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居住形態の異なる大学生における日本の家 庭料理(和食)の喫食状況の違い

ドキュメント内 第72回大会 研究発表要旨 (ページ 117-120)

○平島円1,磯部由香1,堀光代2

1三重大,2岐阜市立女短大)

目的 これまでの調査では,大学生の和食の認知度は高く,喫 食経験は多かった.しかし,多くの和食を作ることができな かった.そこで今回は,学生の居住形態により喫食状況を分析 し,今後の和食の選ばれ方を検討した.

方法 和食24種と緑茶の喫食頻度と供食方法(手作り,購入,

外食)の調査を平成28年度に学生509名を対象として行った.

学生を自宅生と下宿生に分類し,喫食頻度と供食方法の違いに ついて分析した.有意差検定にはχ2 検定を用い,有意水準は

5 %とした.

結果 全学生が月に 1 回以上食べる喫食頻度の高い和食は,25 種中12種だった.これらの12種について居住形態により比較す ると,みそ汁や焼き魚など10種の和食において自宅生のほうが 下宿生よりも喫食頻度が高かった.差のなかったものは緑茶と 豚汁だった.また,手作りの料理を食べる割合が75%以上と高 い和食は16種だった.これら16種の和食について居住形態の違 いをみると,肉じゃがやかぼちゃの煮物など15種の和食で,自 宅生のほうが手作りのものを食べる割合が高かった.おかゆの み居住形態による差がなかった.下宿生は自宅生よりも調理頻 度が高かったが,今回調査した和食以外の料理を作ることがわ かった.したがって,家庭で出された食事を食べる自宅生は,

自分で食事を選ぶ下宿生よりも,喫食頻度や手作りの料理を食 べる割合が高いが,自立して自分で食事を選ぶようになると,

喫食状況が変化する可能性が考えられる.

2I-03

10:00~

木桶仕込み醤油に対する印象と評価

―食物・栄養系大学生へのアンケート調査および 官能評価の結果―

○福留奈美

(東京聖栄大)

目的 近代工業化の中で発酵・醸造用木製容器の使用は激減し た.伝統的な木桶仕込み醤油は全生産量の 1 %程度とされ,日 本の発酵文化における木桶製法の存続が危ぶまれている.若い 世代の大学生がこうした伝統的製法の調味料にどのような印 象・評価を持つかについては管見の限り先行調査はなく,和食 文化の保護・継承の観点からも概要をとらえる必要があると考 えた.本調査はその第一歩として,木桶仕込み醤油に対する大 学生の印象・評価を明らかにすることを目的とする.

方法 管理栄養・食品学科の大学生各約80名を対象に 2 つの調 査を行った.醤油に関する授業の前後で行ったアンケート調査 では,「木桶仕込み」等の表記が醤油ラベルにある場合の印象 と食品表示で気にする項目について質問した.官能評価では,

木桶仕込み醤油 2 種と大手メーカーの醤油 1 種を実際に味わ い,味・香りと好みの評価を行った.

結果 ラベル表示で気にする内容は,会社名に次いで銘柄,塩 分に関する表示を選ぶ率が高かった.仕込み容器や天然醸造に 対する表示を気にする学生は極少数であったが,そうした語句 から受ける印象は「良い,美味しい,個性的,食べたい」と答 える学生が過半数を占めた.しかし,値段が高い印象を持つ学 生も多く,購買意欲を持つ率は低かった.試食しての嗜好順位 は,木桶仕込み醤油とそうでない醤油で違いはなく,日頃から 食べている醤油を好む学生と木桶醤油の複雑な味わいを好む学 生にそれぞれ分かれた.

2I-04

10:15~

「地域にねざした教育」実践校川上小学校 における給食の特徴

―卒業生へのインタビュー調査結果より―

○和井田結佳子1,河村美穂2

1東京学芸大・院,2埼玉大)

目的 1970~1990年代にかけ,旧久美浜町(現・京丹後市)川 上小学校では「地域にねざした教育」が展開された.それは,

時代の影響などから子どもたちに生じた変化を教員らがいち早 くとらえ,地域や保護者とともに学校教育を創造するものだっ た.なかでも1976年から実施された米飯給食は食育の先駆けと され,食教育分野で注目されてきた.本研究では,給食を通じ た教育活動が盛んに実施されたと考えられる1976~1987年度頃 を経験した卒業生に対してインタビュー調査を実施した.当時 の給食について話を聞き,卒業生側の視点から見た川上小学校 の給食の特徴を明らかにする.

方法 2019年 6 月及び 7 月,同意を得た川上小学校卒業生を対 象に,同一調査者による個別インタビュー調査を実施した.本 研究の分析対象は小学校在籍期間が1973~1990年の間にあっ た,40代から50代の卒業生 6 名(男性 3 名,女性 3 名)であ る.インタビュー時間は 1 人約 2 時間だった.インタビュー内 容は,給食の印象や好きなメニュー,給食の様子について覚え ていること,給食に関するエピソードなどである.

結果 インタビュー結果について,共通して語られる内容を中 心に整理したところ,卒業生(当時の児童)にとって①学校だ けでなく家庭や地域の人たちが関わる給食の営みであったこ と.②作り手や食材について日常的に理解を深められる教育環 境であったこと.が給食の特徴として挙げられた.

