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英 国 Worcestershire Wildlife Trusts の 活 動における自然環境保全活動に関する研究

ドキュメント内 第72回大会 研究発表要旨 (ページ 127-131)

○辻本乃理子

(流通科学大)

目的 民間組織の自然環境保全活動と地域コミュニティの関係 を探るべく,英国の非営利組織 Wildlife Trusts の自然環境保 全活動に注目した.Wildlife Trusts は組織の活動指針となる Living Landscapes をもとに各支部で活動を行っている.Liv-ing Landscapes の理念のもと,支部組織がどのように地域コ ミュニティに根差した自然環境保全活動を行っているのかを把 握し,その活動について考察する.

方法 調査対象は,英国 Wildlife Trusts の支部である Worces-tershire Wildlife Trust を対象にヒアリングを行った.調査期 間は2019年 3 月初旬である.

結果 Worcestershire Wildlife Trust の成長にとって Local Group の形成は重要であり,現在 8 つの group で様々なイベ ントを企画実施している.このイベントが一般市民と組織をつ なぐ役割を果たしている.また Worcestershire Wildlife Trust は,Nature Reserve の取得とマネジメント,教育活動の二つ を柱に寄付を募り活動を行っている.Living Landscapes 指定 地域は活動の優先地域であるが,保全方法についてはこれまで の活動形態を実施している.いかに地域コミュニティレベルで の活動と市民の同意と参加が必要であるかわかった.

3D-10

15:30~

社会実験への反復参加による道環境への意 識の変化

○原わかな,薬袋奈美子

(日本女大)

目的 住宅地内の道において,地域住民の滞留等生活行為を促 し,歩きたくなる空間にするための社会実験を行う過程におい て,被験者が複数回社会実験に参加することにより,道環境や 道における生活行為に対しての意識が変化するかを調べた.

方法 道路空間に,一回目の社会実験はベンチとプランターを 配置し,二回目の社会実験は路面装飾の設えを施し,地域住民 にそれらの空間を通行する体験してもらい,アンケート及びイ ンタビュー調査に回答してもらった.一回目と二回目は二か月 の間をあけて実施した.二回の実験の参加者(リピーター)と 一回のみの参加者(非リピーター)の設えへの評価,道での生 活行為への受容性等を比較分析した.

結果 リピーターは非リピーターと比較して,二回目の社会実 験での設えへの評価が高く,特に「安心して歩ける」「楽しく 歩ける」「人が優先の道と感じる」への五段階評価の Top1回 答者が多い.且つ,各評価項目の bottom1の回答者が非常に少 ない.また,リピーターの第一回と第二回の評価を比較する と,設えの対象が異なるものの,非リピーターより肯定的な評 価が増加している.特に「安心して歩ける」「高齢者がゆっく りと歩ける」「通常の状態と比較して歩きたい」への評価は,

大幅に増加している.社会実験に参加して体験をすることで,

新しい考え方を取り入れた道環境への受容性が高くなる傾向が あると考察できる.

3D-11

15:45~

婦人雑誌掲載記事からみた住居管理の変遷

―1946年から1955年を中心として―

○藤平眞紀子

(奈良女大)

目的 本研究では,居住者を主体とする住まいの管理の変遷を たどり,これからの持続可能な住居管理のあり方を考察するこ とを目的とする.住居管理に対する居住者の意識に視点をあ て,時代の流行,人々の考え方,社会のありようが表れやす く,生活に影響を与えると考えられる婦人雑誌掲載記事に着目 した.

方法 1903年創刊の『婦人之友』を閲覧し,住まい,住生活,

住居管理に関する掲載記事を収集した.『婦人之友』は家庭生 活の合理化を目指す中流知識層を読者とし,生活改善から社会 を豊かにしていくという理念に基づき,生活改善運動の主導的 役割を果たしたと位置づけられることから対象とした.本報で は,1946年か1955年に発刊された115冊のうち,閲覧できた60 冊からの結果を報告する.

結果 第二次世界大戦終戦後の日常生活に厳しい時代である が,住まいや住居管理に関する記事が掲載されており,整頓さ れた家,使いやすい家,美しい清潔な家が求められていた.整 理整頓,掃除,点検,補修・修繕など住居管理の多くの内容は 家事に含まれており,日頃のこまめな手入れにより,美しく能 率のよい住生活環境を整えること,住まいは使い続けていく中 で補修が必要であり,家計の中に補修費用の予算立ての必要性 が示されていた.さらに,住まいに関する課題解決において,

科学的視点,共同の必要性が述べられており,より良い生活の 実現に向けて前向きに取り組む姿勢が読み取れた.

3D-12

16:00~

日本女子大学出身者による住居学の研究の 歴史

○薬袋奈美子,矢島浩子

(日本女大)

目的 日本の家庭を改善することを目的に1901年に創立され,

開学当初から存在していた家政学部での住居学の研究・教育 は,日本の住居学の草分け的存在である.日本女子大学家政学 部住居学科出身の研究者による研究の傾向を把握し,日本の住 まいに関する研究の歴史を体系づけるための基礎的資料とす る.

方法 戦前の研究者については建築学会の名簿より,また戦後 については日本女子大学家政学部住居学科出身者の名簿研究者 を抽出する.そのうえでこれらの研究者の論文を Cinii より探 し,その分野と傾向について,社会的な住まいに係わる課題と の関係性を踏まえて,考察を行う.論文タイトルを用いたテキ スト分析を行う.

