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1婚 姻 自由暴 力 干 渉 罪 〈暴 力 干 渉 婚 姻 自 由罪 〉

婚 姻 自由暴 力 干 渉 罪 とは,暴 力 を用 い て,他 人の 結婚 また は離 婚 の 自 由 に干 渉 す る行 為 をい う。

1犯 罪構成

(1)本 罪 の 主体 は,自 然 人 一般 で あ る が,実 際 に は被 害 者 の 親族 ま た は支 配 関係 にあ る家 族 構 成 員 で あ る こ とが 多い 。

(2)本 罪 の客 体 は,複 雑 客 体 〔複 合 法 益 〕で あ る 。他 人 の 婚 姻 の 自 由が 中'L、とな るが,本 罪 で は暴 力 的 手段 用 い られ る の で,被 害 者 の 人 身 の 権 利 も侵 害 され る。

婚 姻 の 自由 は,自 由 に結婚 ・離 婚 す る権 利 を含 み,他 人 に結 婚 ・離 婚 を強 制 す る こ とは,す べ て違 法 行 為 に なる ・

(3)本 罪 の主観 面 は,直 接 故 意 を必 要 と し,過 失 は本 罪 を構 成 しえ ない 。 本 罪 の動 機 は,家 柄 ・身 分 の適 合 の 追 求,結 納 金 品 の要 求,封 建 的 伝 統 的 習俗 の維 持 な ど非 常 に複雑 で あ る。 犯罪 の動 機 は,そ の 危 害 の程 度

に一 定 の影 響 を もつ の で,量 刑 に際 して考 慮 され う る。

(4)本 罪 の客 観 面 は,暴 力 を用 い て,他 人の結 婚 また は離 婚 の 自由 に 干 渉 す る行 為 で あ る 。 こ こで い う暴 力 と は,逮 捕 ・殴打 ・監 禁'強 制 連 行 な ど人身 に強制 ま た は打 撃 を加 え る方法 に よ り,被 干 渉 者 の意 思 を 自

2$8 神 奈 川 法 学 第34巻 第3号2001年

(903) 本 罪 と拷 問 供 述 強 要 罪 との 限界 が 問題 となる .両 罪̀ま,臆 犯 で あ り, 被 害 者 に 肉体 的 精 神 的 な苦 痛 をカロえ る点 で 共 通 す る が

,次 の点 で 相 違 が あ る。

1)侵 害 客 体 が 異 な る。 本 罪 は ,公 民 の 人 身 の権 利 の ほ か,特 定 の 刑 務 管 理 官 庁 の 正 常 な職 鰍 序 を侵 害 す る.こ れ に対 して,後 罪 は,公 民 個 人 の権 利 の ほ か ・公 安 強 察 戯 判 所 等 の 司法 機 関 の 正 常 な職 務 秩 序 を侵 害 す る 。

2)犯 罪 主 体 が 異 な る・本 罪 の 主 体 は,汗騰 理 獺 に限 られ るが,後 罪 の 主 体 は,公 安 ・検 察 ・裁 判 所 の 司 法 職 員 を含 む。

3)犯 罪 目的 が 異 な る。 本 罪 の 目的 は,被 拘 禁 者 の制 圧 で あ るが,後 罪 の 目 的 は,供 述 の 強 要 で あ る。

皿 刑事責任

刑 法248条;被 拘 禁 者 に体 罰 虐待 を加 え ,そ の情 状 が重 大 な者 は,3 年 以 下 の有 期 懲 役 また は拘 留 に処 す る。 そ の情 状 が特 に重 大 な ときは,3 年 以 上10年 以 下 の 有 期 懲 役 に処 す る。 身 体 の障 害 また は 死 亡 の 結 果 を生

じ させ た と きは ・234条 の傷 害 罪 また は232条 の 故 意 殺 人罪 の規 定 に よ り 定 罪 量 刑 す る。

6会 計 統 計 員 打 撃 報 復 罪 〈打 缶 扱 隻会 汁、銃 汁 人 員 罪 〉

会計 統 計 員打 撃 報復 罪 とは ,会 社 ・企 業 ・事 業 単 位 ・機 関 ・団 体 の 責 任 者 が,法 に基 づ い て職 責 を履 行 しまた は会 計 法 ・統 計 法 に違 反 す る こ