2I-05

10:30~

小学生の家庭における食事の実態について

○磯部由香1,平島円1,中井茂平2,紀平征希1

1三重大,2上野ガス(株))

目的 家庭での食育を効果的に行うためには対象となる子ども の課題を明確にすることが重要である.そこで,児童の家庭に おける食事の実態を把握し,問題提起することを目的にアン ケート調査を行った.

方法 2019年 6 月および10月に,A 市内の小学校 3 校の 5 年生 314人を対象に調査を行った.各月の 3 日間の朝食および夕食 の摂取状況と摂取した食品について質問紙を用いて調査した.

結果および考察 朝食の欠食率は3.4%と少なかった.しかし,

朝食で「主食・主菜・副菜」がそろった食事をしている子ども は18%のみで,「主食のみ」の食事の割合が45%であり,バラ ンスの取れた食事をしている子どもは少なかった.夕食におけ る食品の摂取は,牛乳・乳製品を除く食品群で朝食よりも高い 割合だったが,夕食であっても「主食・主菜・副菜」がそろっ た食事をした子どもは67%であった.主菜の食材としては,

肉・肉加工品が最も多く(朝62%,夕78%),魚介類・魚加工 品は少なかった(朝12%,夕26%).成長期に重要なカルシウ ム源である牛乳・乳製品の摂取は朝50%,夕43%であった.子 どもの嫌いな食品の上位である野菜の摂取は朝食では20%と少 なく,夕食においては70%が摂取していたが,ニンジン・キャ ベツ・タマネギなど上位 5 種類の野菜に集中していた.以上の 結果より,保護者に対する食事のバランスや摂取する食品の種 類について啓発の必要性がうかがえた.

2J-01

09:30~

高知県農産物の食味評価について

○谷口(山田)亜樹子1,半杭真一1,風見真千子1, 野口治子1,内野昌孝1,2

1東京農大,2高知大)

目的 高知県は温暖で年間降水量が多く,野菜の栽培に適して いる気候であることから,多くの農産物が生産されている.本 研究は,高知県農産物の食品特性を知った上で,各野菜に合っ た調理方法を検討することを目的としている.今回は,野菜の 嗜好性に関する官能評価を行ったので報告する.

方法 試料はナス,ピーマン,ニラを用い,各野菜の官能評価 を行った.ナスは同生産者の品種別(土佐鷹,慎太郎),ピー マンは同生産者の栽培方法別(みおぎ:土耕栽培,水耕栽培),

ニラは品種別(ハイパーグリーンベルト,タフボーイ,ミラク ルグリーンベルト)について調査した.官能評価法は,嗜好評 価 5 段階の評点法で,項目は味,香り,総合評価について行っ た.パネラーは20歳前後の男女20~30名で評価した.なお,試 料の処理法および試食法は,ナスおよびピーマンは生のまま縦 に 8 等分にカットし,試食した.ニラは 1 本をそのまま30秒茹 でた後,15分後に部位を分けず 1 本そのまま試食した.

結果 ナスの品種別による官能評価を行った結果,土佐鷹より 慎太郎が好まれる傾向であった.ピーマンの栽培法別による官 能評価を行った結果,土耕栽培と水耕栽培では好みが分かれる 結果となった.ニラの品種別による官能評価を行った結果,肉 厚のミラクルグリーンベルトが好まれる傾向であった.

 ※本研究は高知県 Next 次世代型施設園芸農業推進事業(IoP プロジェクト研究推進部会)の助成により行った.

2J-02

09:45~

ピシフェリン酸を経口摂取することによる 抗老化効果の検討

○柴田紗知1,石津茉樹1,村上萌1,石田遥香1, 檀浦日南乃1,海切弘子2,萱島知子3,松原主典2

1福山大,2広島大,3佐賀大)

目的 ピシフェリン酸はヒノキ科サワラから単離されたジテル ペンで,ローズマリー由来カルノシン酸と類似の化学構造を有 する.これまで我々はピシフェリン酸の血管新生及びリンパ管 新生抑制作用を見出しているものの,ピシフェリン酸の経口摂 取による有効性は未解明である.そこで,ピシフェリン酸摂取 による抗老化効果を明らかにするため,老化促進マウスへの投 与実験を行った.

方法 早期学習記憶障害モデル動物として確立されている老化 促 進 マ ウ ス(P/8 line of the senescence-accelerated mouse model:SAMP8)を用いて検討した.12ヶ月に亘ってピシフェ リン酸溶液を自由摂取させた.対照群には蒸留水を自由摂取さ せた.飼育期間中に老化判定や新奇物体認識試験等の行動科学 試験,握力測定等の運動機能測定を行った.また,飼育終了後 に筋肉量の測定や血液生化学検査を行った.

結果 老化判定について,「眼周囲病変」や「毛の光沢」の項 目について,対照群と比べピシフェリン酸投与群で老化が抑制 されていることが分かった.また,新奇物体認識試験におい て,対照群では既知物体と新奇物体へのアプローチに差がな かったものの,ピシフェリン酸投与群では既知物体に比べ新奇 物体に対するアプローチが増加し,加齢に伴う脳機能低下に対 する保護効果が示唆された.握力や筋肉量について両群に有意 な差は見られなかった.

ドキュメント内 第72回大会 研究発表要旨 (ページ 117-120)