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グローバルな知的財産基盤の確立に向けた途上国とのパートナーシップ

ドキュメント内 Ⅰ-1 (ページ 61-76)

 

   

       

グローバルな知的財産基盤の確立に向けた 途上国における知的創造サイクルの確立の支援

〜 知財を活用したビジネスの成功事例の共有 〜

A. 先進国・途上国にとっての知財制度のグローバル基盤の必要性

○経済のグローバル化に伴い、途上国でも特許出願が増加しているが、かかる出願のほとんど が先進国からのものとなっており、これが知財政策を巡る南北対立の背景のひとつになってい る。途上国がこうした状況を変革し、途上国における創造活動に基づく知財制度活用を通じて 経済発展を実現するためには、途上国自身の知財制度の整備が必須である。

○強固なグローバル知財基盤のためには、効果的な法の執行が必要である。また、特許出願 の増加に伴い、知財紛争が増加する恐れがある。このため、先進国・途上国を問わず、特許 の質を向上させることが重要であり、それによって、低質の特許により生ずる不要な紛争を低 減させることが可能となる。知財法の効果的な執行は、模倣品・海賊版等に係るただ乗り行為 のない、公正な競争を担保するものでもある。模倣・海賊行為は、グローバルな事業者が途上 国の地元事業者と提携するうえで妨げになるばかりでなく、途上国における国内の未成熟産 業をも破壊する。

○グローバルな知的財産基盤には、知財管理に精通した人材やグローバルな人的及びビジネ ス上のネットワークといった「ソフト要素」が含まれる。かかる基盤は、世界規模の事業者と地元 の提携先とが同等の活躍の場で活動しグローバルなビジネス協力を推進することを可能にし、

もって、途上国の事業者が知財の所有を増やしグローバル市場において競争力及びブランド 力を高めることにつながる。したがって、模倣品・海賊版対策に熱心な先進国の観点のみなら ず、上記のようなビジネス上の協力機会を探している途上国の観点からも、グローバルな知財 基盤の確立が望まれる。

C. 今後の取組 〜 知財を活用したビジネスの成功事例の共有 〜

○知的創造サイクルを推進し、途上国の自立的経済発展を促すため、我が国の経験を含め知 財とビジネスの連携により成功した事例について、途上国との共有を進めることが必要ではな いかと考えられる。具体的には、次のような取組をWIPOで提言。

①(i) 知財とビジネスを連携させた成功事例と、(ii) 知的財産分野における中小企業支援策を、

先進国・途上国を含め全世界で継続的に共有。この中には、一村一品運動のような地域 産業の振興策における知財活用の成功事例が含まれることが有用である。

②特に先進国は、知財とビジネスの連携により成功した事例を収集し、

WIPO

と協力し情報共 有。

③先進国と途上国は協調して、知財とビジネスの連携により成功した事例や中小企業支援策 に係る知識を、途上国経済の文脈に適合させつつ、発信し普及させる。

④このほか、例えば、WIPOで関係機関(世界銀行、UNCTAD等)や専門家を集めて会合を もったり、セミナーを行う。

○また、途上国において、知財制度の整備を促すため、ASEANを含むアジア諸国に対し、各国 の発展段階に応じた情報化や人材育成などの支援やワークシェアリングの導入促進を行って きたが、今後は、

ASEAN

への関係を一層深めるとともに、上記を念頭に、アフリカの支援等にも 取り組むことが重要と考えられる。

B. 途上国の経済発展に向けて 〜 知的創造サイクルの確立の重要性 〜

○知財制度は途上国の経済発展に有効なツールであり、不可欠な基盤である。

○各国の自立的経済発展を促していくために、途上国において知的創造サイクルを確立するこ とが重要である。このことが、地場産業を含めて現地産業の発展に繋がっていくものと期待され る。

○知財の保護は、

(

上記

A

項でも述べた

)

ビジネス上の協力を通じ、先進国からの直接投資や技 術移転等の基礎となるものであり、この意味でも途上国の自立的発展に不可欠なものである。

   

グローバルな知的財産基盤の確立に向けた 途上国における知的創造サイクルの確立の支援

〜 知財を活用したビジネスの成功事例の共有 〜

経済のグローバル化に伴い、途上国でも特許出願が増加しているが、ほとんどが先進国からのもの となっており、これが知財政策を巡る南北対立の背景のひとつになっている。

途上国がこうした状況を変革し、途上国における創造活動に基づく知的財産権制度活用を通じて経 済発展を実現するためには、途上国自身の知的財産権制度の整備が必須である。その際、次の点に 留意すべきである。すなわち、かかる制度整備は、グローバルな知的財産基盤の確立につながり、世 界規模の事業者と地元の提携先とが同等の活躍の場で活動しつつ、よりよく協力することを可能にし、