とに抗 した会計 員 また は統計 員 に打 撃報 復 を加 え

,そ の情状 が劣 悪 な行 為 を い う。

1犯 罪 構 成

(1)本 罪 の 主 体 は,特 殊 主 体 〔身 分 の あ る者 〕 で あ り,会 社.企 業 ・事 業 単 位 ・機 関 ・団体 の 責任 者 の み が本 罪 を構 成 しうる

。 (2)本 罪 の主 観 面 は,故 意 の 心 理 態 度 で あ る。

(3)本 罪 の 客 観 面 は,法 に基 づ い て 職 責 を履 行 し会 計 法 ・統 計 法 違 反 に抗 した会 計 員 ・統 計 員 に対 して打 撃 報 復 を加 え

,そ の情 状 が 劣 悪

(904) toj松 編 著 ・ 刑 法 教 柳}恪 論 編24F;‑29';り 287

本 罪 の行 為 者 は,他 人陥 害 の 目的 を もつ が,被 害 者 に刑 事処 分 を受 け させ る 目的 を もた ない.こ れ に対 し,後 罪 の 行 賭 は,主 観 的 に他 人 に升i」事 処 分 を受 け させ る 目的 を有 して い な けれ ば な らな い。④ 犯 罪 主体 が 異 な る。

本 罪 の主 体 は 周 家 公 瀬 で な けれ ば な らな いが ・後 罪 の 主体 は ・澱 主 体 で あ り国 家 公 務 員 で な く と も よい。

皿 刑 事 責 任

刑 法254条;本 罪 を犯 した者 は,2年 以 下 の有 期 懲 役 ま た は拘 留 に処 す る。 そ の情 状 が 重 大 な と きはs2年 以 上7年 以 下 の 有期 懲 役 に処 す る。

5被 拘禁 者 虐 待 罪 〈虐待 被 監 管 人 罪 〉

被 拘 禁 者 虐 待 罪 とは,監 獄 ・拘 留 所 ・留 置 所 な ど刑 務 管 理 機 関 の 職 員 が刑 務 管 理法 規 に違 反 して謝 句禁 者 に殴打 もし くは体 罰 虐 待 をカロえ・ま た は被 拘 禁 者 に他 の被 拘 禁者 へ の 殴打 も し くは体 罰 虐待 を行 わせ も し く は これ を放 任 し,そ の情 状 が 重 大 な行 為 をい う。

1犯 罪 構成

(1)本 罪 の 主 体 は,特 殊 主 体 〔身 分 の あ る者 〕で あ り,刑 務 管 理 機 関の 職 員 に限 られ る.刑 瀦 麟 関 の纈 で ない者 は,独 立 して本 罪 を構 成 しえ な いが,本 罪 の 共 犯 には な りうる。

(2)本 罪 の主 観 面 は,故 意 の心 理 態 度 で あ る。

(3)本 罪 の客 観 面 は,国 家 の刑 務 管 理 法 規 に違 反 して,被 拘 禁 者 に 殴 打 ・体 罰 虐待 を加 え,情 状 が 重 大 な行 為 で あ る。 刑 務 管 理 職 員 が}こ れ らの 行 為 を 自 ら行 うか,他 人 に行 わせ るか を問 わず,本 罪 が 成立 す る・

(4)本 罪 の 客 体 は,複 雑 客 体 〔複 合 法 益 〕で あ り,被 拘 禁 者 の 人 身 の権 利 が侵 害 され る と同 時 に,刑 務 管 理 機 関 の正 常 な職務 秩 序'威 信 が 危殆 化 され る。被 拘 禁 者 とは,法 に基づ い て拘 禁 され 人 身の 自由 を喪 失 中 の者 をい う。 これ に は,判 決が 確 定 した獄 中服役 者,拘 留 留 置所 に拘 禁 中 の 未 決 の犯 罪 被 疑 者,治 安 管 理 処 罰 条例 等 違 反 の被 拘 留 者,お よび そ の他 の 法 に よ り監 督 管 理 下 にあ る 者 が 含 ま れ る 。

n定 罪

286 神 奈 川 法 学 第34巻 第3り 凸2001年

(905) は・他 人 に刑事 処 分 を受 け させ る 目的 お よ び事 実 を捏造 して虚 偽 の告 発 を す る 故 意 が あ る の で,犯 罪 と な るカ㍉ 誤告 発 は犯 罪 で は ない

