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研究開発政策と知財政策との連携

ドキュメント内 Ⅰ-1 (ページ 168-176)

III. イノベーション促進のためのインフラ整備

4.  研究開発政策と知財政策との連携

研究開発政策と知財政策との連携

〜 「知財の目」で研究開発をみる 〜

A. 研究開発政策と知財政策の連携の必要性

○iPS細胞の例にみられるように、研究開発の過程においては、論文の競争と知財の競争が 重なり合いながら起こっており、どちらの競争にも勝利をおさめなければ、世界をリードして いくことはできない。したがって、研究開発と知財を常に一緒に結びつける、研究開発政策 と知財政策の連携が必要となっている。

○研究開発の成果が経済・社会にどのようなインパクトを与えるかについて、研究開発の入り 口で見通しを立て布石を打っていくことが重要。そのためには、研究開発成果と経済・社会 とをつなぐための「知財の目」が研究開発の入り口から必要である。

C. 研究開発政策と知財政策の連携に必要な政策

○複数の大学・企業等が連携して取り組んでいる研究開発コンソーシアムを対象に、知財プ ロデューサーをリーダーとする知財戦略構築の専門家チームを派遣することにより、当該コ ンソーシアムにおける戦略的な知財戦略の策定や知財ポートフォリオの構築等を支援し、

さらなる研究開発の促進を図ることも重要と考えられる。

○研究開発の場に継続的に「知財の目」をもつ人材が配置されることが望ましいため、「知 財の目」を持つ人材の育成を行なっていくことも重要である。具体的には、ポスドク等を「知 財の目」を持つように育成して、将来的に知財プロデューサーとして活用していくことも一案 と考えられる。

○リサーチツール特許の円滑な利用を促進するため、ライセンス条件等に関する情報を広く 公開するリサーチツール特許統合データベースを構築する。

B. 知財ポートフォリオ構築とライセンス戦略

○研究成果を効果的に活用し、かつ、それ以後の研究の自由度を確保するためには、研 究成果のコアとなる部分について特許を取得するだけではなく、周辺部分も含めて複数 の特許を群としておさえておくことが、すなわち戦略的なポートフォリオの構築が必要。

○研究開発は、複数の研究者によって共同で、または連携し、情報を共有しながら進めら れている。したがって、研究開発を加速的に進めるとともに幅広く展開していくためには、

既存の組織を越えた連携も必要である。その場合、各研究成果から生まれる知財を個々 に捉えるのではなく、知財群としてまとめ、例えばパテントプールやパテントコンソーシアム の形成を検討することも必要である。

○また、研究開発の成果である知財を活用する際には、ライセンス戦略も重要である。たと えば、リサーチツール特許に関しては、さらなる研究促進が図られるよう合理的な対価で のライセンスを確保したり、他方、事業化に繋がる可能性の高い特許については、利益を 最大化するようにポートフォリオを構築してライセンスするなどの方策が考えられる。

 

研究開発と知的財産政策の連携

〜 「知財の目」で研究開発をみる 〜

iPS細胞の例にみられるように、研究開発の過程においては論文発表の競争と知財の競争が重なり合いな がら起こっており、論文のみならず知財の競争にも勝利しなければイノベーションを促進して世界をリードして いくことはできない。すなわち、研究開発成果と経済・社会とをつなぐための「知財の目」が研究開発の入り口 から必要である。

このため、「知財の目」をもつ専門家を研究開発コンソーシアム等に派遣し、研究開発や知財戦略の策定を 支援する。さらに、知財のライセンス条件等を含めたライセンス戦略の策定を支援し、策定されたライセンス条 件等を広く公開することで、リサーチツール特許等の知財の円滑な利用を促進する 。

<概要>

<具体的取組>

<スケジュール>

2008年度からリサーチツール特許等データベースの構築を開始。

ライセンス情報等を収集・蓄積し、早期リリースを目指す。

3.

リサーチツール特許等(リサーチツール特許及び特許に係る有体物)データベースの構築

„

„

研究に使用するリサーチツールに代替性がなく、それが特許の場合、当該リサーチツールを使用する 研究には、当該リサーチツールのライセンスが必要となる。リサーチツール特許のライセンス交渉にお いては、権利者と使用者のライセンス条件に乖離がありライセンス交渉が難航する場合も多い。

このため、

(「ライフサイエンス分野におけるリサーチツール特許の使用の円滑化に関する指針」(2007年3月1日総合科学技術会議)を参照)

1.

