1通 貨 偽 造 罪 〈伽 造 貨 市罪 〉
通 貨 偽 造 罪 とは,人 民 貨 幣 また は外 国 貨 幣 を偽 造 す る行 為 を い う。
1犯 罪 構 成 1.基 本 犯罪 構 成
(1)本 罪 の 主体 は,一一般 主 体 で あ るが }自 然 人 に のみ 限 られ,単 位 は 含 ま れ な い。
(2)本 罪 の 客 体 はr国 家 の 金融 管 理 秩 序 で あ る。
(3)本 罪 の 主観 面 は,故 意 お よび偽 造 通 貨流 通 目的 で あ る。 この 目 的実 現 の有 無 は,本 罪 の 成 立 に影 響 しな い。 実 務 上は ,営 利 目的 で の通 貨 偽 造 が 一般 的 で あ るが,営 利 目的 は本 罪 の 犯 罪 要件 で は な い。 本 罪 は,直 接 故 意 の 犯 罪 で あ り,そ の 目的 は,意 図 的 な偽 貨流 通 で あ る。 鑑 賞 また は
自己 の描 画技 術 誇 示 の ため な ど,行 為 者 に偽 札 流 通 の 目的 が な い と きは, 一 般 の 違 法 行 為 で あ って 犯 罪 で は な い
。
(4)本 罪 の客 観 面 は,通 貨 を偽 造 す る行 為 で あ る。 通 貨 偽 造 とは , 人 民 貨 幣 また は外 国 貨 幣 の形 状 ・図案 ・色 彩 を模 倣 して不 真 正 の通 貨 を 製造 し,こ れ を真 正 通 貨 とす る行 為 で あ る。 偽 造 の 方 法 は,機 械 印刷 ・石 刻 ・複 写 ・影 印 ・手書 な ど多種 多様 で あ るが ,そ の方 法 は 問題 に な らな い 。 裁 判 実 務 上,偽 造 通 貨 が 人民 元 に換 算 して500元 以 上 また は その 通 貨 が50枚 以 上 で あ れ ば,犯 罪 と して 処 断 され る(131。
2.特 殊 犯 罪 構 成
重 大 犯 罪構 成 は,基 本 犯 罪構 成 を充 足 し,か つ そ の情 状 が特 に重 大 な行 為 で あ る。 刑 法170条 に よれ ば,特 に重 大 な情 状 とは ,① 通 貨 偽 造 集 団 の 首 謀 者 で あ る こ と,② 通 貨 偽 造 の額 が特 に巨 額 な こ と}③ その他 の 情状 が 特 に重 大 な こ と をい う。
裁判 実務 で は,特 に巨 額 の偽 造 通 貨 とは,偽 造 通 貨 の総 額 が 人民 元 に換 算 して1万5000元 以 上 の場 合,ま た は そ の 通 貨 が1500枚 以 上 の場 合 を
い う と され る。 そ の他 の特 に重 大 な情 状 とは,暴 力 に よ り検 査 ・勾 留 ・
t1022} 何 乗 松 編 著 ・ 刑 法 教 科[1}(各 論 編24章 〜29r;3) 169
13国 有 資 産 不 正株 式 換 算 販 売 罪 〈徊 私 舞 弊低{介折 股 、出告 国有 資 声 罪 〉
国 有資 産不 正株 式 換 算 販 売 罪 とは,国 有 の会社 ・企 業 また は その 上級 主 管 官 庁 の直 接 責 任 を負 う管理 職 が,私 情 に と らわれ不 正 行 為 を行 い ・国有 資 産 を低 価 で株 式 換 算 また は販 売 して,国 家利 益 に重 大 な損 失 を与 え る行 為 を い う。
1基 本 犯罪 構成
(1)本 罪 の 主体 は,特 殊 主 体 す な わ ち国 有 の会 社 ・企 業 ま た は そ の 上級 主管 官 庁 の直接 責任 を負 う管 理 職 で あ る。 この上級 主 管官 庁 とは, 国 有 会 社 ・国 有企 業 を直 接 指 導 す る 関係 にあ り,そ の経 営 活 動 へ の影 響 力 を もつ 官 庁 を い う。
(2)本 罪 の主 観 面 は,過 失 で あ る。 この 過 失 は,国 家利 益 の重 大 な 損 失 とい う結 果 に対 す る もの で あ りs私 情 に と らわ れ不 正 を働 く点 は ・故
意 に よる 。
(3)本 罪 の 客観 面 は,私 情 に と らわれ不 正行 為 を行 いt国 有 資 産 を 低 価 で株 式 換 算 また は販売 して,国 家 利益 に重 大 な損 失 を与 え る行為 で あ る。 「国 有 資 産」 とは,会 社 ・企 業 の 国 有 資 産 を い う。 す な わ ち,国 家 が 会 社 ・企 業 に 投 資 した 財 産 ま た は そ の 投 資 収 益 に よ る財 産,お よ び 法 律 ・行 政 法 規 が 国 有 財 産 と認 め る会 社 ・企 業 の そ の他 の 財 産 で あ る。
「低 価 で の株 式 換 算 」 とは,国 有 会 社 ・企 業 の現 物 財 産,工 業 財 産 権,非 特 許技 術,土 地 使 用 権 を故 意 に過小 評 価 して株 券 に換 算 し,こ れ を出資 す
る こ と をい う。 国有 資 産 の低 価 の株 式換 算 お よび販 売 は,私 情 に と らわれ た行為 者 の不 正行 為 で な けれ ば な らず,客 観 的 にそ の よ うな行 為 で な けれ ば本 罪 は 成 立 しな い。
(4)本 罪 の客 体 は,国 有 の 会 社 ・企 業 の管 理 制 度 で あ る。
H刑 事 責 任
刑 法169条;本 罪 を犯 した者 は,3年 以 下 の 有期 懲 役 ま た は拘 留 に処 す る。 国 家利 益 に特 に重 大 な損 失 を与 え た と きは,3年 以.ヒ7年 以 下 の 有期 懲 役 に処 す る。
168 率申4だ∫門言去"莞第34巻 第3場200ユfl{
(1023) (1)本 罪 の 主 体 は,特 殊 主 体 す な わ ち国 有 の 会社 ・企 業 ・事 業 単 位 の 職 員 で あ る。
(2)本 罪 の 客 体 は,国 有 の 会 社 ・企 業 ・事業 単 位 の 管 理 制 度 で あ る。
(3)本 罪 の主 観 面 は,過 失 で あ る。 行 為 者 が 国家 の 利益 に重 大 な損 失 を与 え た結 果 が,過 失 に よ る もの で な け れ ば な らな い。
(4)本 罪 の客 観 面 は,自 己の 職 責 を著 し く怠 りまた は職権 を濫 用 し て,国 有 の 会社 ・企 業 の 破 産 また は 重 大 な損 失 を引 き起 こ し
,国 家 の 利 益 に重 大 な損 失 を与 え る行 為 で あ る。 行 為 者 は,そ の客 観 面 にお い て}著
しい職 責怠慢 また は職 権濫 用 の行 為 を行 わ ね ば な らず,こ れ が欠 け る と本 罪 は 成 立 しな い。 本 罪 が 成立 す る に は ,客 観 的 に 国 有 会社 ・企 業 の破 産 また は 重大 な損 失 を引 き起 こ し,か つ 国 家 の利 益 に重大 な損 失 を発 生 させ ね ば な らな い。 これ が 欠 け る と き も ,本 罪 は 成 立 しない 。 破 産 ・重 大 な 損 失 が あ れ ば,国 有 会 社 ・企 業 の 重 大 な損 失 ,そ して 国 家 利益 の 重 大 な 損失 を意味 す る こ とが 多 い。 しか し,あ らゆ る場 合 に国家 利 益 の重 大 な損 失 につ なが る わ け で は ない 。 国 有 会 社 ・企 業 の破 産 ・重 大 な損 失 お よ び 国家 利 益 の重 大 な損 失 は,同 時充 足 を要す る 二要 件 で あ る。 破 産 に は,次 の 三つ の場 合が あ る。① 会 社 ・企 業 の経 営 管 理 が不 充 分 なた め に
,重 大 な損 失 が 発 生 して履行 期 の債 務 が 支払 不 能 とな り,法 に よ り破 産 を宣 告 さ れ る場 合,② 会 社 ・企 業 の 整 理 粛 正 期 間 中 もそ の財 務 事 情 が悪 化 し続 け た た めrそ の整 理 粛 正 未 終 了 の まま破 産 を宣告 され る場 合
f③ 整 理 粛 正 期 間が 過 ぎて も和 解 協議 した債 務 を履 行 しえず ,破 産 を宣告 され る場 合 で あ る。
H刑 事 責 任
刑 法168条 ・1999年12月25日 「中 華 人 民 共 和 国刑 法 改 正 案 」2条;
本 罪 を犯 した者 は,3年 以 下 の有 期 懲 役 また は拘 留 に処 す る。 国 家 の利 益 に 重 大 な損 失 与 え た と きは,3年 以 上7年 以 上 の 有期 懲 役 に処 す る。 私 利 を 図 っ て本 罪 を犯 した者 は,重 く処 罰 す る。
(1024) 何 飛 松 編 著 ・ 刑 法 教 科rl業(各 論 編24;一 一一2gE'̀f)‑f^) 167
い,国 家 の利 益 に重 大 な損 失 を与 える行 為 をい う。
1基 本 犯 罪 構成
(1)本 罪 の 主 体 は,特 殊 主 体 す な わ ち国 有 の会 社 ・企 業 ・事 業 単 位 の職 員 で あ る。
(2)本 罪 の客 体 は,国 有 の 会社 ・企 業 の 管 理 制 度 で あ る。
(3)本 罪 の 主 観 面 は,過 失 で あ る。
(4)本 罪 の客 観 面 は,契 約 の締 結 ・履 行 過 程 にお け る著 しい 職 責 慨 怠 の た め に詐 欺 に遭 いf国 家 利 益 に重 大 な損 失 を与 え る行 為 で あ る 。
「著 しい職 責 解 怠 」 とは,行 為者 が契 約 業 務 を担 当時 に,回 避 可 能 に もか か わ らず 職 権 濫 用 また は職 責 放 棄 に よって容 易 に欺 岡 され る こ とをい う。
例 え ば,契 約 締 結 時 に調 査 す べ き相 手 方 の 身 分 ・信 用 状 況 を調 査 しな か った場 合,契 約履 行 に際 して検 査 す べ き貨 物 を検 査 しなか っ た場Q相 手方 へ の疑 問 点 を認識 した の に適 当 な措 置 を講 じなか った場 合等 で あ る。
「重 大 な損 失 」 とは,実 務 上 は5万 元 以 上 の 直接 的経 済損 失 をい う・
II刑 事 責任
刑 法167条;本 罪 を犯 した 者 は,3年 以 下 の 有期 懲 役 ま た は拘 留 に処 す る。 国家 利 益 に特 に重 大 な損 失 を与 え た と きは,3年 以 上7年 以 下 の 有期 懲 役 に処 す る。
1998年12月29日 の 全 国 人民 代 表 大 会常 務 委 員 会 「外 国 為 替 詐 欺 購 入 不 法 移 転 売 買 罪 の 懲 罰 に 関す る決 定 」7条;金 融 機 関 また は対 外 貿 易 経 営 を行 う会 社 ・企 業 の職 員 が,そ の著 しい 職 責慨 怠 に よ り欺 岡 され,そ
れ に よ り大 量 の外 国為 替 を騙 取 また は国外 移転 され て,国 家 利益 に重 大 な 損 失 を与 えた と きは,刑 法167条 の規 定 に よ り定 罪 ・処 罰 を行 う。
12破 産 損 失罪 〈造 成 破 」立、号 損 罪 〉
破 産損 失 罪 とは,国 有 の会 社 ・国有 企 業 の 直接 責 任 を負 う管 理 職 が 私 利 を図 り,そ の 会社 ・企 業 に破 産 また は 重 大 な赤 字 を生 じ させ ・国 家 の
利益 に重 大 な損 失 を生 じさせ る行 為 をい う。
1犯 罪 構 成
166 神 奈 川 法 学 第34巻 第3号2001年 (1025)
品 を購 入 し,市 場 価 格 よ り低 価 と知 りな が ら商 品 を 自己 の 親戚 ・友 人 の 経 営 企 業 に販 売 し,ま た は 自己 の 親戚 ・友 人 の経 営 企 業 の不 適 格 商 品 を 購 入 し,国 家 利 益 に重 大 な損 失 を発 生 させ る行 為 を い う。
1基 本 犯罪 構 成
(1)本 罪 の 主 体 は,特 殊 主 体 す な わ ち国有 の 会社 ・企 業 ・事 業 単 位 の 職 員 で あ る。
(2)本 罪 の 客 体 はi国 有 の 会社 ・企 業 ・事 業 単位 の 管 理 制 度 で あ る。
(3)本 罪 の 主観 面 は,故 意 で あ る 。
(4)本 罪 の 客 観 面 は,職 務 上 の便 益 を利 用 して,当 該 単 位 の利 潤 獲 得 業 務 を 自己 の親戚 また は友 人 に経 営 させ,市 場 価 格 よ り高価 と知 りなが ら 自己 の 親戚 ・友 人 の 経 営 企 業 の 商 品 を購 入 し ,市 場 価 格 よ り低 価 と知 りなが ら商 品 を 自 己の 親 戚 ・友 人 の経 営 企 業 に販 売 し ,ま た は 自己 の 親 戚 ・友 人 の経 営 企 業 の 不 適 格 商 品 を購 入 し,国 家 利益 に重 大 な損 失 を発 生 させ る行 為 で あ る。 本 罪 に い う 「職 務 上 の 便益 の 利 用 」とは ,行 為 者 が 国有 の 会 社 ・企 業R事 業 単 位 で指 揮 ・管 理 ・取 扱 を行 う地 位 お よび職 権 に基 づ く有 利 な条 件 を利 用 す る こ とを い う。 本 罪 が 成 立 す る に は 「国 家 利益 の 重 大 な損 失 」の結 果が なけ れ ば な らず rそ うで な け れ ば犯 罪 に な らな い 。 国 家 利益 の重 大 な損 失 とは a国 有 の 会 社 ・企 業 ・事 業 単 位 の 利 潤 を大量 に流 失 させ て重大 な損 失 を もた ら し,ま た は行 為 者 が不 法 に巨 額 利益 を獲 得 した こ とな どの事 情 を い う。
n刑 事 責 任
刑 法166条;本 罪 を犯 した者 は,3年 以 下 の 有 期 懲 役 また は拘 留 に処 し,罰 金 を併 科 ま た は 単 科 す る。 国 家 利 益 に重 大 な損 失 を 与 え た と き は,3年 以 上7年 以 下 の有 期 懲 役 に処 し ,罰 金 を併 科 す る。
11契 約 職 務 違 反 罪 く釜 汀 、履 行 合 同失 取 被 騙 罪 〉
契 約 職 務 違 反 罪 とは,国 有 の 会社 ・企 業 の直 接 責任 を負 う管 理 職 が , 契 約 の締 結 また は履行 の過 程 にお い て,著 しい職 責慨 怠 の ため に詐 欺 に遭