。 皿 刑 事 責 任

刑 法243条;事 実 を捏 造 し他 人 を謳 告 陥 害 して,他 人 に刑 事 責 任 を追 及 させ,そ の情 状 が 重大 な者 は,3年 以 下 の有 期懲 役}拘 留 また は管 制 に 処 す る。 重 大 な結 果 を生 じ させ た と きは ,3年 以上10年 以 下 の 有期 懲 役 に処 し,国 家 の公 務 員 が 本 罪 を犯 した と きは,重 く処 罰 す る。

4報 復 陥 害罪 〈振 夏 陥 害 罪 〉

報 復 陥 害 罪 は,国 家公 務 員 が,そ の 職 権 を濫 用 し,公 務 を口 実 に私利 を 図 って,告 訴 人 ・不 服 申立 人 ・批 判 者 ・通 報 者 に報 復 ・陥 害 す る行 為 で あ る。

1犯 罪 構 成

(1)本 罪 の 主 体 はr国 家 公 務 員 で あ る。

(2)本 罪 の 客 体 は7公 民 の告 訴 権 ・不 服 申立 権 ・批 判 監 督 権 お よ び 国家 機 関 の正 常 な活 動 で あ る。

(3)本 罪 の 主 観 面 は,直 接 故 意 お よび他 人 を報 復 陥 害 す る 目的 が必 要 であ る。 間接 故 意 な い し過 失 で は ,本 罪 は成 立 しない 。

(4)本 罪 の客 観 面 は,職 権 を濫 用 し,公 務 を口実 に私 利 を図 る ため に告 訴 人 ・不 服 申立 人 ・批 判 者 ・通 報 者 に報 復 陥 害 す る行 為 で あ る

。 行 為 対 象 は,告 訴 人 ・不 服 申立 人 ・批 判 者 ・通 報 者 で あ るが ,国 家公 務 員 お よび 普 通 の 公 民 も対 象 とな りうる。

H定 罪

本 罪 と謳 告陥 害 罪 との 限界 両罪 は ,行 為 者 が 主観 的 に他 人 陥害 目的 を 有 す る点 で共 通 す るが,次 の 点 で 異 な る。① 犯 罪 対 象 の 範 囲が 異 なる

。後 罪 の対 象 は,何 人で も よ く身分 的 制約 もない が ,本 罪 の対 象 は,告 訴 人.

不 服 申立 人 ・批 判 者 ・通 報 者 に限 定 され る。 ② 行 為方 法 が 異 な る。 本 罪 で は職 権 を利 用 ・濫 用 して報 復 ・陥 害 が 行 わ れ るの に対 し

,後 罪 で は職 権 利 用 の 有 無 は犯 罪 構 成 の 成 否 に影 響 しな い 。③ 故 意 の 内容 が 異 な る。

{906) f可兼 左公編 著 ・ タfllを去教 不十,{!:(各1論 編24'詮 〜29章) 285

利 お よび司 法 機 関 の正 常 な活 動 と威信 が 害 され る ・ H刑 事 責 任

刑 法247条;証 人 に暴 力 を用 い て供 述 を強 要 した者 は,3年 以下 の 有 期 懲 役 ま た は拘 留 に処 す る。 身 体 の障 害 また は 死 亡 の結 果 を発 生 させ た と きは,234条 の傷 害 罪 ま た は232条 の 故 意 殺 人罪 に よ り定 罪 し重 く処 罰 す る。

3誕 告 陥 害罪 〈迩 告 陥 害罪 〉

謳告 陥 害 罪 とは,他 人(犯 人 を含 む。)に 刑 事 処 分 を受 け させ る こ と を 意 図 して事 実 を捏 造 し,国 家 機 関 または 関 連単 位 に他 人 を有 罪 で あ る と告 発 す る行 為 をい う。

1犯 罪 構 成

(1)本 罪 の 主体 は,自 然 人 一般 で あ る。

(2)本 罪 の客 体 はr他 人 の 人身 の権 利 お よび 司法 機 関 の正常 な活 動 で あ る 。

(3)本 罪 の 主観 面 は,故 意 お よび他 人 に刑 事 処 分 を受 け させ る 目的 意 図が 必 要 で あ る。 しか し,認 告 され た者 が 実 際 に刑 事 処 分 を受 け たか 否 か は,本 罪 の 成立 に影 響 しな い。 また,ど の よ うな犯 罪動 機 で あ るか は ・ 本 罪 の 成 立 に 関係 しない 。

