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栄養学専攻女子大学生の食事づくり力と自 己評価料理作成能力及び食行動の関連

ドキュメント内 第72回大会 研究発表要旨 (ページ 123-127)

○駒場千佳子1,衛藤久美1,神保夏美1, 野原健吾2,宮下ひろみ3,松田康子1

1女子栄養大,2帝京平成大,3東都大)

目的 食生活が多様化する中,食事を整える力の低下は食事の 質や健康に影響する懸念がある.そこで,女子大学生の食事づ くり力(自分の心身にあった食事を構想し,整える力)と自己 評価による料理作成能力及び食行動の関連を検討した.

方法 2019年 4 月に栄養学専攻女子大学 1 年生343名を対象に 質問紙調査を行った(回収率82.8%).属性,食事づくり力,

58料理(肉じゃが,生姜焼き等)の認知,自己評価料理作成能 力(本などを見ずに作ることができる,本などを見ながら作る ことができる,作ることができない),食行動との関連を検討 した.食事づくり力は駒場らが開発した質問紙(2014)で,小 学校時代の食事づくりの手伝い,中高校時代の主体的な食事づ くり,食事づくりのイメージを描く力,調理に対する家族の積 極的な態度の 4 つの下位尺度(18項目最高90点)である.

結果 有効回答者249名の食事づくり力得点(平均±標準偏差)

は58.1±13.9点で,三分位で群分けした(高群79名74.0±5.5 点,中群84名59.1±4.4点,低群86名42.6±7.0点).食事づく り力高群は,58料理のうち知らない料理数が低群より少なく,

自己評価料理作成能力では,本などを見ずに作ることができる 料理数が,中・低群に比べて多かった.さらに高群は,主食・

主菜・副菜の揃った食事をする頻度や,親や祖父母と食事を 作ったり食べたりする時に料理の作り方を聞く頻度が高かっ た.

3C-01

09:15~

瀬戸内海沿岸で養殖されたマガキ含有成分 の季節および地域差の解析

○山下広美,礒野千晶,板谷智恵美,孫宝軍,

丸田ひとみ

(岡山県大)

目的 Crassostrea gigas(マガキ)は,日本を含む世界中の多

くの地域の沿岸部で養殖が行われ,食用とされている二枚貝で あり,栄養価が高いことが知られている.本研究では,瀬戸内 海沿岸の主要な養殖地域である広島,岡山,兵庫で養殖された マガキに含まれる主要成分の分析を行い,収穫時期および養殖 地域による違いについて解析し,その特徴を明らかにすること 目的とした.また周年成分変動についても検討した.

方法 試料は,2013年11月から2014年 4 月までの月々に岡山 県,広島県,兵庫県で養殖,水揚げされたマガキを用いた.水 分,灰分,タンパク質,および脂質の含有量は常法により,グ リコーゲン含有量はアンスロン法により,脂肪酸組成はガスク ロマトグラフィーを用いて,ミネラルは原子吸光光度法によ り,遊離アミノ酸はアミノ酸自動分析計を用いてそれぞれ測定 した.結果 測定した 3 つの地域のマガキに共通して11月から 4 月に かけて水分含量の減少とグリコーゲン含量の増加がみられた.

マガキには EPA や DHA の含量が高く,遊離アミノ酸として はタウリンが最も多く含まれていた.岡山県および兵庫県産マ ガキは広島県産と比較して,水分含量が低く,グリコーゲン含 量が高かった.広島県産マガキは亜鉛含量が高かった.マガキ の水分,グリコーゲン,遊離アミノ酸,脂肪酸組成は季節によ り変動することが示唆された.

3C-02

09:30~

米タンパク質分解による製パン改良効果

○奥西智哉,根井大介

(農研機構)

目的 グルテンを用いない米粉パン製造は米粉バッタータイプ が開発事例では多い.コメタンパク質はグルテンを形成するこ とができず,それ故に米粉単独では十分な製パン性が得られな い場合が多い.米タンパク質分解で米粉バッター粘度を調整す ることにより製パン性が向上することを見出しているが,詳細 な製パン条件を検討したので報告する.

実験方法 原料米粉は市販の米粉パン用米粉を用いた.米粉 15g にミリ Q 水15mL を加え攪拌した後,RVA4500にて一定 速度(800rpm)で攪拌し続けたときの粘度を測定した.米粉 バッターに20倍量の 2 % -SDS;5% -2ME を加えたものを SDS-PAGE で解析した.製パンはホームベーカリーを用いて行っ た.

実験結果 米粉/タンパク質分解酵素系では撹拌中の粘度上昇 がみられるものがあった.米タンパク質のほとんどは水あるい は食塩水不溶性であるが,粘度上昇が見られたものについて は,水可溶性画分が増加していた.この時,不溶性画分の SDS-PAGE ではグルテリン画分が消失していたことから,不 溶性のグルテリンが分解されることで可溶化され,粘度上昇を 引き起こしたものと推察された.酵素なしの米粉パンの比容積 は 3 程度であったが,バッター粘度上昇させる酵素を製パン材 料に加えた場合,比容積が約 4 程度であった.米粉中のタンパ ク質分解を適切に制御することで良好な製パン性につながるこ とが期待できる.

