第 5 章 周期解の近似計算 86
5.4 練習問題 5
したがって,まず振幅は,第1 式より β >2 6α ならば,
A1= 1
√3 q
β−p
β2−24α, A2= 1
√3 q
β+p
β2−24α (5.99)
の 2個存在し,A1 が不安定,A2 が安定となることが分かる.それぞれに対応して,式 (5.96)に不安 定および安定なリミット・サイクルのあることも理解できる.図 5.8 参照.原点は安定な平衡点であ る.また,この程度の近似的な解析では各リミット・サイクルの周波数の違いがどうかといった解析は できない.これは式 (5.98)の第 2式の右辺が零となってしまうからである. ■
を満たしているものとする.ここに ξ, η は ϕ(0),ϕ(0)˙ からの小さなずれを表す定数であ る.証明は, ²= 0のとき存在する周期解 ϕ(t) から,²6= 0のとき解 (5.100) が一意的に 定められることを示せばよい.式 (5.29)に式 (5.100) を代入し,A(t), B(t) の満たす方程 式を導け.また,式 (5.101) を用いてこれらの初期値を定めよ.更にこの初期値を満たす A(t), B(t) を求めよ.
(2) 式 (5.100)が周期解となる条件は
G1(ξ, η, ²) = x(2π, ξ, η, ²)−x(0, ξ, η, ²) = 0
G2(ξ, η, ²) = x(2π, ξ, η, ²)˙ −x(0, ξ, η, ²) = 0˙ (5.102) である.前問で求めたA(t), B(t) を式 (5.102)に代入し, ξ, η について整理して陰関数の 定理を用い,²が十分小さい場合,初期値のずれξ, η が²の関数として存在することを示せ.
5.2 自律系の摂動法小さなパラメータ ²を含んだ自律系 d2x
dt2 +x=²F µ
x,dx dt
¶
(5.103) の周期解を摂動法によって計算しよう.周期解の周期が未知なので τ =ωtと変換して
ω2d2x
dτ2 +x=²F µ
x, ωdx dτ
¶
(5.104) の周期 2π の周期解を次のべき級数として求めよ.
x(τ) = x0(τ) +²x1(τ) +²2x2(τ) +· · ·
ω = 1 +²ω1+²2ω2+· · · (5.105)
ただし,初期値を定めないとこの解は一意的に定まらないので,初期値を x0(0) =x00(0) +²x01(0) +²2x02(0) +· · ·= 0 すなわち
x00(0) =x01(0) =x02(0) =· · ·= 0 (5.106) と仮定する.ここに0 はτ に関する微分を表す.
5.3 前問の結果を用いてファン・デア・ポール方程式
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x+x=²(1−x2) ˙x (5.107)
の周期解を計算せよ.
5.4 マシュー方程式
¨
x+ (a+²cos 2t)x= 0 (5.108)
の周期解を摂動法で計算しよう.例 4.6 で見たことから,周期解はパラメータが図 4.6の安定 限界を表す曲線(太線)上にある場合に存在する.この解を
a = k2+²a1+²2a2+· · ·
xC(t) = coskt+²x1(t) +²2x2(t) +· · · xS(t) = sinkt+²x1(t) +²2x2(t) +· · ·
(5.109)
とおいて計算しよう.k= 0,1,2 の場合についてa1, a2, x1(t), x2(t)を求めよ.
5.5 ダフィング方程式の基本調波共振における振幅特性 (5.59)について c <0の場合の応答を図5.7 と同様に描き特性の違いを検討せよ.
5.6 ファン・デア・ポール方程式の基本調波同期外力を印加したファン・デア・ポール方程式
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x−²(1−x2) ˙x+ Ω2x=Bcost (5.110) を考える.ただし,Ω≈1とし,1−Ω =²a, B =²bとする.例 5.2 に習って周期解を計算し,
周波数特性を求め,周期解の安定性を調べよ.
5.7 ダフィング・レーリィー方程式の基本調波同期外力を印加したダフィング・レーリィー方程式
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x−²(1−x˙2) ˙x+x+²x3=²bcosνt (5.111) を考える.この方程式を式(5.81) にように 1 階連立方程式に書き直し,平均化法により,平均 化方程式を導出せよ.
第 6 章
平衡点と周期解の数値計算
解析的方法で接近が難しい強非線形系の平衡点や周期解を求めるには,何らかの数値解析的方法に頼 らざるを得ない.この章では,数値計算を前提とした解析方法について述べる.平衡点や固定点の計算 には,収束が早いニュートン法を用いることにする.6.1 で平衡点の計算を例にしてニュートン法とそ の使用法を簡単に紹介する.6.2 では占部・ガレルキン法として知られている周期解の計算方法を略述 する.そのあと工学の分野で広く知られている調和平衡法や形式的な平均化法を占部・ガレルキン法の 1 近似手法として説明する.
周期解を求める問題では,ニュートン法を使用する際必要となるヤコビ行列の計算に変分方程式の解 が有効に使用できる.そこで,6.3において初期値やパラメータに関する変分方程式についてまとめて おいた.周期解を求めるためのポアンカレ写像の固定点の計算は6.4 で述べる.