(4)本 罪 の客 観 面 は,事 実 を捏造 して 国家 機 関 また は関連 機 関 に他 人 を有 罪 で あ る と告 発 す る行 為 で あ る。 この行 為 に は,二 つ の内容 が 含 ま れ る。 第 一 は,事 実 の捏 造 であ り,告 発 事 実 が真 実 で あ って 事実 の捏 造 な き謳 告 は,本 罪 とは扱 われ な い。 第 二 は,国 家 機 関 また は関 連 単位 に他 人 を有 罪 と告 発 す る こ とで あ る。 この 二 つ は,い ず れ も欠 け て は な らな い。

H定 罪

謳 告 と誤 告 発 との 限界 原 則 的 に,両 者 には次 の 相違 が あ る。謳 告行 為 者 は,主 観 的 に他 人 に刑 事処 分 を受 け させ る 目的 を有 し・客 観 的 に犯 罪 事 実 を捏 造 して他 人 を告 発 す る。 一 方,誤 告 発 は非 犯 罪者 の告 発 も含 むが ・ そ の行 為 者 の 主観 には犯 罪 事 実 捏造 の故 意 が ない。 した が って,誕 告 行 為

284 桝14妊川17去'艶第34巻 第3≒}2001イF

X907) 1・ 本 罪 と非犯 罪 との限 界 本 罪 の 行 為 者 は

,主 観 的 に犯 人 の 供 述 獲得 を 目的 とす るがsこ の 目的 の た め に違 法行 為 が実 行 され な け れ ば

x本 罪1ま 成 立 しな い ・ そ れ ゆ え ・例 え ば 司 法 獺 力書捜 餓 判 過 程 で 行 う供 述 の 引 出 ・誘導 ・取 調 尋 問等 の行 為 は }本 罪 に 含 ま れ な い。 本罪 は ,身 体 刑 ま た は これ に相 当 す る苦 痛 を加 え た場 合 に のみ 成 立 しう る犯 罪 で あ る

。 こ れ に至 らな い取 調 尋 問等 に は ,本 罪 が 成 立 しな い とは い え ,戒 告.教 育 処 分,情 状 の重 い と きは 紀 規 律 処 分 が 科 され る。

2.拷 問 供述 強 要 行 為 にお け る職権 濫 用 の有 無 の限 界 職 員 が職 務 上 の 地 位 艦 肌 て拷 問 に よ 喉 述 を強 要 す れ ば 漆 罪 が 成 立 す る

.こ れ に対 して ・職 務 上 の 地 位 を濫 用 せ ず 私 設 の 法廷 で拷 問 に よ り供 述 を強 要 して も,本 罪 は 成 立 しな い・ この船 に は ,事 情 に応 じて不 法拘 禁 罪.糖 罪 ・故 意 殺 人罪 等 の 罪 名 に よ り ,行 為 者 の刑 事 責任 が 追 及 され る。

m刑 事 責任

刑法247条;本 罪 を犯 した 者 は ,3年 以 下 の 有期 懲 役 また は拘 留 に処 す る。 身体 の障 害 ま た は死 亡 の結 果 を発 生 させ た と きは

,234条 の 故 意傷 害 罪 また は232条 の故 意 殺 人 罪 の 規 定 に よ り定 罪 し重 く処 罰 す る

2証 言 暴 力強 要 罪 〈暴 力 取 証 罪 〉

証 言 暴力 強 要罪 とは,司 法 職 員が 暴 力 を用 い て

,証 人 に供述 を強制 す る 行 為 をい う。

1犯 罪 構 成

(1)本 罪 の 主体 は,特 殊 主 体 で あ り ,司 法 職 員 で な けれ ば な らな

いo

(2)本 罪 の 主 観 面 は,故 意 で あ る。行 為 者 は,自 己 の行 為 が 暴 力 に よる証 言強 要 と知 らね ば な ら ない 。

(3)本 罪 の 客観 面 は,暴 力 を用 い て証 言 を強 要 す る行 為 で あ る

。 本 罪 の対 象 者 は,事 件 の 全部 また は一 部 の事 情 を知 る者 で も

,全 く知 らない 者 で もよい 。

(4)本 罪 の 客 体 は,複 雑 客 体 〔複 合 法 益 〕で あ る。他 人 の 人 身 の権