結果 住居学を専門的な領域として確立をしたのは,井上秀・

柴谷邦であることが確かめられた.佐藤功一等による教育の影 響を受けつつも,生活改善同盟会等,学外で社会的な住まいに 対する改善の動きに参加しながら,それを教育・実践を日本女 子大学で学生とともに行い,学問と社会を結びつけていた.こ ういった取り組み方は,戦後非常に多くの研究者を輩出してか らも,実践的な生活環境形成の視点を大切にしていることが確 かめられた.また,研究分野についても,専門性が細分化され る中で,計画系,構造系,環境系,政策系等に拡がった.

被 服

2 号館  2 階(E 会場)

9 :00-10:45

3E-01

09:00~

服選択における物質文化(MaterialCul-ture)の解明

―日本版 Fashionstudies アプローチ―

○松岡依里子,菅原正博

(国際ファッション専門職大)

目的 衣食住に関する物の研究は,かって文化人類学の中心で あった.そもそも物質文化は,文化の物質的表現であり,物質 文化研究とは,文化人類学では,民族の急速な変化はものに表 れているとする研究であった.物質文化とは,文化人類学で議 論されてきた概念であり,人類の生活に不可欠な衣食住に本質 的にかかわる文化的基本要素である.本研究では,家政学の分 野で研究されてきた「クローゼット(ワードローブ)」分析に おいて,服選択(Clothing Selection)に関する物質文化論を 活用する.特に日本の女性の「服選択」のプロセスを改善し,

ファッション AI 時代に対応する「服選択行動」の予測,推奨

(リコメンデーション)のモデルを考案する.

方法 ニューヨークのパーソンズスクールが立ち上げたファッ ションスタディズに着目して,研究の可能性を検証した.さら に服装社会学との位置づけにおいて,物質文化としてのワード ローブ研究のアプローチを試みた.

結果 ファッションスタディーズからのワードローブ分析は,

ものとしてだけではなく,物質文化ともかかわり,文化を複合 した包括的なアプローチが可能であることがわかった.AI 時 代に対応するためには一人ひとりの「服選択行動」を観察し,

測定し,モデリング,実装する「感性価値創造プロセス」を体 系化する必要がある.

3E-02

09:15~

ビジュアル・マーチャンダイジングへの満 足感と効果に関する男女間の差異性の考察

―アパレル商品をネット店舗で購買する消費者の 行動研究―

(大妻女大)○吉井健

目的 近年,アパレルのリアル店舗に訪問しながらも,ネット 店舗で購買する消費者が急増している.これらはリアル店舗の ディスプレイ等のビジュアル・マーチャンダイジング(VMD)

に対して満足感を高めると共に,購買に際する不安やマイナス に感じること等の知覚リスクを低減することで購買意思決定を する傾向があると言われている.本研究では,ネット店舗で購 買する消費者の性別に応じた,リアル店舗の VMD への満足感 による知覚リスク低減への影響の差異性を解明することに目的 を置く.方法 アパレル商品をリアル店舗訪問後にネット店舗にて購買 した,全国の20-50歳代の男性158名と女性314名を対象とし,

様々な VMD の要素への満足感と知覚リスク低減に関する,イ ンターネット・アンケート調査を2019年11月に実施した.仮説 に基づき,消費者の性別に応じた行動傾向の分析に加え,年代 に応じた分析も行った.

結果 ネット店舗で購買する男性消費者における VMD への満 足感は,女性よりも,より強く知覚リスク低減に影響を与える ことが明らかになった.そして,男女共に,30代の消費者にお ける VMD への満足感は,知覚リスク低減に最も強く影響を与 えることが分かった.本研究では,この結果を踏まえ,小売実 務への示唆を見出せた.

 本研究は,JSPS 科研費 JP19K13829の助成を受けたもので

3E-03

09:30~

フェアトレードファッションに対する購入 心理

(神戸学院大)○辻幸恵

目的 フェアトレードという言葉を最近は珍しくなく聞くよう になった.しかし,多くの人々がまだ具体的な商品を認知して いるとは限らない.そこで本報告では実際にフェアトレードの ファッションを好んで購入している顧客の属性と心理を明らか にすることを目的とした.そのことによって,さらにフェアト レードの市場が広がる糸口になると考える.

方法 フェアトレード商品を販売している店舗内で,実際に商 品を購入した顧客に対してインタビュー調査を実施した.事前 に質問項目を作成し,インタビューの時間を約20分とした.期 間は2019年11月20日から12月26日までとした.インタビューで 得た回答をデータとし,テキストマイニングと因子分析を用い て分析した.

結果 購入者の共通した心理には強くフェアトレード商品であ ることを意識していることがわかった.また,「支援」したい という気持ちも明らかになった.これら以外にも,自分に「似 合う」,「ふさわしい」,「自己表現」,「満足」などのキーワード となるワードが得られた.

考察 因子分析によって購入心理には「理解」「支援」「継続」

の因子が得られた.支援をしたいという気持ちの背景には,

フェアトレードのコンセプトへの理解があることが考えられ る.また,リピーターとして購入しつづけたいという希望があ ることもインタビューからわかった.これが継続の因子とつな

ドキュメント内 第72回大会 研究発表要旨 (ページ 127-131)