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日本特許庁の現状と今後の取組  〜  多様なニーズに応える審査体制の構築  〜

ドキュメント内 Ⅰ-1 (ページ 38-52)

 

     

A.

 

 

特許庁における「早期審査制度」の拡充による

出願人の多様なニーズに応じた、メリハリの効いた特許審査迅速化

   

 ○出

審査を巡る現状 〜 出願動向 〜

○日本における出願件数自体は若干減少の傾向(※)にあるが、他方、海外から日本への 外国出願は増加し、また、日本から海外への出願も増加していくものと見込まれる。

(※ 日本におけるR&D投資は増大しているので、日本企業の特許戦略の如何ではあるが、再び、増加に転じる可能がある)

願全体については、海外からの外国出願の割合が年々増加することが見込まれる。

○これは、経済のグローバル化に伴う、一つの発明をグローバルな知財として保護するニー ズの現れとも考えられる。

○外国出願については、1件当たりのワークロードが国内出願に比べて高いことを考えると、

特許庁にとっては、外国出願の割合が高まるにつれ、ワークロードは更に増大すると考えら れる。

B. ユーザーニーズに応える審査体制の構築に向けた課題 〜 多様化する出願人

のニーズ 〜

○審査の着手時期については、グローバルな出願や最先端分野の出願など、早期の審査 を望む出願がある一方で、そうでないものもある。また海外を含めた早期の権利化のニー ズもある。

○グローバルな保護のニーズや審査着手時期に関する出願人の多様なニーズに応えるた め、ニーズに応じたタイミングで審査が着手できるような柔軟な審査体制を構築するととも に、海外での早期の権利化を望むニーズにも応え、海外での審査が円滑に進むよう、国際 的な連携を深めていくことも必要である。

C. ユーザーニーズに応える審査体制の構築に向けて 〜 「スーパー早期審査制 度」の創設 〜 (STEP1)

○現行の早期審査(2〜3か月)よりも、さらに早期(2週間〜1か月程度)の審査を行う制度と して「スーパー早期審査制度」を創設することが考えられる。

○「スーパー早期審査制度」は、バイオ、ナノテク、環境等の先端技術分野とすることや、国 際的な審査ワークシェアリング(特許審査ハイウェイ、JP-FIRST)の利用者を対象とするこ となどが考えられる。

E. より柔軟な対応へ向けて 〜 ユーザーの満足度で審査時期の評価を行う必要 性 〜 (STEP3)

○出願人のニーズに応える審査体制を目指すに際して、ユーザーの満足度により審査体制 を評価することも重要となる。すなわち、平均的な審査着手時期ではなく、ユーザーの求め るタイミングでの審査が行えているかを評価するような新たな指標の検討を行うべきである。

○そして、ユーザーの満足度向上に向け、必要に応じて、三段階よりもきめ細かく幅広に多 段階の制度を準備し、より柔軟にユーザーニーズに対応することが考えられる。

○多段階化に伴い、納期の異なる審査案件が生じることから、現在開発中の情報システム において、ユーザーのニーズに応じつつ、効率的な進捗管理を行うために、審査業務シス テムなど体制面での更なる強化・整備を行うことが必要となる。

D. 柔軟な審査体制の構築に向けて 〜 料金/先行技術調査 〜 (STEP2)

○「スーパー早期審査制度」を創設した場合、現行の早期審査と通常審査の三段階の枠組 みとなるが、併せて、審査プロセス(着手見込み時期)を透明化することにより、出願人の多 様なニーズに応じた審査を実現する。

○スーパー早期審査制度の創設により、平均的な着手時期よりも、「遅い審査」が発生する。

そこで、「遅い審査」の妥当性や、審査体制の在り方について検討する必要がある。

○また、スーパー早期審査制度においては、出願人に対して、先行技術調査の添付等を求 めることや、通常審査との公平性の観点から追加料金を求めることも検討が必要となる。

る。

①事業として実施を予定しているもの

②外国にも出願しているもの

③中小企業、個人、大学等によるもの

特許庁における「早期審査制度」の拡充による

出願人の多様なニーズに応じた、メリハリの効いた特許審査迅速化  

特許庁において現在実施している「早期審査制度」を更に拡充し、多様化することにより、様々な出願人のニーズに柔 軟に対応しながら、特許審査の一層の迅速化を進める。

<概要>

<STEP 1 (当面)>

スーパー早期審査制度の創設(2008年10月試行開始)

現行の早期審査(2〜3か月)よりも早い審査を望む出願人に対しては、

で審査を行う。

22週間週間〜〜11か月程度か月程度

○制度の対象は、以下に該当する特許出願について、出願人が申請 をすれば、すべて早期審査の対象とな

<STEP 3>

ユーザーの求めるタイミングでの審査体制の構築に向けて

○平均的な審査着手時期ではなく、ユーザーの求めるタイミングでの審査が行われているかを評価するような新たな指標 の検討を行う。

○ユーザーの満足度向上に向け、必要に応じて、上記①〜③の3段階よりもきめ細かく幅広に多段階の制度を用意。

○多段階化に伴い、納期の異なる審査案件が生じることから、現在開発中の情報システムにおいて、ユーザーのニーズに 応じつつ、効率的な進捗管理を行うために、審査業務に係る情報システムなど体制面での更なる強化・整備を行う。

