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職域年金等における加入者教育

ドキュメント内 EY (ページ 70-74)

5 政策対応の概要・実績

5.3 職域年金等における加入者教育

  米国労働省規則では、投資アドバイスに当たらない「加入者投資教育」(Participant Investment Education)として、以下の4つの情報提供が定義されている(図表5.3.3)。

図表5.3.3 労働省規則における「加入者投資教育」の範囲

プラン情報 Plan Information

プラン加入の便益に関する加入者や受給者向けの情報や資料

一般金融・投資情報 General Financial and Investment

Information

加入者や受給者向けの情報や資料で以下のもの

(i)リスク・リターン、分散投資、平均ドルコスト、複利、繰延課税投資な どに関する一般的金融・投資概念

(ii) 標準マーケットインデックスに関する異なる資産分類(株式、債券、

現金など)間のリターンの歴史的な差異 (iii) インフレの影響

(iv) 将来の退職時において必要な収入の見積もり

(v) 投資における時間軸の決定

(vi) リスクへの耐性のアセスメント

資産配分モデル Asset Allocation Models

すべての加入者や需給者向けの時間軸やリスクが異なる資産配分に関す る情報や資料(円グラフ、ケーススタティなど)で以下のもの

(i)異なる資産分類(株式、債券、現金など)の歴史的リターンに関して一 般的に受け入れられているモデル

(ii) 退職年齢、生活設計、収入水準、資金源、代替所得率、インフレ率、

収益率等に関する事実及び想定に関する資料 (iii)年金プランにおいて選択可能な資産配分モデル

(iv) 個人の置かれた状況等(家計における株式所有、IRA投資、貯蓄口座

等)に関する資産配分モデル 双方向的な投資資料

Interactive Investment Materials

質問表、ワークシート、ソフトウェアその他同種の資料であって、将来の 退職時における必要収入の推計や異なる資産配分による影響評価を提供 するもので以下のもの

(i)投資期間に対応した、異なる資産分類(株式、債券、現金など)の歴史

的リターンを考慮に入れた一般的に受け入れられている投資理論に基づ くもの

(ii)加入者や受給者から提供された資料、情報やデータから生成される資産 配分の相関に関するもの

(iii)退職年齢、生活設計、収入水準、資金源、代替所得率、インフレ率、収 益率等に関する事実及び想定に関する事実と想定で、加入者や受給者の資 産配分に影響があるもの

(iv)プランのもとでの特定の投資選択肢から生成される資産配分

(v)個人の置かれた状況等(家計における株式所有、IRA投資、貯蓄口座等)

に対する特定の資産配分を考慮にいれたモデル

(資料)US Department of Labor, "Interpretive Bulletin 96‒1; Participant Investment Education; Final Rule", June 1999によりEY総合研究所作成。

https://www.dol.gov/ebsa/regs/fedreg/final/96_14093.htm https://www.dol.gov/ebsa/regs/fedreg/final/96_14093.pdf

  こうした多様な情報提供の下で、個人が投資信託を購入する場合に、職域DCプラン内 で提供される情報源、投資専門家等からの情報源を活用するとともに、複数の情報源を併 せて活用するケースが多い(図表5.3.4)。

図表5.3.4 米国職域DCにおいて投資信託を購入する場合の情報源(%)

職域DCプラン内 72

職域DCプラン外 65

投資専門家 53

証券会社 29

独立フィナンシャルプランナー 28

銀行・貯蓄機関 17

保険代理人 10

会計士 7

直接販売 30

投資信託会社直販 19

ディスカウントブローカー 18

(資料)Investment Company Institute, "Ownership of Mutual Funds Through Investment Professionals 2012"により EY総合研究所作成。

(注)  重複回答。

5.3.2 イギリスにおける加入者教育

NESTでは加入者コミュニケーションの8つのゴールデンルール(NEST’s golden rules of communication)を定めている(図表5.3.5)。

NEST’s golden rules of communicationに基づき、NESTのホームページは平易な言葉 で記載され、NESTの効果をパーセントよりポンドを用いてわかりやすく説明するととも に、加入者自身に近い属性の人に関するケーススタディを入れるなど、工夫を凝らしてい る。

図表5.3.5 NEST's golden rules of communication

Keep it real 年金コミュニケーションは、できるかぎり実践的(practical)

であり、人々に関係する例(examples)を用いるべきであ る。理論的な概念は理解が困難で、避けるべきである。

Rights not responsibility 人々は義務より年金受給資格を強調することで積極的に対

応する。

Out with the old 年金スキームについては、退職の詳細に焦点を当てるべき

ではない。多くの人々は退職ははるか遠くのことであり、

当面の関心事項にはならないからである。これは、彼らの 現在の勤労生活に向けたメッセージをもたらすことが重要 であることを意味する。

One for all 年金改革や自動加入の影響を受ける人々は数字による慰め

が必要である。彼らはほかの多くの人々にも同じことが起 こっていることを知りたがる。なぜなら、変化によって影 響される人々の一部であることで安心するからである。

人々は、自分が特殊なケースであるとは考えたがらないか らである。

Tell it like it is 事実を伝え、人々に自分自身の結論に到達してもらうべき

である。加入者は誇張された形での年金に関する情報を求 めていない。加入者は、自分自身で判断できる形で平易な 言葉での説明を欲している。

Give people control (even if they don’t use it)

人々には、仮に(その権利を)行使しないとしても、自ら コントロールしていると思っていたいものだ。たとえば、

オプトアウトできるというメッセージは加入プロセスで早 めに伝えることは良いことだ。

Take people as you find them コミュニケーションは人々が理解できるようにデザインす

べきである。新規加入者は理解度レベルがまちまちである。

Be constructive 年金改革や自動加入の影響を受ける人々は、自分自身で問

題を解決できるものと捉えがちである。

(資料)NEST, "NEST's golden rules of communication" 2016によりEY総合研究所作成。

https://www.nestpensions.org.uk/schemeweb/NestWeb/includes/public/docs /golden-rules-of-communication,PDF.pdf

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