2.7 臨床概要
2.7.6 個々の試験のまとめ
2.7.6.2 臨床薬力学( PD )試験
2.7.6.2.1 ICR 013402
試験(5.3.4.1-1
、評価資料、第Ⅰ相臨床試験)試験方法の概略(表
2.7.6.2-1)及び結果の要約を示す。
表
2.7.6.2-1
試験方法の概略項 目 内 容 試 験 番 号 ICR 013402
治 験 の 目 的
・ヘパリンナトリウム投与と NO吸入の併用による血液凝固能及び血小板凝集能に 及ぼす影響を評価する(陽性対照:アスピリン内服)。
・80 ppmを30分間吸入した時の安全性、忍容性及び薬物動態の検討。
治 験 デ ザ イ ン 無作為割付単盲検クロスオーバー比較試験 対 象 18〜50歳の健康成人男性
被 験 者 数 登録症例数:12例(1群3例)
使 用 薬 剤
実薬:
・NO(Analysis No. 4588〜749)
・ヘパリンナトリウム(1,000 IU/mL、Batch No. D4150B)
・アスピリン(300 mg、Batch No. 8565)
プラセボ:
・医療用エアー
・0.9%塩化ナトリウム液(Batch No. P067, 539006)
・乳糖(300 mg、Batch No. 28811) 使 用 医 療 器 具 アイノベント
投 与 方 法
以下の4種類の服薬期によるクロスオーバー比較試験(①〜④の投与群)
各服薬期において2晩入院した。各服薬期の間は7〜14日間のウォッシュアウト期 間を設けた。NO又はプラセボ吸入の際は、80 ppmのNOを30±1分間吸入した。
アスピリン又はプラセボを経口投与 15 分後からヘパリンナトリウム又はプラセボ 静注及びNO又はプラセボ吸入を実施した。
hpp:ヘパリンナトリウム静注+プラセボ吸入+プラセボ経口 pnp:プラセボ静注+NO吸入+プラセボ経口
hnp:ヘパリンナトリウム静注+NO吸入+プラセボ経口 ppa:プラセボ静注+プラセボ吸入+アスピリン経口 投与群: ①hpp/pnp/ppa/hnp群、②hnp/ppa/pnp/hpp群
③pnp/hnp/hpp/ppa群、④ppa/hpp/hnp/pnp群
評 価 項 目
主要評価項目
活性凝固時間(ACT)
安全性評価
バイタルサイン、12誘導ECG、呼吸器測定値、NO、NO2、NOX、血液学的検査、
血液生化学的検査、β2マイクログロビン及びNAG、クレアチニンクリアランス、
MetHb、cGMP、尿検査、活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)、プロトロ ンビン時間(PT)、出血時間、血小板凝集(ADP、血液凝固及びアラキドン酸)及 び有害事象
薬物動態
亜硝酸塩濃度(NOのマスバランスとして)、ヘパリン濃度、cGMP
解 析 方 法
活性凝固時間の解析では分散分析法を用いた。
一覧表及び概要表についてはSAS(ver. 6.07)を用いた。
安全性評価:安全性データの要約については記述統計法を用いた。aPTT、PT、出血 時間、血小板凝集、尿酵素、クレアチニンクリアランス及びMetHbについては治療 群及び時間ごとに要約した。
薬物動態:硝酸塩濃度は別に設けた実施計画に従って解析した。ヘパリン濃度は治 療群及び時間ごとに要約した。
代 表 施 設 名 及 び
施 設 数 □□□□□□□□□(スウェーデン)、1施設 治 験 依 頼 者 □□□□(□□□□□)
治 験 期 間 19□年□月〜19□年□月
一酸化窒素
2.7
臨床概要- 195 - (1)
症例の内訳健康成人男性志願者
12
例が治験に参加し、1例が第1
期間(hpp)終了後に脱落した。脱落し た1
例を除き、全例が解析対象となった。(2)
患者背景被験者の背景を表
2.7.6.2-2
に示す。被験者全体の年齢(平均±SD)は
33.6±11.9
歳であった。群別にみると、hpp/pnp/ppa/hnp 群、hnp/ppa/pnp/hpp
群及びpnp/hnp/hpp/ppa
