1pt 20 10 0
プレ
ポスト
Figure 3‑4‑1.プ レ
,ポ
ス トにおける対象園児に対する支援方法の回答率(%).一 適切行動へ の言語 称賛
一 不適切 行動へ の注 目の除去
4‑3‑6.参
加者か ら助言 を受 ける立場の保育士対象の質問紙参加者 か らの助言 に関 しては、12名 中 11名 の保育士が参加者 か ら支援 に関す る助言 を受 けた と回答 した(91。6%)。 助言 を受 けた保 育士が評定 した助言 の有効性 の平均 は 5。7 り
=
1.35)で、1名の回答者 が2と回答 し、それ以外 の回答者 は
5以
上の数値 を回答 した。話 し 合 いの際のABC観
察記録 の使用 に関 しては、12名中8名
の保育士が参加者 による話 し合 いの際の記録 の使用 を報告 した(66.7%)。 使用 を報告 した保育士の話 し合 いの際の記録使用 の有効性 の評定値 の平均 は5.6("=0。
3)で、4(どち らで もない)以下の回答 を行 う者 はいな かつた。ABC観
察記録 の実施 について も、12名 中8名の保育士が記録 を実施 した と報告 し た(66。7%)。 実施 を報告 した保 育士によるABC観
察記録 の実施 の有効性 の評定値 の平均 は4。6 り=1.6)で、記録 を実施 した8名中4名の保育士が
4以
下の値 を回答 し、2と3の
回 答 を行 う者 も 1名 ずつ あった。ABC観
察記録実施 の負担感 の評定値 の平均 は4。9 り=1。 8)で、8名中5名の保育士が
5以
上の値 を回答 した。ABC観
察記録 の実施 の有効性 の評定値が2で
あった保 育士の他 の回答 を見 る と、参加者 か らの助言 の実施 の有無 については 12名 の回答者 の中で唯一「よくわか らない」と回答 し、ABC観
察記録 を使 った話 し合 い も 「実施 され なかった」 と回答 した。 また、改善点及び困 難 だ った点 として、「通常業務 が忙 しい上 に+α の仕事 になるのはつ らかつた。 自分(私)が必要 だ と思 うよ うなア ドバイスが得 られ なかった。研修参加者 が どんな研修 を受 けたのか わか らないので、改善が必要 な点 もわか らない。」 ことを報告 し、記録 の負担感 も 7と 評価 していた。記録 の実施 の有効性 の評定値 が
3で
あつた保育士の他 の回答 を見 る と、参加者 か らの助言 の有効性 は6、 話 し合いの際のABC観
察記録 の有効性 は 5と 評定 していた一方 で、改善点及び困難 だった点 として、「ABC分
析 シー トの記入 の仕方 を私 自身 がなかなか理 解 で きず、研修参加者 に説 明 を求 めた りして しまった。」 ことを報告 した。 また、記録 の負 担感 については 5と 評価 していた。本研修 の良か った点及 び役 立 った点 と しては、多 くの保 育士が、参加者 か らの助言や 、 参加者 と一緒 に支援 を考 えた ことが役立った と報告 した(「対象園児 に対 しての対応 の仕方 、
102
支援 の程度 な ど手 さぐ り状態的な ことが多 くあったのです が、研修 に参加 され た先生 よ り、
様 々な助言 を頂 いた こ とに よ り、接 し方 の見通 しがつ き、大変役 立 ちま した。」等)。
ABC
の記録 については、
2名
の保 育士が支援 の話 し合いに有効であることを報告 した(「 日頃か ら、対象 園児 について気 にな るこ とや対応 が難 しい と思 うこ とが多 々あつたので、文章的 に書 くこ とによ り、記録 として残 つた り、対応 の仕方 をクラスの担任 の中で話 し合 いやす か つた。」等)。 なお、 この報告 を行 った2名
の保育士は、ABC観
察記録 の実施 の有効性 を それ ぞれ 7と6と
評定 していた。他 にも、巡回相談 の実施 を役 立った点 として報告す る者 もあつた(「直接先生(講師)が来園いただ き気 にな る対象園児 を見ていただいて、助言いた だいた事 をす ぐに行動 に移 し、できる所(環境 の改善)などで効果 を上げ、接 し方 に も少 しず つ 自信 を持て る様 にな りま した。」等)。改善点及 び困難 だった点では、
ABC観
察記録 の有効性 と合 わせ て実施 の困難 さが報告 さ れ た(「今 回 A・ B・C記
録 を付 け られ なかったのです が、あの時 こ う言 つて こ うなった と い う事が 日々多 くあ り、毎 日に追われ記録 できず にいま したが、 とて も効果 がある様 に思 い ます。気づいた時 に簡単 にで も記録す るよ うにできた らと思いま した。(担任 一人 で今 の 状態 では、なか なか困難 な よ うな気 も します が)。」等)。 また、 日常の保育業務 の忙 しさの た めに話 し合い を行 うことが困難 であることも報告 され た(「保 育が忙 しくなかなか研修参 加 の先生 と話 し合 う時間がゆつ く り取れ ないのが最大の悩みです。」)。 他 には、1つの園か ら複数 の保 育士の参加 が可能 な機会の設定 を改善点 として報告す る者 もあつた(「主任 の先 生 だ けでな く、担 当の先生 も研修 に参加 し、他 の園の先生達 と、情報交換が直接 出来た ら、よ り良い もの とな る と思 う。」)。
4‑3‑7口 保育士 ファシ リテー ター対象の質問紙
フ ァシ リテー ターの経験 が 自身 の園での支援 に役 立つ ものか及び、保育士へ の相談、助 言 に役 立つ ものか、また フ ァシ リテー ター の経験 は他 の保 育士 に とつて も役 立つ ものか と い う
3項
目全 て に対 して、3名 とも 6と 回答 した。研修全体の感想・ コメン トでは、ファシ リテー ターの経験 が、以前 に受講 した研修 プ ログラムの内容 の さらな る理解 につながったとい う報告があった(「昨年 この研修 を受 け させ ていただいた時の ことを思い出 しなが ら、
自分 に とって も支援 を考 えてい く時 のステ ップ を再認識 した り学習す る機 会 とな りま し た。」等)。
4‑4口 考 察
本研 究では、主任保育士等 の指導的立場の保育士に対 して
ABC観
察記録 機 能的アセス メン ト)を含む応用行動分析 に基づ く研修 プ ログラムを実施 し、研究 1‐3と同様 に、参加者 に対す る質問紙調査及び、参加者 か ら助言 を受 ける立場 の保育士 に対す る質 問紙調査 を実 施 し、保育所 内への効果 を検討 した。また研究 1‐3と 同様 に、保育士 ファシ リテー ター を導 入 した。 これ に加 えて、 ファシ リテー ター対象 の質問紙調査 を実施す ることに よって、 フ オ ロー ア ップのプ ログラム となる可能性 について も検討 を行 つた。本研修 プ ログラムでは、研 究 1‐3と 同様 のプ ログラムを実施 したが、行動 の後の対応 に関す る内容等 について一部構 成 内容 の変更 を行 った。
本研 究の結果 、適切 な行動 に対す る言語称賛 を報告す る参加者 の割合 が研修 プ ログラム の受講後 に増加 したが、いずれ も有意 なものではな く、研究 1‐3と 同様 の もの となった。ま た、注 目の除去 に関す る回答 を行 う参加者 の割合 は、研修 プ ログラムの受講前後で変化 が なか った。 これ らの結果か ら、本研 究で行動 の後 の対応 について行 つた変更 は、研 究 1‐3 で十分ではなかった行動 の後 の対応(強化、消去)の向上 を改善す るものではなかった。今後 の研 究 においては、強化、消去 といった行動の後の対応 の向上 をもた らす研修 プ ログラム の さらなる改善が必要である。
これ までの研 究では、対象 園児 に対す る支援行動 と して、参加者及び他 の保 育士 に よる 支援行動 を質 問紙 によって測定 してきた。対象園児 に対 して、研修 プ ログラムに基づ く支 援 が提供 され る場合 、参加者 か らの直接支援 と、参加者 か ら助言 を受 けた他 の保 育士か ら の支援 によって実現 され る。研修 プ ログラムの効果 をよ り正確 に検討す るために、今後 の 研 究 においては、 この参加者 の直接支援 と、他 の保育士の支援行動 に影響 を与 える参加者
104
