治験課題名:
YM178
の薬物動態試験 -YM178 OCAS錠の薬物動態の用量比例性の検討-治験責任医師名:
治験実施医療機関:1施設
公表文献:未公表 治験期間:2カ月
治験開始日:20 年 月 日 治験終了日:20 年 月 日
開発のフェーズ:
第
I
相 目的:主要目的:
非高齢健康成人男性を対象とし,同一被験者に
YM178 OCAS
錠25 mg,50 mg,100 mg
を低用 量から順次単回経口投与したときの薬物動態における用量比例性の検討副次的目的:
YM178
の安全性及び忍容性の検討治験デザイン・治験方法:
本試験は,非高齢健康成人男性を対象とした単回投与非盲検用量漸増試験である。本試験は
3
期から成り,各期においてそれぞれYM178 OCAS
錠25 mg
(第1
期),同50 mg
(第2
期),同100 mg
(第
3
期)が単回投与された。第1
期と第2
期,第2
期と第3
期のそれぞれの治験薬投与日の間 隔は少なくとも12
日間とした。目標被験者数:12例
【設定根拠】
YM178 OCAS
錠の薬物動態の用量比例性の検討に十分な例数と考えられた。診断及び選択・除外基準:
選択基準
以下の基準をすべて満たした被験者を本治験の対象とした。
1.
性別:男性2.
年齢(同意取得時):20歳以上45
歳未満3.
体重(スクリーニング検査時):50.0 kg以上80.0 kg
未満4. BMI(スクリーニング検査時):17.6
以上26.4
未満5.
スクリーニング検査及び第1
期入院から投与直前までに得られた診察(自覚症状,他覚所 見),全ての検査の結果から治験責任医師又は治験分担医師が健康であると判断できる者6.
被験者本人から文書による同意が得られている者除外基準
以下の基準のいずれかに抵触した被験者は本治験の対象としなかった。
1.
スクリーニング検査前120
日以内に,他の治験又は製造販売後臨床試験において投薬を受け た者2.
スクリーニング検査前90
日間に400 mL
の全血採血,30日間に200 mL
の全血採血又は14
日間に成分献血を実施した者3.
第1
期入院日前7
日間に,薬剤投与を受けた者又は薬剤投与予定のある者れかに抵触した者
なお,各種検査の基準範囲は実施医療機関又は検査・測定機関の基準範囲とする。
①血液学的検査:
基準範囲の上下限の±20%を逸脱した者
ただし,白血球数が基準値内であれば分画個々の値は問わない。
②血液生化学検査:
・
AST,ALT,クレアチニン(Cre)及び血清電解質は,基準範囲を逸脱した者
・ 上記以外の項目は,基準範囲の上下限の±20%を逸脱した者
ただし,下限値の逸脱が臨床的に問題はないと考えられるもの(AST,
ALT,γ-GTP,
総ビリルビン(T-Bil),ALP,LDH,CK,総コレステロール(T-Cho), 尿素窒素(BUN),Cre,尿酸(UA))は下限を設定しなかった。
③尿検査:
・ 各定性検査項目で基準範囲を逸脱した者
・ 尿中薬物検査(ベンゾジアゼピン類,コカイン系麻薬,覚せい剤,大麻,バルビツー ル酸類,モルヒネ系麻薬,フェンシクリジン類,三環系抗うつ剤)で陽性となった者
④免疫学的検査:
HBs
抗原,抗HCV
抗体,梅毒,HIV抗原及び抗体の各検査において陽性となった者6.
薬物アレルギーの既往を有する者7.
第1
期入院前7
日間に上部消化器症状(悪心,嘔吐,胃痛等)を発現した者8.
肝疾患(ウイルス性肝炎,薬物性肝障害等)の合併又は既往を有する者9.
心疾患(うっ血性心不全,狭心症,治療を要する不整脈等)の合併又は既往を有する者10.
呼吸器疾患(重篤な気管支喘息,慢性気管支炎等)の合併又は既往を有する者(ただし,小児期の喘息の既往は除く)
11.
消化器系疾患(重篤な消化性潰瘍,逆流性食道炎等)の合併又は既往を有する者(ただし,虫垂炎の既往は除く)
12.
腎疾患(急性腎不全,糸球体腎炎,間質性腎炎等)の合併又は既往を有する者(ただし,結 石の既往は除く)13.
脳血管障害(脳梗塞等)の合併又は既往を有する者14.
悪性腫瘍の合併又は既往を有する者15.
β受容体刺激薬に対する薬物過敏症を有する者16.
