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セル間系統誤差の改善

ドキュメント内 山 田 髙 幸 (ページ 133-136)

第 5 章 オーバーレイ誤差の評価と解析

5.8 セル間系統誤差の改善

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Fig. 5-16 Summary of overlay errors

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5.8.2 加工精度の評価

積層精度の評価結果をFig. 5-17に示す.これから分かることは,セル内ランダム誤差と セル間ランダム誤差はほとんど変化がないのに対し,セル間系統誤差が9 nm/mmとなり,

対策前の約1/3に大幅に改善されたことである.ランダム誤差に変化がないのは,同一のド ナー基板を用い,同一の装置状態で加工を実施したためである.一方,系統誤差が改善さ れたのは,アライメントマーク座標の読取誤差が減り,真値に近い座標値によりアライメ ント変換係数が算出されたためと考えられる.

本対策は F-1 機の手動操作を伴う試験的な方法であるが,効果が確認できたことからア ライメントマーク読取動作を複数回繰り返すプロセスををシーケンスに追加することによ り,自動化が可能である.

Intra-cell Random Inter cell Random Inter cell Systematic 0

20 40 60 80 100 120

0 20 40 60 80 100 120

Random error nm

before averaging after averaging

Systematic error nm/mm

Fig. 5-17 Improvement of the systematic error by average reading method

- 128 - 5.9 結言

本章では,積層造形法の一種であるFORMULA技術を適用した生産対応機F-1機のオー バーレイ誤差を最小二乗円法で評価して,以下の結論を得た.

(1) セル内ランダム誤差は標準偏差で34 nmであり,その主要因はドナー基板上に形成 された構造体の断面部材のパターニング誤差33 nmと,計測誤差10 nmであった.

(2) セル間ランダム誤差は標準偏差で 98 nm であり,その主要因はターボ分子ポンプ

(TMP)の振動に起因するXYステージの位置決め誤差74 nmとZ軸のXY面内ブ レ46 nmであった.

(3) セル間系統誤差は32 nm/mmであり,その原因はアライメントマーク位置座標読取 時のランダム誤差のアライメント係数への伝搬および FAB 照射による機構部品の 熱変位と判明した.前者はバッチごとにランダムに発生するが,後者はほぼ毎回同 様に発生する.

(4) セル間系統誤差を改善するため,アライメントマーク位置座標を複数回読み取り,

平均値を用いる方式にしたところ,系統誤差は9 nm/mmと約1/3に改善されるこ とが明らかとなった.

オーバーレイ誤差のさらなる改善のためには,ランダム誤差の主要因であるTMPからの 振動の絶縁徹底と,ランダム誤差の系統誤差への伝搬を最小化するためのアライメントシ ーケンスの修正,およびFAB照射による発熱の絶縁の徹底が必要である.これらの知見は 次世代装置(例えばF-2機)の設計仕様に活用可能である.

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