の助言 について、それ ぞれ測定す ることが望 まれ る。参加者 か らの助言が機能 してい る場 合 には、他 の保 育士の支援行動 に改善が見 られ るこ とが予想 され る。他 の保 育士の支援行 動 については、 これ まで直接検討 していないため、今後 の研 究で この点 について扱 う必要 が あ る。具体的には、実際の園での支援行動 の行動観察 を挙げることができる。
また、 これ までの研 究では対象園児 に対す る支援 について検討 して きたが、支援 による 対象 園児 の行動変容 については検討 を行 つていない。今後 の研 究では、複数 の観 察者 に よ る行 動 観 察や 、研 修 参加 者 あ るい は他 の保 育 士 に よる標 的行動 の記録(McClean et al。 ,
2005)に よつて対象園児 の行動変容 について検討す る必要がある。
フ ァシ リテー ターヘ の質問紙 の結果 か ら、本研修プ ログラムにお けるファシ リテー ター の経験 は、研 究 1‐3と 同様 、ファシ リテー ター 自身の学習 を促進す るものであることが示唆 され た。 ここか ら、 ファシ リテー ターの機 会の設定 は、プ ログラムで習得 したスキル の維 持 、向上 のた めの フォ ローア ッププ ログラムの一つ として有効 であることが示唆 された。
助言 を受 け る立場 の保 育士 に対す る質 問紙調査 の結果 、研修 に基づ く参加者 か らの支援 に関す る助言及び話 し合いの際の
ABC観
察記録 の使用 は、研 究1‐3と 同様 に、他 の保 育士 か ら高い評価 を受 けてい るこ とがわかった。 また、巡回相談の有効性 についての報告 も見 られ た。 これ らの結果 は、研修 プ ログラムの効果 は、参加者 だけでな く、参加者 が助言 を 行 う他 の保 育士 に対 して も効果 を もた らしてい ることを示唆す るものであった。 この一方 で、ABC観
察記録 の 自身 での実施 については、他 の保育士の半数 が どち らで もないまたは 有効 でない とい う評価 を行 つた。ABC観
察記録 の実施 が有効 でない と回答 した2名の保 育士 について他 の調査結果 を検討 した ところ、1名 の保育士は研修参加者 か ら有効な助言 を受 けていない ことや話 し合いの際 にABC観
察記録 を使 つてい ない ことを報告 した。 これ に対 して、ABC観
察記録 の実施 を 研 修 の良か つた点 として報告 した保 育士では、記録 が話 し合 いに役 立つ ものであった こと を報告 していた。 これ らの結果か ら、他 の保育士がABC観
察記録 を実施す る場合 は、その 実施 と合 わせ て記録 を基 に話 し合 い を行 うことが重要であることが示唆 され る。保育士の記録行動 は、記録 をす るこ とによる子 どもの行動 の理解や 、有効 な支援方法 の立案 に よつ て、強化 され る と考 え られ る。研修 を受講 していない他の保育士が、 この よ うな強化 を受 けるためには、研修参加者 との話 し合 いが必要であることが予想 され る。今後 の研究では、
研 修参加者 と他 の保育士 との話 し合 いが促進 され る仕掛 けをプ ログラムの中に導入す るこ とが望 まれ る。 この点 については、参加者 が他 の保 育士 と話 し合 い を行 うこ とを参加者 の 課題 として設 定 した り、話 し合いの内容や要点 を具体的に提示す るな どの工夫 が考 え られ
る。 これ らの改善は、対象園児 に対す る支援 の向上 に もつなが ることが予想 され る。
自身 の記録 の実施 が有効でない と回答 した残 りの
1名
については、記録 の実施方法がわ か らなかった とい うことを報告 した。 この点については、研修参加者 が、他 の保育士 に記 録 方法 につ いての助言 を行 うことを促進す る仕掛 けが必要 である。参加者 の記録方法 の習 得 を高 め る こ とがその一つ である考 え られ るため、研修受講 中に記録 に対す るフィー ドバックを行 うな どの工夫が考 え られ る。
106