3. LP ガス市場の現状
6.2 石炭の商品デリバティブ取引の可能性の検討
96
97
・数量ヘッジ―現物デリバリーを伴う普通の先物取引
③ スペキュレイト・マーケットを作る― 一般投資家、金融業者、ペーパー トレーダーの参加
【輸入市場】
・制度設計の検討
(フィジカルな現物取引なのか、ファイナンシャルなペーパー取引なのか。)(フィジ
カル取引を目指すことは非常に困難を伴う)(電力、LNG、原油、石炭の先物市場に おいて、スパーク・スプレッドを作っていくための石炭の先物市場)(現物の受け渡 しがないペーパー取引のnon-deliverable forward marketにするか)(スワップスの マーケットをつくるか)(OTCかFuturesか―どの石炭価格インデックスとするか)
(石炭インデックスは、グローバルコールのニューキャッスル積み価格インデックス が圧倒的に採用されている。)(アーガス-マクロスキーのAPI指標が石炭の価格指標 としては、まだ一番信頼されている。)
・商品設計の検討
(取引単位を大きくして、現物ヘッジをし易くする)(日本着(CFR Japan)ベース とするのか)(日本の石炭需要家の認識はFOB ベースであり、CFR Japanには違和 感を覚えている)
・既存の先物(スワップ)マーケットの存在
(既にアーガス・マクロスキーやグローバルコールのスワップスがあり、今更マーケ ットを作っても意味がない)
・先物ヘッジの必要性
(電力会社が山元と長契で購入している石炭について、先物市場でヘッジをするニー ズがあるのか)(電力自由化、燃料費調整制度の今後の展開では、ニーズが出てくる 可能性あり。)(東京商品取引所TOCOMのフューチャーズにするにも時間が掛かる)
【国内市場】
・TOCOM に石炭先物市場を作るのなら、国内のコールセンターに着いた石炭を小分 けにして先物取引をする国内マーケットであろう。
(3)石炭の商品デリバティブ取引の可能性の検討
―石炭の上場における課題と今後の取組み―
国内企業および海外企業の石炭の先物市場への上場に向けた見解では、まず、その先 物市場の目的を明確にすることが求められている。
今回の調査目的にもある、電力システム改革の進展により、料金規制の撤廃等が進めば、
燃料価格のヘッジのための燃料の先物取引ニーズが高まり、リスクヘッジが必要となり、
我が国企業の燃料の安定的な調達に資することを目的とするならば、それは価格ヘッジの ための先物市場である。ペーパー取引による価格ヘッジとするか、現物を伴う先物取引で
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ある物・数量のヘッジとするか、または、両方の取引が可能とするかなど検討が必要であ る。
輸入市場に関しては、先物市場への参加者数に関する懸念が指摘され、次に、既存の 先物(スワップ)マーケットが存在し、今更マーケットを作っても意味がないとの指摘 もある。それでも、東京での石炭の上場を目指すためには、既存の先物取引市場とのよ り魅力ある差別化が必要になってくる。
国内市場に関しては、石炭の上場に向けた見解があまり見られないが、TOCOM に石 炭先物市場を作るのなら、国内のコールセンターに着いた石炭を小分けにして先物取引 をする国内マーケットであろうという指摘がある。
これらの指摘事項および平成20年に「世界の石炭市場の現況と市場の変化がアジア 太平洋市場に与える影響に関する調査」(NEDO)において検討された事項を踏まえて、
石炭の輸入市場および国内市場に関する課題と今後の取組みの方向性を以下に記す。
【石炭の輸入市場】
課題:
① 輸入価格が国内需給を反映した価格形成になっていない。
② 先物市場の必要性と目的
③ 現金決済型または現物決済型等の制度設計
④ FOBベースまたはCIFベース、基準石炭等の商品設計
輸入先、船型でCIF日本の価格が異なり、国内全体を代表し得ないという見方。
⑤ 既存の先物市場との差別化と予想参加者の少なさ 今後の取組み:
① 市場創設による実需家の参加で需給を反映した価格を形成し、輸入価格決定に影響 を与える。
② 先物市場の必要性の確認と目的の明確化(ヘッジのための先物市場)
③ 石炭産業界、関係者において、採用価格指標または新取引価格指標の研究、適用 の検討。
④ 制度設計、商品設計の具体的検討
⑤ 既存の先物市場に勝る差別化と市場参加者増の方策の検討
【石炭の国内市場】
課題:
① 国内需給を反映した輸入価格形成になっていない。
② 先物市場の必要性と目的
③ ユーザーの専用船がフリーに入港して受渡しできる受渡地点(コールセンター)
99 の整備
④ 当業者のヘッジニーズの有無
-燃料費調整制度の動向と電力会社の動き
-国内一般産業のヘッジニーズ
-商社のリスクヘッジ先としての国内デリバティブ市場のニーズ
⑤ 当事者の利用があるか
-電力会社の輸入一般炭の余剰分の販売による在庫調整の市場としての利用 -小口ユーザーの現物決済型のデリバティブ市場への参加
-商社の相対取引でのリスクカバーに加え、海外市場との裁定取引による収益の 可能性。
今後の取組み:
① 大口、小口ユーザーが共に参加できるように設計し、一般産業も含めた国内一般 炭ユーザーの需給を一般炭価格に反映させる。
② 先物市場の必要性の確認と目的の明確化
③ 受渡地点(コールセンター)の整備による国内流通の活性化
④ 当事者のヘッジニーズの確認と当事者による国内先物市場利用の確認
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石炭、ガス市場(デリバティブ)関連調査報告書一覧
報告書名 年月 作成者 URL
1LPガスの先物上場検討のための基本調査
報告書 H17.12
東京工業品取引所/
中部商品取引所/日 本エネルギー経済研 究所
要約版:
http://eneken.ieej.or.jp/data/pdf/1270.pdf
2世界の石炭市場の現況と市場の変化がア
ジア太平洋市場に与える影響 H21.3
NEDO/
日本エネルギー経済 研究所
http://coal.jogmec.go.jp/result/docs/007.