知財プロデューサー派遣事業

数の大学・研究機関が連携して取り組んでいる「研究開発コンソーシアム」等のプロジェクトに知財プロ デューサーをリーダーとする専門家チームを派遣。

許情報を活用した研究開発戦略を策定するとともに、研究開発の成果である知財のポートフォリオを 形成するための知財戦略を策定する。さらに、

2.

「知財の目」をもつ人材の育成

究開発の場に継続的に、「知財の目」をもつ人材が配置されることが望ましいため、知財プロデュー サー等を派遣する先において、若手研究者やポスドク等の育成についても同時並行で実施する。

リサーチツール特許等データベースを構築し、大学や民間企業等が保有するリサーチツー ル特許及びそのライセンス条件等に関する情報を蓄積し、広く公開することで、リサーチツール特許の 円滑な活用の促進を図る。なお、こうしたデータベースは、将来的にはパテントコモンズの取組を支える インフラとしても活用される可能性がある。

複数の機関、研究者が関わることで複雑になる知財の権 利帰属やライセンス条件等の明確化を図ることで、知財の円滑な利用の促進を図る。

„複

„特

„研

ライセンス関連情報等

リンク 提供

各リサーチツール 関連データベース

リサーチツール特許等 データベース

リサーチツール特許等データベース表示情報 サーチツールの種類

条件 ンス対価

渉のための連絡先 センス期間 払条件 等 zリ

z使用 zライセ

z交 zライ z支

ライセンス関連情報等

リンク 提供

各リサーチツール 関連データベース

リサーチツール特許等 データベース

リサーチツール特許等データベース表示情報 サーチツールの種類

条件 ンス対価

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(1)  研究開発の入口での「知財の目」 

国際的な知の創造の拠点として日本が世界を リードするとともに、日本の研究開発の競争力を 高めるためには、研究開発投資を効果的に行っ て、イノベーションを興していくことが必要である。 

iPS 細胞の例にみられるように、研究開発の過 程においては、論文発表の競争と、知財(権利獲 得)の競争が、重なり合いながら起こっており、こ のどちらの競争にも勝利をおさめなければ、世界 をリードしていくことはできない。参考 III-17 

したがって、研究開発と経済・社会を常に一緒 に結びつける、研究開発政策と知財政策との連 携が必要である。 

 

(a)  研究成果と経済・社会をつなぐ知財の視点  研究開発において、サイエンスとしての成果を 得ることが重要であることは誰もが認めるところで はあるが、研究開発における知財の重要性は常 に意識されているというわけではない。このような 傾向は、特に研究成果が未だ得られていない研 究開発の入口において顕著である。

しかし、我が国が国際的な競争力を高めていく ためには、研究開発の入口の段階から、研究成 果が経済・社会にどのようなインパクトを与えるの かが意識されていることが必要な場合もある。その ため、研究開発プロジェクトの立案段階から研究 成果を効果的に経済・社会に還元する知財戦略 が策定されていることが、すなわち「知財の目」を 通して研究開発を行っていくことが望ましい。参 考III-18 

 

(b)  研究開発政策立案段階における知財の目  まず、研究開発政策の立案の際に、立案者自 身が特許マップ等の特許情報を活用できる、ある いは、研究開発を知財の視点で捉えることができ る人材が投入されることが望ましい。これにより、

政策立案者が技術、社会・経済的な側面のみな らず、知財の切り口で研究開発を捉える、すなわ ち「知財の目」をもって政策立案を行うことが可能 となる。 

さらに、研究資金の配分も、同様に「知財の目」

を通して行われることが重要である。 

こうした知財の視点により、研究開発が経済・社 会の中により有意にかつ明確に位置付けられると ともに、研究開発にとってもより網羅的で充足した 成果が導き出される可能性が高まることが期待で きる。 

 

       知財の視点をもった研究者は少ない        研究者のなかで、知財という観点での戦 略をもつ人や、知財の仕組みを理解している人 はまれである。ごく一部の大きな機関であれば、

知財の視点をもった者を置く等の体制整備をす ることが予算的にも可能であると思うが、それ以 外の多くの大学では整備は現実的に難しい。 

(委員意見) 

 

       ライフサイエンス分野の知財専門家が少         ない 

 大学の研究資金の 4 割がライフサイエンスで占 められている中で、ライフサイエンス分野での知 財の専門家、知財プロデューサーとなりうる人材 が少ない。 

(委員意見) 

 

       知財をプロデュースするためにはチーム         を組むことが必要 

 知財プロデューサーに求められるのは、事業を プロデュースする中で、知財の知識を活用するこ と、事業を知財の面から助けることである。事業を マネジメントする知識と技術の知識、そして知財 の知識が必要であり、これら全てをカバーするに はチームを組まないことには難しいだろう。 

(委員意見) 

       

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