もって、先進国ばかりか途上国にも利益をもたらす点である。

我が国は、知的財産権制度の整備等により、知的財産の創造・保護・活用といった知的創造サイク ルの推進を行い、経済を発展させてきた経験を有する。

そこで、途上国の支援において、知的財産権制度の整備を促すと共に、知的財産を活用して成功し た事例を途上国と共有することで、知的創造サイクルを推進し、途上国の自立的経済発展を促すこと が有効と考えられる。

<概要>

知的創造サイクルの推進により、我が国が発展してきた経験を生かし、支援を行う

途上国の経済発展に向けた支援

(1) 知的創造サイクルの推進の重要性 各国の自立的経済発展を促していくために、

途上国において知的創造サイクルを確立する ことが重要である。このことが、地場産業を含 めて現地産業の発展に繋がっていくものと期 待される。

(2) 技術移転等の基盤としての知財保護の重要性 知財の保護は先進国からの直接投資や技術移転 等の基盤となるものであり、この意味でも途上国の自 立的発展に不可欠なものである。

〜 知財を活用したビジネスの成功事例の共有 〜

①知的創造サイクルの推進 〜 知財とビジネスの連携により成功した事例の共有 〜 知的創造サイクルを推進し、途上国の自立的経済発展を促すため、我が国の経験を含め 知財とビジネスの連携により成功した事例について、途上国との共有を進めることが必要で はないかと考えられる。具体的には、次のような取組をWIPOで提言。

i) (i) 知財とビジネスを連携させた成功事例と、(ii) 知的財産分野における中小企業支援 策を、先進国・途上国を含め全世界で継続的に共有。この中には、一村一品運動の ような地域産業の振興策における知財活用の成功事例が含まれることが有用である。

ii)特に先進国は、知財とビジネスの連携により成功した事例を収集し、WIPOと協力し情報 共有。

iii)先進国と途上国は協調して、知財とビジネスの連携により成功した事例や中小企業支援 策に係る知識を、途上国経済の文脈に適合させつつ、発信し普及させる。

iv)このほか、例えば、WIPOで関係機関(世界銀行、UNCTAD等)や専門家を集めて会合 をもったり、セミナーを行う。

②情報化や人材育成などの支援

また、途上国において、知財制度の整備を促すため、アジア諸国に対し、各国の発展段階 に応じた情報化や人材育成などの支援やワークシェアリングの導入促進を行ってきた。今後 は、上記を念頭に、アフリカの支援等にも取り組むことが重要と考えられる。

(1)  途上国における状況

特許出願のグローバル化により、途上国においても特許出願が増加しているが、特許出願のほとんどが 先進国からのものとなっており、これが知財政策を巡る深刻な南北対立の背景のひとつになっている。 

しかしながら、知的財産権制度は途上国にとってもビジネスの発展に有効なツールで、また必要なインフ ラであり、各国の自立的経済発展を促していくために、知的創造サイクルの確立を途上国において成す取 組を支援していくことが必要である。このことが、地場産業を含めて現地産業の発展に繋がっていくことが期 待される。加えて知的財産の保護は先進国からの直接投資や技術移転等の基盤となるものであり、途上国 の自立的発展に不可欠なものである。 

また、グローバル化に伴いグローバルな知財インフラが重要となっているため、途上国においても日米欧 と同水準の質が確保されるよう、グローバルな特許の質の調和が必要である。 

さらには、経済のグローバル化が進む中で、権利保護の不十分な国があると、その国をループホールと して技術が盗用され、模倣品・海賊版が世界に流通する恐れもある。 

これらの観点から、知財インフラのグローバルな整備が重要であり、途上国における知財インフラの整備 支援を行っている。 

 

途上国の特許出願 

特許出願のグローバル化により、途上国にお いても、特許出願が増加している。そして、途上 国においては、特許出願のほとんどが先進国か らのものとなっている。もちろん、知的財産権制 度は投資促進や経済発展に必要不可欠なもの であるが、途上国にとっては「他国の特許権を保 護するために特許制度を導入している」という状 況にあり、これが、知財政策を巡る深刻な南北対 立の背景のひとつになっている。参考 I-24、参 考 I-25 

 

途上国での知的創造サイクルの確立に向けて  途上国においても、イノベーション、デザイン、

ブランドといった知財についての知的創造活動 のより一層の拡大は、途上国経済の発展にとっ て重要である。そして、途上国の自立的経済発 展を促す上で、知的創造活動を育て、知財を活 用していく知的創造サイクルの確立に向けての 取組を支援していくことが重要である。このことに

より、地場産業を含めた現地産業の発展に繋が っていくことが期待される。 

また、知的財産の保護は、先進国からの直接 投資や技術移転等の基盤となるものである。権 利が適切に保護されていない状況では、先進国 からの技術移転等を呼び込むことが困難となる ため、知的財産の保護は、途上国の自立的発展 に不可欠なものである。 

                   

資本 財産権知的 技術などの

知的財産 創造

(新技術開発等)

保護

(権利化等)

活用

(ライセンス契約等)

知的創造サイクル

 

グローバルな知財インフラの確立に向けて 

ドキュメント内 Ⅰ-1 (ページ 61-76)