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第 2 章 流動シミュレーションによるスクリュ形状の最適化検討

2.4 結果及び考察

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おいては,全体的に低いせん断応力分布を示していることがわかる.また,Standard,及

びLow-shearスクリュにおいては,圧縮部より計量部にかけてせん断応力が高くなる傾向

を示しており,フライト溝深さが浅いStandardスクリュの方が,より高い応力分布を示し ている.さらに,いずれのスクリュにおいても,シリンダ近傍で最も大きなせん断応力が発 生しており,フライト内部の応力分布傾向に差が見られる.特に,圧縮比が同じ2.1である

StandardスクリュとVariable-pitchスクリュの比較では,Standardスクリュはフライト

内で発生する応力の差が大きく,低せん断応力の領域が少ない分布であることに対し,

Variable-pitchスクリュは逆にフライト内の応力の差が少なく,より均一に応力が分布して

いることがわかる.これらのことは,せん断応力がスクリュ圧縮比ではなく,フライト溝深 さに依存することを示しており,同時にフライト内のせん断応力分布に与える影響も大き いことが確認できる.

Fig. 2-5 Shear stress distribution in each screw type.

2.4.3 平均せん断応力

前項のせん断応力分布の結果に対し,フライト内で発生する応力分布の違いを含め定量 的に比較するため,粒子追跡法により平均せん断応力を求めた.Fig.2-6に,各スクリュに

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対する,各粒子の平均せん断応力の確率分布を示す.Low-shearスクリュは,Standardス クリュに比べて低せん断側の分布が若干多い傾向を示しており,Fig.2-4のせん断応力分布 の比較に対し,その差異を明確に示している.また,Dulmadgeスクリュにおいては,高い 平均せん断応力を受ける確率が多く,逆にVariable-pitchスクリュでは,低い平均せん断応 力を受ける確率が多くなる傾向を示している.これは,樹脂の混錬と分散性の観点では,

Dulmadgeスクリュが最も性能が優れ,次いで Standard,Low-shear,Variable-pitchス

クリュの順に混錬性が高いことを示唆する結果である.これらの結果は,これまでの経験的 な情報においても,Dulmadge スクリュは最も混練性の高い傾向を示すと考えられること から,粒子追跡法による解析結果は定性的に良く一致しており,今後さらに入力条件の精度 を上げることで,実際の可塑化現象をより精度良く定量化できる手段であると期待される.

Fig. 2-6 Mean shear stress evaluated by particle tracking method for each screw type.

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