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総 論

ドキュメント内 Microsoft Word - 71_第7章_嵩上げ拡幅.doc (ページ 185-192)

導 材

7.6.1 総 論

1) 目的

本節は、河川土工の現場において、汚染土壌や汚染地下水に遭遇した場合の技術的な対応方 法について記述したものであり、工事に伴う汚染の拡散を防止し、良質な河川の整備に資する ことを目的とする。

(解説)

河川土工においては、工事施工現場の関係技術者(発注者、受注者、自治体関係者、土壌汚染 対策法やダイオキシン類特別措置法に基づく関係機関)が、汚染土壌や汚染地下水に遭遇した場 合の対応方法を良く理解し、的確な判断と対応策を講じて施工を進めていくことが大切である。

本節は、河川土工の現場において、汚染土壌や汚染地下水に遭遇した場合の技術的な対応方法 について記述したものであり、本節を適用した適切な対応によって、工事に伴う汚染の拡散を 防止し、良質な河川の整備に資することを目的として作成されたものである。

2) 適用範囲

本節は、主として直轄河川において実施される河川土工について適用する。

(解説)

一般に、既設堤防・高水敷・河床などの河川区域の状況は、各河川あるいは施工された場所の 状況によって条件が大きく異なっており、汚染土壌や汚染地下水に遭遇した場合には、現場の 状況に応じた臨機の対応が望まれる。

本節は、このような、あらゆる状況での汚染土壌や汚染地下水に遭遇した場合の技術的対応方 法を網羅しているものではなく、主として直轄河川において実施される、標準的な工事を対象 として、工事による汚染の拡散を防止し、良質な河川の整備を進めるために必要となる基本的 な調査、対策、モニタリングに関する考え方や技術的な事項について記述したものである。

3) 用語の定義

河川の土工において一般的に実施される地盤汚染対策に係る主要な用語は、関係法規、マニュ アル類によると以下に記述するようなものがある。

本マニュアルでは、以下のように用語を定義する。

(1)特定有害物質による汚染に係る用語

・土壌汚染 :土壌に含まれる特定有害物質が土壌溶出基準もしくは土壌含有基準を 超過している状態

・汚染土壌 :上記の状態にある土壌

・地下水汚染 :地下水に含まれている特定有害物質が地下水基準を超過している状態

・汚染地下水 :上記の状態にある地下水

・地盤汚染 :土壌汚染および地下水汚染の総称

・汚染地盤 :汚染された土壌および地下水の総称

・指定基準 :土壌汚染対策法に規定される土壌含有量基準および土壌溶出量基準

・土壌含有量基準 :土壌汚染対策法に規定される指定区域の指定に係る基準のうち土壌に 含まれる特定有害物質の量に関するもの

・土壌溶出量基準 :土壌汚染対策法に規定される指定区域の指定に係る基準のうち土壌に 水を加えた場合に溶出する特定有害物質の量に関するもの

・地下水基準 :土壌汚染対策法に規定される基準のうち地下水から検出される特定有 害物質の量に関するもの

・緊急調査 :汚染の可能性のある地盤に遭遇した際に、含まれる有害物質の種類を 明らかにするための調査

・資料等調査 :汚染の経緯の推定および地盤・地下水条件を把握するために主として 既存資料を対象として行う調査

・汚染状況調査 :地盤汚染の範囲の確定、地下水状況を把握するために主として現地を 対象に行う調査

・影響検討 :合理的な汚染の除去等の措置を実施するために、定性的もしくは定量 的な手法により地盤汚染による周辺への影響を予測すること

・保全対象 :飲用井戸など、汚染されることにより人の健康被害が生ずるおそれの あるもの

・安全確保のための応急措置:直ちに汚染の拡散がある、もしくは作業員の健康などに影響を 与えることが懸念される場合に、緊急に実施される措置

・汚染の除去の措置 :調査等の結果、地盤汚染対策が必要であると判断される場合に実施す る措置

・搬出汚染土壌 :敷地外へ搬出する汚染された土壌

・公定法 :土壌汚染対策法に規定される測定方法(平成15年3月6日環境省告 示第16~19号)

・簡易測定法 :簡易分光光度法、簡易比色法、検知管、ガスモニター等

(2)ダイオキシン類汚染に係る用語の解説

・ダイオキシン類 :ダイオキシン類は、工業等で意図的に製造する物質ではなく、ものの 焼却の過程などで自然に生成してしまう物質(非意図的生成物)であ

り、環境中には広く存在しているが、量は非常にわずかである。

一般に、ポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン(PCDD)とポリ塩化 ジベンゾフラン(PCDF)をまとめてダイオキシン類と呼び、コプラ ナーポリ塩化ビフェニル(コプラナーPCB)のようなダイオキシン類 と同様の毒性を示す物質をダイオキシン類似化合物と呼んでいる。な お、ダイオキシン類対策特別措置法においては、PCDDおよびPCDF にコプラナーPCBを含めて“ダイオキシン類”と定義されている。

・ダイオキシン類対策特別措置法:ダイオキシン類による環境の汚染の防止およびその除去等 をするため、ダイオキシン類に関する施策の基本とすべき基準を定め るとともに、必要な規制、汚染土壌に係る措置等を定めることにより、

国民の健康の保護を図ることを目的とする法律。

・土壌に関するダイオキシン類の環境基準:ダイオキシン類対策特別措置法第七条に従い定め た、人の健康を保護する上で維持されることが望ましい基準

(1000pg-TEQ/g 以下)。なお、土壌にあっては、土壌中のダイオキ シン類の量が調査指標である250pg-TEQ/g以上の場合には、必要な 調査を実施することとなる。

・対策地域 :ダイオキシン類対策特別措置法第二十九条に従い、都道府県知事がダ イオキシン類による土壌の汚染の状況が土壌の汚染に関する基準を 満たさない地域であって、当該地域内の土壌のダイオキシン類による 汚染の除去等をする必要があるものとしてダイオキシン類土壌汚染 対策地域として指定した地域。

・TEQ :ダイオキシン類は、物質により毒性の強さがそれぞれ異なっており、

PCDDの一種である2,3,7,8-TCDDがダイオキシン類の中で最も毒性 が強いことが知られている。そのため、ダイオキシン類としての全体 の毒性を評価するためには、合計した影響を考えるための手段が必要 となる。そこで、最も毒性が強い2,3,7,8-TCDDの毒性を1として他 のダイオキシン類の毒性の強さを換算した係数が用いられている。多 くのダイオキシン類の量や濃度のデータは、この毒性を足し合わせた 値(通常、毒性等量(TEQ:Toxic Equivalent)という単位で表現)

が用いられている。

4) 地盤汚染に係る関係法規および汚染指定基準

河川土工に際しては、特定有害物質及びダイオキシン類による汚染地盤に遭遇した場合を想定し て、関係法規の内容を調査しておく必要がある。

(解説)

(1) 特定有害物質による地盤汚染に係る関係法規及び汚染指定基準 (a) 関係法規・マニュアル類

特定有害物質による土壌汚染に係る主な関係法規及び汚染指定基準には、以下のものがあ る。

※)上記の他、自治体が定める条例は、別途参照する必要がある。

以上、平成 17 年 11 月 1 日時点 なお、これら関係法規や汚染指定基準は、随時改訂が行われているため、適用の際には、

最新の改正・改訂の状況を確認する必要がある。

現時点での関係法規については、巻末の参考資料にまとめて示した。

平成14年に制定された「土壌汚染対策法」における「土壌汚染」とは、「環境基本法」(平 成5年法律第91号)第2条第3項に規定する、人の活動に伴って生ずる土壌の汚染に限定され たものであり、自然的原因により有害物質が含まれる土壌については、本法の対象とはなら ない。

但し、自然的原因によるものであっても場合によっては、実際には工事の中で、土壌汚染 対策の対象となっている場合があるので、留意が必要である。

河川の土工事を行うにあたって、通常遵守すべき有害物質は、以下の25物質が定められて いる。

① 第一種特定有害物質(揮発性有機化合物の11物質)

四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、1,1-ジクロロエチレン、シス-1,2-ジクロロエチ レン、1,3-ジクロロプロペン、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、1,1,1-トリ クロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、トリクロロエチレン、ベンゼン

② 第二種特定有害物質(重金属等の9物質)

カドミウム、六価クロム、シアン、水銀(アルキル水銀)、セレン、鉛、砒素、ふっ素、

ほう素(それぞれその化合物を含む。)

③ 第三種特定有害物質(農薬等の5物質)

シマジン、チオベンカルブ、チウラム、PCB、有機りん化合物

法令・法律・マニュアル名 制定・施行年

環境基本法 平成5年11月

土壌汚染対策法 平成14年5月

水質汚濁防止法 昭和45年12月

建設工事で遭遇する地盤汚染対応マニュアル(暫定版) 平成15年7月

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