日常的な飲酒量,喫煙量が過度である者(過度の目安;飲酒:アルコール量として
45 g/日(ビール大ビン 1
本で25 g,日本酒 1
合 で22 g
のアルコールを含有),喫煙:20本/日)17. YM178
の投与歴のある者18.
治験依頼者,本治験に関係するCRO
又は実施医療機関に雇用されている者19.
その他,治験責任医師又は治験分担医師により不適当と判断された者 治験薬,投与量及び投与方法:1.
治験薬YM178 OCAS
錠25 mg(ロット番号:08113C)
YM178 OCAS
錠50 mg(ロット番号:08053G)
2.
投与量及び投与方法水
150 mL
とともに朝9
時(目安)に空腹時経口投与(第1
期:25 mg錠1
錠,第2
期:50 mg 錠1
錠,第3
期:50 mg錠2
錠)した。評価期間:
評価項目,評価スケジュール及び評価基準:
1.
薬物動態の評価●
YM178
未変化体の血漿中濃度2.
安全性の評価● 有害事象
● バイタルサイン(腋下体温,臥位血圧,臥位脈拍数)
● 臨床検査(血液学的検査,血液生化学検査,尿検査)
● 身体所見
●
12
誘導心電図 統計手法:1.
薬物動態● 解析対象集団:薬物動態解析集団(PKAS)
治験薬が
1
回以上投与され,かつ1
時点以上で血漿中YM178
濃度が測定されたすべての 被験者を薬物動態解析対象集団とした。● 血漿中
YM178
濃度に基づき薬物動態パラメータ(Cmax,tmax,AUCinf,AUClast,Kel,t1/2,CL/F,V
z/F,MRT
inf)を算出した。● 血漿中未変化体濃度及び薬物動態パラメータの要約統計量を投与量別に算出した。
● 対数変換した
C
max,AUCinf及びAUC
lastを用量の対数変換値に対してプロットし,その傾きと
95%信頼区間(CI)を算出した。
2.
安全性● 解析対象集団:安全性解析対象集団(SAF)
治験薬が
1
回以上投与された全被験者を安全性解析対象集団とした。● 有害事象及び副作用の発現率を算出した。有害事象は医薬品規制用語集(MedDRA Version
10.0)を用いコード化し,器官別大分類(SOC)及び基本語(PT)別に度数集計を行った。
● 臨床検査値及びバイタルサインの実測値の要約統計量を算出した。
●
12
誘導心電図について,クロス表を作成した。報告書の日付:20 年 月 日
1.被験者の内訳及び解析対象集団
非高齢健康成人男性
12
例が本治験に登録し,第1~3
期でYM178 OCAS
錠25 mg, 50 mg, 100 mg
がそれぞれ単回投与された。すべての被験者が治験を完了し,全例が安全性及び薬物動態の解析 対象集団(それぞれSAF,PKAS)として採用された。
2.被験者背景
被験者の平均年齢は平均
29.7
歳(最小~最大:22~37歳)であった。2例がアレルギー性鼻炎 を有していたが治験参加には問題なしとされ,組み入れられた。また,12例中11
例(91.7%)は 喫煙歴がなく,6例(50.0%)は飲酒歴がなかった(表2.7.6.8-1)。
表
2.7.6.8-1
患者背景及びベースライン時の基準値:安全性及び薬物動態解析対象集団男性
12 (100.0 %)
性別 女性
0 (0.0 %)
年齢(歳)
平均
± SD
最小– 最大中央値
Q1 – Q3
29.7 ± 5.33 22 – 37
29.5 25.5 – 33.5
身長(cm
)平均
± SD
最小–
最大中央値
Q1 – Q3
168.42 ± 4.328 161.8 – 176.6
168.45 165.45 – 170.55
体重(kg
)平均
± SD
最小–
最大中央値
Q1 – Q3
59.80 ± 4.901 54.9 – 73.1
58.95 56.65 – 61.95 BMI
(kg/m
2)平均± SD 最小
–
最大中央値
Q1 – Q3
21.08 ± 1.309 19.2 – 23.4
20.95 20.30 – 21.65
なし
10 (83.3 %)
既往歴 あり
2 (16.7 %)
なし
12 (100.0 %)
合併症 あり
0 (0.0 %)
なし
11 (91.7 %)
禁煙した
1 (8.3 %)
喫煙歴
現在も喫煙
0 (0.0 %)
なし
6 (50.0 %)
断酒した
0 (0.0 %)
飲酒歴現在も飲酒
6 (50.0 %)
Source:CL-066総括報告書,Table 13.治験薬の曝露
本試験では,
12
例の被験者全員が,各時期においてYM178 OCAS
錠25 mg, 50 mg
及び100 mg
をそれぞれ単回投与された。4.薬物動態
空腹下の被験者にYM178 OCAS錠
25 mg,50 mg及び 100 mg単回投与したとき,血漿中YM178
濃度はいずれの投与量においてもYM178の吸収速度はほぼ同様であり,それぞれ3.6 h, 3.5 h, 3.3 h
でCmaxに到達した。Cmaxは,9.88 ng/mL(25 mg),30.10 ng/mL(50 mg),80.45 ng/mL(100 mg)であった。
C
maxに到達後,血漿中YM178濃度は二相性の消失を示し,t