群の年齢(平均)は同様であったが、ppa/hpp/hnp/pnp群の 年齢(平均)は他の群より低かった。4 つ投与群の体重及び身長の分布に著しい違いはなかった が、hnp/ppa/pnp/hpp群の標準偏差が大きかった(身長:12.1 cm、体重:18.36 kg)。また、4投与 群間の皮脂厚の分布に著しい違いは認められず、全体の平均±SDは7.48±0.43 cm
であった。表
2.7.6.2-2
被験者背景投与群 ①
hpp/pnp/ppa/hnp
②
hnp/ppa/pnp/hpp
③
pnp/hnp/hpp/ppa
④
ppa/hpp/hnp/pnp
計症例数
3 3 3 3 12
年齢(歳)
(平均±SD)
34.3±14.5 39.0±10.1 37.3±15.9 23.7±2.1 33.6±11.9
身長(cm)(平均±SD)
180.0±1.0 179.3±12.1 175.7±5.5 181.3±2.5 179.1±6.2
体重(kg)(平均±SD)
77.30±7.32 83.20±18.36 81.37±13.14 79.07±12.63 80.23±11.70
皮脂厚(cm)(平均±SD)
7.33±0.12 7.70±0.70 7.27±0.21 7.60±0.53 7.48±0.43
(3)
結果1)
活性凝固時間(ACT
)のAUC
(投与後0
〜4
時間)活性凝固時間の
AUC
0〜4hrsの平均値はhpp、 pnp、 hnp
及びppa
の投与期でそれぞれ526.75、 297.70、
524.43
及び292.55
秒・時間であった。hnp
投与期のhpp
投与期との相対比(90%信頼区間)は1.00(0.90, 1.11)であり、ヘパリンナ
トリウム静注にNO
吸入を併用することで活性凝固時間を変動させることはなかった。一方、hnp
投与期のpnp
投与期との相対比(90%信頼区間)は1.76(1.58, 1.96)で、hnp
投与期はpnp
投与 期に比べ平均76%高い値であり、NO
吸入下でヘパリンナトリウム投与による活性凝固時間の延 長がみられた。また、hnp投与期のppa
投与期との相対比(90%信頼区間)は1.79(1.61, 1.99)
で、
hnp
投与期はppa
投与期に比べ平均79%高い値であり、 NO
吸入下でヘパリンナトリウム静注 を併用した場合は、アスピリンを単独投与する場合に比べ活性凝固時間の延長がみられた。2)
活性凝固時間のAUC(投与後 0〜24
時間)活性凝固時間の
AUC
0〜24 hrsの平均値はhpp、pnp、hnp
及びppa
の投与期でそれぞれ2181.53、
1934.88、2206.74
及び1922.91
秒・時間であった。hnp
投与期のhpp
投与期との相対比(90%信頼区間)は1.01(0.92, 1.12)であり、ヘパリンナト
リウム静注にNO
吸入を併用することで活性凝固時間を変動させることはなかった。一方、hnp一酸化窒素
2.7
臨床概要- 196 -
投与期の
pnp
投与期との相対比(90%信頼区間)は1.14(1.03, 1.26)で、hnp
投与期はpnp
投与 期に比べ平均14%高い値であった。また、hnp
投与期のppa
投与期との相対比(90%信頼区間)は
1.15(1.04, 1.27)で、hnp
投与期はppa
投与期に比べ平均15%高い値であった。各投与期の投
与後0〜24
時間の活性凝固時間の平均値の推移を図2.7.6.2-1
に示す。50 100 150 200 250
0 2 4 6
投与後時間(時間)
活性凝固時間(秒)
HPP PNP HNP PPA
24
図
2.7.6.2-1
活性凝固時間(平均)の推移3)
有害事象有害事象は、hnp/ppa/pnp/hpp群に割り付けられた
1
例(1件、1/11
例、9.1%、)にグレードⅠの
嘔吐がみられた。嘔吐は第3
期間のpnp
併用時に発生し、投与薬剤との因果関係は「おそらく関 連あり」と判定された。この嘔吐により薬剤を中止するなどの処置は行われなかった。4)
臨床検査値血液学的検査値の推移を表