=訪
第 2節 研究 3‑2:フ ォローアツププログラムとしての事例検討会の 効果 Ⅱ
2‑1日 序
研 究 3‐
1で
は、研 究1の
研修 プ ログラムの参加者 に対す るフォ ローア ッププ ログラム と して事例検討会 を実施 し、その効果 を検討 した。その結果、事例検討会が、ABC観
察記録 の実施や その普及 に貢献す ること、効果的 な支援 立案 に貢献す るこ とが示唆 され た。 一方 で、 ほ とん どの参加者 が標 的行動 の記録 を適切 に実施す ることがで きず 、標 的行動 の記録 に よる支援 の評価 ができなかった。 この点 についての改善方法 として、標 的行動及びその 記録方法 を参加者 単独 で決定す るのではな く、専門家 と協同で行 うことが提案 され た。本研 究では、D●
o&Tanaka‐
Mastumi(2008)、 研究 1‐1か
ら研 究1‐5の
研修 プ ログラム の受講者 に対す るフォ ローア ッププ ログラム として研 究3‐1と 同様 の事例検討会 を行 つた。本研 究では、研 究3‐1の内容 に加 えて、事例検討会参加前 に、標 的行動 とその記録方法 の決 定 を研修 プ ログラムの講師 との話 し合 い に よつて行 つた。事例検討会 の効果 を検討す るた めに、研 究3‐1と 同様 に
1)支
援 の実施 による対象園児 の行動変容 、2)ABC観
察記録及 び 標 的行動 の記録 の実施状況 、3)参
加者 の助言 に対す る評価 について分析 を行 つた。2‑2. 方法
2‑2‑1.参
加者及び対象園児事例検討会 は、D可
o&Tanaka‐
Mastumi(2008)、 研究1‐1、 研 究 1‐2、 研 究1‐3、 研 究1‐4、研 究 1‐
5の
参加者97名 の中で所長職等 にな り、主任 ではな くなつた 16名 を除 く60名 を対 象 に実施 した。1年
間に4シ
リー ズを実施 し、神戸市の保育所 に所属す る 15名 の保 育士が 参力日した。本研 究では、第2セ
ッシ ョンに不参力日であつた2名の参加者 を除 く 13名 を対象 に分析 を行 つた。13名の内 10名 は研修 プ ログラムの受講者 であつたが、残 りの3名
は参 加者 の園で対象園児 を担 当 してい る保育士であった。研修 プ ログラムの受講者10名
の内、主任保育士が
8名
、副主任保 育士が 1名 、担任保育士が 1名 であつた。担 当保 育±3名
の内2名は担任保 育士で、1名 はす こやかパー ト保育士であった。事例検討会 は、異なるシ リ ー ズに重複参加す ることが可能であつたが、
2シ
リーズ以上参加す る者 はなかった。参加者 の所属 については、公立保育所所属が5名
で、私立保 育園所属が8名
であった。参加者 は 全 て女性 であ り、平均年齢 は43。7歳
(範囲:26歳 ‑56歳
)、 主任保育士の平均主任歴 は3。5 年(範囲
:0年 ‑10年
)であった。各参加者 が事例 として取 り上げた園児(以下、対象園児 と呼ぶ)10名 の平均年齢 は3。8歳(範
囲
:2歳 ‑6歳
)で、男児 が8名で、女児が 2名 であった。4名の園児が、障害児保育 の認 定 を受 けていた。2‑2‑2。 事例検討会参加のための事前研修、事例検討会の形式及び事前課題
研 究3‐
2で
は、事例検討会の参加 にあたっての事前研修 は行 わなかった。事例検討会 は、研 究 3‐1と 同様 の形式で行 ったが、第
1セ
ッシ ョンの各事例 についての話 し合 いの時間は30分
であつた。 また、研 究3‐1と は異な り、第 1セッシ ョンの参加 前 に講師が、参加者 と 電話 で連絡 を取 り、事例検討 で取 り組む行動(標的行動)と標 的行動 の記録方法 について話 し 合 い を行 った。 なお、事前課題 は、研究3‐1と 同様 の ものであった。2…2‑3。 質問紙
ABC観
察記録の実施状況ABC観
察記録 の実施状況 を調べ るために、第 1セ ッシ ョン と第2セ