1/2はそれぞれ32.9 h
(25 mg),31.9 h(50 mg),28.6 h(100 mg)であった(図 2.7.6.8-1,表 2.7.6.8-2)。
全体として,
C
max及び曝露量の指標であるAUC
infは用量比を超えて増加したが,tmax及びt
1/2の 平均値は投与量にかかわらずほぼ一定であった。CL/F及びV
z/F
は用量増加とともに減少する傾 向がみられた。均等目盛表示
25mg 50mg 100mg Mean±SD
Plasma Concentration of YM178 ( ng/mL)
0.00 20.00 40.00 60.00 80.00 100.00
Time (h)
0.0 12.0 24.0 36.0 48.0 60.0 72.0
25mg 50mg 100mg Mean±SD
Plasma Concentration of YM178 ( ng/mL)
0.00 20.00 40.00 60.00 80.00 100.00
Time (h)
0.0 12.0 24.0 36.0 48.0 60.0 72.0
片対数表示
25mg 50mg 100mg Mean±SD
Plasma Concentration of YM178 (ng/mL)
0.1 1.0 10.0 100.0 1000.0
Time (h)
0.0 12.0 24.0 36.0 48.0 60.0 72.0
25mg 50mg 100mg Mean±SD
Plasma Concentration of YM178 (ng/mL)
0.1 1.0 10.0 100.0 1000.0
Time (h)
0.0 12.0 24.0 36.0 48.0 60.0 72.0
図
2.7.6.8-1 YM178 OCAS
錠単回投与後の血漿中YM178
濃度推移(平均 ± SD):薬物動態解析対象集団
平均 ± SD
時間 (h)
血漿中YM178濃度 (ng/mL) 血漿中YM178濃度 (ng/mL)
時間 (h)
平均 ± SD
表
2.7.6.8-2 YM178
単回投与後の薬物動態パラメータ:薬物動態解析対象集団PK
パラメータ 投与量n
平均SD
最小値 最大値 中央値GM CV (%) 25 mg 12 9.88 3.91 3.29 16.42 10.44 9.00 39.59 50 mg 12 30.10 16.80 5.27 53.82 31.42 24.63 55.83 C
max(ng/mL) 100 mg 12 80.45 31.65 15.61 128.76 77.57 72.11 39.35
25 mg 12 3.6 1.0 2.0 5.0 4.0 3.4 27.80
50 mg 12 3.5 0.9 2.0 5.0 3.0 3.4 25.84
t
max(h) 100 mg 12 3.3 1.1 2.0 5.0 3.0 3.2 32.19
25 mg 12 85.56 34.08 29.10 144.82 93.09 77.84 39.83 50 mg 12 229.74 81.25 117.24 370.69 214.94 216.28 35.37 AUC
last(ng
・h/mL) 100 mg 12 577.90 192.95 192.76 888.70 596.23 541.52 33.39 25 mg 12 105.87 40.65 38.33 166.33 118.67 97.00 38.40 50 mg 12 275.34 90.03 145.14 450.94 256.82 261.43 32.70 AUC
inf(ng
・h/mL) 100 mg 12 663.43 213.93 231.51 965.80 686.13 623.77 32.25 25 mg 12 0.0220 0.0046 0.0135 0.0294 0.0219 0.0216 20.82 50 mg 12 0.0224 0.0040 0.0148 0.0273 0.0223 0.0221 17.63 k
el(1/h)
100 mg 12 0.0249 0.0037 0.0162 0.0289 0.0255 0.0246 14.73 25 mg 12 32.9 7.8 23.6 51.4 31.7 32.1 23.57 50 mg 12 31.9 6.3 25.4 47.0 31.1 31.4 19.88 t
1/2(h) 100 mg 12 28.6 5.3 24.0 42.8 27.2 28.2 18.71 25 mg 12 288.36 159.44 150.31 652.16 211.56 257.73 55.29 50 mg 12 202.25 73.77 110.88 344.50 194.69 191.26 36.47 CL/F
(L/h) 100 mg 12 174.43 89.53 103.54 431.94 146.15 160.31 51.33 25 mg 12 13019.68 5892.17 5877.70 25096.53 11314.39 11948.20 45.26 50 mg 12 9325.28 3680.88 5119.92 15256.95 9056.75 8659.11 39.47 V
