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第2章 カナダ・日本における建築物総合環境性能評価システムと

2.3 省エネ法と建築物総合環境性能評価システム

歴史的な背景をみると,カナダ・日本における多くの自治体において,商業ビル 等の大規模建築物に対する何らかのエネルギー消費量の提示はなされてきた。現在,

建築物総合環境性能評価システムの発展と自治体への提出要求の必要性とともに,

各国の省エネルギー法は,建築物総合環境性能評価システムにおけるエネルギー消 費量のベンチマークを決定するうえで密接な関係を持っている。

2.3.1 ASHRAE・NECBとLEED

2003年のCaGBC(Canada Green Building Council)発足以来,LEED Canadaにおい てASHRAE90.1とNECB(National Energy Code For Buildings)は,エネルギー消費 量の評価におけるベンチマークとして採用されている。一般に,LEEDにおけるNECB によるエネルギー消費量評価基準は,ASHRAE90.1と比較して厳しいとされている。

そのため,建築家,機械技師,デベロッパー等は,ASHRAE90.1を使用すケースが多 い。表2.3-1,2に示すように,LEEDにおけるASHRAE90.1とNECBのエネルギー消費量の 評価は,“ENERGY AND ATMOSPHERE”の“Prereq 2-Minimum Energy Performance”

及び“Credit 1-Optimize Energy Performance”で使用される。それぞれのエネル ギー消費量の評価特徴を下記に記す。

NECB(National Energy Code For Buildings)

基準建築物と比較し,新築において23%,改築において19%のエネルギー消 費量における金額の低減率を示す。

基準建築物におけるエネルギー消費量に関する金額は,シュミレーションモ デルによって提示される。

計画建築物はNECB 1997のエネルギー建築基準をすべて満足す必要がある。

ASHRAE 90.1-2007, Energy Standard for Buildings Except Low-Rise Residential Buildings

基準建築物と比較し,新築において10%,改築において5%のエネルギー消費 量における金額の低減率を示す。

基準建築物におけるエネルギー消費量に関する金額は,ASHRAE 90.1-2007の 推奨しているシュミレーションモデルによって提示される。

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計画建築物はASHRAE 90.1-2007のエネルギー建築基準をすべて満足す必要が ある。特に,運用エネルギー消費量に関する消費金額との関わりを明確に提 示する。

2.3.2 省エネルギー基準とCASBEE

CASBEEの“LR1エネルギー”における“1.建物の熱負荷抑制”及び“3.設備シス テムの高効率化”においてエネルギー評価は,省エネルギー基準を用いて行われて おり,2014年度における省エネルギー基準の改定により,CASBEE(2014年度版)も新 しい省エネルギー基準によって評価されている。省エネルギー基準を用いての評価 は大きく分けて非住宅と住宅建築物に大きく分けられる。“1.建物の熱負荷抑制”

及び“3.設備システムの高効率化”によるエネルギー評価の詳細を下記に示す。

建物の熱負荷抑制

表2.3-3に示すように,非住宅は省エネルギー基準で扱う性能基準(PAL*値)を 年間熱負荷の基準BPIに換算し評価する。

BPI= 設計PLA*/基準PAL*

なお,延床面積5,000㎡以下の新築建物に関しては,モデル建物法による年間熱負荷 の基準BPIm1)で評価可能である。住宅では,省エネルギー基準及びこれらの基準を用 いた品確法における日本住宅性能表示基準(平成26年2月改正)に従い,外皮の熱性 能を「建物外皮の熱負荷抑制」の項目において評価を行う。また,住戸毎に省エネ

表 2.3-1 必須項目における ASHRAE90.1 及び NECB におけるエネルギー消費量の評価

ASHRAE90.1 NECB

新築 改築 新築 改築

10% 5% 23% 19%

出典:CGBC(文献 4)

表 2.3-2 エネルギー改善における ASHRAE90.1 及び NECB におけるエネルギー消費量の評価

ASHRAE90.1 ポイント NECB ポイント

新築 改築 新築 改築 新築 改築 新築 改築

12% 8% 1 3 25% 21% 1 3

14% 10% 2 4 27% 23% 2 4

16% 12% 3 5 28% 25% 3 5

18% 14% 4 6 30% 27% 4 6

出典:CGBC(文献 4)

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ルギー基準が異なる場合は,各々該当レベルの等級の住戸数按分にて評価してよい とされている。

1)BPI(Building PAL* Index)とは2013 年の省エネ法改正に伴い設けられた年間負荷係 数PAL*により算出される年間熱負荷の基準。従来,1. 建物外皮の熱負荷抑制において用い られてきたPAL 低減率と同様にPAL*低減率を定義すると,BPI は下記のように表される。

出典:CASBEE(文献 5)

表 2.3-3 CASBEE におけるにおける BPI を用いたエネルギー消費量の評価

用途 事・学・物・飲・会・病・ホ

[BPI]での評価

1~7 地域 8 地域

レベル 1 レベル 1:[BPI]≧1.03 レベル 2:[BPI]=1.00 レベル 3:[BPI]=0.97 レベル 4:[BPI]=0.90 レベル 5:[BPI]≦0.80 なお、各レベル間は BPI により、小数点一

桁までの直線補間で評価する

レベル 1:[BPI]≧1.03 レベル 2:[BPI]=1.00 レベル 3:[BPI]=0.97 レベル 4:[BPI]=0.93 レベル 5:[BPI]≦0.85 なお、各レベル間は BPI により、小数点一

桁までの直線補間で評価する レベル 2

レベル 3 レベル 4

レベル 5

モデル建築法[BPI]での評価

(建築物全体の床面積の合計が 5,000m²以下の場合

レベル 1 1.00 <[BPIm] 1.00 <[BPIm]

レベル 2 0.97 <[BPIm]≦1.00 0.97 <[BPIm]≦1.00 レベル 3 0.90 <[BPIm]≦0.97 0.93 <[BPIm]≦0.97

レベル 4 [BPIm]≦0.90 [BPIm]≦0.93

レベル 5 (該当するレベルなし) (該当するレベルなし)

用途

レベル 1 日本住宅性能表示基準「5-1 断熱等性能等級」における等級1に相当 レベル 2 日本住宅性能表示基準「5-1 断熱等性能等級」における等級2に相当 レベル 3 日本住宅性能表示基準「5-1 断熱等性能等級」における等級3に相当

レベル 4 (該当するレベルなし)

レベル 5 日本住宅性能表示基準「5-1 断熱等性能等級」における等級4に相当

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3.設備システムの高効率化

省エネルギー基準に規定される各設備システムの一次エネルギー消費量で評価す る場合に適用する。BEI値は(Building Energy Index)平成25年省エネルギー基準 における設備システム全体の一次エネルギー消費量の計算結果を準用した統合的な 指針であり,基準となる設備システムの一次エネルギー消費量に対し,設計した設 備システムにおける一次エネルギー消費量の消費割合を表すものである。