ッシ ョンで調査 を行 った。 ここでは、参加者 自身の観察記録 の実施、他 の保 育士か らの 聞 き と りに よる記録 の作成 、他 の保 育士の観察記録 の実施 のそれ ぞれ の有無 について回答 を求 めた。2‑2‑4.助
言 を受 ける立場の保育士対象の質問紙回答者 及び質 問項 目
園内へ の波及効果 を調べ るた めに、参加者 か ら助言 を受 ける立場 の 保 育士 に対 して質問紙 を実施 した。10園を対象 に実施 し、 11名 の担任保育士、2名のす こ や かパー ト保 育士によって回答が行われた。なお、2名の保育士で話 し合 い 1つの質問紙 に 回答 を行 った園が 1園あつた。 これ については、1名 分の回答 として分析 を行 つた。1園当 た りの平均回答者数 は0。9名で、回答者 がいなかった園は
2園
であつた。質問項 目は、研 究154
2‐1と 同様 の ものであった。
2‑2‑5口 結果の分析
標 的行動 の記録 の実施状況
園で行 われ た標 的行動 の記録 に基づいて、プ レ、ポス トの実 施 率 を算 出 した。 これ に加 えて、プ レとポス トで同 じ標的行動 を実施 した参加 者 の割合 に ついて も算 出 した。
各事例 に対す る支援の効果
第
2セ
ッシ ョン時 に回収 した、第1セ
ッシ ョン後 の支援方法 とそ の結果 を基 に支援 の効果 を検討 した。 また、プ レ、ポス トで同一の標 的行動 の記録 を 行 つた参加者 については、記録 をグラフ化 し、支援方法 とその結果 の報告 と合 わせ て支援 の効果 を検討 した。2‑3.結
果2‑3…
1.事
例検 討会 で取 り上 げた行動Table 5‐2‐1に参加者 が取 り上 げた行動 とその分類結果 を示 した。Table 5‐2‐
1か
ら、様 々 な行動 が研修 プ ログラムの 中で取 り上 げ られ てい るこ とがわか った。 その中で も、暴力(3名)と身辺 自立(3名)に関す る行動 を取 り上 げる参加者 が多い こ とがわかった。
2‑3‑2.記
録の実施状況ABC観
察記録 の実施状況 Table 5‐2‐2に ABC観
察記録 の実施状況 を示 した。Table 502‐2 丁able 5‑2‑1事 例 検 討 会 で取 り上 げた行 動 とその分 類
参加者 取り上げた行動 分 類
#1‑1
・友だちとかかわって遊ぶ 友達 と遊ぶ#1‑2
・蹴つたり、叩いたりする 暴 力#1‑3
・叩く、噛む(保育士が静止する行動) 暴 力#2‑1
・トイレ(オマル)を行う 身辺 自立#3‑1
・水遊びを限度なくしたがる 水遊び#3‑2 0叩
く、押す、蹴る、つねる 暴 力#3‑3 :遍
嚢藁翼雄:い
ことを注意されると、「キー」と大声で奇声を発して、
大声ノ/1泣く
・食事前の片付 け後〜食事準備(トイレに行く、手を洗う、食事準
#4‑2
・朝の会に参加する、設定保育に参加する身辺 自立
#4‑3
日服(ズボン)を着脱する 活動参加身 辺 自立丁able 5‑2‑2
ABCの
観 察 記 録 の 況記 録 の プレ ポスト
加者または他 の 士 が 100。0%(10 100.0%(10
塑者 自身が観蓼
し 100.0%(10 90。0%(9事 例)取 りによって 55.6%(5 20。0%(2
士 が し 30.0%(3 20.0%(2涯目1川)
丁able 5‑2‑3 的行 動 の記 録 の
記録 の実施状況 全体(10事 例)
、
̲ポストで同じ行動を記録 ̲̲̲̲70。
0%(7事例
)プレ、ポストで別の行
20.0%(2事例)プレのみで
10.0%(1事 例)ポストのみで
か ら、プ レ、ポス トともに全事例 において、参加者 か他の保育士のいずれかが
ABC観
察記 録 を行 っていた こ とがわか る。標 的行動の記録 Table 3‐2‐(3)に標的行動 の記録 の実施状況 を示 した。Table 3‐2‐(3)から、
ほ とん どの参加者 が、プ レ、ポス トで同一の記録 を実施 した ことがわか る。 また、プ レ、
