイ誤差の評価と解析
5.3 オーバーレイ誤差の評価結果
10層積層体の加工を5バッチ行い,それぞれに対して第4章Fig. 4-23および4-24に示 したオーバーレイ誤差のベクトルプロットを行い,この統計処理からセル内ランダム誤差,
セル間ランダム誤差,およびセル間系統誤差を算出した.
Fig. 5-1はセル内ランダム誤差の評価結果を示すもので,5バッチの加工の中から例とし
て2バッチ分を示す.これは第4章Fig. 4-25に対応するものである.横軸は隣接レイヤで あり,例えば「2-1」はレイヤ2とレイヤ1のレイヤ間を示す.縦軸はセル内ランダム誤差 の1σ値であり,x方向成分,y方向成分,およびそれらから算出される距離Dist.(�x2+ y2)で ある.
Fig. 5-2はセル間ランダム誤差の結果を示すもので,例として2バッチ分示す.これは前
章Fig. 4-26に対応するものである.ベクトルは隣接レイヤ間のシフト量の平均,ベクトル
先端の円はその標準偏差(Fig. 5-1内のDist.)を半径とする円である.このベクトルの長 さの平均がそのバッチのセル間ランダム誤差である.
Fig. 5-3はセル間系統誤差5バッチ分のベクトルプロットであり,加工バッチ毎のばらつ
きの傾向を示すものである.青線で示したベクトルが各バッチのセル間系統誤差の値であ り,それらの長さの平均は 32 nm である.この図中の赤線で示した平均ベクトルは,x,y 各要素の5バッチ分の平均からなるベクトルであり,その長さは19 nmである.また黒線 で示したベクトルは,各バッチのセル間系統誤差と平均ベクトルとの差ベクトルである.
これらの関係は,5.6節で議論する.
上記3種類のオーバーレイ誤差ごとに5バッチ分の評価結果をまとめたグラフをFig. 5-4 に示す.セル内およびセル間ランダム誤差は,標準偏差の x成分および y成分の二乗和の 平方根(距離)である.また系統誤差は,隣接レイヤ間のシフト量(1 mmピッチあたりの 距離)とし,レイヤ2-1間~レイヤ10-9間の9データの絶対値の平均である.計測誤差を エラーバー(±σ)として表記したが,n= 9の平均値の標準偏差なので,第4章で述べた最 小二乗円法による計測誤差(1σ= 10 nm)の1⁄√9= 1/3を用いている.3種類の誤差要因の 中で,セル間ランダム誤差が最も大きいことが分かる.
- 113 - (a) Batch 31
(b) Batch 80
Fig. 5-1 Intra-cell random error 0
20 40 60 80 100
2-1 3-2 4-3 5-4 6-5 7-6 8-7 9-8 10-9 Ave.
Intra-cell random error nm
Layers
X Y Dist.
0 20 40 60 80 100
2-1 3-2 4-3 5-4 6-5 7-6 8-7 9-8 10-9 Ave.
Intra-cell random error nm
Layers
X Y Dist.
- 114 -
0 100 200 300 400 500
-200 -100 0 100 200 300
Y Shift nm
X Shift nm
Average Std circle
-400 -300 -200 -100 0 100
-100 0 100 200 300 400
Y Shift nm
X Shift nm
Average Std circle
(a) Batch 31 (b) Batch 80
Fig. 5-2 Inter cell random error
-30 -20 -10 0 10 20 30 40 50
-30 -20 -10 0 10
Batch54 Batch40
Batch80
Batch39
Batch
Batch31
S yst em at ic e rr or Y n m /m m
Systematic error X nm/mm
Mean
Mean
Fig. 5-3 Vector plot of the inter cell systematic error
- 115 -
Intra-cell random Inter cell random Inter cell systematic 0
20 40 60 80 100 120 140
0 20 40 60 80 100 120 140
Systematic error nm/mm
Random error nm
Batch31 Batch39 Batch40 Batch54 Batch80 Ave.
Measurement error +/−σ
Fig. 5-4 Summary of overlay errors in 5 batches