第 3 章 生産対応機の製作と評価
3.4 構造体作製結果
3.4.1 多層積層の検証
F-1 機で最初に実施したのは,F-0 機の評価と同様に薄膜による多層積層の検証である.
Fig. 3-22は,1層の膜厚が170 nmのAlCu合金製薄膜を10層積層したターゲット基板の SEM写真である.1 mm角のセル内に多数の構造体が作製されていることが確認できる.
一方Fig. 3-23は積層後のドナー基板の顕微鏡写真であり,第1層と第10層の位置を示し
ている.茶色に見える丸や矩形の領域がAlCuパターン転写後の離型層(ポリイミド)表面
であり,2.7.1節で示したようにポリイミドのエッチバックをしているためパターンと同一
の形状のポリイミドが残って見える.各写真の周囲に見える白色パターンが,転写エリア 外のAlCuパターンである.この例はピラミッド状構造体の作製であるので,第10層のパ ターンは第1層のパターンよりも小さいことが分かる.
なお F-0 機の積層テストで用いたパターンは円形,矩形,六角形など多種類の幾何学パ ターンを配したTEG (Test Element Group) としたが,3.2.2節で述べたようにF-1機用に ドナー基板のレイアウトを変更したことからTEGを新たに設計し(TEG3),その中にてオ ーバーレイ誤差が評価しやすい円形と矩形パターンのみを配したセルを主に積層している.
次にF-1 機の積層精度=オーバーレイ誤差を評価した[2].オーバーレイ誤差の評価には Fig. 3-24 (a) に示す矩形パターンのSEM写真を用い,(b) のように各層の四辺に補助線(赤 線)を引いて矩形パターンの中心座標を算出した(計測方法の詳細は第4章4.2.2節で述べ る).そして各層の中心座標の隣接レイヤ間のシフト量をオーバーレイ誤差とした.これを 4つの矩形パターン(f4, e3, e4, f5)に対して実施し,プロットしたものがFig. 3-25である.
これらのデータのばらつきは標準偏差で
σx = 92 nm, σy = 40 nm, 二乗和の平方根= 100 nm
となり(n = 36),目標値を達成した.ただしFig. 3-25に見られるように,X方向とY方 向では傾向の違いが存在し,この誤差をもたらす要因も現時点では明らかでない.
このオーバーレイ誤差は F-1 機における加工誤差であり,この加工誤差の究明が本論文 の主題である.上記のようにオーバーレイ誤差の計測方法は煩雑であり,データ数を増や すことは容易でない.そこで新たな計測方法の開発を第 4 章で述べ,それを用いたオーバ ーレイ誤差の解析結果を第5章で述べることにする.
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(a) Overview of the target substrate (b) Close-up view of the structures Fig. 3-22 SEM photograph of 10-layered structures
(a) Cell #1 (1st layer) (b) Cell #10 (10th layer) Fig. 3-23 Micrograph of the donor substrate after lamination
(a) Rectangle pattern for the evaluation (b) Measurement of an overlay error Fig. 3-24 Evaluation of the overlay error in F-1 machine
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Fig. 3-25 Overlay error between adjacent layers
-300 -200 -100 0 100 200 300
-300 -200 -100 0 100 200 300
Y direction nm
X direction nm
25μm角_f4 25μm角_e3 20μm角_e4 20μm角_f5 Avex= -1, σx= 92
Avey= 58,σy= 40
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