ポス トともに標的行動の記録 を実施 しなかった参加者 はいなかった。
2‑3…
3.参
加者か ら助言 を受 ける立場の保育士対象の質問紙参加者 か らの助言 に関 しては、
10名
の保育士全てが、助言 を受 けた と報告 した。助言 を 受 けた保 育士が評 定 した助言 の有効性 の平均は5.5 り=0。 8)で、 1名 が 4と 回答 し、それ 以外 の参加者 は5以上の数値 を回答 した。話 し合いの際のABC観
察記録 の使用 に関 して も、10名
中8名
の保育士が参加者 の使用 を報告 した(80%)。 記録 の使用 を報告 した保 育士が評 定 した話 し合 いの際の記録使用の有効性 の平均は6。1(≦υ =0。6)で、4以
下の数値 を回答す る者 はいなか った。他 の保育士によるABC観
察記録 の実施 について も、10名 中5名
の保 育士が記録 を実施 した と報告 した(50%)。 実施 を報告 した保 育士が評定 したABC観
察記録 の実施 の有効性 の平均 は5。2 り=1。o)で、2名が4と 回答 し、残 りの3名は 6と 回答 した。負担感 の平均 は4。6 り=0。8)で、3名が4と 回答 し、残 りの2名が
5以
上の値 を回答 した。例)
156
また、実施 を報告 した5名中3名の保育士が、今回の事例検討会で初 めて
ABC観
察記録 を 実施 していた(60%)。2‑3‑4.各
事例 に対す る支援の効果(標的行動の記録 に基づ く分析無 し)プ レ、ポス トで同一の標 的行動の記録 を行 つていない
3事
例全 てが、第2セ
ッシ ョン時 に事例検討会(第 1セッシ ョン)の後 の支援 の結果 についての記述式 の質問紙 を提 出 した。支 援 の結果 の記述報告か ら、3事
例全 てにおいて対象園児 に改善が見 られた ことが報告 された(Table 5‐2‐4)。 なお、個 々の事例 についての支援及びその結果 については、付録 に記載 した。
2‑3‑5日 各事例 に対す る支援の効果(標的行動の記録 に基づ く分析有 り)
プ レ、ポス トにおいて同一の標 的行動の記録 を行 つた
7事
例 について、参加者 の質問紙 に よる記述の報告及び、標的行動 の記録 を基 に支援 とその結果 についてま とめた。#1…
2の
支援 とその結果 #1‐2の
取 り上 げた行動 は、「(参加者 を)蹴つた り、叩いた りす る」で あった。事例検討会後 の支援 として、対象園児 が叩いた り、蹴 った りす る と、参加者 が は つき りと拒絶 し、その場 を離れ た こと、対象園児へ のかかわ りは対象 園児 が困つてい る 時 な どに声 を掛 け る程度 に した ことを報告 した。支援 の結果 として、対象園児 が、参加者 を叩いた り、蹴 つた りす る事がな くなった ことを報告 した。
Figure 5‐2‐1には、#1‐
2の
標 的行動 の記録 を示 した。#1‐2は
、標 的行動 の記録 と して、午前 と午後 の
2つ
の場面において対象園児 が叩 くあるいは蹴 る行動 を行 つたか否かを記録 した。標的行動 の生起率 を、生起 した場面数/記
録 を行 つた場 面数 ×100と い う数式 に よ り 算 出 した。縦軸 は叩 くあるい は蹴 る とい う行動 の生起率 を示 した。横軸 は観 察 を行 つた 日 付 を示 した。Figure 5‐2‐1か
ら、事例検討会前 と比べて、事例検討会後 には標 的行動 の生起 率 が減少 してい ることがわか る。 この結果 は、事例検討会後 の支援 が有効 な ものであった こ とを示 してい る。丁able 5‑2‑4
例 検 討 会 にもとづく支 援 の
改善の報告
報告 内容
#1‑1
報告有 り#1‑3
報告有 り欲求を伝えにくることが 多くなつた、噛みつきや午前睡がほぼなくなつた等 欲求を伝えにくるこ
「かして」「いいよ」1
―ヽOLこ 刀`:夕ヽ4よつ7二、‖凶 の
「
ジ ごT守・月uFIπ いよ」等の言葉が保育士と一緒なら出た等