3C-03

09:45~

新タマネギ葉の抗酸化能と嗜好性に関する 検討

ポスター賞

エントリー ○湯浅正洋1,上野真由子1,森川真帆1, 川邊田晃司1,石見百江1,松澤哲宏1, 冨永美穂子2

1長崎県大,2広島大)

目的 新タマネギの葉は,通常可食部である球部分の出荷時に 廃棄されているが,比較的抗酸化能が高いことが示されてお り,食品として利用する価値があると考えられる.一方,これ までに検討された新タマネギ葉の抗酸化能や味に関する検討は 部分的なものであり,その特徴は明確でない.そこで,本研究 では,新タマネギ葉の抗酸化能および嗜好性を詳細に明らかに した.方法 新タマネギは淡路市産の極早生種である戎珠とし,その 葉を用いた.比較には類似食品であるコネギ(伊万里市産)を 用いた.両者は2019年 2 月に収集し,抗酸化能(総 ORAC 値 および DPPH ラジカル消去活性),抗酸化物質(総ポリフェ ノールおよび総ビタミン C など)含量,味覚応答(味認識装 置)および呈味物質(糖組成など)含量を測定した.嗜好性に ついてはゆでた状態で官能評価を行った.

結果 新タマネギ葉とコネギの抗酸化能および総ビタミン C 含 量は同等であったが,新タマネギ葉の総ポリフェノール含量が コネギよりも高値を示した.新タマネギ葉の渋味刺激がコネギ よりもやや低値を示したが,他の味覚応答および糖組成は両者 で差はみられなかった.官能評価では,新タマネギ葉の色がコ ネギよりもやや悪いと評価されたが,食感,呈味および香りの 強度や好みと総合評価に差はみられなかった.以上より,新タ マネギ葉はコネギと同等の抗酸化能と嗜好性を有し,特にポリ フェノール類の供給源として有用であることが示唆された.

3C-04

10:00~

酒粕の添加が蒸し菓子(松風)の物理特性 および食嗜好性に及ぼす影響

ポスター賞

エントリー ○鳥居優理香1,村上陽子2

1静岡大・院,2静岡大)

目的 日本酒は,我が国の伝統的な発酵食品である.日本酒は 米・米麹・水を原料としてつくられ,酒粕は日本酒を搾った後 に生成される副産物である.酒粕は,粕漬け,粕汁など様々な 料理に利用されている.酒粕は,日本酒由来の香りや風味,旨 味を呈し,アミノ酸やビタミン,ミネラルなど各種栄養成分を 多く含んでいる.中でもレジスタントプロテインは,血中コレ ステロール低下作用や脂質代謝改善作用を示すことから,近 年,健康効果も期待されている.一方,酒粕は副次的な食品で あることに加えて,食の洋風化などにより,家庭内での利用が 減少している.そこで本研究では,酒粕を「松風」という蒸し 菓子に添加した場合の物理特性や食嗜好性に及ぼす影響を検討 した.

方法 松風の基本の材料は,薄力粉,砂糖,卵白,シロップ,

イスパタとした.酒粕は,薄力粉の代替として 0 ~50%まで段 階的に添加した.松風は,高さ,膨化率,保形率,色彩構成,

水分含量,かたさなどを測定した.官能評価は大学生を対象に 行った.結果 酒粕の添加がかたさに及ぼす影響を検討したところ,酒 粕の添加割合の増加に伴い,有意に低下した.膨化率は,酒粕 の添加割合の増加とともに有意に低下した.官能評価におい て,酒粕の添加により,松風のしっとり感と甘みが有意に強く なった.総合評価の結果から,酒粕10~30%の添加により松風 の嗜好性が向上することが示唆された.

3C-05

10:15~

水質の違いによる水出し紅茶の成分特性

○築舘香澄1,柳内志織2,髙橋貴洋3

1川村学園女大,2昭和学院短大,

(株)味香り戦略研究所)3

目的 近年,暖かくなる時期に水出し紅茶が販売されている.

これまで緑茶を水出しした際の味わいや,緑茶に用いる水質の 違いによる味わいについての報告はみられるが,紅茶を水出し した浸出液の成分特性についての研究は見られない.そこで本 研究では,水質の違いによる水出し紅茶の味の違いを明らかに することを目的とした.

方法 試料には世界四大紅茶であるダージリン・アッサム・ウ バ・キームンの 4 種の紅茶を用いた.水は硬度の異なるミネラ ルウォーター 4 種(南アルプスの天然水・ボルヴィック・エビ アン・コントレックス)を用い,それぞれの紅茶の茶葉3g に 冷蔵した各種の水( 3 ~ 6 ℃)100mL をそれぞれ加え,冷蔵 庫で18時間浸出した後,茶こしを用いて濾別し試料溶液を得 た.これについて成分分析(pH,水色,カテキンの定量)お よび味覚センサーを用いて味の特徴を測定した.

結果 水の pH を紅茶浸出前後で比較すると,浸出後は pH が 低下していた.また硬度が高い水の方が,紅茶にした際の pH の変動が少ないことが明らかとなった.水色では pH の高いエ ビアンが最も濃かった.カテキンは 4 種の紅茶ともボルヴィッ クで浸出したものの含有量が高いことが明らかとなった.味覚 センサーを用いた味の特徴は,南アルプスの天然水とボル ヴィックは塩味(先味)が弱くなり渋味が際立つ傾向であっ た.これとは反対に,エビアンは塩味(先味)が強くなる傾向 が見られた.

ドキュメント内 第72回大会 研究発表要旨 (ページ 123-127)