<参考:現行の早期審査制度(1986年〜)>

○現在、早期審査の申請がなされてから、実際に審査結果が得られるま での期間は

○早期審査制度の利用実績は、年間8,500件程度。

これは、

2〜3か月程度。

全審査件数(30万件強)の約3%。

8 ,5 4 9 件

0 3 ,0 0 0 6 ,0 0 0 9 ,0 0 0

1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007

( 年 )

( 件 数 )

① 事 業 と し て 実 施 を 予 定 し て   い る も の が 対 象

② 外 国 関 連 を   対 象 に 追 加

③ 中 小 企 業 、 個 人 、   大 学 等 を 対 象 に 追 加 早期審査申請件数の推移

<STEP 2>

多段階の審査制度の実現へ

①スーパー早期審査

早期審査

通常

22週間週間〜〜11か月程度か月程度で審 22か月〜半年程度か月〜半年程度で審査

○多段階の制度を用意するとともに、審査プ ロセス(着手見込み時期)の透明化により、

出願人の多様なニーズに応じた審査を実 現する。

制度全体の構 想(案)

スーパー早期審査等の導入に伴う遅い審査の発生など、制度導入に伴う影響等を検討し、出願人のニーズ に応える審査体制を目指して2008年10月までに制度全体の構想を策定予定。

①スーパー早期審査制度の要件

・通常審査との公平性の観点から、出願人に対して

②審査プロセス(着手見込み時期)の透明化の具体策 対象案件(案) ・バイオ、ナノテク、環境等の

・国際的な 先端技術分野先端技術分野許審査ハイウェイ、JP-FIRST)の利用者 審査ワークシェアリング

審査ワークシェアリング(特

一定の要件を設定 一定の要件を設定

(例えば、追加例えば、追加料金料金や、や、先行技術調査先行技術調査の添付等の添付等)

(1)  出願動向と今後の見通し

日本においては、近年、特許出願の件数自体は若干減少の傾向にあるが、出願の傾向は業種分野によ っても異なる。 

海外から日本への出願が多い分野でもある医薬分野では今後も海外からの出願が増加する傾向にある と予測される。また、成熟分野と見られる農業や土木などでは、グローバル出願は少なく、国内出願も減少 傾向にある。さらに、日本から海外への出願が多い電気・半導体の分野では引き続き多数の海外への出願 が見込まれる。 

日本における出願件数自体は若干減少の傾向にある。近年、産業の再編が進められているため、M&A などの影響を受け、R&D 投資の活発化にかかわらず、出願件数が抑制されていることが一因として考えら れる。しかし、このような再編が一段落すれば、R&D 投資は拡大しており、日本企業の特許戦略の如何で はあるが、再び、減少から増加へ転じる可能性もある。そして、海外から日本への外国出願は増加し、ま た、日本から海外への出願も増加していくものと見込まれる。出願全体については、海外からの外国出願 の割合が年々増加することが見込まれる。 

 

増加する海外から日本への出願と日本から海外 への出願 

我が国においては、近年、特許出願の件数自 体は若干減少の傾向にある。前述したように、日 本国内では、例えば電気電子産業などを中心に、

選択と集中が進められるなど、産業の再編が行 われてきた。それに伴い、守りを主眼とした大量 の特許出願・取得から、コアとなる事業を展開す る上で有益な質の高い特許権の取得へと、知的 財産戦略を転換する企業が増えつつあり、その 結果として、R&D 投資の活発化にかかわらず、

出願件数の増加が抑えられ、件数が若干減少し ていることが考えられる。 

また、日本国特許庁は、世界に先駆けた効率 的な業務体制や任期付審査官の増員など、特 許審査迅速化のための様々な取組を行ってきた ところである。 

しかし、世界的に出願が増加している中で、日 本においても、海外から日本への外国出願や日 本から海外への出願は、増加して行くものと見込 まれる。そのため、外国出願の増加への対応が

課題となる。また、日本から海外への出願人にと っても、外国特許庁での審査手続きが円滑に進 むように、国際的な連携など、さらなる取組が必 要と考えられる。 

 

業種分野別の出願件数の推移 

出願の動向は業種や分野によっても異なる。

海外から日本への出願が多い医薬分野では今 後も海外から日本への出願が増加していくものと 予測される。他方、バイオの分野は特許対象の 予見可能性が高まったことや、2000 年に入ってヒ トゲノム解析が終了したことなどを受け、国際的に は出願件数が減少傾向にある。成熟分野と見ら れる農業や土木などでは、海外から日本への外 国出願と日本から海外の出願がともにほぼ横這 いであり、国内出願は減少傾向にある。また、日 本から海外への出願が多い分野としては、電気・

半導体の分野はグローバル出願と純粋国内出願 の比が現時点で 1:3 程度である。当該分野では、

現在でも活発な R&D 投資が行われており、引き 続き多数の出願がなされることが見込まれる。参

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