z/F
(L) 100 mg 12 7049.07 3406.03 3783.44 16908.11 6343.55 6520.16 48.32 25 mg 12 39.61 8.87 30.58 60.96 35.98 38.81 22.38 50 mg 12 38.15 8.69 27.80 60.00 36.96 37.34 22.79 MRT
inf(h) 100 mg 12 31.74 6.67 24.04 46.96 30.25 31.16 21.01
Source:CL-066総括報告書,Table 2用量比例性をパワーモデルで統計解析したところ,
C
max 及び全身曝露量の指標であるAUCinf 及 びAUClastの傾きの95%信頼下限がいずれも 1
を上回ったことから,Cmax,AUCinf及びAUClastは用 量比を超えて増加することが確認された(表2.7.6.8-3)。
表
2.7.6.8-3
用量比例性に関する統計解析:薬物動態解析対象集団95%信頼区間 PK
パラメータ 傾き下限 上限
C
max1.501 1.146 1.856
AUC
inf1.342 1.102 1.583
AUC
last1.399 1.148 1.650
Source:CL-066総括報告書,Table 3
5.安全性
表
2.7.6.8-4
有害事象の発現状況:安全性解析対象集団有害事象 副作用†
投与期 投与量
発現例数
(%)
発現件数 発現例数(%)
発現件数1 25 mg 2 (16.7 %) 2 1 ( 8.3 %) 1
2 50 mg 3 (25.0 %) 4 3 (25.0 %) 4
3 100 mg 0 ( 0.0 %) 0 0 ( 0.0 %) 0
計
4 (33.3 %) 6 3 (25.0 %) 5
† 治験薬との関連性が「多分関連あり」又は「関連あるかもしれない」と判定された有害事象 Source:CL-066総括報告書,Table 5
本試験中にみられた有害事象は,異常感,血中クレアチンホスホキナーゼ増加,血中尿酸増加,
好中球数減少,頭痛及び傾眠であった。程度はすべて軽度であり,いずれも
1
例のみで認められ た事象であった。6件の有害事象のうち,血中クレアチンホスホキナーゼ増加以外の5
件の有害 事象はすべて治験薬投与当日から退院時までの間に発現した。血中クレアチンホスホキナーゼ増 加は治験薬投与日から13
日後に発現し,治験責任医師により治験薬との関連性は「関連なし」と 判定された。発現した有害事象はすべて無処置にて回復した(表2.7.6.8-5)。
表
2.7.6.8-5 SOC
及びPT
別の有害事象及び副作用発現率:安全性解析対象集団有害事象 副作用†
MedDRA/J Version 10.0
器官別大分類(SOC
)基本語(PT)
25 mg 50 mg 100 mg 25 mg 50 mg 100 mg
全身障害及び投与局所様態0 (0.0%) 1 (8.3%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 1 (8.3%) 0 (0.0%)
異常感
0 (0.0 %) 1 (8.3%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 1 (8.3%) 0 (0.0%)
臨床検査1 (8.3%) 2 (16.7%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 2 (16.7%) 0 (0.0%)
血中クレアチンホスホキナーゼ増加1 (8.3%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%)
血中尿酸増加0 (0.0%) 1 (8.3%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 1 (8.3%) 0 (0.0%)
好中球数減少0 (0.0%) 1 (8.3%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 1 (8.3%) 0 (0.0%)
神経系障害1 (8.3%) 1 (8.3%) 0 (0.0%) 1 (8.3%) 1 (8.3 %) 0 (0.0%)
頭痛0 (0.0%) 1 (8.3%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 1 (8.3%) 0 (0.0%)
傾眠1 (8.3%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 1 (8.3%) 0 (0.0%) 0 (0.0%)
† 治験薬との関連性が「多分関連あり」又は「関連あるかもしれない」と判定された有害事象 Source:CL-066総括報告書,Table 6
臨床検査では,個々の検査値は基準値を超える項目もみられたが,平均値全体として臨床的に 意義のある変化は認められなかった。
バイタルサインについては,背臥位の平均脈拍数が投与後