3世界の石炭市場の現況と市場の変化がア
ジア太平洋市場に与える影響(PP) H21.9 日本エネルギー経済
研究所 http://eneken.ieej.or.jp/data/2781.pdf
4
平成21年度石油製品需給適正化調査(石 油ガス市況調査)平成21年度海外LPガス 価格調査報告書
H22.3
資源エネルギー庁/
日本エネルギー経済 研究所石油情報セン ター
http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/201 0fy01/0020761.pdf
5アジアの石油流通の現状及び価格形成メカ
ニズム調査 H23.1 日本エネルギー経済
研究所 http://eneken.ieej.or.jp/data/3599.pdf
6
平成22年度商取引適正化・製品安全に係 る調査研究,我が国の商品先物市場の活性 化に関する調査
H23.3
経済産業省/
三菱UFJリサーチ&コン サルティング
http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/201 1fy/E001781.pdf
7
平成22年度商取引適正化・製品安全に係 る調査研究「商品先物取引に関する委託者 等の実態調査」
H23.3 経済産業省/リサーチ ワークス
http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/201 1fy/E001804.pdf
8
平成23年度石油産業体制等調査研究「国 際原油市場を取り巻く環境と価格形成に影 響を与える諸要因に関する調査」
H24.3
資源エネルギー庁/
日本エネルギー経済 研究所
http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/201 2fy/E002709.pdf
9
平成23年度石油産業体制等調査研究「ア ジア・太平洋及び大西洋市場の天然ガス需 給動向調査
H24.3
資源エネルギー庁/
日本エネルギー経済 研究所
http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/201 2fy/E002492.pdf
10
平成23年度商取引適正化・製品安全に係 る調査研究「商品先物取引に関する委託者 等の実態調査」
H24.3 経済産業省/リサーチ ワークス
http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/201 2fy/E002428.pdf
11
平成23年度商品取引適正化・製品安全に 係る事業「諸外国におけるデリバティブに関 する制度の調査研究」
H24.3
経済産業省/
三菱UFJリサーチ&コン サルティング
http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/201 2fy/E002235.pdf
12東日本大震災後の電力用石炭需給 H24.6 日本エネルギー経済
研究所 http://eneken.ieej.or.jp/data/4387.pdf
13
平成24年度石油産業体制等調査研究「原 油価格形成メカニズムの変容と金融要因分 析調査研究」
H25.2
資源エネルギー庁 三菱UFJリサーチ&コン サルティング
http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/201 3fy/E003568.pdf
14アジア・太平洋及び大西洋市場の天然ガス
需給動向調査 H25.3 経済産業省/みずほ
情報総研
http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/201 3fy/E003425.pdf
15
非在来型石油・天然ガスの生産拡大による 需給構造や産業構造への影響に関する調 査
H25.3 資源エネルギー庁/
AT Kearney
http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/201 3fy/E003426.pdf
16
2012年海外主要金融先物市場の現状…
―出来高減少・店頭デリバティブ取引規制
―
H25.3 金融先物取引業協会 http://www.ffaj.or.jp/userfiles/file/pdf/kai hou/h25/ffaj-kaihou96-i.pdf
17
2013年海外主要金融デリバティブ市場の現 状―金利先物の出来高増加・最終段階の 規制改革―
H26.3 金融先物取引業協会 http://www.ffaj.or.jp/userfiles/file/pdf/kai hou/h26/ffaj-kaihou100-i.pdf
18
平成25年度商品取引適正化・製品安全に 係る事業「LNGの取引・市場に関する調査 研究」
H26.3 経済産業省/野村総 合研究所
http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/201 4fy/E004272.pdf
19
平成25年度石油産業体制等調査研究「ア ジア・太平洋及び大西洋市場の石炭需給動 向調査」
H26.3
資源エネルギー庁/
日本エネルギー経済 研究所
http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/201 4fy/E003834.pdf
20
平成25年度石油産業体制等調査研究「ア ジア・太平洋及び大西洋市場の天然ガス需 給動向調査」
H26.3
資源エネルギー庁/
日本エネルギー経済 研究所
http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/201 4fy/E004182.pdf
21平成25年度国際石油需給体制等調査「天 然ガス・LNG市場のあり方に関する調査」 H26.3
資源エネルギー庁/
日本エネルギー経済 研究所
http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/201 4fy/E004368.pdf
22
平成25年度商品取引適正化・製品安全に 係る事業「国内外におけるデリバティブに関 する制度の調査」
H26.3
経済産業省
三菱UFJリサーチ&コン サルティング
http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/201 4fy/E004271.pdf
23
平成25年度石油産業体制等調査研究「国 際原油市場を取り巻く環境と価格形成に影 響を与える諸要因に関する調査」
H26.3
資源エネルギー庁/
日本エネルギー経済 研究所
http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/201 4fy/E004047.pdf
参考資料: