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特別な患者集団及び状況下における安全性

ドキュメント内 untitled (ページ 151-156)

2.7 臨床概要

2.7.4 臨床的安全性の概要

2.7.4.5 特別な患者集団及び状況下における安全性

一酸化窒素 

2.7

臨床概要  

- 148 -

2.7.4.4-1

バイタルサインの推移

(試験番号:CINRGI, INO-01/02, Ohmeda NO-03)

プラセボ吸入群 NO吸入群 吸入前 吸入後 吸入前 吸入後

例数 41 40 132 131

平均(SD 45.499.78 48.459.86 43.559.21 46.6810.96

中央値 44 46 44 45

拡張期血圧(mmHg

範囲 2867 2971 2175 076

例数 41 40 132 131

平均(SD) 68.46(12.88) 77.48(13.82) 65.93(13.51) 74.28(13.93)

中央値 68 74 65 75

収縮期血圧(mmHg

範囲 4497 55112 41112 0103

例数 140 135 242 239

平均(SD) 153.26(22.60) 147.05(18.78) 152.50(24.05) 144.65(23.80)

中央値 155 148 153 146

心拍数(bpm)

範囲 98200 95182 90214 0199

例数 41 37 132 116

平均(SD 59.8315.44 56.4114.60 64.2118.72 59.6320.04

中央値 60 56 60 57

呼吸数(bpm)

範囲 20〜100 28〜84 0〜120 20〜167

一酸化窒素 

2.7

臨床概要  

- 149 - 0.0

0.5 1.0 1.5 2.0 2.5

0 4 8 12 16 20 24 28 32 36 40 44 48

Time (hours) NO

2

 Level (ppm )

NO 80 ppm  NO 20 ppm  NO 5 ppm  Placebo 

2.7.4.5-1

吸気中

NO

2濃度の推移(平均±SE)-INO-01/02試験-

CINRGI

試験では、あらかじめ

NO

2の許容濃度の上限と定めた

5 ppm

を超えた例はみられなか

った。平均吸気中

NO

2濃度の推移を図

2.5.5.7-2

に示す。繰り返し測定による分散分析法を用いて これらの値を解析した結果、本試験で使用された

NO 20 ppm

以下では特に

NO

2濃度の増加は認め られなかった(P=0.83)。

Placebo Inhaled NO

0.00 0.05 0.10 0.15 0.20 0.25

NO2 Levels in ppm

0 4 8 12 16 20 24 28 32 36

Hours Since Start of Gas

2.7.4.5-2

吸気中

NO

2濃度の推移(平均±

SE

-CINRGI

試験

-

一酸化窒素 

2.7

臨床概要  

- 150 -

INOT12

試験では、最高吸気中

NO

2濃度は

0.4 ppm

で、吸気中

NO

2濃度が

2 ppm

を越えた症例 は認められず、海外主要臨床試験と同様の結果であった(表

2.7.4.5-1)。

2.7.4.5-1

各患者における吸気中

NO

2濃度の推移(ppm)

NO吸入開始

後時間 101 201 202 301 302 401 503 504 601 701 801 平均

SD 最大 0 0.2 0.2 0.1 0.3 0.3 0.0 0.4 0.3 0.4 0.3 0.0 0.3

(0.1) 0.4 0.5 0.2 0.2 0.1 0.1 0.4 0.0 0.4 0.3 0.4 0.1 0.1 0.2

0.1 0.4 1 0.2 0.0 0.1 0.1 0.4 0.0 0.3 0.2 0.4 0.1 0.1 0.2

0.1 0.4 4 0.1 0.0 0.0 0.1 0.1 -0.1 0.1 0.1 0.0 0.1 0.0 0.1

0.1 0.1 12 0.0 0.0 0.1 0.1 0.1 - 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

(0.1) 0.1 24 0.0 0.1 0.1 0.1 0.1 - 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

(0.1) 0.1 48 0.0 0.0 - 0.0 - - - 0.1 0.0 - - 0.0

0.1 0.1 72 - 0.1 - 0.2 - - - 0.1 0.0 - - 0.1

0.1 0.2 96 - 0.1 - - - 0.1 0.0 - - 0.0

0.2 0.1 120 - 0.0 - - - 0.1 - - - 0.1

(0.1) 0.1 144 - 0.0 - - - 0.0

(0.0) 0.0 168 - 0.0 - - - 0.0

(-) 0.0 192 - 0.0 - - - 0.0

- 0.0 終了/中止時 0.0 0.0 0.1 0.2 0.1 -0.1 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

(0.1) 0.2

すべての試験を通じ、吸気中の

NO

2濃度は吸入

NO

20 ppm

以下の場合、0.5 ppm未満であっ た。80 ppm吸入時には、より高い濃度の

NO

2を産生し、INO-01/02試験において

80 ppm

吸入群 の患者では吸入後

30

分に平均

NO

2濃度は

2.33 ppm

であった。

NO

2の安全域については現段階では明らかになっていない。NO2は高濃度の酸素とともに

NO

を吸入した際に摂取してしまうため、NO2吸入によるヒトや動物の肺組織への影響については文 献資料から得られている。これらの文献や非臨床試験結果を基に

NO

2曝露による臨床的な影響に ついては

0 ppm

以上

1.0 ppm

以下、1.0 ppm超

3.0 ppm

以下及び

3.0 ppm

超の

3

段階に分けて考察 した。

NO

2

0 ppm

以上

1.0 ppm

以下

特に交通量が多い大都市においては、大気中の

NO

2の長期曝露が重要な問題となっている。窒 素酸化物はあらゆる燃焼における煙に含まれており、欧州各国及び米国での環境基準では

0.05〜

0.3 ppm

となっている12)

0.5 ppm

までの濃度の

NO

2の長期曝露により気道反応に加えて軽度の可

一酸化窒素 

2.7

臨床概要  

- 151 -

逆的な肺組織の炎症性反応を起こすおそれがあり、特に気管支過敏性を有する例ではその傾向が ある。なお、国内の環境基準は一時間値の一日平均値が

0.04〜0.06 ppm

とされている13)

NO

2

1.0 ppm

3.0 ppm

以下

気道過敏性の有無を検査するために健康成人志願者に

1.5 ppm

NO

2

3

時間吸入させ、カル バコールを投与した試験14)において、通常呼吸と比較して

NO

2吸入後努力肺活量及び

1

秒量の大 幅な減少がみられた。いくつかの国々では

8

時間の最大労働時間における

NO

2の時間加重平均の

上限を

2〜3 ppm

と設定している。

・NO2:3.0 ppm超

5 ppm

NO

2の曝露はサーファクタントの活性を低下させる。また、100 ppmの

NO

2濃度時に

肺の炎症反応が致死性の肺浮腫に発展する可能性がある。

以上の考察から、吸気中の

NO

2濃度が

1 ppm

以下の場合は、長期曝露で問題となる可能性があ るが、短期曝露では特に問題はないと考えられた。

したがって、今回すべての試験を通じて

NO

吸入濃度が

20 ppm

以下の場合に吸気中の

NO

2濃 度がおおむね

0.5 ppm

未満であったことから、新生児の肺高血圧を伴う呼吸不全の急性期の治療 に使用される本剤の投与期間では、NO2濃度の増加は特に問題はないと考えられた。

ただし、NO吸入時には

NO

2濃度の増加には十分な注意を払う必要があると考えられ、承認さ れた一酸化窒素ガス管理システムを使用し、吸気中

NO

及び

NO

2濃度を患者近位で測定するとと もに、適切なコントロールを実施することが重要である。これらの適切な吸入治療を実施すれば、

20 ppm

以下の吸入濃度で発生する

NO

2濃度は

1.0 ppm

以下となり、安全であると結論づけられる

15)

2.7.4.5.3

薬物相互作用

通常の薬物相互作用を検討する試験は実施されていない。本剤は、新生児の肺高血圧を伴う低 酸素性呼吸不全に対し、トラゾリン、ドパミン、ドブタミン、ステロイド、サーファクタント及 び

HFOV

と安全に併用されてきており、これらの薬物との相互作用による問題はないと考えられ ている。

一方、ニトロプルシドナトリウム、ニトログリセリン又はスルフォンアミドのような血中

MetHb

濃度を増加させる可能性がある薬剤との併用により、酸素運搬能が低下する可能性がある。この ような薬剤と併用する場合には、血中

MetHb

濃度の測定を十分観察し、その増加に注意する必要 がある。

健康成人男性を対象としたヘパリンナトリウム併用時の血液凝固能に対する試験では、NO 吸 入による相加的又は相乗的な作用はみられなかった(2.7.6.2.1)。

2.7.4.5.4

妊娠及び授乳時の使用

本剤は、肺高血圧を伴う低酸素性呼吸不全を発症した新生児を適用としており、動物及びヒト における妊娠及び授乳時の安全性に関する情報は得られていない。

一酸化窒素 

2.7

臨床概要  

- 152 -

2.7.4.5.5

過量投与

過量投与により血中

MetHb

濃度及び吸気中

NO

2濃度が増加することがある。

メトヘモグロビン血症が発生した場合、本剤吸入濃度の減量又は投与を中止する。その後も改 善がみられない場合には、必要に応じてビタミン

C、メチレンブルー又は輸血で対処する。臨床

試験における血中

MetHb

濃度に基づく投与中止基準は、CINRGI試験では>4%、INO-01/02及び

Ohmeda NO-03

試験では>7%、INOT12では>5%とされている。しかし、企業中核データシート

では、臨床試験において

NO 20 ppm

吸入時に血中

MetHb

濃度が

2%を超えることはまれであるこ

と及びメトヘモグロビン血症が重篤な転機を招きかねない有害事象であることから、上限を

2.5%

と臨床試験よりも厳密に規定している。

吸気中

NO

2濃度の増加により急性の肺損傷をきたすことがある。吸気中

NO

2濃度は可能な限り、

定常状態において

0.5 ppm

未満を維持することが望ましい。臨床試験における吸気中

NO

2濃度に 基づく投与中止基準は、

CINRGI

試験では

5 ppm、 INO-01/02

及び

Ohmeda NO-03

試験では、

3 ppm、

INOT12

試験では、

2 ppm

であった。一方、企業中核データシートでは、

0.5 ppm

と規定している。

本剤は、欧米で承認されたアイノベント(一酸化窒素ガス管理システム)を使用して投与した いずれの試験結果においても

20 ppm

以下の

NO

吸入時に吸気中

NO

2濃度はおおむね

0.5 ppm

を上 回らなかったことから特に問題はないと考えられた。しかしながら、NO2の吸入を可能な限り少 なくするため、本剤の吸入には承認された一酸化窒素ガス管理システムを使用し、吸気中

NO

及 び

NO

2濃度をモニターする必要がある。NO2濃度が

0.5 ppm

を超えた場合は、一酸化窒素ガス管 理システムを点検うえ、原因を精査し、可能であれば本剤又は

FiO

2を減量する等、適切な処置を 行う必要がある。

CINRGI、 INO-01/02、 INOT12

及び

Ohmeda NO-03

試験において、過量投与として報告された有 害事象は

2

例(2件)であった。いずれも治験薬を中止することで改善した(表

2.7.4.5-2)。

2.7.4.5-2

過量投与発生症例

試験番号 症例番号 NO吸入濃度(ppm

吸入期間(時間) 有害事象 処置 経過 INO-01/02 INO_02 13001 80

2.58 過量投与 治験薬中止 改善

Ohmeda NO-03 INO_03 59003 80 110.67

過量投与 血小板減少症 喘息

蜂巣炎 肺障害

治験薬中断 薬物治療 薬物治療 薬物治療 薬物治療

改善 回復 改善 回復 改善

2.7.4.5.6

薬物乱用

薬物乱用に関する情報は得られていない。

2.7.4.5.7

離脱症状及び反跳現象

本剤の急激な中止により肺動脈圧(PAP)の上昇、酸素化及び低酸素性呼吸不全の症状の悪化 の危険性があり、肺血管収縮の増強のような反跳現象がみられ、心肺虚脱を引き起こす可能性が ある。また、PAP の上昇又は

PaO

2の低下がみられた場合は

FiO

2の増量又は

NO

吸入を再開する などの対応を実施する必要がある。本剤の急激な中止による酸素化の悪化や

PAP

の上昇は、本剤

一酸化窒素 

2.7

臨床概要  

- 153 -

に反応しない患者でも発生する危険性がある。

CINRGI、 INO-01/02、 INOT12

及び

Ohmeda NO-03

試験において、試験中に発生した有害事象と して離脱症候群が

26

例報告されているが、いずれも本剤との関連は否定されている。

海外の臨床試験において、反跳現象が報告された例は

1

例(1件)であった。本症例は、NO吸

入濃度を

40 ppm

から

20 ppm

に減量した際に反跳現象が発生した。このため

NO

吸入量を

40 ppm

に戻し、その後、再度時間をかけて

NO

20 ppm

まで漸減することで反跳現象は消失した(表

2.7.4.5-3)。

2.7.4.5-3

反跳現象発生症例

試験番号 症例番号 NO吸入濃度(ppm

吸入期間(時間) 有害事象 処置 経過

CINRGI cmcpphn1 4020 43.42

血小板減少症 胃腸障害

薬物治療 薬物治療

回復 改善 注:CINRGI試験のNO吸入濃度は20 ppmであったが、以下に示す内容により40 ppmが誤って投与された。

①モニタリングシステムの故障により別のモニターを使用した。

②吸入装置の濃度調整ダイアルが動きやすく、誤ってぶつけ、40 ppmが投与された。

2.7.4.5.8

自動車運転及び機械操作に対する影響又は精神機能の障害

今回の申請では、試験の対象を新生児患者としたため、自動車運転及び機械操作に対する影響 又は精神機能の障害については検討されていない。

ドキュメント内 untitled (ページ 151-156)